太古の世界が広がる亜熱帯の森「ガンガラーの谷」と「ケイブカフェ」

2015.06.23

那覇市内から車で約30分、沖縄本島南部・南城市にあるガンガラーの谷は、数十万年前までは鍾乳洞だった場所が崩れてできた「谷間」。長い間、人の手が加えられなかったこの亜熱帯の森では、太古より脈々と受け継がれてきた生命の息吹と大地のパワーが感じられます。那覇空港からほど近い、約1万4,500坪の広大な大自然のなか、神秘の谷をめぐる体験ツアーに参加しました。

▲まず出迎えてくれるのは、鍾乳洞をそのまま利用したオープンカフェ「ケイブカフェ」。ガンガラーの谷の入口です

自然豊かな谷間と古代遺跡を巡るツアーへ

ツアーコースへ一歩足を踏み入れると、そこはまるで太古の世界へタイムスリップしたかのような幻想的な世界。亜熱帯の植物が生い茂る谷間は、風に揺れる葉音や小川のせせらぎが聞こえてくるほど静かな空間が広がり、どこからか南国らしい甘い花の香りもふんわり漂ってきます。
▲推定樹齢150年の巨木「大主(ウフシュ)ガジュマル」。まるでこの森の主のような圧倒的な存在感で、神々しさを感じます。


この谷では国内最古となる2万年前の貝器と人骨が発見され、現在も学術的な発掘調査が続けられています。ツアーでは発掘されたばかりの古代人の住居跡(※1)のほか、人々が古くから信仰してきた鐘乳石なども見学できます。

(※1)日本人のルーツともいわれる2万年前の人類「港川人(みなとがわじん)」の居住跡の可能性があるとして、2007年より継続した発掘調査が行われています。
▲古代人の住居跡「武芸洞」
▲ランタンを灯して「イキガ洞」内を進むと、巨大な鐘乳石が

イキガ(沖縄方言で「男性」の意)洞にある鐘乳石は子宝を、イナグ(同「女性」の意)洞は安産・良縁など、命の誕生を祈る信仰の場所としても崇められてきたそう。「形からも、なんとなくお分かりいただけるのでは……」とガイドの山本さん。現在でも県内各地から祈願に訪れる人がいて、とても神聖な場所なのだとか。


亜熱帯の森というとジャングルの中をかき分けてゆく険しい道をイメージしがちですが、このツアーのコースは整備された遊歩道。手で触ってみたり、音を鳴らしてみたり、香りを嗅いだり……森の中の不思議ポイントに立ち止まりながらガイドさんの説明がゆったりと聞けるので、家族みんなで楽しめるのも魅力です。
▲歩きやすい遊歩道。この日の最年少は1歳の男の子
▲途中、ツアー客の1人が捕獲したオキナワキノボリトカゲ。「小さな恐竜みたい!」と、子どもたちも大喜び

何十万年の時を経てつくられた神秘の空間「ケイブカフェ」

ツアーの後は、先ほどのケイブカフェでまったり。天然の洞窟ならでは、天井からはポタッポタッと雫が……。いまでも成長を続けるこの鍾乳洞空間では、しばし時間を忘れ、非日常を感じられる極上のひとときが味わえます。
▲カフェ目当てに訪れる人も

そしてぜひここで味わいたいのが「風化したサンゴ」で焙煎された「35(サンゴ)コーヒー」。大昔は海の中だったというこの鍾乳洞。サンゴでできた洞窟内でいただくコーヒーが心を癒してくれます。コーヒーに使われている水は玉泉洞の地下水という、ケイブカフェオリジナルの味。アイスは県内の畑で収穫された緑茶や紅芋など、県産素材をふんだんに使ったナチュラルな味わいです。
▲カフェの人気メニュー、35コーヒー(右)と同ブランドのアイス(左)
▲お土産としても大人気の「古代人の胸毛」(右)とカフェで飲める「かちゅー湯」(左)


乾燥もずくを胸毛に見立てたオリジナル商品「古代人の胸毛」はお土産に大人気。カフェでは、鰹節にお好みの具材を入れる沖縄伝統の家庭スープ「かちゅー湯」にこの“胸毛”を入れたスープも提供。サッパリしていて優しいお味でした。

亜熱帯の動植物が息づく森で太古の沖縄に思いを馳せ、神秘の洞窟カフェで日常をリセット。非日常の空間が目一杯満喫できるガンガラーの谷は、歴史好きも自然派も、そして小さい子どもからお年寄りまで気軽に楽しめる観光スポットではないでしょうか。沖縄といえば海!さんさんと照りつける太陽!というイメージとはちょっと違った、神秘の沖縄を体感したい方にオススメです。
真地さあ子

真地さあ子

海外のフリーペーパーや外資系IT社勤務を経て、新聞や情報・PR誌、キッズクラフトコラムなど様々な媒体の記事や翻訳を担当。土地に暮らす人々の心や文化、小さな声を汲みとった記事やメディア関連作品づくりを行う。文学修士(民俗学)、高校教諭、司書、利酒師、泡盛マイスター免許保有(現在ワケあって苦行の禁酒中)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP