祇園エリアの街歩きで立ち寄りたい人気のランチ3選

2016.10.20

寺社や京都らしい町並みが大切に保存され、散策するのが楽しい京都・祇園エリア。飲食店の数も多く、どこでランチしようか迷ってしまうほど。たくさんある人気店の中から、シチュエーション別で3店舗をご紹介します。

大切な人をおもてなし
お茶屋街の京町家で江戸前鰻

賑やかなメインストリートから一歩入ると、ふと静かな佇まいが広がっていたりと、さまざまな顔を持つのが祇園の街。何度か訪れただけではわからない奥深さがあり、重ねられてきた街の歴史を感じずにはいられません。
観光客が集まる花見小路通の1本西、その名も西花見小路という細い通りも、昔ながらの京町家が並ぶ風情ある佇まい。
う桶や「う」は、創業1991年のうなぎ専門店です。四条花遊小路にある創業100余年の老舗「江戸川」の味と技術を継承し、祇園に開店するにあたってなんと井戸を掘るところから始められたそうです。

地下水が豊富な京都では井戸職人が活躍しており、こちらのお店の場合も、付き合いの長い職人さんのおかげで無事キレイな井戸水を確保できたとのこと。
▲店先の湧水でも気持ちよさそうに金魚が泳いでいました
店内はこぢんまりとした京町家らしい造りで、2階の座敷が客席となっています。すぐに満席になってしまうため予約は必須です(1カ月前から受付)。

看板メニューは、店名にもなっている名代「う桶」。桶の中にタレをまぶしたご飯とうなぎの蒲焼が敷き詰められ、数人で取り分けていただきます。
華やかで、持ち運びにも便利なこのスタイルは、お茶屋さんなどへ出前できるように考えられたのが始まり。祇園ならではの料理なんですね。
▲「う」で使用する美しい杉桶は、木工芸の人間国宝である中川清司(きよつぐ)氏によるもの。出前の場合は風呂敷に包んでお客さんのもとへ届けます

3人前10,000円(きも吸付・税込)から人数に応じて設定があるのですが、2人で3人前を頼まれる方もいらっしゃるそう。食べきれなかった分はお土産に包んでもらえるので、ぜひ贅沢な気分を味わってみてください。

もちろん1人前ずつ盛られた鰻丼も人気があり、ご覧の通りボリュームたっぷり。
▲鰻丼(きも吸付)松4,250円(税込)

うなぎ専門の卸業者から国産うなぎを仕入れ、井戸水に充分打たせた後、毎朝その日の分だけさばきます。

注文が入ってから蒸し、強い火力で一気に蒲焼きに。皮目はあまり焼かず、とろとろの食感を残すのがこちらの流儀だそうです。
お箸を入れると、皮までスッと切れる柔らかさ。身も同様に、ふわりと口の中でとろけるよう。そして、香ばしさと繊細な味わいが先に立ち、タレの味が邪魔をしません。

聞くと、砂糖を入れず、醤油とみりんだけで仕上げた自家製タレを使っているとのこと。シンプルなメニューだからこそ、細部にまで職人技を感じます。
脂ののったうなぎを、あっさり上品にいただける名店です。
▲舞妓さん、芸妓さんにもファンが多い

雰囲気も一緒に味わうなら
凛としたモダン空間でおばんざい

続いては、同じく西花見小路にある「OKU」へ。花背(はなせ)の料理旅館「美山荘」の四代目がプロデュースしていることで有名なお店です。
出格子のある二階屋で、外から見ると昔ながらの町並みに溶け込んでいるのですが、中に入ると雰囲気が一転。
白を基調とし、寒色でまとめられたインテリア。
デザイナー、パトリシア・ウルキオラのエレガントなチェアが印象的です。
余計なものがそぎ落とされ、奥に広がる坪庭が一枚の絵のよう。
庭は野趣あふれる花背の風景が再現され、自然のままの木々や湧き水を思わせる清々しさ。時間と共に、水面や白壁に映る葉影もまた美しく動きを与えます。
2階はモノトーンでシックな雰囲気。壁面には、若手アーティストが手がけた革新的な銀屏風が。

