サバは刺身で食べるべし!唐津の新名物「唐津Qサバ」の旨さに悶絶!

2016.10.29 更新

日本有数の漁場である九州北西部の玄界灘。「呼子のイカ」に代表される海の幸に恵まれた佐賀県唐津市に、新名物が誕生し話題となっています。その名は「唐津Qサバ」(からつキューサバ)。驚くなかれ、このサバ何と完全養殖なんです!!養殖なのに美味しいの?漁場である唐津で養殖ってなぜ?そんな疑問を解決すべく、唐津市へ。まずはそのサバ、食べてみようじゃありませんか!

完全養殖サバ、そのお味はいかに?
見晴らし抜群の旅館でいただきます!

「唐津Qサバ」を食べに伺ったのは、呼子のすぐそば。豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に築いた名護屋城そばにある「観光ホテル 大望閣」です。呼子周辺の8旅館では「唐津Qサバ」が食べられるプランを「サバ活プラン」として提供中。「大望閣」では、名物である「呼子のイカ」と一緒に味わえる内容とのことで、とても楽しみ!「サバ活プラン」は日帰り・宿泊ともにありますが、今回は日帰りプランで!
▲料理が評判の、高台にあるホテルです

「大望閣」では、日帰りでも完全個室で食事がいただけるのがうれしいところ!
▲「大望閣」の食事処個室。写真ではわかりませんが窓からは名護屋大橋が見えます!最高~

快適すぎる個室でのんびりしたいところですが、サバをさばく様子が見たいので特別に調理場へ案内していただきました。取材日は、調理場裏にある生け簀に、数十匹のサバを泳がせていましたよ。
網で生け簀のサバをすくい、ササッとしめてから洗います。そして調理場へ。
丁寧に骨を抜き、厚みのある身に包丁を入れたらお皿に盛っていきます。
▲板前の古舘さんの素早い包丁さばき!あっという間!

生け簀ですくってから5分ほどじゃないでしょうか。本当に早い!
「イカもそうですが、サバも素早くせんと。より美味しく頂いてほしいですからね」と古舘さん。

ついさっきまでピチピチしていたサバ、光を受けてツヤッツヤです!
早く食べた~い!!
▲光り輝いています!

身を醤油につけただけで脂が!
サバの刺身がこんなに甘いなんて!

個室の食事処に戻ると、「サバ活プラン」の料理がずらりスタンバイ!
何とサバの他、呼子のイカ、佐賀牛まで味わえるコース料理!何たる贅沢!!
▲サバとイカの造りは2人前

今回お願いした「サバ活プラン」は1人前5,400円(税込)。※日帰り利用の場合。
前菜/「サバ活」の造り/地魚の荒炊き/イカの活造り/佐賀牛のハリハリ鍋/茶碗蒸し/自家製いかしゅうまい/イカの天ぷら(または塩焼き)/カニの味噌汁/デザート/香物/御飯
…これにイカの後造りが付き、全部で13品!!

このボリュームと内容、幸せすぎます!!

さてさて、さっそく今回のお目当てであるサバを刺身でいただきます。

サバの身を醤油につけるとびっくり!醤油にぶわっと脂が広がりました。
スゴイ!
▲写真で伝わりづらいのが残念…

その身を一口食べるや否や「ん~~!」と思わず歓声をあげちゃうほど。
まず弾力がスゴイ!“プリプリ”とかそんな可愛いものじゃないですよ。“ブリンブリン”しています。
そして噛むほどにでる甘み。たっぷり乗った脂…。
一切れで3つの幸せを与えてくれます。

青魚特有の生臭さも、クセもまったくありません。
味わえるのは、サバの濃厚なうま味と上品な脂!

実は私、取材の後あまりの感動に友人と再度食べに伺いました。中には青魚が食べられない友人もいたのですが、その友人も絶賛する美味しさです。
▲活造りには九州の郷土料理「ゴマサバ」も!

