これがミツカンの博物館!?遊びながら学べる「MIM」がセンスよすぎ!

2016.12.07 更新

今回紹介する「MIM(ミム)」は「味ぽん」で知られる食品メーカー「ミツカングループ」が2015年11月にオープンさせた体験型博物館「MIZKAN MUSEUM」のことです。このMIMがとにかくすごい!江戸時代から続くミツカンの酢造りの歴史や食文化の魅力を楽しく学べる仕掛けがいっぱいなんです!

▲昔ながらの木造建築に見えますが、細部のデザインがオシャレです

見て、さわって、学べる、体験型見学ツアー

「MIM」はミツカングループ創業の地・愛知県半田市にあります。
「MIZKAN MUSEUM」という名前は社員の案だそうですが、「MIM」というかわいい名前は、NHK Eテレ「デザインあ」の総合指導でも知られるグラフィックデザイナー・佐藤卓さんが愛称として提案したそうです。「MIM」のロゴも佐藤さんによるデザインです。
▲この日のツアーガイド、橋本亜依さん。総勢20名以上の見学者をアテンドしてくれました
「MIM」の見学はスタッフ同行のガイドツアー(要事前予約制)となっており、9:30~15:30まで30分毎に開催されます。各ツアーの所要時間は90分(ガイドツアー70分+「光の庭」体験エリア20分)、1ツアーにつき25人まで参加できます。

館内は5つのゾーンに分かれていて、ガイドに連れられて旅をするように、さまざまなことを体感していきます。

まずは江戸時代にタイムスリップ

ゾーン1は「大地の蔵」です。ここは江戸時代の酢造りと現在の醸造の様子を見られる場所です。

そもそも半田市のある知多半島は、江戸時代から日本有数の酒造り地域で、酒以外にも、味噌や醤油、酢などの醸造品も作られてきました。ミツカングループの創業家である中埜(なかの)家も、もともとは酒造りをしていて、酒造りの過程で余る酒粕の有効利用として酢造りを始めたということです。
▲天井や梁、柱、桶など一部は実際に使用されていたものだそうです。そのせいか微かに酢の香りを感じます
フロアを移動しながら、当時の酢造り行程のレクチャータイム。
学んだ成果を簡単に言うと、酒粕に水を加え「もろみ」を作り、「もろみ」から「酢もと」を絞り、「酢もと」に酢酸菌を加えて発酵させて酢にするそうです。

さてこのフロアでは最後に「フロアの真ん中に置かれた大きな桶を覗いてみてください」と橋本さんが呼びかけます。
覗いてみても何もありません。ですが橋本さんが「3、2、1」とカウントすると……。
見学者の「おぉ!」というドヨメキとともに桶の中にパッと現れたのは、現代の酢造りのフロアです。圧搾機やもろみ作りタンクが見えました。「MIM」では実際に酢を作っているのでした。
次のフロアへの移動の途中には発酵室があり、液体の表面には酢酸菌によって作られる菌膜が見られます。といっても、残念ながら人間の目には白い膜です。
ここでも実際に発酵を行っており、見学時に一番適した発酵槽のフタが開けられるそうです。
ちなみにここで発酵させたお酢は、ミツカンのブランド第一号「三ツ判 山吹(みつばん やまぶき)」という粕酢です。「山吹」という名前は酢飯にした時に山吹色になることから名づけられたとのこと。
▲通路には各種道具が陳列されています。使いこまれた道具には機能美と職人魂を感じます
続くフロアでは酢造り職人たちの作業を実体験できます!
酢を運ぶ作業にトライ!この左右の桶合わせて15kg。天秤棒のおかげでそれほど重くはありませんでしたが、実際の職人は筆者の持った3倍ほどを担いでいたというから筆者にはとても務まらないことが分かりました……。
樽に酢を詰める際、職人たちは音で量を判断したということで、その作業にチャレンジ!満タン、三分の一、空っぽの3つの樽を木槌で叩いて調べます。量の違いで音が高かったり低かったりします。
▲酢は原料によって香りが違い、このコーナーでは様々な酢の香りを体験できます
▲「香りのひきだし」をあけて実際の香りを堪能!

ミツカン創業の地・半田市を感じます

ゾーン2に向かう通路からは中庭が見えます。屋根の上に見える煙突は、太陽熱を利用した自然換気システムとのこと。自然環境を大切に考えるミツカングループの想いが伝わります。
ゾーン2は「風の回廊」と呼ばれ、半田市の懐かしい情景が収められた写真を見ることができます。また、フロアの中央に飾られたのれんがとにかくオシャレ!半田の山車31台分の法被をモチーフにして作られています。
▲のれんの通路を通り過ぎた突きあたりの窓からは、ミツカンのCMにも登場したという運河沿いの黒塀の景観が見えます

迫力ある映像で江戸までの航海を体験!

