圧倒的な風景と命の塩に触れる旅、「ぬちまーす」の工場見学へ

2016.11.19 更新

沖縄本島から海中道路と橋でつながる離島「宮城島(みやぎじま)」。周囲を一望するせりあがった地形から「たかはなり」とも呼ばれるこの島では、思わず息を吞む圧倒的な風景に出合えます。そんな宮城島の高台に、沖縄を代表する塩「ぬちまーす」の工場はあります。21種類ものミネラルを含むという塩そのものの魅力や、それを生み出す豊かな自然を感じに出掛けませんか。敷地内に点在するパワースポットもあわせてご紹介します。

▲沖縄の海塩「ぬちまーす」。左からぬちまーすマイソルト30g(税込463円)、ぬちまーす250g(税込1,080円)、ぬちまーすクッキングボトル150g(税込1,080円)

那覇の中心エリアより沖縄自動車道を利用し70分ほど。今回訪れる宮城島は沖縄本島から陸路で行ける離島です。冒頭で紹介した「たかはなり」の語源は「高離り」から来ており、標高の高い離島を意味するそうです。
周囲12kmほどの小さなこの島は、島民わずか800名程度。沖縄の中心地からアクセスしやすいとは言い難いこの島に、あえて工場を建設したその理由にも興味がわきます。

海中道路を経由し、宮城島へ向かう

▲海の中央を貫くように延びる海中道路

沖縄本島の東海岸に位置する「うるま市」。太平洋に大きく突き出す形の勝連(かつれん)半島からは、平安座島(へんざじま)・宮城島・伊計島(いけいじま)・浜比嘉島(はまひがじま)といった各離島へアクセスできる海中道路が延び、左右を海に囲まれる爽快なドライブが楽しめます。
海中道路を渡り切ると、平安座島に入ります。地域の子どもたちが防波堤に描いた可愛らしいイラストを横目にさらに車を進めます。
▲崖の上に建つ「ぬちまーす」の観光製塩ファクトリー

平安座島を抜け宮城島に入ると標高は一気に上がり、道すがら楽しめる海の風景もグッと美しくなります。崖の上に見える建物が「ぬちまーす」の観光製塩ファクトリーです。

沖縄を代表する塩「ぬちまーす」の観光製塩ファクトリー

「ぬちまーす」という聞き慣れない名前は、沖縄の言葉である「ぬち=命」・「まーす=塩」から付けられており、「命を育む塩」という創業者の想いが込められています。工場にはショップやカフェが併設されており、工場見学や休憩・ショッピングが同時に楽しめるとあって連日多くの観光客で賑わいます。
午前9時から午後5時30分までは自由に工場を見学することができます。無料ガイドも毎日実施されており、午前9時40分から最終出発の午後4時40分まで毎時0分、20分、40分に始まります。10名未満であれば予約も要らず、所要時間も10分程度と気軽に参加できるのも人気の秘密。
それでは、早速工場見学に出発です。
「ぬちまーす」の製造方法を案内してくれるのは、自らも製造工程を体験した社員さん。現場で苦労した思い出を交えて説明してくれます。
塩を作るには海水を噴霧し、そこに温風を当てることで水分だけを蒸発させ、海水中に含まれる海洋ミネラルをそのまま残した状態で結晶化させるそうです。
「ぬちまーす」が開発したこの世界初の技術は「常温瞬間空中結晶製塩法」と名付けられ、日本を含む世界13カ国で特許を取得しています。

完成した「ぬちまーす」からは21種類ものミネラルが検出されており、その量も一般的な精製塩に比べて多く含有されています。また多種多様なミネラルが含まれている結果、塩分中のナトリウムは75%程度に抑えられています。さらにナトリウムを排出する働きをもつカリウムも多く含まれていることから、血圧が気になる方からの支持も高いそうです。
製塩の様子は工場側面に設けられた窓越しに見ることができます。噴霧された海水が瞬く間に空中で結晶化し、工場内に降り積もる様子はまさに雪景色。
窓の中に見える塩の様子はまるで降り積もった雪のよう。塩で作られた雪だるまが2体ちょこんと置かれているのも遊び心が効いています。

