独創的な巨大彫刻も!?「美ヶ原高原美術館」で現代アートと絶景に浸る

2017.07.16

長野県上田市と長和町(ながわまち)、松本市にまたがる美ヶ原(うつくしがはら)は、標高2,000mの絶景の地。360度の大パノラマを望むこの美しき地に、春から秋の期間だけオープンする野外彫刻美術館「美ヶ原高原美術館」はあります。4万坪の屋外展示場に展示されている現代彫刻の数は350点あまり。遊歩道が整備されているので、ハイキング気分で芸術鑑賞と絶景を楽しめますよ!

▲場内には約200名の作家による作品が展示されている

そよ風が心地よい、国内随一の絶景アートリゾート

八ヶ岳中信高原国定公園の北東部に位置する美ヶ原の魅力は、なんといってもその眺望!視界を遮るものがないため、天気のよい日は360度の大パノラマが楽しめます。

美ヶ原自体が日本百名山のひとつなのですが、なんとここから、百名山のうち42もの山を見ることができるのだそう。「富士山、乗鞍岳、槍ヶ岳といった42もの名峰を一度に眺めることができる場所は、日本中探してまわっても他に無いのではないでしょうか」とは、広報担当の塩之入俊文(しおのいりとしふみ)さん。
▲雲のむこうには雄大な浅間山の山並みが隠れている
高山植物の宝庫としても知られている美ヶ原。春から秋にかけて、200種類にも及ぶ花々が辺りを彩ります。足元の花に目を向けたり、アートとの融合を楽しんだり。さまざまな楽しみ方ができるのも魅力です。屋外展示場にも、色とりどりの高山植物が咲いていました。
▲夏から秋にかけて咲くワレモコウの花

初秋の美ヶ原高原を代表するマツムシソウの花も咲いていました。高原植物というと可憐な花といったイメージがありますが、このマツムシソウはかなり大型。直径4~5cmほどの薄紫色の花が特徴です。
▲8~9月が見ごろのマツムシソウ

青空と草原の緑に、アート作品が美しく映える

まず目の前に現れた作品は、巨大な……親指……?こちらは、現代彫刻の巨匠・セザールの作品。セザール本人の右手の親指を型にとり、308cmの大きさまで正確に拡大したものなのだとか。インパクト抜群の作品だけに、人気の記念撮影スポットとなっているようです。
▲セザール作「親指」。血管のようにも見える赤や青の線は、大理石の模様

展示場は丘の上にあるため、ゆるやかな坂道を上りながら、作品めぐりをしていきます。そよ風が吹き抜けるので、夏でも爽やか。高原の涼を求めて多くの人が訪れます。ただし、日陰がほとんどないため、帽子は必須。初夏や夏の終わりに訪れる場合は、長袖のシャツやウィンドブレーカーのような薄手の防寒具を用意していくとよいでしょう。
▲遊歩道が整備されているので、気軽にアート散策が楽しめる

順路は設定されていないので、思い思いのコースで歩くことができます。目をひいた作品を目指して歩いてみるのも楽しいかもしれません。また、30~40分で場内を半周できるモデルコースも用意されています。
▲手前の作品は菊池一雄作「家族」

「現代アート」と聞くと難しそうですが、「難解な分、自由に解釈を楽しんでください」と広報の塩之入さん。要は「見たまま、感じたままに楽しむ」ということですね!「まず作品だけを見てタイトルを想像したり、作品と同じポーズで一緒に写真を撮るのも楽しいですよ!」(塩之入さん)
▲新谷琇紀(しんたにゆき)作「愛のモニュメント」。愛をテーマにした6体のモニュメントから成る

CMやポスターなどでよく見る、あの作品がありました!アレクサンダー・リーバーマン作「イリアッド・ジャパン」。14mもの高さがあるので、近くで観るとやはり迫力があります。“都市の崩壊と再生を象徴的に表した作品”とのことですが……皆さんはどう感じましたか。難しいことは分からなくとも(笑)、単純に、真っ赤なオブジェと青空、そして草原とのコントラストがとても美しいですね。
▲アレクサンダー・リーバーマン作「イリアッド・ジャパン」

「実はこちらの作品、作者との電話でのやりとりとレイアウト図だけを頼りに現場で制作されたものなんです」。

塩之入さんが制作秘話について教えてくれました。まさか、こんな巨大なオブジェを電話越しの指示のみで完成させたとは!現場スタッフの苦労も想像しながら鑑賞すれば、作品の美しさとはまた違った味わい深さがあります。

