成田山公園の通が好む鰻の名店!創業大正9年「名取亭」で庭園を愛でつつ川魚料理をいただく

2016.10.21 更新

成田山と言えば、新勝寺へ向かう参道に連なる鰻屋が有名。遠方からの参拝客が、精をつけるために鰻を食したのが始まりと聞きます。そことは一線を画し、成田山公園の傍らに佇む「名取亭」。歌舞伎界の名門や落語家も通うという知る人ぞ知る名店に、自慢の鰻と鯉料理をいただきに行って参りました。

創業は大正9年。成田山の歴史を見つめた90余年

新勝寺の境内、大本堂の北東に位置する成田山公園。広大な敷地に噴水や池、滝があり、春には梅や桜、秋には紅葉を楽しめる隠れた名園です。そんな成田山公園の池のほとりに佇むのが大正9(1920)年創業「名取亭」です。
▲大正時代から地元から愛されてきた老舗の名店
▲ごひいきさんから預かった招木札にも歴史を感じます

成田山公園のお散歩はあとでゆっくり楽しむこととして早速お店に入りました。

景観もおもてなしの一つ
美味しいお料理をお庭とともに

正面玄関から長い廊下を渡って案内されたのは、離れにある「鶴の間」。このお部屋では、手入れの行き届いた日本庭園を眺めながら、お食事が楽しめるとあって、歌舞伎役者のご一家もよく利用されるそう。
▲唐傘天井などの細工が美しい落ち着いた「鶴の間」(別途利用料あり、詳細は問い合わせ)

離れには「鶴の間」の他にもお祝い事によく使われる「一の間」や100名以上の宴会が可能な「大宴会場」があり、お正月などは参拝のお客さんで賑わいます。
▲駐車場側にある離れ専用の玄関から、離れに直接入ることができるそう
個室を利用しない場合でも、広々としたお座敷で、お庭を眺めながらゆっくりと食事が楽しめます。紅葉の季節は大変人気です。

ここでしか味わえない味に
時間を忘れて寛ぐ

新勝寺に参詣するお得意様が毎年かかさず訪れるという「名取亭」の名物は鰻料理と鯉料理。成田山の参拝客に精をつけてもらうよう、印旛沼産の川魚をふるまうようになったのが始まりです。鰻はお願いすれば白焼きにもしてくれるとのことなので、「鰻の白焼き」と「うな重」を注文。鰻は焼きあがるまで時間がかかるので「鯉のあらい」とお酒にも合いそうな一品料理をお願いしました。
▲鯉料理は名取亭の名物。メニューには鯉こく、鯉のうま煮などもあります
▲鯉のあらい(1人前1,500円・税抜)※2人前から注文可能。写真は2人前
氷と一緒に盛り付けられた鯉は目にも美しく、彩り鮮やか。身は新鮮で厚みがあります。一切れいただくと、鯉ならではの歯ごたえがあります。
筆者が以前に食べた鯉はどこか泥臭さを感じましたが、こちらの鯉は一切臭みは感じられず、酢味噌を絡めていただくとまるで鯛のよう。聞けば、水槽で1週間ほど清水で綺麗にしてから調理をしているとのこと。
▲茨城県産の新鮮な鯉を酢味噌でいただきます!美味~!

最初に食べたお店がそのお料理の印象を決めてしまいがち。もし初めて鯉をいただくならぜひ「名取亭」に足を運んでみてください。きっと鯉が好きになりますよ。

続いて千葉県ならではの落花生豆腐、肝焼きもお酒とともに美味しくいただきました。
▲落花生豆腐(600円・税抜)。胡麻豆腐と似ていますが落花生の風味が感じられます
▲肝焼き(1本500円・税抜)。香ばしさがたまりません

お庭を眺めながら、ここでしか味わえないお料理をいただく。鰻が焼きあがるのを待つ時間もとても贅沢に感じられます。

柔らかく蒸しあげた鰻をカリッと焼く
食感へのこだわりも老舗ならでは

「名取亭」の板長は現在5代目、先代のお祖父様から引き継いだ味と製法を守り続けています。「鰻は焼きはもちろん大事ですが、蒸し方にもこだわっています」と板長。鰻は個体によって身のつき方や脂の乗り方も違うため、柔らかく蒸すためにも技が必要だそう。
お客様好みの”外はカリッ中はフワッ”にこだわり続けるのも、リピーターが多い老舗ならではのおもてなしです。
▲秘伝のタレをつけてじっくりと焼いていきます

お話を伺っているうちに鰻が焼きあがりました。
まずは白焼きをいただきます。こちらは、わさびとお醤油で鰻本来の旨みを味わうのにおすすめ。キリっとした日本酒によく合います。一層鰻の柔らかさが引き立ちます。
▲鰻の白焼き(3,000円・税抜)。わさび醤油でいただきます
▲続いておまちかね、うな重(小鉢・きも吸付、3,500円・税抜)。蓋の水滴が鰻に掛からないよう、蓋の下に半紙が挟んであります
蓋を開けるとふわっとかぐわしい香り。箸を入れるとほろりと柔らかい身がほぐれます。まさに”外はカリッ中はフワッ”の醍醐味です。とろりとした甘辛のタレがよくマッチして、一品料理をいただいた後でもぺろりといただけてしまいます。
▲とろけるような柔らかさ。お米やご飯の炊き具合にもこだわりが伺えます
子供の頃から「名取亭」の板場を見てきたという板長は、味はもちろん日本の文化やおもてなしの心を伝えていきたいと言います。鰻料理は伝統芸とも言える職人技。技をつなぎ味を守ることで、お得意様に「やっぱり名取亭だ」と言ってもらえるお店であり続けたいと話してくれました。
2020年には創業100年を迎える「名取亭」。毎年訪れたいお店になりました。

見どころ満載!お食事のあとは
成田山公園をゆったりお散歩

お腹がいっぱいになったところで、「名取亭」を出て目の前の成田山公園を歩きました。公園と言っても、16万5千平方メートル(東京ドーム3個分以上)と広大で起伏もあります。大きな池のほとりの遊歩道を歩いてみました。
▲園内には「文殊」「竜樹」「竜智」と呼ばれる3つの池があります。「竜智の池」にある浮御堂は憩いの場
▲11月には紅葉を愛でながらのお茶会や演奏会も催されます

四季折々の表情が魅力の公園ですが、殊に11月の秋の紅葉まつりと2月下旬から3月上旬に催される梅まつりは有名で、たくさんの人で賑わいます。
▲園内にある「成田山書道美術館」は、江戸末期から現代までの書道作品や資料を多数収蔵する書の専門美術館(入館料:大人500円、高・大学生300円、小・中学生無料 ※すべて税込)
▲さらに深緑の中を進むと大きな岩に囲まれた「雄飛の滝」が出現。神聖な空気に包まれています
▲平和の大塔の直下に広がる「西洋庭園」は春には花が咲き乱れます。中央の噴水を囲んでベンチが設置されています
公園に隣接して「成田山霊光館」「成田山仏教図書館」など見どころはほかにもあり、時間をかけてゆっくり楽しむことのできる、いわば“裏成田”。
参道の賑わいもいいけれど、成田山新勝寺を訪れた際には、ここまで足を延してみる価値がきっとありますよ。
▲老舗の味と公園に癒される大満足の一日になりました
平間美樹

平間美樹

某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP