広大な「小岩井農場」を知る!食べる!めぐる!トロ馬車からチーズまで徹底レポート
2019.03.28 更新
岩手を代表する観光地のひとつ「小岩井農場」。近年は、農場の恵みをたっぷり満喫できるさまざまなツアーも組まれている。今回は場内一の人気スポット「まきば園」を中心に、壮大な自然の中でその魅力を存分に楽しんでみた。

広さはなんと東京ドーム640個分!小岩井農場ってどんなとこ?
JR盛岡駅から車で約30分。盛岡市に隣接する雫石町に小岩井農場がある。小岩井ブランドのたまごや牛乳、乳製品などは県外にもファンが多く、生産農場としてその名を全国に知られている一方で、観光地としても人気を呼んでいる。3,000ヘクタールに及ぶ広大な敷地は、なんと東京ドーム約640個分というから驚きだ!

▲明治時代に誕生した民間農場。2016年で125周年を迎える
小岩井農場の中でも、動物と触れ合ったり、アトラクションや自然散策を楽しめたりできるエリアがまきば園だ。まきば園内では、ひつじショーや乗馬体験、トロ馬車やちびっこボート、アーチェリーなど10種類ものアクティビティがあり、親子連れからカップルまで幅広く楽しめる。
小岩井農場の中でも、動物と触れ合ったり、アトラクションや自然散策を楽しめたりできるエリアがまきば園だ。まきば園内では、ひつじショーや乗馬体験、トロ馬車やちびっこボート、アーチェリーなど10種類ものアクティビティがあり、親子連れからカップルまで幅広く楽しめる。

▲ポニーとも触れ合える
ぜひ乗ってみたいのが、馬に引かれて走るトロ馬車だ。明治37(1904)年から50年近くに渡って使われていた馬車鉄道のレールやトロッコを観光用に復元したもので、羊の放牧風景や林を見ながら園内を10分ほどで周る。
ぜひ乗ってみたいのが、馬に引かれて走るトロ馬車だ。明治37(1904)年から50年近くに渡って使われていた馬車鉄道のレールやトロッコを観光用に復元したもので、羊の放牧風景や林を見ながら園内を10分ほどで周る。

▲ガタンガタンとまわる車輪とポコポコという馬の蹄の音が何とも言えずのどかで、ノスタルジックな気分に包まれる
さらに大人にも人気なのが、農場の歴史を探るバスツアーや、自然を満喫できるトラクターバスツアーだ。普段は非公開の生産エリアを巡るので、「何度も来ていたのに初めて知ることが多くてびっくり」と喜ぶ地元のお客さんも多いそうだ。
さらに大人にも人気なのが、農場の歴史を探るバスツアーや、自然を満喫できるトラクターバスツアーだ。普段は非公開の生産エリアを巡るので、「何度も来ていたのに初めて知ることが多くてびっくり」と喜ぶ地元のお客さんも多いそうだ。

▲バスツアーに向かうトラクター

▲まきば園は約40ヘクタール。「広い!」と思いきや、農場全体のわずか1%ほど
小岩井農場発祥の地へ、牛たちに会いに行こう!
そんな見どころ満載のまきば園で、今回は牛舎エリアを見学してみることに。農場に数ある牛舎の中でも、まきば園と隣接する上丸(かみまる)牛舎群は小岩井農場発祥の地。構内には国の有形無形文化財に指定された建物も多く残っているのだ。

▲上丸牛舎行きのモーモーライナー!出発時には「モォ~」と鳴く
まきば園から牛舎エリアへの移動には、「上丸牛舎モーモーライナー」をぜひ利用しよう。見た目もかわいらしい乗り物で、どこまでも続く牧草地や山を眺めつつ、心地よい風に吹かれながらコトコト移動する。
まきば園から牛舎エリアへの移動には、「上丸牛舎モーモーライナー」をぜひ利用しよう。見た目もかわいらしい乗り物で、どこまでも続く牧草地や山を眺めつつ、心地よい風に吹かれながらコトコト移動する。

▲牛舎まではモーモーライナーで約10分。乗車料金は片道100円(税込)

▲まきば園内をゆっくり通る。岩手山から吹く風が気持ちいい~

▲ほのかに香るのは牛の肥やし(?)!

▲明治創業以来変わらない上丸牛舎群に到着
上丸牛舎は全部で4つの建物に分かれており、1・4号牛舎には母牛、2号牛舎には出産間近の牛、3号牛舎にはかわいい仔牛がいる。その中で、1号牛舎と3号牛舎は見学が可能。ゆったり過ごす牛たちを目の前で見られる貴重な機会だ。
上丸牛舎は全部で4つの建物に分かれており、1・4号牛舎には母牛、2号牛舎には出産間近の牛、3号牛舎にはかわいい仔牛がいる。その中で、1号牛舎と3号牛舎は見学が可能。ゆったり過ごす牛たちを目の前で見られる貴重な機会だ。

▲いたいた、仔牛たち!

