SNSで話題の団子ありマス!行列のできるザ・昭和な横丁が面白い!

2016.10.27 更新

国宝犬山城から南に続く城下町ストリートの中に、昭和レトロな雰囲気の横丁があります。その名もずばり「昭和横丁」。「人と人とのコミュニケーション」をテーマにしているというこの場所の魅力を体験してきました。

▲昭和横丁の「茶処 くらや」(以下、くらや)の看板商品「恋小町だんご」(1本150円・税込~)

入口は狭く、奥に長い、ザ・昭和ストリート!

「昭和横丁」は、2012年4月愛知県犬山市にオープンした商業施設です。入口は狭く見えますが、入るとそこはうなぎの寝床!建物の中の奥行き80mの横丁に15店舗が軒を連ね、一番奥には休憩所があります。もちろん入場無料です!
▲場所は名古屋鉄道犬山線・犬山駅と犬山城のほぼ中間地点(どちらからも徒歩約10分)。お城観光のついでに立ち寄りやすい!
訪れた日は、平日にもかかわらずいきなりの行列!

驚きましたが、これは入ってすぐにある「くらや」に並ぶ行列でした。「くらや」は今回の取材目的のひとつ「恋小町だんご」を提供する、全国区のTV番組でも紹介された話題のお店です。
行列に並ぶのが苦手な筆者は、お楽しみは最後に取っておこうと行列を横目に中に入ります。
「くらや」の隣の「ぱんの村」は、昭和世代の筆者が小学校の給食の中でも特に好きだった揚げパンのお店。給食が揚げパンだった時の嬉しい記憶を懐かしく思い出し、早速ここから食べ歩きを始めます。
筆者が小さい頃に食べた給食の揚げパンと違い、とにかく種類が豊富。
きなこ、シナモン、抹茶、ショコラ、シュガー(各250円・税込)という基本メニューの他、ソフトクリームを挟んだ「あげぱんソフト」(350円・税込)やホイップクリームをトッピングした「ホイップパン」(400円・税込)など多彩すぎて迷います。秋の「マロン」(350円・税込)など季節限定メニューもあるそうです。
筆者は、「犬山ドッグ」に認定されているという「小倉きなこ」(400円・税込)をチョイス。注文すると目の前で揚げてくれるので温かい作りたてを食べられます。小倉あんもホイップクリームも甘すぎず、手もべとつかず、食べやすいところは昭和の給食の揚げパンとは雲泥の差です!

ちなみに「犬山ドッグ」とは、犬とパンに食材を挟んで食べるドッグを掛け、地域活性化の目的で生まれた特産品のこと。全国で唯一「犬」が付く名称の自治体、犬山市ならではです!
▲提灯が放つ温かみのある光もあいまって、まるでお祭りや縁日気分!
揚げパンを片手に横丁を奥へ向かうと、通りの左右には、田楽や五平餅、ラーメン、焼きそば、鉄板焼き、唐揚げ、駄菓子などを売るお店が並んでいます。
▲壁には昭和テイストのポスター(というより張り紙?)が!
▲瓶入りコーラを買える懐かしい自販機もありました!

横丁の一番奥には、ザ・昭和なフードコート!

気になるお店をチェックしつつ横丁の最奥部までやってくると、テーブルとイスと提灯が並んだフードコートになっていました。ここは休憩で立ち寄っただけの人も、横丁のお店で買った品を食べる人も利用OK!ステージもあり、日によってはライブやイベントが行われているそうです。

