波穏やかな瀬戸内海を渡るカヤックツアーで、見たことない景色に出合う!

2016.09.28

泳ぐのは抵抗あるけれど、海に身を委ねて癒されたい!そんな人にぴったりなマリンスポーツがカヌーの一種「カヤック」です。運動や体力に自信がなくてもスイスイっと進み、服を着用したままでもOK。今回は、波穏やかな海と、周囲の島々が織りなす景観が美しい瀬戸内海で、カヤック体験してきました!

※「自然舎(じねんしゃ)」は2016年の営業をもって閉店しました。

「瀬戸内海」の多島美を「カヤック」から堪能しよう

▲広々とした砂浜に穏やかな海。心を解放させてくれるヘルシービーチ

四国と本州に囲まれた瀬戸内海は、昭和9(1934)年に長崎県の雲仙、鹿児島県の霧島とともに日本で最初に国立公園に指定された場所。大小727もの島で構成された多島海であり、島々の段々畑や船が潮待ちする港町などの景観が、自然と暮らしが一体となった親しみやすいものとして高く評価されました。湖のように波穏やかなので、安心してカヤックも楽しめるんです。
▲海をガイドしてくれる「自然舎」の代表・山本貴道さん。通称「やまちゃん」

今回は瀬戸内海の数ある島のなかでも、群を抜いて観光客数が多い香川県の小豆島へ。カヤックツアーの出発地である「ヘルシービーチ」の目の前には、さらさらの砂浜と穏やかな海が広がっていました。風がなびくとキラキラと海が輝いて早くも癒されます。

今回お世話になるのは、小豆島でカヤックや島歩きのガイドツアーを実施している「自然舎」。こちらでは、半日ツアー、1日ツアー、1泊2日ツアーなど、さまざまなカヤックツアーを実施しています。1泊2日ツアーでは、無人島や豊島など、近くの島に渡ることもあるそう。
その中から、初心者でも安心の半日ツアー(大人・税込6,500円)に参加しました。
▲自然舎が貸してくれた防水の袋に、カヤックに持ち込む荷物を入れます

「こんにちは!」と爽やかな笑顔で迎えてくれたのは、今回ガイドしてくれる「自然舎」代表・山本貴道さん。「やまちゃん」と呼ばれる、自然に詳しい物腰柔らかな優しいお兄さんです。
▲どのような体勢で、どのように操作すれば安全で楽に進むことができるのか、わかりやすく説明してくれます

まずは更衣室で着替えます。カヤックでは船をこぐ際にお尻や腕が濡れるので、濡れても良い動きやすい格好で参加します。例えば、水着の上に短パン、ラッシュガードなど。足元は安定感のあるサンダルやマリンシューズです。なお、海の上では焼けるので、帽子や長袖、サングラスなどを着用し、首にタオルを巻いておくのもお勧めです。ツアー中にはカヤックを降りて泳ぐ時間もたくさんあるので、ゴーグルや水中メガネ、防水カメラなどを持っていくとより楽しいですよ。

さらに、太陽の下でカヤックを漕ぐので飲み物は必須。他にも、日焼け止め、携帯電話、タオル、防水ではないカメラなどを持っていきたい場合は、自然舎が貸してくれる防水の袋に入れて持っていけますよ。

身支度が整ったら、今度は浜でカヤックの乗り降りの仕方やパドルの使い方などを、丁寧に教えてもらいます。
▲実際にパドルを持って、漕ぎ方や方向転換のしかたなどを練習しました
▲カモメがテトラポットにずらりと並んでお出迎えしてくれました

カヤックは1人乗りと2人乗りがあり、基本は2人乗りに乗ります。2人乗りは安定感が高くてめったなことではひっくり返らないうえ、力が倍になる分速く進むので、慣れていない人でも安心。参加者の人数が奇数の場合は、ガイドと一緒に2人乗りに乗ります。
なお、リクエストをすれば1人乗りに乗ることも可能です。1人乗りは小回りが効き、自分の好きな方向に行ける特徴があるそう。

恐る恐るカヤックに乗り込み、いよいよ海のお散歩スタート!

▲瀬戸内海には727も島があるため、進む度に島々が織りなす景色が移り変わって飽きない

さぁ、いよいよ海へ!カヤックを海におろし、ゆっくりと乗り込みます。
こんな感じ?え?合ってる??と思いながら探り探り漕ぎ始めると、ふらふらしつつもなんとか前へ進んでいきます(笑)!

