平成の大改修!リニューアルした小田原城の魅力に迫る!
2016.11.20 更新
小田原を代表する観光名所であり、日本100名城にも数えられる小田原城。2015年7月から行われていた天守閣の大規模な改修工事が終わり、2016年の5月から一般公開されています。そこで今回は、リニューアルした小田原城の魅力を探るべく、神奈川県は小田原市へ向かいました。

天下の名城、難攻不落の秘密とは?
JR小田原駅を出ると、練り物や、梅、干物など小田原の名産物が並ぶ商店街が広がっています。その通りを歩くこと約5分。小田原城のお堀が見えてきました。
戦国時代、武田信玄や上杉謙信といった名将たちが大群を率いて攻めても落とすことができなかったと言われる小田原城。いったいなにが小田原城を「難攻不落の城」と言わしめたのでしょうか。期待が高まります。
戦国時代、武田信玄や上杉謙信といった名将たちが大群を率いて攻めても落とすことができなかったと言われる小田原城。いったいなにが小田原城を「難攻不落の城」と言わしめたのでしょうか。期待が高まります。

▲緑の中にある朱色の橋が美しい堀。春は、まわりに植えられた桜目当てに多くの人で賑わう
手前の橋は「学橋(まなびばし)」。その向こうには、二の丸の隅櫓(すみやぐら)と城の正門である馬出門(うまだしもん)が見えます。この隅櫓は、攻撃や防御の基点となるもので、武器庫や見張り台の役割を果たしていたのだとか。
城の東には酒匂川(さかわがわ)、西には箱根の山々、南には相模湾が自然の要塞となり、名将たちの攻撃を退けてきた小田原城。豊臣秀吉との小田原合戦の前には、城の周囲9kmにわたり総構(そうがまえ)を作ったのだそう。その規模は日本最大級と言われています。
写真は、小田原城の正面玄関となる馬出門です。よく見ると城の壁に三角や長方形の穴が。これは、矢狭間(やざま)、鉄砲狭間(てっぽうざま)といい、この隙間から弓矢や鉄砲を敵に向かって放つ仕組みとなっています。
手前の橋は「学橋(まなびばし)」。その向こうには、二の丸の隅櫓(すみやぐら)と城の正門である馬出門(うまだしもん)が見えます。この隅櫓は、攻撃や防御の基点となるもので、武器庫や見張り台の役割を果たしていたのだとか。
城の東には酒匂川(さかわがわ)、西には箱根の山々、南には相模湾が自然の要塞となり、名将たちの攻撃を退けてきた小田原城。豊臣秀吉との小田原合戦の前には、城の周囲9kmにわたり総構(そうがまえ)を作ったのだそう。その規模は日本最大級と言われています。
写真は、小田原城の正面玄関となる馬出門です。よく見ると城の壁に三角や長方形の穴が。これは、矢狭間(やざま)、鉄砲狭間(てっぽうざま)といい、この隙間から弓矢や鉄砲を敵に向かって放つ仕組みとなっています。

▲三角形の矢狭間と、長方形の鉄砲狭間。外側に向かうほど隙間が広がっており、射手から打ちやすく、敵からは攻めにくい構造になっている
入城すると、そこには広々とした空間が。ここは、馬屋曲輪(うまやくるわ)といい、以前は厩(うまや)があったそうです。昔は城に来た人はここで馬をおりて、預けていました。
入城すると、そこには広々とした空間が。ここは、馬屋曲輪(うまやくるわ)といい、以前は厩(うまや)があったそうです。昔は城に来た人はここで馬をおりて、預けていました。

奥には、また堀が見えます。小田原城の堀は「障子堀(しょうじぼり)」といわれ、堀のなかに落とし穴のような四角形の溝が並ぶ構造になっています。この堀にはまるとなかなか抜けられないのだそう。しかも、このような堀が以前は3重4重にあったというのだから……難攻不落といわれるワケです。
また、この馬屋曲輪の奥には、ガイドを頼める観光案内所があり、地元のガイドの方々が、丁寧に説明をしてくれます。時期によっては混むこともあるため、事前の予約がおすすめです。
また、この馬屋曲輪の奥には、ガイドを頼める観光案内所があり、地元のガイドの方々が、丁寧に説明をしてくれます。時期によっては混むこともあるため、事前の予約がおすすめです。

お堀を渡ると、二の丸へと続く銅門(あかがねもん)が見えてきました。小田原城には、上の写真のような塀で囲まれた四角い空間があり、この空間は枡形(ますがた)と呼ばれています。勢いに乗って攻めてきた敵をここで足止めし、壁の矢狭間や鉄砲狭間から攻撃するための仕掛けなのです。

銅門は、その名前のとおり銅の装飾が美しい門です。門の上を見上げると、「石落とし」と呼ばれる穴が天井に空いています。これも攻めてくる敵の頭上に石を落とすためのものです。

▲銅門の上にある「石落とし」。土・日・祝日には、この銅門内に入ることもできる
銅門を越えて二の丸広場を過ぎると、銅門と同様の枡形門の常盤木門(ときわぎもん)が。この門は傍にそびえる巨松(おおまつ)といわれる松の巨木に由来する(冬でも緑の葉をつけたまま変わらない)そうです。常盤木門をくぐると、改装工事を終えた天守閣が見えてきました。やはり、近くで見るとすごい迫力ですね!
銅門を越えて二の丸広場を過ぎると、銅門と同様の枡形門の常盤木門(ときわぎもん)が。この門は傍にそびえる巨松(おおまつ)といわれる松の巨木に由来する(冬でも緑の葉をつけたまま変わらない)そうです。常盤木門をくぐると、改装工事を終えた天守閣が見えてきました。やはり、近くで見るとすごい迫力ですね!

