ヒグマがエサをおねだり!人がオリに入る「のぼりべつクマ牧場」

2016.10.25

日本では北海道にしか生息しないヒグマを間近で見てみませんか?登別温泉にある「のぼりべつクマ牧場」では、おねだりポーズをするヒグマにエサをあげる体験や、巨大なヒグマにまわりを囲まれるドキドキ体験を楽しめますよ!

ヒグマはホッキョクグマと並びクマ科では世界最大、日本に生息する哺乳類の中では最大の動物です。子熊も含め約100頭ものヒグマが放し飼いにされているのが、「のぼりべつクマ牧場」です。

「のぼりべつクマ牧場」へはロープウェイで!

のぼりべつクマ牧場は、新千歳空港から車で約1時間、登別温泉街からロープウェイで約7分、四方嶺(しほうれい、通称:クマ山)の山頂にあります。ロープウェイ乗り場までは、有名景勝地「地獄谷」や登別温泉街の各ホテルとの間で無料送迎のマイクロバスがあるので行き帰りも楽ちんです(運行状況については都度要問い合わせ)。

山頂へ通じる道路はないので、ロープウェイでのみ行くことができます。そのため、ロープウェイの乗車料金は「のぼりべつクマ牧場」の入園券(大人2,592円、4歳以上小学生まで1,296円、各税込)に含まれています。
▲小型ゴンドラが頻繁にやってくるので、比較的すんなり乗車できます

このロープウェイでは冬に、ちょっとした名物があります。
それは「トバ号」。鮭をロープウェイの荷物専用ゴンドラの中に吊るして運行するのです!窓がないゴンドラで鮭を寒風に吹き晒して乾燥させて、ヒグマのエサとなる鮭トバを作っているそう。
▲名物「トバ号」の模型が、ロープウェイ乗り場の一角に展示してあります

冬に訪れる皆さん、運よく「トバ号」に出合うかもしれませんよ。
では、ロープウェイに乗って、ヒグマが暮らす山の上へ行ってみましょう!

「ちょうだい」とポーズするヒグマが超カワイイ!推しヒグマも!?

「のぼりべつクマ牧場」には、メインの見学スポットとなる第1牧場と第2牧場があり、そのほかアヒルの競走などが行われるイベントスペース、世界的にも珍しいヒグマ専門の博物館、アイヌ民族文化を伝えるユーカラの里(アイヌコタン)などがあります。

ロープウェイを降りて最初に向かったのは、メスのヒグマが暮らす第2牧場。訪れた時は、「クマの腕だめし(実験ガイド)」というアトラクションがちょうど始まる時でした。
▲飼育員が実験を交えながら、ヒグマの特性をわかりやすく教えてくれる企画です
▲エサの好き嫌いを知る実験や、ヒグマの知恵と怪力を知る実験など、解説しながら実演してくれます

具体的にどんな実験をやるのかって?
ネタバレしてしまうので、それはナイショ。詳細は現地で見てのお楽しみに~!
▲アトラクション中の一コマ。ヒグマって賢い~!と思った瞬間でした

15分ほどのアトラクションが終わった後は、いよいよヒグマへのエサやりを体験!
▲エサはクッキーが1袋100円、鮭トバが1袋300円(各税込)で、園内で販売しています。鮭トバはロープウェイに吊るして製造したものです
▲手が汚れないように、ビニール手袋も一緒にくれます

柵の前に立つと、ヒグマがちらっと見て手を挙げたり立ち上がって手をたたいたりするんです!「ちょうだーい!」と言っているのか、奇声をあげてこちらをじっと見つめ、ひたすら手招きをするヒグマも。
「いくよ~、3・2・1・ハイ!」
エサをポーンと投げこむと、ヒグマが大きな口をあけて空中でキャッチ!
「はい、よくできました~。ではもう一つごほうび、ハイ!」
もう一つポーンと投げこむと、今度はキャッチ失敗、転がっていった丸いクッキーは別のヒグマが手でとらえ、食べちゃいました。
ヒグマは猛獣ですが、ここで見ていると、とーっても可愛らしく愛嬌がある動物に感じてしまいます。
▲見ると放飼場の真ん中にある鉄でできた木の上まで登り、「ちょうだい!」とアピールするヒグマが

お客さんが投げ込むエサを受け取りやすいこのお立ち台は、「センター」と呼ばれています。
ここ数年、有名アイドルグループにちなんで「NKB(のぼりべつクマ牧場)選抜総選挙」と称し、第2牧場のメスグマの中から、来場者による人気投票を実施しています。NKB選抜総選挙は毎年4月下旬から5月末まで、本家アイドルグループの総選挙前日に“センターグマ”を発表していますよ。
▲お立ち台に上がりポーズする姿はアイドルそのもの!?さて、推しヒグマはいるかな…!?

遊び心でヒグマの生態に関心を持ってもらおうというこの企画、ランキングのトップ以下7頭は「神セブン」と称し、7頭が写るポスターなどが園内に掲示されています。さて、これからヒグマの世界にもアイドルの波が押し寄せるか!?

オリの中にいるのはヒグマではなく私!?「ヒトのオリ」を体験

メスに見とれて!?頬がゆるんだ後は、オスに間近で見つめられるドキドキ体験に出かけましょう。第2牧場の先にある第1牧場には、ヒグマに囲まれる感覚を楽しめる「ヒトのオリ」があるのです!
▲第1牧場脇にある地下通路を進みます
▲地下通路を通り抜けると、三方を大きなガラスに囲まれた「ヒトのオリ」に到着

「ヒトのオリ」がある場所は、巨大なオスのヒグマが闊歩する放飼場のど真ん中。
▲遠くから「ヒトのオリ」を眺めると、絶体絶命!?なフリを楽しめます

「ヒトのオリ」のガラス窓の上下には管が数カ所あり、ここからエサを入れてヒグマに食べさせることができます。
ガラス越しとはいえ、毛並みまでくっきり見えるほどの至近距離、安全な場所とわかっていながらも、恐怖でゾクッと震えてしまうほどです。
▲エサ欲しさに集まるヒグマとご対面!

エサやりをする窓下の管は、竹筒の水鉄砲をするような感覚で、エサを入れたら管の先の柄を押し込むと放飼場にエサが届く仕組み。
▲窓上の管には柄はなく、エサが放飼場に転がっていきます

ヒグマはこの上下の管からエサがもらえるということを理解しているため、管の先に口をつけて待ち構えています。すると、荒い呼吸と鼻息の音が管を通じてこちらへ伝わってきます。
窓下の管では、押し込んだエサを食べると柄を口先でこちらへガツンと押し返してくるのです…!
ドキッとするくらい、ヒグマの迫力を体感できる場です。
「ヒトのオリ」で迫力あるヒグマの姿を体感したら、オスのヒグマにも可愛らしいポーズを見せてもらいに行きました。

第1牧場も第2牧場同様、放飼場の周囲からエサやりを楽しめます。ちょうだいポーズをするヒグマを見て気持ちをほっこりさせつつ、買ったエサをここで全てあげてしまいます。

シメはヒグマ博物館とユーカラの里を見学

「のぼりべつクマ牧場」には、世界でも珍しいというヒグマの博物館があります。ヒグマ博物館は2階建て建物の2階にあり、1階はクマ山食堂、屋上は倶多楽(くったら)湖を望む展望台になっています
▲屋上へ直通するエスカレーターで上がり、まずは倶多楽湖見物

倶多楽湖は周囲約8Kmの小さな湖ですが、澄んだ水をたたえる神秘的な湖として知られ、透明度の高さは国内では1、2を競い、世界的にもトップクラスです。
▲屋上から眺めた倶多楽湖。春から初夏の漁解禁期間はチップ(ヒメマス)釣りも楽しめます(魚の成育状況により、不定期実施)

階段で1フロア下がり、ヒグマ博物館へ。
赤ちゃんヒグマから成獣まで世代別のはく製や骨格標本が展示されているほか、ヒグマの生態や習性、世界の分布図などを紹介する資料が約500点も並びます。
▲ヒグマ博物館、かなり見応えがあります!

ヒグマ博物館の後は、建物の裏手へと進み、「ユーカラの里」というアイヌ民族文化を伝えるアイヌコタンへ(10月21日~4月末は休館)。
▲コタンとはアイヌ語で集落という意味。ここでは、アイヌ民族の昔の住居や倉庫、生活用品などが展示されています

ヒグマは、アイヌ民族にカムイ(神の意味)と呼ばれ、崇められていました。儀礼の一つとしてヒグマなど動物の魂を神々の世界へ送る祭りがあるほか、身につける飾りにヒグマの骨を使うなど、アイヌ民族文化とヒグマには密接な関係があります。だからこそ、ヒグマの生態を知ることができるこの牧場に、アイヌ民族文化に触れるアイヌコタンがあるのです。
▲チセというアイヌ民族の昔の住居。中では民芸品制作の実演をしていました
▲高床式の倉庫。食料などを備蓄するのに使用していたものです

ヒグマとアイヌ民族文化を学んだら、最後にお土産を買い、ロープウェイで山を下りました。
▲売店での一番人気はヒグマのぬいぐるみ(1,296円~・税込)。さまざまなサイズが並んでいました

ロープウェイで上がった山の上では、愛嬌たっぷりのヒグマや迫力あるヒグマを間近で見て楽しむことができました。ヒグマと遊んでヒグマを学ぶ「のぼりべつクマ牧場」。登別温泉の観光では外せないスポットですよ!
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

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