この日は特別に許可をいただき、工場内での撮影が叶いました。
工場内は縦36m、横10m、高さが6mの大きさがあり、朝から製塩を行っても1日で2~3mmほどしか積もらないそうです。取材当日は降り積もった塩を、工場中央部分に並ぶマンホールのような穴から工場下部の検品場へ移動したばかり。校庭や野球場を整備するトンボのような道具を使い、次々と穴へ落としていくそうです。
至近距離で撮影を行っても、やはり新雪のような美しさ。この姿になる直前まで、エメラルドグリーンに輝く海水であったとはとても思えません。温風を使って製塩されることから、工場内の気温は常に40~50度とかなり蒸し暑く、理想的な塩づくりを行う現場スタッフの皆さんのご苦労をわずかばかりですが感じました。
再び見学ラインに戻り、今度は通路の足元に設けられた大きな窓から階下の検品室や梱包室を見せていただきます。作業をされている姿を上から見学させていただくのは失礼な感じもしますが、ゲストの移動を最小限にしたいという企業の心遣いが感じられます。
▲上から見る検品作業の様子

写真全体を覆う格子状のラインが見てとれますが、落下物がガラスを割らないようネットが張られているためです。真っ白な塩の中から異物を探し、丁寧に取り除く作業は気が遠くなりそうな地道な作業です。
▲最もキャリアの短い検品スタッフでもこの道7年というベテランが揃う

通常は上からの見学ですが、今回は特別に間近でその作業を見せていただきます。右手にもったブルーの刷毛を丁寧に使って塩を撹拌し、異物を発見した際には左手のチューブで吸引します。ほとんど異物が混入していないことが、さらにスタッフの疲れを誘うそうです。間違いのない商品を完成させるには、不断の努力が求められるのですね。勉強になります。
▲柵の向こうに広がる澄み切った海水が「ぬちまーす」になる

見学ラインの突き当りからは、美しい海が一望できます。「ぬちまーす」の原料である海水は、工場より60m以上も下にある海から、3つのポンプを使い、6枚のフィルターを通して汲み上げられるのだとか。宮城島は人口が少なく、生活排水が海を汚染していないという理由からこの地に工場が建設されたそうです。工場の立地に関しては訪れる前から疑問に感じていましたが、この環境を目の当たりにしてその理由が腑に落ちます。

ここで約10分間の見学は終了となりますが、短いながらも「ぬちまーす」の魅力が存分に伝わる大満足の工場見学でした。

カフェやショップでは、「ぬちまーす」を使ったメニューやお土産が

▲沖縄の伝統料理である「すーちかー」がメインのランチセット(税込1,500円)

工場見学の後、2階にあるカフェ「たかはなり」とショップに立ち寄りました。カフェでは「ぬちまーす」を使ったランチやスイーツが楽しめます。写真のランチセットは「すーちかー」がメインになっています。「すーちかー」とは、沖縄の伝統料理である豚の塩漬け。もちろん「ぬちまーす」で塩漬けにされており、肉の旨みが存分に味わえます。
▲一番人気の「ぬちまーす 塩ソフトクリーム」(税込500円)

そして何よりダントツの人気メニューがこの「ぬちまーす 塩ソフトクリーム」。取材中も売れに売れ続けていました。

「ぬちまーす」がしっかりと使われており、一口目の衝撃といえば「ソフトクリームの中に塩をぶちまけた?」なんて個人的に思ったほど。ガッツリと塩気が効いており、驚きのパンチ力。それでいて塩辛く感じることはなく、二口目・三口目と塩の旨みがどんどん感じられるようになり、無心で食べ進めてしまいました。

塩の配合バランスが極めて難しく、1g違うだけで全く異なる味になってしまうため数えきれない回数の試作を繰り返したそうです。想像以上にあっさりした味で、スイーツ女子はもちろん甘いものが苦手な方でも一瞬で虜になりますよ。
カフェの隣はショップとなっており、「ぬちまーす」はもとより「ぬちまーす」を使ったオリジナルのお土産やグッズが販売されています。
▲「ぬちまーす」はサイズや形態などがバラエティに富んでおり、自分用のほか家族や友人へのお土産としても喜ばれそう
「ぬちまーす」を除いたフード部門の売り上げ第1位は、写真奥にある「塩みつかりんとう(税込432円)」。他を寄せ付けず、その人気は群を抜いているそうです。個人的には写真手前の「ドライ塩トマト(税込432円)」がスマッシュヒット。ドライトマトに「ぬちまーす」の塩味が抜群に良く合い、お茶請けやお酒のお供にピッタリです。
▲ピーリングソルトとして人気の「シルクソルト」と「リュウミネシルクソルト」(パッケージ違いで内容物・容量共に同一、250g・各税込3,996円)