動く作品もあります。高原に吹く風を利用して回っているそうなのですが、予測不能なその動きに、思わず見入ってしまいました。
▲新宮晋(しんぐうすすむ)作「星のコンパス」。綿密に計算された大小4つの回転体が風を受けて自在に動く

じっくり30分ほどかけて高台に建つ「ビーナスの城」に到着。中世ヨーロッパの古城のようなこちらの建物は、最上部が展望台になっていて360度の眺望が楽しめるのだとか。さっそく上ってみましょう!
▲建物の中もお城のような造りになっている

高台にあるため、まさに360度を見渡す大パノラマ。この日は雲がかかっていましたが、晴れているとまわりの名峰をぐるりと望むことができます。秋は晴天率も高く、運が良ければ「雲海」が広がるそうですよ!
▲雲のない日は北アルプス連峰や南アルプス連峰、富士山や秩父連峰まで見渡せる
アートに高山植物、美しい景色と、とにかく被写体に困らない美ヶ原高原美術館。お出かけの際はぜひカメラを持参することをおすすめします。
▲ハン・ジンソプ作「待つ」

数ある作品の中から、お気に入りを見つけてみるのも一興。フォルムで選ぶのもよし、メッセージ性で選ぶのもよし。私のお気に入り作品は……「待つ」。「こんなに楽しそうな顔で待てるだろうか」という自戒の念を込めて。
▲安藤泉(あんどういずみ)作「逆転の確率」は広報の塩之入さんのお気に入りだそう

野外彫刻のほかにも巨大な遊戯彫刻が置かれた「こども美術館」などがあり、ファミリーのお出かけスポットとしても楽しめます。
▲「しゃぼん玉のお城」や「モグラパイプ」といった遊戯彫刻が置かれた「こども美術館」

特別な知識がなくても、自由な解釈で楽しめるのが現代アートの魅力。そよ風に吹かれながらの芸術鑑賞は格別ですよ!

アートグッズから採れたての果物まで!日本一標高の高い道の駅

美術館の入口がある建物は、日本一標高の高い場所に建つ道の駅「美ヶ原高原」。美術館隣接の道の駅だけあり、アートグッズが充実しているのが特徴です。特筆すべきは、絵葉書の種類の多さ。世界的に有名な美術作品の絵葉書がずらりと並んでいました。
▲壁一面にアートが並ぶ圧巻の絵葉書コーナー(1枚税込162円~)
▲美術館オリジナルの手ぬぐい(税込1,080円~)。イラストがすごろくになっているものも

もちろん道の駅なので、ワインや漬物といった信州ならではの名産やお菓子などもたくさん扱っていますよ!オススメは、常温で持ち歩けるオリジナルのレアチーズケーキ(カマンベール味)。コクのある濃厚な味わいで、びっくりするほど本格的!お土産の一番人気というのも納得です。
▲オリジナルの「レアチーズケーキ」(1個230円、6個入り1,360円 ※ともに税込)

道の駅の2階には、美しい景色を眺めながら食事ができる展望レストラン「和食処 麻の葉」もあります。雲のない時は、遠くの山並みや高原の風景が楽しめます。
▲爽やかな高原の景色が楽しめる展望レストラン「和食処 麻の葉」

人気は20食限定の「美味(おい)だれ弁当」。地元上田が発祥のすりおろしニンニクが入った醤油ベースの焼き鳥のタレ「美味だれ」を使った鶏の照り焼きやとんかつのほか、そばや舞茸の天ぷらなども付くボリューム満点の内容です。
▲ニンニクの香りが食欲をそそる「美味だれ弁当」(税込1,620円)
▲屋外には軽食やソフトクリームなどが食べられる展望テラスも
▲展望テラスで購入できる、生乳を使ったソフトクリーム(税込300円)もぜひもののおいしさ
▲道の駅には、採れたての野菜や果物が買える期間限定の直売所もありました

芸術鑑賞にハイキング、食事に買い物と、楽しみどころが満載の美ヶ原高原美術館。今度のドライブにいかがでしょうか。
松井さおり

松井さおり

出版社勤務を経て、フリーランスのライター&編集者に。雑誌や書籍を中心に、主に、食・旅・くらしなどにまつわる記事を執筆している。現在は、東京から長野県長野市に拠点を移し、県内外を奔走する日々。(編集/株式会社くらしさ)

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