ということで早速、自分の席を確保。揚げパンで火のついた食欲を満たすため、筆者のアンテナをビビッと刺激したお店へと買いに戻ります。
まずはフードコートすぐ横にある、串かつとピザのお店「七福亭 あきな」へ。この日は店主の高木さんがおひとりでお店を切り盛りされていました。
▲看板のだるまの言葉に頷き、早速オーダー!
一杯目は、高木さんの親戚が経営しているという犬山の蔵元・東洋自慢酒造の地酒にしました。写真は左から「清酒1合びん」(1本400円・税込)、「吟醸生酒」(1杯500円・税込)、「古原酒」(1杯400円・税込)。これらは一般の飲食店ではなかなか飲めず、特に古原酒は冬に蔵出しされる”しぼりたて”を3年熟成した限定品と聞き、琥珀色をした古原酒をロックで頂きました。日本酒なのに、味はまるでワインのようにフルーティ!
続けてお酒のつまみとして、お店のオススメを注文。出来上がったものはフードコートの筆者の席まで運んでくれました。さすがにお店に行列ができている時は難しいですが、そうでない時はどのお店も対応してくれるそうです。これは普通のフードコートにはない「昭和横丁」ならではの人情味を感じるサービスです!
お店のオススメは「倍返し串かつ」(3本セット350円・税込)と「味噌ホル串」(3本セット350円・税込)。
これは、愛知県人のソウルフードでもある赤味噌(「七福亭 あきな」は八丁味噌の二大ブランドのひとつ、カクキューを使っていました)がベースの味噌ダレを付けた串カツとホルモン串です。味は見た目よりもアッサリ。でも甘味と旨味とコクのある、愛知県人の筆者としては落ち着く美味しさでした。

ちなみに「倍返し串かつ」の名称は、数年前のTVドラマのキメ台詞の影響もあるそうですが、犬山城の近所にある三光稲荷神社の「銭洗池」のご利益(ご神水でお金を洗うと何倍にもなって返ってくる)にあやかって名付けられたそうです。

インテリアやアトラクションも、ザ・昭和!

▲フードコートの隅には、なぜか犬山市の公式キャラクター・わん丸君がご神体の神社が!
神社近くのらせん階段で2階へ上がると、昔の暮らしを再現した一角があり、黒電話やTV、扇風機、鏡台などのレトロな家電や家具が置いてありました。そしてその隣には休憩所があり、さらに古いアーケードゲームやガチャガチャも並び、なんだか雑然とした雰囲気です。
▲「昭和横丁」の管理責任者、青木健司さん(右)
「昭和の時代は今よりも猥雑な感じが活気につながっていたと思います。電信柱には貼り紙があったし、障子は破れてた。だからここもキレイにしちゃつまらないんです。もちろん掃除はしていますよ(笑)。あえて野暮ったくしているんです」と青木さん。
フードコートの周りを見渡せば、確かにスタイリッシュやスマートという言葉とは正反対のアイテムがズラリ。洗練されていないからこそ漂う温かみやホッとする気楽さを感じられます。

青木さんによればフードコートにあるバス停や電話ボックス、郵便ポスト、顔出しパネルなどはすべて「地ビール処 巴克斯(バッカス)」(以下、巴克斯)の店主・篠田さんが作ったそうです。

早速、篠田さんに会いに、「七福亭 あきな」の斜め向かいにある「巴克斯」へ行きました。
▲すると店頭に美味しそうなフランク「ブラートブルストフランク」(1本350円・税込)が並んでいたので、話を聞く前にまず注文!
「巴克斯」は、地元が誇るビールの醸造会社・金しゃちビールの瓶ビールを5種類、さらに樽生ビールを4種類も楽しめる、全国でも数少ない場所だそうです。
ということで、この日の2杯目のドリンクを注文!「金しゃちビール 赤味噌ラガー」(550円・税込)をセレクトしました。
「赤味噌ラガー」は、最初の一口目でほんのり味噌の香りを感じられると思います」と篠田さん。そう教えてもらった時に、筆者のグラスはすでに空……。生ビール感覚でゴクゴクしてしまい、香りよりものどごしを楽しんでしまいました。

一方「ブラートブルストフランク」は、2016年度犬山串グルメで第10回串キングに選ばれた逸品。パセリや香辛料が効いた味がしっかりしており、ケチャップやマスタードなどは必要なし。ビールにめちゃ合います。「まいうー!」で知られるタレントさんも絶賛したそうです。
筆者のお腹が落ち着いたところで、篠田さんに話を聞きました。

「お店の造作も、このポストや電話ボックスも全部作ったよ。ありあわせのもので作ってるわりには、よくできてるでしょ(笑)。お客さんに楽しんでほしいからさ」と篠田さん。

郵便ポストもよく見ると、古タイヤや一斗缶が使われています!
▲フードコートに新登場した「射的」(5発300円・税込)にはまる筆者。ここにも倍返しが!