一方、「ぬちまーす」を使った美容グッズも用意されています。写真にあるシルクソルトは食用の「ぬちまーす」をさらに細かくし、まさにシルクの肌触りを実現しています。100%海水で出来ているため、そのまま口に含んで味わうことだって出来ちゃう安心感。歯茎のマッサージに使う方もいらっしゃるそうですよ。
▲シルクソルトでベテランスタッフさんが優しく肌をマッサージしてくれるお試しも
▲沖縄らしい月桃の香りに包まれる「ぬち髪(からじ)」と「リュウミネシャンプー」(パッケージ違いで内容物・容量共に同一、300ml・各税込3,240円)※手前は40mlのミニサイズ各税込432円

写真の「ぬち髪」は「ぬちまーす」が配合されたシャンプー。古くから沖縄ではリンスの代わりに使われていたというハイビスカスエキスも配合されており、これ一本でシャンプーとリンスを兼ねて使えるそうです。

塩から菓子、調味料、美容・ヘルスケアグッズまで数多くの商品が並び、お土産選びも楽しめそうです。

敷地内には自然のパワーを強く感じるスポットが点在

▲一面に植えられたキダチベンケイソウ。冬になると赤い花で埋め尽くされる

天気が良ければ工場正面の小高い丘を登り、周囲を散策してみましょう。この小路もスタッフの手により整備されたそうです。
▲ガジュマルの根とソテツに守られる鍾乳洞

階段を上った先にパワースポット「三天御座(みてぃんうざ)」があります。沖縄では天・地・海(竜宮神)の3つの神様がいると考えられており、ここはその3つの神様が集まる場所なのだそうです。工場のほぼ中心に位置する「三天御座」から、敷地内全てに良いエネルギーを送り出していると考えられています。
さらに先へ進むと一番の絶景ポイントに辿りつきます。それがここ、「果報(かふう)バンタ」からの圧倒的な風景です。ここで感じ取れるパワーは、もはや説明の必要もありません。
沖縄の言葉で「幸せの岬」を意味する「果報バンタ」は、ここにいるだけで人生そのものが祝福されているかのような気持ちになります。
果報バンタの真下に位置する白砂のビーチ「ぬちの浜」では、5~7月にかけ、満月の日の明け方にウミガメが産卵にやってくるそうです。
果報バンタや、三天御座が所在する社一帯を「はなり嶽(たき)」と呼びます。この周辺で最も高い場所にあり、あたり一帯を清らかなパワーが包み込んでいるそうです。
小高い丘を下り、工場の裏手に回ると「龍神風道(りゅうじんふうどう)」があります。最もエネルギーの通りが良い場所とされるパワースポットで、偶然にも「ぬちまーす」の原料である海水は、この「竜神風道」のすぐ脇を通って採取されており、商品自体にもそのエネルギーが含まれているのかも知れませんね。

工場見学にカフェでのおいしい食事、「ぬちまーす」や関連商品のショッピング、パワースポット巡りと大満足の一日となりました。
地表の7割を占める海は、生命の起源ともいわれます。海洋ミネラルを豊富に含む「ぬちまーす」もまた、その同じ海から誕生し、やがて人の身体となり命となります。敷地内に点在するパワースポットで心と身体が感じる力もまた、ミネラル同様に目には見えずとも我々の身体や命に働きかけているのかも知れませんね。

沖縄旅行の際には雄大な自然そのものや、自然から作り出される製品に触れてみてはいかがですか?心と身体を研ぎ澄ませれば、今まで以上に感じられる何かが沖縄にはまだまだあるのだと思います。
芦田敏幸

芦田敏幸

WORD WORKS OKINAWA ディレクター。記事執筆から書籍・ウェブ全体のプランニング、オーガナイズまで幅広く対応。沖縄在住のインタビュアーとして著名人のインタビュー・執筆などにも精通。映像制作やイベントプロデュース、WEBショップなど複数のビジネスも手掛ける。

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