甑島からコーヒー第4の波が誕生!? 進化し続ける「山下商店」の新たな挑戦とは?

2015.06.17 更新

鹿児島県の北西、東シナ海に浮かぶ甑島(こしきじま)列島は、上甑島(かみこしきじま)、中甑島(なかこしきじま)、下甑島(しもこしきじま)という3つの有人島と無数の無人島からなっています。風光明媚な絶景スポットや美しい海、玉石垣が連なる昔ながらの武家屋敷群など観光地はもちろん、最近では島にUターン、Iターンした若者たちが甑島の魅力を伝えようと様々な活動をしていることでも知られています。今回ご紹介する「山下商店」の店主・山下賢太さんもそんな若者の一人。山下商店は、甑島の土産物と豆腐の製造・販売を行うお店。2013年5月にお店を構えて以来、すっかり甑島の名物店となった「山下商店」の魅力をお伝えします。

島の美しい風景が、「おいしい」を届ける

甑島は串木野新港から出航するフェリーか、川内港ターミナルから出航する高速船に乗って向かいます。「山下商店」があるのは甑島の玄関口、里町。山下さんは、かつて氷屋兼住居だった空き家をリノベーションしてお店をオープンしました。
こちらが山下さんと奥様の麻由さんです。オープン前から「百姓」の肩書きを持ち、「島米(しまごめ)」と名づけたお米や野菜などの栽培を続けている山下さん。過疎化が進み、荒れ果てた田畑を見たときに感じた「島の風景を守りたい」という思いが、現在のすべての事業につながっています。

「メイドイン甑島」のラインナップ

「山下商店」では「甑島の原料を使用している」「島内で製造・加工している」「甑島にゆかりがある」という基準に該当する商品のみを扱っています。仲間とともに自社で開発した商品も多いそう。

こだわりと旨みが詰まった、手づくり豆腐

そして「山下商店」の目玉である豆腐は、九州産の丸大豆と100%海水にがりを使ったこだわりの逸品。大豆本来の甘みがぎゅっと詰まった濃厚な味わいの豆腐は、種類も豊富でイートインもOK。大豆の味を最大限楽しむなら、塩とオリーブオイルで食べるのがおすすめです!
地元住民や観光客からの要望を受け、お店をカフェ化する計画を進めている山下商店では、自慢の豆腐を贅沢に使った「とうふ屋さんの麻婆豆富丼」の販売を始めました。粗めに崩した絹ごし豆腐とバーナーで炙った木綿豆腐の異なる食感と、自家製麦みそ・みじん切りした7種類の有機野菜入りの「野菜みそ」・豆板醤などをブレンドした麻婆あんの奥深い味わいがたまりません。

コーヒーを持って、町に出よう

カフェ化の一環で、コーヒーの販売も始めました。その名も「島の波珈琲」。山下さんは「今流行のサードウェーブコーヒーにあやかって、『甑島の風景を楽しむためのコーヒー』を島から発信したいと思って第4の波を起こします」と茶目っ気たっぷりに話します。もちろんおいしいコーヒー豆にこだわり、店主自らハンドドリップで丁寧に淹れてくれます。
先ほどの麻婆豆腐丼もコーヒーもテイクアウトOK。「ここは海も近いし、歩くだけで美しい景色と出逢える。だからコーヒーを持って島歩きを楽しんでいただければ」と山下さん。実際に筆者もお店の周りを散策してみましたが、波の音をBGMに堤防に座って行き交う船を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまいます。島のありのままの姿は、忙しい暮らしの中で忘れかけていた大切なものを思い起こさせてくれるのかもしれません。
さわだ悠伊

さわだ悠伊

鹿児島市出身・在住のフリーライター。グルメ、旅、コラム等ジャンルや媒体を問わず活動中。鹿児島県内の離島取材も豊富。

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