▲白亜の壁が美しい、約40mもの高さを誇る天守閣
見どころ満載!リニューアルオープンした天守閣の展示
今回の平成の大改修を期に館内展示もリニューアルされたという天守閣。いったいどうなっているのでしょうか。さっそくなかに入ります。

受付を過ぎると、巨大な絵巻の展示がありました。江戸時代の小田原城を描き出したもので、とてもきらびやかですね。

「江戸時代の小田原城」がテーマの1階フロアでは、当時の小田原城の模型や、全国の天守閣の大きさランキングが展示されています。小田原城の天守閣の高さは27.2mで7位なのだそう。全国的に見ても大きい方なのですね。

また小田原城にゆかりのある品々を展示するフロアも。由緒ある美術品や甲冑が並べられており、時間が経つのを忘れて、じっくり見入ってしまいます。
5階の最上階には、昔の天守を再現した部屋があります。そのなかには、小田原氏の守り神である摩利支天(まりしてん)の像が安置されていました。
5階の最上階には、昔の天守を再現した部屋があります。そのなかには、小田原氏の守り神である摩利支天(まりしてん)の像が安置されていました。

天守閣からは、外の景色を一望することもできます。さっそく外へ出てみましょう。

小田原市内を一望できる天守閣。南側には、美しい相模湾の景色が広がっていました。西側には、箱根の山と豊臣秀吉が築いた「石垣山一夜城」で有名な笠懸山があります。秀吉の小田原征伐に備え、東西約9kmもの総構をしたにもかかわらず、領内に城をつくられたことで小田原側は大いに戦意を失ったのだとか。気持ちいい風を感じながら、しばし歴史に思いを馳せて見るのもいいかもしれませんね。
小田原城をもっと満喫したい人はこちらへ!
素晴らしい展示と、天守閣からの眺めの他にも、小田原城の見どころはまだまだあります。こちらは、本丸広場にある貸し衣装屋さん。なんと300円(税込)で姫君や武士、忍者の衣装をレンタルできます。

甲冑・忍者の館!小田原城情報館
小田原城址公園本丸広場 常盤木門1階
[営業時間]9:30~16:00(最終貸出は15:30まで)
[利用料金]大人300円、小学生以下200円(ともに税込)
[休業日]12月31日~1月1日
歩き回って疲れたときは、天守閣のすぐ近くにある「本丸茶屋」へ。ここでは、早雲そばや北條うどんといった北条氏にちなんだメニューなど様々な料理をいただくことができます。
本日注文したのは「小田原戦国武将茶漬け丼(1,000円・税別)」です。
本日注文したのは「小田原戦国武将茶漬け丼(1,000円・税別)」です。

北条氏の家紋である三つの三角形が並んだ「三つ鱗(うろこ)」を茶飯の焼きおにぎりで再現。こちらには、小田原でとれたお米や梅が使われています。中でも梅は「幻の梅・杉田」という珍しい品種なのだそうです。さり気なく置かれた寄木細工の箸と箸置きもかわいらしいですね。
味は、昆布と鰹のだしが効いてさっぱりとしています。梅ぼしも肉厚で、酸っぱくて……なんとも爽やか。
「本丸茶屋」は、甘味も充実しています。あんこにこだわった「クリームあんみつセット(600円・税別)」は、どこか懐かしくやさしい味が特徴的。
味は、昆布と鰹のだしが効いてさっぱりとしています。梅ぼしも肉厚で、酸っぱくて……なんとも爽やか。
「本丸茶屋」は、甘味も充実しています。あんこにこだわった「クリームあんみつセット(600円・税別)」は、どこか懐かしくやさしい味が特徴的。

店員の方の温かいおもてなしや美味しい料理の数々に、つい長居したくなってしまうお店でした。
本丸茶屋
神奈川県小田原市城内6-1
[営業時間]9:30~17:00(L.O.16:30)
[定休日]なし
0465-23-8100
大改修を終えた天守閣と、みどころたくさんの小田原城。小田原を訪れた際には、ちょっと足をのばしてみてはいかがでしょうか。
小田原城
神奈川県小田原市城内6-1
天守閣
[開館時間] 9:00~17:00(入館は16:30まで)
※6~8月の土・日・祝日、および8月15日~19日は~19:00(入館は18:30まで)
[入館料]天守閣単独券 一般500円、小中学生200円(ともに税込)
※他に小田原城歴史見聞館との共通券もあり。詳しくはホームページをご確認ください。
[休館日]12月第2水曜日、12月31日~1月1日
0465-23-1373

立岡美佐子
編集プロダクション・エフェクト所属の編集者&ライター。好きなものは、旅行とごはん。おいしいものやステキな景色のためならば、日本といわず世界各国どこへでも! 住まい、旅、食、街などジャンルを問わず執筆中です。 編集:山葉のぶゆき(エフェクト)
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