もともとギャラリー&カフェとしてスタートしているため、今もアート作品やOKUオリジナルの器などに出合えるのだそうです。

お客様のニーズに合わせて変化を重ね、 2012年6月には“和バル”としてリニューアル。カフェタイムの他、お昼はOKUのおばんざい2,800円(税込)、夜はコース料理3,800円(税込)~や、立ち飲みカウンターでビールと一品なんて使い方もOKに。

この日は、お昼のおばんざいをオーダーしました。
▲一献、向付(むこうづけ)、焼物、炊合として4品のおばんざいと御飯、最後にデザートが付きます

おばんざいと言っても、家庭ではなかなかできない手の込んだ一品料理の数々。月替わりで季節を感じられます。例えば取材時の9月の献立には、月見豆腐や戻り鰹の塩たたき、秋鮭の味噌幽庵などが並びました。

京都牛や地元野菜なども盛り込まれ、京風の上品な味付けで仕上げてあります。海老、舞茸、三つ葉のかき揚げは、ダシをかけて天茶漬けにしても楽しめる仕様。
そしてこちらが、9月のデザート・アイス最中。フルーツの果肉たっぷりな4種類が日替わりで供されます。桃の果肉とミントアイスの組み合わせが新鮮なおいしさでした。

お腹に余裕があれば、OKUプリンやよもぎロールなど、オープン以来人気のオリジナルスイーツも追加オーダーしてみてくださいね。

女子旅やカジュアルなランチに
二年坂でお茶漬けバイキング

最後に訪れたのは、二年坂にある「阿古屋茶屋」。清水寺観光の途中に立ち寄るのにぴったりの立地です。
ロケーションも店構えも京都らしさをたっぷり堪能できるのにも関わらず、メニューはお茶漬けバイキング1,450円(税込)のみとリーズナブル。この気軽さも魅力のひとつで、お客さんは20代女性が圧倒的に多いのだそうです。土日祝は大変混雑するので早めの来店がオススメ。
▲茶道具や器を創作する窯元「嘉祥窯(かしょうがま)」が手がけています

20代女性に人気がある理由は、何といっても野菜をたっぷりいただけるということ。「お茶漬け」と言っても、食べ放題のお漬物は浅漬けでマイルドな味付けばかりなので、サラダバーのように楽しめるんです。
約20種類のラインナップは人気のあるお漬物だけを厳選し、季節によって入れ替え。手前に見えるのはデザートのもなか。自分ではさんでパリパリの食感を楽しめます。
まず運ばれてくるのがこのセット。テーブルにお湯のポットが置かれ、お茶やお味噌汁を好きな時に飲めるようにと工夫されています。
ちなみに、茶葉は宇治の無農薬栽培茶を使用するなど、食材のクオリティへのこだわりは細部にまで。
色とりどりのお漬物が並び、見ているだけでもテンションアップ。一番人気は茄子、2位が胡瓜で3位が長芋なのだそうです。少しずつ盛り付けていくのもなんだか楽しい。

ご飯は白米、十六穀米、おかゆが用意され、おかわり自由。
漬物とご飯がメインのお店なのでとにかくいい米をと、白飯には島根県の奥出雲産コシヒカリを使用。
ガス釜で三升一気に炊き上げる、ほかほかの炊きたてご飯を常に味わえます。
さて、実際にお漬物をいただいてみると、野菜のみずみずしさにビックリ。確かにお漬物と言うよりサラダを食べている感覚です。
店長さん曰く、鮮度を重視し、1~2日ですべて使い切れるように計算しているのだそう。野菜はすべて国産、素材の良さもダイレクトに伝わってきます。

だし風味にユズやワサビ、甘みのあるものや少し醤油の効いたものなど、味わいの変化が楽しめ、食感もさまざま、まったく食べ飽きません。

一緒に伺ったカメラマンは、おかゆにあれこれトッピングするのにはまって2度もおかわりしていました。漬物の組合せでご飯の味も千変万化、自分なりのお気に入りアレンジを楽しんでみてくださいね。
祇園エリアにはまだまだステキなお店がたくさん。旅の行程やその日の気分、一緒に行く人によってお店を選べ、いろいろな雰囲気を味わえるのが魅力です。
宮本貴美

宮本貴美

京都在住のフリーディレクター/ライター。旅にまつわる取材、執筆、編集をおこなう。 最近はスポーツトラベルに注目中。

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