沖縄本島北部「やんばる」の大海原でカヤックフィッシング!

2016.12.19 更新

沖縄本島北部、自然が色濃く残るエリア一帯は「やんばる」とよばれ、雄大な自然が広がります。今回の舞台は、その東海岸に位置する慶佐次(げさし)。ここは海と川が合流する汽水域であり、亜熱帯特有の植物が生い茂る場所。本島最大のマングローブを観察するカヤックツアーが有名ですが、今回は少し趣向を変え、カヤックで太平洋を満喫しながら釣りに挑戦してみたいと思います。

東村(ひがしそん)の慶佐次へは、那覇空港から沖縄自動車道を利用し2時間弱の道のり。人気の観光地「沖縄美ら海水族館」や「古宇利(こうり)島」より1時間以内とあって、北部のドライブコースに組み込むのがオススメです。
亜熱帯の森やマングローブ林といった南国特有のワイルドな景観が楽しめるとともに、時間の流れがゆるやかに感じられる素朴さにも惹かれます。道中はよんなーよんなー(ゆっくりゆっくり)、安全運転で向かいましょう。

いざ、カヤックフィッシングツアーへ!

今回お世話になるのは慶佐次のマングローブツアーとカヤックフィッシングを主催している「やんばる.クラブ」さん。カヤックフィッシングツアーには、カヤックのレンタルやガイドによるレクチャー、保険、釣り道具一式、ライフジャケットなどアクティビティに必要な内容のすべてが含まれており、濡れても良い服装のみで参加OKというお手軽さも人気の理由です。
ガイドの荘司さんよりライフジャケットを受け取り、早速2時間半のカヤックフィッシングツアーに出掛けます。
カヤックは2名乗りということもあって、今回はラジオパーソナリティや司会、モデルとして活躍している古謝(こじゃ)わかなさん(写真右)も一緒に参加してもらいました。「泡盛の女王」や「ミスうるま」に輝くわかなさんは生粋のうちなーんちゅ(沖縄県民)。カヤックフィッシングは初挑戦とのことで、スタートから興奮気味です。
春夏はもちろん、秋冬であっても沖縄の日差しは強烈。UV対策は万全にしておきましょう。曇り空だからと油断をしていると、予想以上の日焼けに後悔すること必至です。
帽子やサングラスのほか、海上ではウィンドブレーカーなどの風を通さない上着を持参するのがオススメ。「やんばる.クラブ」では、更衣室やお手洗いとあわせてロッカーも完備しているので貴重品を預けて思いっきり楽しめますよ。

レクチャーで基本を学びます

体験場所はショップの目の前。わずか20mほどの距離なので移動も楽々。まずはパドルの持ち方や漕ぎ方から学びます。
パドル自体は軽く、女性でも扱いやすい長さなので初めての方でも簡単に操縦できます。右に進みたい時は左を多めに、左へ進みたい時は反対を動かします。

さて、パドルの練習も重要なのですが、実は「やんばる.クラブ」のカヤックフィッシングには最新の秘密兵器が用意されています。それがこちら。
▲足漕ぎ式のカヤックはフィッシングの強い味方

ペダルと一体化した足漕ぎ式のフィンです。自転車のペダルを漕ぐように足を前後することでフィンが連動して動き、カヤックを前へ進める推進力を生みだします。釣りで両手がふさがっている状態でもカヤックを操作できる優れもの。
後で分かるのですが、これが思った以上に便利。小さなフィンながら、腕で操作するパドルよりはるかに楽にグングン進んでくれるのです。
▲ペダル式フィン専用のカヤックが用意されている

カヤック本体も足漕ぎ専用のタイプで、ペダル式のフィンがカヤックの底に差し込めるようになっています。まずは手漕ぎで進み、川底が深くなったら足漕ぎにチェンジするわけですね。
操作方法をイメージしたところでお次はフィッシング。出発に先立ち、釣りの練習もしておきます。未経験の方や初心者には無料で講習をして貰えるので安心してくださいね。リールの巻き方や竿の投げ方など丁寧に教えてもらえます。

カヤックとフィッシング、ともにレクチャーは終了。これでいよいよ出発です!