▲1号牛舎の母牛。間近で見ると迫力満点
のんびりと草を食む牛たちを見ていると、なんだか気持ちも和んでくる。
敷地内に二つ並んだレンガ製のサイロは、明治時代に建造されたもので今も現役だ。現存する日本最古のサイロとして国登録有形文化財に指定されている。
のんびりと草を食む牛たちを見ていると、なんだか気持ちも和んでくる。
敷地内に二つ並んだレンガ製のサイロは、明治時代に建造されたもので今も現役だ。現存する日本最古のサイロとして国登録有形文化財に指定されている。

▲左が明治40(1907)年、右が明治41(1908)年に建造されたレンガサイロ!
上丸牛舎の構内には、資料館もある。ここでは、小岩井農場125年のあゆみを知ることができる。
上丸牛舎の構内には、資料館もある。ここでは、小岩井農場125年のあゆみを知ることができる。

▲赤い屋根と白い壁がかわいい資料館(開館時間9:30~16:30)
不毛の原野を開墾して現在の小岩井農場が作り上げられるまでの歴史を写真で説明しており、当時の酪農用具もきれいな保存状態のまま展示されている。知的好奇心をくすぐられる内容に感嘆の「へぇ~!」がとまらない!
不毛の原野を開墾して現在の小岩井農場が作り上げられるまでの歴史を写真で説明しており、当時の酪農用具もきれいな保存状態のまま展示されている。知的好奇心をくすぐられる内容に感嘆の「へぇ~!」がとまらない!

▲昔の搾乳用具などが展示されている

▲木製のバター製造機「バターチャーン」。生クリームをこの中に入れて攪拌することで、一度に大量のバターを作ることができるらしい

▲小岩井農場全体がわかるジオラマも展示
小岩井農場を丸ごと味わえるランチ&名物ソフトクリームを楽しむ!
上丸牛舎を見学した後、遊歩道を15分ほど歩いてまきば園に戻ると、そろそろお腹も空いてきた。敷地内では炭火焼のジンギスカンやお手軽なラーメンも味わえるが、この日はレストラン「山麓館」へ。ここでは、すべてのメニューに小岩井農場で採れた食材を使用しているというから驚きだ。

▲レストランと売店が併設された「山麓館」

▲とろとろ卵が人気の「農場オムライス」
イチオシは「農場オムライス」。さわやかなトマトソース(税込1,080円)と濃厚デミグラスソース(税込1,280円)の2種類があるが、どちらも新鮮な小岩井農場産たまごをたっぷり3個も使っている。中に入っているのは、農場産牛乳で炊き上げたミルクライス。口の中で広がる牛乳の香りが癖になるおいしさだ。
もう一つ、ちょっぴり贅沢だが、ぜひ味わいたいメニューが「大地の恵みランチ」(税込2,200円)だ。ひと皿で小岩井農場産の食材をまるごと楽しめるばかりでなく、どれを食べても満足の味わい。牛乳、チーズなどの乳製品はもちろんのこと、卵や野菜、牛肉に至るまで農場内で生産されたものが使われている。岩手を初めて訪れる人には、ぜひこちらを味わってもらいたい。
イチオシは「農場オムライス」。さわやかなトマトソース(税込1,080円)と濃厚デミグラスソース(税込1,280円)の2種類があるが、どちらも新鮮な小岩井農場産たまごをたっぷり3個も使っている。中に入っているのは、農場産牛乳で炊き上げたミルクライス。口の中で広がる牛乳の香りが癖になるおいしさだ。
もう一つ、ちょっぴり贅沢だが、ぜひ味わいたいメニューが「大地の恵みランチ」(税込2,200円)だ。ひと皿で小岩井農場産の食材をまるごと楽しめるばかりでなく、どれを食べても満足の味わい。牛乳、チーズなどの乳製品はもちろんのこと、卵や野菜、牛肉に至るまで農場内で生産されたものが使われている。岩手を初めて訪れる人には、ぜひこちらを味わってもらいたい。

▲取材時の「大地の恵みランチ」は、農場オムライスのミニ版、牛肉のグリルとボロネーゼのパスタ、ハロウミチーズ焼き、夏野菜のラタトゥイユ、牛肉のシチュー、サラダ、農場産低温殺菌ミルク、スープ、コーヒーの9品

▲柔らかく煮込んだ牛肉のシチュー
特に、牛肉のシチューに使われる小岩井農場産牛肉は、柔らかくて脂っこさがなくさっぱり食べられるので、幅広い世代におすすめだ。
特に、牛肉のシチューに使われる小岩井農場産牛肉は、柔らかくて脂っこさがなくさっぱり食べられるので、幅広い世代におすすめだ。