ゾーン3「時の蔵」に入ると、目の前に木の巨大なオブジェが現れます。これは江戸時代に半田から江戸まで酢などを運んだ「弁才船(べざいせん)」を実寸大で再現したもの。長さ約20m、重さ約20t。これでも当時は小型だったとのこと。
ちなみに「時の蔵」に入ってすぐに、ある演出が行われるのですが、それは見学時のお楽しみです。

さてここで橋本さんからクイズです。
「この船で半田から江戸まで何日かかったでしょうか?」

筆者「1週間!」

橋本さん「惜しい!約1~2週間だったそうです。またこれだけ大きい船ですが、少ない乗組員で約46.5tもの荷物を運んだそうです……」
と橋本さんの説明が続きます。
「時の蔵」の壁には、ミツカングループの歴史が絵巻物のように描かれています。
なかでも印象に残ったのは、19世紀初頭の江戸で現代の握りずしの原型である「早ずし」が誕生した頃、「早ずし」に合う酢として江戸で販路を拡大していったという話。米酢よりも安く、甘みと旨味のある粕酢は、江戸の有名すし店も使うほど人気だったそうです。
ひと通り説明を聞いた後、「弁才船」の甲板に乗り込みます。すると突然室内が暗くなり、目の前の壁でCGアニメーションがスタート!半田から江戸までの航海を疑似体験できる内容で、筆者の隣にいた女性はあまりの迫力のため後方に移動するほど。とにかくクリエイティビティを感じさせる面白くてカッコいい映像でした。
▲映像のところどころで「酢」の文字をモチーフにしていてユーモアもあります

最後のゾーンは、まるでゲームセンター!?

「時の蔵」を出て、ゾーン4「水のシアター」でミツカングループのグループビジョン・スローガン「やがて、いのちに変わるもの。」を表現した映像を鑑賞。美しい映像に心が癒されます。

そしていよいよ最後のゾーン5「光の庭」にやってきました。ここはその名の通り、大きな窓から光の入る明るいフロアに、様々な体験コーナーがあります。
▲ガイドの橋本さんとはここでお別れです。筆者はここぞとばかりに質問攻め!
▲まずは見学者全員へのおもてなし!「お酢ドリンクバー」では、黒酢やりんご酢が無料で飲めます!
そして目に入ってきたのは、目の前に広がる膨大な数の握りずし……。
▲その名も「すし大陸」。20種類以上の握りずしが1,000貫以上並ぶ光景は圧巻!
▲すし職人が握った本物を元に作られたサンプル。もちろん食べられません……
▲「すし大陸」の側面の引き出しでは、「すしの細道 日本全国の郷土ずし」や「全日本人気すしネタ番付」など、すし文化にまつわる様々な豆知識を勉強できます
勉強の後は、試験で知識の確認です。ということでタッチパネルで答える「すしスクール」で「すしクイズ」にチャレンジしました。クイズは「極」「鮪」「刻」「祭」の4コース。筆者は江戸時代のすしにまつわる「刻」コースをセレクト。

結果は3問中2問正解という微妙な結果でした……。
▲続いては「なりきりすし屋さん」ブースです
紙粘土をしゃりに見立てて、すしを握ります。スタッフの方に教えてもらいながら指を使ってしゃりを転がし、最後にネタを乗せてできあがり!
▲すし下駄に乗せると案外それっぽく見えます
「味ぽんスタジオ」というブースもあります。ここでは自分の写真を味ぽんのラベルにした「マイ味ぽん」が作れます。
▲まず「味ぽん」(200円・税込)を購入
▲撮影コーナーは、いわゆる写真シール機と同じやり方です。筆者は「MIM」にちなんで「M」ポーズにしてみました
▲上が筆者オリジナルのシール
購入した「味ぽん」に貼り付ければ「マイ味ぽん」の完成です。スタッフの方に聞いたところ、ひとりで5~6本作る人もいるとか!かくいう筆者もお土産用に2本作りました。
▲こちらが完成品!
そして「味ぽんスタジオ」の隣にあるのが「なべエクササイズ」のブースです。
「しゃぶしゃぶ」「キムチ鍋」「水炊き」から選び、下ごしらえや味付けなどを行っていきます。ただこのゲーム、ボタンやコントローラーはありません。センサーが自分の動きをとらえるので、ダンスのように身体を動かしてゲームを進めます。
▲高得点をたたき出した筆者ですが、おかげで汗だくになりました……さすが「なべエクササイズ」。ダイエットしたい方にオススメです

オリジナルグッズも充実!おみやげにも困りません

遊べるスポット満載のゾーン5「光の庭」を出るとショップがあります。ここでは「MIMオリジナルグッズ」などが販売されていました。
筆者は、一般のお店ではなかなか売っていないという、発酵室で見たミツカン創業の逸品「三ツ判 山吹」の900ml(1,080円・税込)を迷わず購入。ほかに、友人への小ネタとして「寿司靴下(子ども用)」(750円・税込)と「寿司半円メモ(えび)」(250円・税込)を購入。靴下もメモも何種類もあるので選び甲斐があります。ちなみに「三ツ判 山吹」は早速自宅で使用しましたが絶品でした。
▲自分の身体を使って「す」の文字を完成させる「フォトすポット」にて。「また来たいっ酢!」
ということで、想像以上に満喫した「MIM」の見学ツアーでした。ガイドも空間も映像も音楽も時間の使い方も流れも、トータルバランスとセンスが素晴らしかったです。
ただ個人的には「大地の蔵」での体験時間も、「光の庭」での遊ぶ時間も、1回の見学ツアーだけでは足りません!ぜひもう一度行きたいと目論んでいます。
出口には、組み立てると握りずしになるペーパークラフトのおみやげが置いてあって、これでもか!というミツカングループのおもてなし力を感じました。
澤井敏夫

澤井敏夫

愛知県・清須市在住のライター。情報誌の編集制作、音楽事務所でのマネジメント業務を経て独立。読書と落語鑑賞とヨガが趣味。

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