カヤックに乗り込み大海原へ!

ゆっくりとカヤックに乗り込んだら、ペダルの位置を調整してもらいます。漕ぎやすい高さかどうか慎重にチェック。細かな点ですが、この少しの調整で漕ぐスピードや疲労度が大きく変わってくるので念入りに行いましょう。
調整が終わればすぐに出発。ショップの目の前を流れる慶佐次川を進み、一路やんばるの大海原を目指します!浅瀬ではフィンが川底についてしまうため、まずはパドルで漕ぎ進めます。
▲マングローブとは逆方向。太平洋へと出航!

出発してわずか2~3分で河口へたどり着きます。カヤックは想像以上に安定感があり、立ち上がったりしない限りは海に落ちることもありません。
河口まで来ると水深も十分。ここでパドルをカヤックに固定し、操作を足漕ぎに切り替えます。
足漕ぎに替えるとビックリ。手で操作するパドルに比べ、グングンと前に進んでいきます。体力に自信のない女性や、運動不足を自覚するお父さんでも大丈夫!海の上を滑るように進むカヤックは爽快そのものです。
10分ほどで釣りのポイントに到着しました。大海原の解放感を味わいながらも、有銘(あるめ)湾という湾内に位置しており、波も穏やか。秋から冬にかけては強い西風が吹く沖縄ですが、東海岸に位置する有銘湾は西風の影響を受けづらいため、一年中マリンアクティビティが楽しめます。

また、リゾートホテルが軒を連ねる西海岸と比べて手つかずの自然が残っているのも魅力。人で混み合うにぎやかなビーチも良いですが、波の音と自分たちの声しか聞こえない静かな空間に癒されます。

フィッシングスタート!

ポイントに到着後、荘司さんからエサのキビナゴを受け取ります。一箱分たっぷりと用意されているので遠慮なくチャレンジできそうです。
まずはキビナゴを針に付けるところから。もちろん、エサの付け方もしっかり教えて貰えるので初心者でも心配ありません。
しっかりと針にエサを付けたら早速フィッシングのスタートです。
カヤックの上から針と糸を垂らし、ゆったりとその時を待ちましょう。この穏やかな時間がなんともいえない幸福感なんですよ。
と思っていたら、わずか30秒ほどでいきなりヒット!

別のカヤックで同行していたガイドの渡久山(とくやま)さんに最初のアタリがやってきました。姿を現したのはハタ科の魚で、沖縄では「イシミーバイ」と呼ばれます。
沖縄では泡盛を入れた塩水で煮る「マース煮」という調理法のほか、味噌汁の具材や唐揚げにしていただきます。
とはいえ、今回のカヤックフィッシングではキャッチ&リリースが基本。しばし観察させてもらった後は、優しく自然にかえしてあげましょう。
続いて、私の釣り竿に力が!これは大物の予感がしましたが、途中でバレてしまったようです。

次こそは釣るぞ!と奮起するも、私の勇姿はここまで。「波の無い海で船酔い」というまさかの失態で、あとはわかなさんに全てを託します。カヤックで船酔いというのもあまり聞かない話ですが、心配な方は事前に酔い止め薬を飲んでおくよう実体験を踏まえオススメします…
さて、みんなの期待を一身に受け、わかなさんも真剣モードに。「釣れなければ帰れない」、そんな心配もわずか10分程度で杞憂に終わりました。
釣り竿が大きくしなり、海面に吸い寄せられる激しい引き。釣りエサだと勘付かれないようにゆっくりと、慎重にリールを巻いていくと…大成功!釣れたのは「アカハタ」。沖縄では刺身や汁物、煮付けなどにしていただく高級魚です。
ガイドさん曰く、魚が回遊してくるのを待つ一般的な磯釣りとは異なり、カヤックフィッシングは魚の棲み処の真上まで行くことができるため、ほぼ間違いなく釣れるのだとか。もちろん、長年の経験で魚が住んでいるエリアを熟知しているので心強い限りです。
▲想像以上の引きの強さにテンションも上がります