▲小岩井農場の恵みを堪能

▲レストランの隣にはお土産品店もある。人気はやはり農場のミルクを使った乳製品
さらに農場グルメを楽しみたいなら、小岩井農場ソフトクリームは外せない。
農場産の生乳を使ったソフトクリームは、濃厚で牛乳のコクがたっぷり。そして何と言っても滑らかな舌触りが特徴だ。晴れていたら、のんびりと芝に腰を下ろし青空を見上げて食べるのも気持ちよさそうだ。
さらに農場グルメを楽しみたいなら、小岩井農場ソフトクリームは外せない。
農場産の生乳を使ったソフトクリームは、濃厚で牛乳のコクがたっぷり。そして何と言っても滑らかな舌触りが特徴だ。晴れていたら、のんびりと芝に腰を下ろし青空を見上げて食べるのも気持ちよさそうだ。

▲ソフトクリームを買うなら「ミルク館」が特におすすめ!

▲フレッシュ感あふれる名物ソフトクリーム(税込380円)
まきば園内は、この他にも星空観察ができる天文ドーム、ホタルやモリアオガエルなどの貴重な生き物が生息する自然散策路など、春夏秋冬楽しめる施設がいっぱいだ。たった一度だけじゃあ楽しみきれない、それが魅力なのだ!
まきば園内は、この他にも星空観察ができる天文ドーム、ホタルやモリアオガエルなどの貴重な生き物が生息する自然散策路など、春夏秋冬楽しめる施設がいっぱいだ。たった一度だけじゃあ楽しみきれない、それが魅力なのだ!
小岩井農場まきば園
岩手県岩手郡雫石町丸谷地36-1
[開園時間]9:00~17:00
※時期によって変動。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
[休園日]なし(臨時休園の場合あり)
[入場料]中学生以上800円、5歳以上300円(ともに税込)
019-692-4321
まきば園から車で5分。小岩井乳業の工場も見学してみよう
せっかくなので、小岩井農場まきば園から車で約5分の場所にある「小岩井乳業小岩井工場」にも足を伸ばしてみた。ここでは牛乳やバターなどの乳製品を製造しており、見学は無料。予約も不要なので自由に行くことができる。

▲工場なのにかわいらしい外観(見学時間10:00~15:00、水曜定休)
行く時間や日によって製造する商品は変わり、この日は牛乳の生産ラインを見学。できたばかりの牛乳がどんどん機械でパック詰めされて全国への出荷を待つ様子に、思わず「いってらっしゃい」と声をかけたくなる(写真撮影は禁止)。
行く時間や日によって製造する商品は変わり、この日は牛乳の生産ラインを見学。できたばかりの牛乳がどんどん機械でパック詰めされて全国への出荷を待つ様子に、思わず「いってらっしゃい」と声をかけたくなる(写真撮影は禁止)。

▲館内には、ヨーグルトの製造行程がパネルで説明されている

▲こちらでは、ゆっくり座って試食を楽しめる
工場の見学が終わったら、乳製品を試食してみよう。いくつか試食した中でも特におすすめはヨーグルトだ。専用タンクで16時間熟成させ丁寧に混ぜ合わせることで、酸味がまろやかで砂糖なしでもおいしく食べられるヨーグルトができるという。
工場の見学が終わったら、乳製品を試食してみよう。いくつか試食した中でも特におすすめはヨーグルトだ。専用タンクで16時間熟成させ丁寧に混ぜ合わせることで、酸味がまろやかで砂糖なしでもおいしく食べられるヨーグルトができるという。

▲一番人気は生乳100%ヨーグルト

▲滑らかな舌触りのヨーグルトに感動!

▲チーズの試食もあり、日替わりで種類が変わる。この日はサラミ入りとオニオン入りのチーズ

▲売店では小岩井乳業の製品を購入することもできる
小岩井乳業小岩井工場
岩手県岩手郡雫石町丸谷地36-1
[見学時間]10:00~15:00
[見学料金]無料
[定休日]水曜(売店は火~金曜)
019-692-1211(受付時間9:00~17:00、土・日・祝除く)

▲1日では楽しみきれない、小岩井農場
広大な土地を生かし、さまざまな事業だけでなく観光も展開している小岩井農場。緑に囲まれた開放的な空間で思いっきり深呼吸してリフレッシュできた。まき場園以外にも足をのばして、小岩井農場の魅力を自分の目で確かめてみてはいかが?
広大な土地を生かし、さまざまな事業だけでなく観光も展開している小岩井農場。緑に囲まれた開放的な空間で思いっきり深呼吸してリフレッシュできた。まき場園以外にも足をのばして、小岩井農場の魅力を自分の目で確かめてみてはいかが?

八木絵里
劇団ゼミナール所属。飛び道具系女優として活躍する傍ら、声の仕事やライターにも挑戦。好奇心旺盛な獅子座のB型。(編集/株式会社くらしさ)
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