ええ、本当?と思われたらぜひお確かめくださいませ。
サバの刺身の美味しさに、きっと驚いてもらえるはずです。

ちなみに「大望閣」では、食事利用の方は個室を12時~15時まで3時間利用できるほか、最上階にある露天風呂付きの大浴場も利用できるんですよ。ハンドタオル(1枚)まで貸して頂けるので、食事と入浴両方楽しんではいかがですか。

感動の味わいを生み出したのは
唐津市と九州大学の共同研究

美味なる「唐津Qサバ」の感動冷めやらず、次は完全養殖の秘密を探りに唐津漁港へ。

この「唐津Qサバ」、完全養殖に成功し実際に提供するのは3年目と、実はまだ本当に誕生したて。唐津市から九州大学に「海産魚の完全養殖技術の開発」の共同研究を依頼したのが5年前。そこで唐津市で、昔から水揚げが多く馴染みのあるマサバを対象にし、研究が始まりました。担当されたのが、九州大学農学研究院准教授である長野直樹先生です。
▲物静かで優しい長野先生。研究のため、唐津市に移り住んで早5年だそう

今回、長野先生と生産業者の辻さんが唐津漁港から船で10分ほどの「唐津Qサバ」の養殖場に連れて行ってくださいました。
▲養殖場まで船で連れて行ってくださった生産業者の辻さん

まず、そもそも九州ではマサバの刺身をゴマで和えた「ゴマサバ」などで馴染みがありますが、マサバは関東や関西などでは刺身で食すこと自体珍しい魚です。

「ええ?サバの刺身…あたっちゃうんじゃない?」そう思う人も多いと思います。
まさにその通り、マサバは食中毒の原因であるアニサキスが寄生する確率が高い魚。あたると七転八倒の苦しみを味わいます。

アニサキスはサバの内臓に寄生していて、加熱や冷凍することで死滅しますが、生食の場合は新鮮なうちに内臓を注意深く取り除くことが必要です。しかしまれに身の部分にも移りますので生で食す機会が少ないのも仕方がありませんでした。

そこで、刺身でも安心して食べられる完全養殖のマサバの研究がスタートしたのです。
▲弾力があり、身も甘い!絶品のサバの刺身

寄生虫のリスクなく、
安全に食べられるサバを求めて

それから唐津市の「唐津市水産業活性化支援センター」で長野先生のマサバと格闘する日々が始まります。

食中毒の原因・アニサキスとは、マサバがオキアミという小さなエビの仲間を捕食することにより寄生します。よって、人工ふ化したマサバを卵から出荷まで管理された餌を与えることによりアニサキスのリスクを軽減できるそう。

簡単に言えば、天然の海だとアニサキスを持つオキアミを捕食してしまうので、水槽で人工ふ化し、アニサキスのいない管理された餌でマサバを育てる…という訳。
▲養殖生け簀でマサバの状態を見て、エサをやる長野先生と辻さん

苦労の末、3年目にして完全養殖に成功

まずは天然のマサバから採卵し、人工ふ化させた仔魚(しぎょ)を稚魚から親魚に育て、その親魚から卵を採って人工ふ化させ養殖していく…という人工ふ化のサイクルを目指します。

しかし、なかなか良い卵を産みません。何度も何度も実験し、水温・光・エサ…色んな要因を少しずつ変え、研究を重ねようやく卵がふ化します!
それまでに2年の月日を費やしていました。

「一番苦労したのは、やっぱり最初の人工ふ化ですねぇ」と長野先生。
▲養殖生け簀に泳ぐマサバのトルネード。体長10cmから出荷前までのマサバが育っています

それからマサバを管理し、体長10cmまでは施設の水槽で、それ以上になると養殖場の生け簀で育てます。エサは熱処理してアニサキスを無害化させたオキアミと魚粉を混ぜた人工のもの。このエサに含まれる脂の量を加減することで、マサバの脂の乗りも調整できちゃうんですって!聞けば、天然のサバの脂の乗り具合が10%程度であるところ、「唐津Qサバ」は年間平均して25%もあるとのこと。
およそ2.5倍じゃないですか!
▲ツヤツヤの「唐津Qサバ」

「じゃあ、さらに脂たっぷりのエサをあげるとさらにノリノリのマサバができるんじゃないですか?」との私の問いに、
「可能ですよ、もちろん。例えばこんなマサバにしたい!というお店からのオーダーとかにも、対応できます。味もそうですが、人工ですから海水温度が上がる7・8月以外、年中出荷もできますよ」とのこと。

自分好みのマサバも可能とは…!まさに完全養殖ならではですね。

2016年で「唐津Qサバ」は出荷し始めて、まだ3年目。
1社だけだった生産業者が今は6社に。
初年度は3,000匹だった出荷数も2年目は6,000匹、3年目は15,000匹に。(2017年は70,000~80,000匹が目標だとか!)

現在「サバ活プラン」として、呼子町内8つの旅館で「唐津Qサバ」を提供しているほか、唐津市内の飲食店はもちろん、一部福岡市内の居酒屋などでも提供。今後は関東・関西への出荷も考えているそう。これからの展開も楽しみですね。
※「唐津Qサバ」が食べられるお店は続々増えています!詳しくはホームページをご参照ください
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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