一度釣った楽しみを知ってしまうと、もう一度味わいたくなるもの。魚との駆け引きに集中していくのが分かります。
▲口の下にヒゲのような突起がある「おじさん」

待望の2匹目は「おじさん」という魚。口の下に2本のヒゲのような突起があることから名付けられたそうです。こちらもマース煮のほか、フライなどで美味しくいただける魚ですが、もちろんキャッチ&リリースを貫きます。

存分にフィッシングを楽しみ、そろそろ引き上げようかと思った矢先、またしてもヒットの予感が…!
竿が大きくしなり、元気いっぱいの魚の動きを感じます。ゆっくりとリールを巻きあげた先には…?
本日2匹目の「おじさん」でした。先ほどより少し小ぶりですが、やはり釣れると楽しいものですね。本日の釣果は3匹!ガイドの渡久山さんの1匹も加えると4匹という大満足の内容でした。

ちなみに一般的な釣果ですが、よほどのことがない限り毎回釣れるのだとか。10匹以上釣れることも珍しくないそうです。ということは、1匹も釣れなかった私は一体…。みなさんはぜひ爆釣を味わってみて下さいね。
なお、余談ですが魚のリリースにはフィッシュキャッチャーという道具を使います。魚に直接触れず、安全に針を外すことができる上に魚のダメージも最小限に抑えられるのだとか。リリースした魚が元気に海にかえっていく姿に心から安心します。

最後まで楽しい時間は続きます

▲写真左が本日初ヒットを引き当てたガイドの渡久山さん

ツアー終了後はガイドのみなさんと記念撮影も楽しみましょう。船上で行動をともにしたせいか、体験後はみんなリラックスムード。ステキな時間を演出してくれたガイドさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
そしてツアー終了後には、ツアー中の写真をCD-Rにしてプレゼントしてくれます。水没や水濡れの危険があるカメラやスマホは持参できないので、これは本当に嬉しいサービスです。もちろん、ツアー料金に含まれていますよ。船酔いからすっかり回復した私がちゃっかり受け取りました。
そういえばツアー中、ずっとこんな感じで二人の大冒険を撮ってくれていました。帰り支度をしている間に用意してくれるので、その場で持ち帰ることができますよ。
帰り際には沖縄の定番菓子ちんすこうのお土産までいただき、大満足のツアーが終了。
今回参加のカヤックフィッシングは2時間半のコースでしたが、3時間のロングカヤックフィッシングツアーや、マングローブツアーと組み合わせて楽しめるプランなども用意されているので、気軽に問い合わせてみて下さいね。
慶佐次湾といえばマングローブカヤックのイメージしかありませんでしたが、海上でカヤックフィッシングが楽しめるとは思いもしませんでした。まだまだ知られていないツアーなだけに、運が良ければ視界に広がる太平洋を貸し切り状態にできる場合も。

慶佐次のマングローブカヤックは干潮時には潮位不足で実施できませんが、そんな時にはカヤックフィッシングがオススメです。秋冬は強い西風にさらされる沖縄にありながら、東海岸に位置する東村は年間を通してマリンコンディションが安定しています。
海も川も楽しませてくれる「やんばる.クラブ」で、季節や潮位を問わず素敵な旅の思い出を作ってはいかがですか?
阿久津彩子

阿久津彩子

WORD WORKS OKINAWA 運営&ライター。本島南部、中部と住む場所を変えながら、各地で出会ったヒト、モノ、コトを発信。がちまやぁ(沖縄で食いしん坊の意味)ぶりを発揮し、最近ではグルメ取材が多め。春のトマトと夏のマンゴー、島野菜全般に目がない。次は北部へ引っ越してシークヮーサー狩りを満喫したい。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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