「まずは漕いで慣れよう!」というやまちゃんの言葉を信じて漕ぎ続けると、5分もしないうちに安定してきました。「もう少しパドルを前に出してから後ろに引いてみると楽だよ!」「この先に岩があるから、右に進んでいこう」と行き届いたアドバイスをしてくれるので、安心して進むことができます。
▲泳ぐより楽に遠くに行けて、船に乗るより水面に近い視点で眺められる海景色。まるで自然と一体になったかのよう。人魚姫が見る水面上の世界はこんな感じなのかも

余裕が出てきて周りを見回してみると…そこには見たこともない瀬戸内海の景色が広がっていました。波のゆったりとした動きやきらめき、吹き抜けるそよかぜ。瀬戸内海にある727の島々が織りなす多島美……こんな気持ち良さはこれまで味わったことがありません!

浜に上陸して浅瀬を散策&お待ちかねのおやつも

▲「これ何 !?」「カレイだ!」と発見が続く。わからないことはやまちゃんに何でも質問してみよう

出発から30~40分ほどかけて約1.5km進んだところで、小豆島の別の浜に上陸。
「ここで30分ほど休憩しよう!海で泳いでも良いし、海の生き物を見つけるのもおもしろいよ」とやまちゃん。怪我しないようにビーチサンダルやマリンシューズを履き、岩で転ばないように気をつけながら、浅瀬をウロウロしてみます。
▲透明でかわいい形の「オワンクラゲ」。海の中には想像もしない出合いがある

「この巻貝は『イボニシ』で、これは『イシダタミ』。イシダタミは、その名前の通り、殻が石を敷きつめたような模様をしているのが特徴なんだよ」とやまちゃん。次々と見つけてくれる海の生き物は「何これ!?」「へー!」の連続です。
▲スイカはその場でやまちゃんが切り分けてくれました

ひとしきり遊んだら、やまちゃんが用意してくれていたお茶とおやつもいただきます!この日は、クッキーとぶどう、スイカ、梨をいただきました。疲れた体に甘いものがうれしい!さらに海で冷えた体を想ってちゃんと温かいお茶も用意してくれています。口にするとホッとし、おしゃべりにも花が咲きます。
▲やまちゃんが用意してくれたお菓子とお茶でエネルギーチャージ
▲進まないときもあれば、風の流れにのってスイーといくこともあって面白い

なお、1日コースでは、瀬戸内海周辺の郷土料理・タコ飯などを浜で作って食べるそう。さらに1泊2日ツアーに参加すると、カレーやパスタ、ダッチオーブン料理などを作り、コーヒーやお酒を交わしてまったりと楽しむそうです。

帰りは潮の流れに乗って、スイスイっと進む

▲無事ヘルシービーチに戻ってきました!

エネルギーチャージしたところで再びカヤックを漕ぎ出すと…おぉ!速い!一気にカヤックの腕が上達したかのようにスイスイ進みます。実際は上達したのではなく、行きは潮の流れに逆らっていたのに対し、帰りは流れに乗って進んでいるから。この潮の流れを楽しめるのも、湾の形にそって回流する潮の流れが混じり合っている瀬戸内海の醍醐味です。

また、潮流は複雑だけれど、風は優しくて海は穏やかなのも瀬戸内海の魅力。
「波の大きさは、風の強さ×時間×距離によって決まるからね。太平洋や日本海は海が広いので雪だるま式で波が高くなるけど、瀬戸内海は海が狭いから穏やかなんだ」とやまちゃんが教えてくれました。
▲海から見る陸の景色も近くでじっくり楽しめるのは、ゆっくり進むカヤックならでは

スイ~と進んでゴールに到着!往復約1時間半の海旅は、楽しくてあっという間でした。次は1日コースや、様々な島をわたる1泊2日コースにもチャレンジしたくなります。

ちなみに、カヤックは夏のイメージがありますが、やまちゃんのお勧めは春や秋だそうです。
「春や秋は日差しが柔らかくて風も気持ち良いよ。海水浴客もいないから、海には静かでゆったりとした時間が流れるしね」

自然舎のカヤックツアーは4月から10月まで開催しています。夏なら、カヤックで渡った浜で海水浴やシュノーケリングを楽しむもよし、春や秋なら、さわやかな風にふかれて静かな景色を楽しむもよし。カヤックは四季折々の楽しみ方ができるレジャーなんですね。
初めてでも慣れるとスムーズに進むことができるカヤック。瀬戸内海の美しさを海の上からゆったりと眺めるのは格別な体験でした。気持ちの良い風に吹かれて、海をゆったりスイスイっと旅してみませんか。
黒島慶子

黒島慶子

醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときに体温が伝わる醤油を造る職人に惚れ込み、小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、さまざまな人やコトを結びつけ続けている。 (編集/株式会社くらしさ)

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