コスプレのレベルを超えた甲冑工房

そろそろ恋小町だんごの「くらや」に向かおうとした矢先、もうひとつ2階に上がる階段を発見。誘惑に負け、寄り道します!
▲大河ドラマで見たような兜が並んでいます
ここは、犬山甲冑制作同好会の方が試着体験を行っている工房でした。この日は村木志郎さんと馬渕義弘さんのおふたりが甲冑の部品制作の合間に試着させてくれました。
▲足に臑当(すねあて)、腰に佩楯(はいだて)、腕に籠手(こて)と順に付けます
▲胴を付けます
▲帯を締めて脇差(わきざし)をさし、太刀(たち)をぶら下げてもらいます
▲兜をかぶって完成!装着時間は約10分
▲ついでに立ち振る舞いもレクチャーしてもらいました。村木さん、腰が入ってカッコいいっす!
▲自作の兜を見せてくれた村木さん。本来の甲冑はオーダーメイドだそうです
甲冑はアルミ等で作られ、しっかりとした造りです。7~8kgほどですが、体にフィットするので重さはそれほど気になりませんでした。筆者は村木さんと馬渕さんによる着せ替え人形状態でしたが、本来武将は自分自身で甲冑を身に纏うそうです。

最近では歴女や刀剣ブームの影響もあってか、女性の試着も意外に多いとのことです。

昭和世代の想像を超え、SNS世代にだんごが大拡散!

いよいよ本日最大のお目当て、「恋小町だんご」の「くらや」を訪れました。

店主の尾辻さんは「恋小町だんご」を作っている時の表情が真剣だったので、職人気質の怖い人かと思ってしまいましたが、話してみるととても気さくで笑顔の素敵なナイスガイ。
▲店頭に並ぶ「恋小町だんご」のサンプル
もともと「くらや」は、富士宮やきそばやお好み焼きをメインで売っていたお店。サイドメニューの開発を考えている中で、尾辻さんが旅先で出会っただんごを見て閃いたのが「恋小町だんご」だそうです。

「だんごは豊川の老舗のみつだんごですし、餡も老舗の専門店のものなので、だんごの素材自体は決してオリジナルではありません。ただうちは通常の4倍以上の手間をかけています。うちみたいにだんご一つひとつの餡やトッピングを変えるなんてこと、他ではきっとやってませんよ。その分お客さんをお待たせしてしまうのが心苦しいところです」と尾辻さん。
▲全てのだんごの餡が違う、犬山グリーンティー付「ハイカラ恋小町セット」(500円・税込)
2016年7月7日から販売を開始して1週間ほどはお客さんも少なく、反響があるとは思ってなかったそうですが、1人の女の子がTwitterにアップした画像が一気に「かわいい!」と話題になり拡散。いまでは1日に1,000本近く作る日もあるとか!

また見た目がかわいいだけでなく、イチゴやマンゴー、ぶどう、ずんだなどの他、季節限定の餡もあり、食べても楽しいこのだんご。
筆者が食べた「ハイカラ恋小町セット」は、たくさんの種類の餡を一度に食べられるだけでなく、香ばしい玄米の香りのするセットのグリーンティーが想像以上に美味しいので超オススメです。カップルで食べると恋が成就するとかしないとか……。
「恋小町だんごで行列ができることで昭和横丁、さらに城下町全体が元気になれば」。そんなことを話す尾辻さんのユーモアと熱意、誠意溢れる人柄に、一目ぼれしてしまった筆者でした。これも「恋小町だんご」効果でしょうか……。
▲昭和世代だからか、昭和なデザインの顔出しパネルも違和感なし!?
この日お会いした方は、みなさんパワフルで気さくでおもてなしの心意気に溢れた人柄でした。そしてそんな方々が日々努力されていることが「昭和横丁」の賑わいの秘密なんでしょう。

食事や買い物も楽しいですが、人と人との温かなコミュニケーションが恋しくなったら、ぜひ「昭和横丁」へ!
澤井敏夫

澤井敏夫

愛知県・清須市在住のライター。情報誌の編集制作、音楽事務所でのマネジメント業務を経て独立。読書と落語鑑賞とヨガが趣味。

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