伊豆の小京都・修善寺。温泉、お寺、竹林の小径を巡って恋の願掛けを

2016.12.30

伊豆の山あいにある修善寺は、開湯から約1200年もの歴史ある温泉街。古都・京都を思わせる情緒あふれる街並みを、お散歩してきました。恋愛成就の願いが叶うとウワサのパワースポットも要チェックです!

▲「修禅寺」の山門

東京駅から伊豆・修善寺までのアクセスは、電車でおよそ2時間。
まずは東海道新幹線を利用して、三島駅を目指しましょう。そこで伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換え、修善寺駅で下車。修善寺温泉行きバスに揺られること約8分で、目指す修善寺の温泉街に到着します。

まずは地名の由来となっているお寺「修禅寺」へ

修善寺という街の名前の由来となっているのが「福地山 修禅寺」。大同2(807)年、弘法大師によって開創されたお寺です。まずは、温泉街の中心にあるこのお寺をお参りすることに。
▲階段を上り山門をくぐると、右側にある水屋

お参りするために、まずは手と口を清めようと水屋に立ち寄りました。
流れ出る水を汲んで左手にかけると「あれ?あったかい!」
よく見ると、手水場から湯気が立ち上っています。これって一体どういうことなのでしょう?
水屋の柱に、木札を発見。そこには「この温泉は飲むことができます」と書いてあります。龍の口から出ていたのは、水ではなく温泉。しかも源泉掛け流し!飲んでみると、口当たりがとってもまろやかでした。
水屋の向かいには、鐘楼堂がありました。石積みも、その上にある建物の構造も美しく、風情があります。
秋には紅葉が見事。自然が醸し出す美しさが、私たちの目を楽しませてくれます。
▲苔と紅葉の彩りが美しい
さて。山門からまっすぐ前を見つめると、その正面には本堂が鎮座しています。早速お参りすることに。
屋根を見上げると、丸い部分に文字が見えます。よく目を凝らして見ると…。
屋根瓦の丸い部分すべてに「修」の文字が!面白い~!
境内を散策していたら、この瓦がぽつんと置かれていてビックリ。好奇心をそそられるお寺です。
開創からおよそ470年の間は真言宗の寺院として栄えた修禅寺ですが、室町時代の延徳元(1489)年に曹洞宗に改宗。以来500年以上の時を過ごしてきました。
▲本堂に向かい左手に、弘法大師の石像がある

お参りをしてから寺務所のほうへ行ってみると、そこにはかわいい犬がいました。
▲いつも寺務所の前で参拝客を出迎えている柴犬のゴマちゃん

境内を見渡すように、静かに佇んでいます。いつも15:00くらいまでここにいるそう。近づいても吠えず、おりこうさん。
▲ゴマちゃん、人懐っこくてかわいい!

実は修禅寺には、ヤギやウサギ、小鳥など小さな動物たちがいるんです。お寺の裏山の登り口に作られた「寺山公園」にウサギや小鳥の小屋があると知り、早速行ってみることにしました。鐘楼堂と檀信徒会館の間に伸びる道を行きお寺の外へ出て、裏山を目指します。
▲坂を登ると「寺山公園」の看板が。小さな小屋が見える

小屋の中をのぞくと、小さくてかわいいウサギと小鳥が見えました。
▲身じろぎしないウサギ
▲金網の外を見つめる小鳥

さらに高台へと歩を進めると、ヤギに遭遇!
▲子ヤギが出迎えてくれた
▲ヤギは全部で5頭いるそう

桂川の和情緒たっぷりの景色と足湯を堪能

かわいい動物たちの姿にすっかり心癒され、裏山をてくてくと歩いて下ると、お寺の目の前に足湯を発見!
▲桂川のほとりにある無料の足湯「河原湯」
▲お湯が流れ出る足湯は6名まで同時利用できる

この足湯のあるあたりには、その昔「河原湯」という共同浴場があり、地元の人びとや観光客に親しまれていたそう。このことから、足湯は「河原湯」と命名されました。
立ち上る湯けむりに誘われて、お寺の裏山の坂道を往復して疲れた足を癒すべく、靴と靴下を脱いで湯船へザブン!
▲ちょうどいい湯加減。足先までじんわり温まる~!

流れ出る湯の泉質は、アルカリ性単純泉。柔らかで肌触りのいいお湯に、足の疲れがほぐれていきます。
すぐ目の前に流れるのは桂川。穏やかな川の流れとせせらぎが、目にも耳にも気持ちいいんです。
▲まるで桂川の孤島のような雰囲気の「独鈷(とっこ)の湯」

河原湯から桂川を見下ろすと、川の真ん中に、岩に囲まれた小さな東屋のような建物が見えます。足湯ですっかり疲れが癒えた足を持参した手ぬぐいで拭い、あの小さな橋を渡ってみることにしました。
▲岩に囲まれた小さな温泉は見学のみOK。

橋を渡った先には、岩に囲まれた小さな温泉がありました。これこそが「独鈷の湯」。修禅寺が開創したのと同じ大同2(807)年、弘法大師が湧出させた修善寺温泉発祥の地として知られる場所です。伊豆最古の温泉とも言われています。修善寺温泉のシンボルだからでしょうか。自然石を使った趣ある浴場に仕上げられています。
▲「独鈷の湯」に湧き出る温泉は、桂川へと注ぎ込む

桂川で病気の父の体を洗う少年の親孝行の心に打たれた弘法大使が、持っていた独鈷という仏具で川の岩を打砕き、湧出した霊泉が「独鈷の湯」なのだそう。この湯に浸かった父親の病がたちまち癒えたことから、温泉療法が広まったと伝えられています。

かつては多くの人々を癒したこちらの温泉ですが、現在は足湯を含め入浴は禁じられているので注意してくださいね!

和の雰囲気あふれる「竹林の小径」を歩く

さて、今度は、修善寺温泉街の中心を流れる清流・桂川沿いに伸びる石畳の道を歩いてみることにしました。
▲秋には紅葉が見事!

石畳に誘われるまま歩いて行くと、竹林の小径に出ることができました。
▲空に向かってまっすぐ、凛と伸びる青竹を見上げる

自然石の石畳が美しい小径には生垣や竹垣が配され、まさに「伊豆の小京都」の趣。
▲竹に囲まれた遊歩道。風に揺れる笹の音がやさしい

この小径を歩いて行くと、竹製の丸いベンチがありました。
腰掛けて、青々とした竹を眺めて過ごす静かなひととき。夕暮れ時には西日が差し込み、より一層幻想的な景色を楽しめるそう。
今来た道を振り返ったら、青竹と紅葉をいっぺんに楽しめました。

桂川を「恋の橋めぐり」をしながらお散歩

桂川沿いを歩いていると、赤い橋がいくつもあることに気づきました。数えてみるとその数5つ。それぞれに恋の言い伝えがあるのだそう。実は、桂川は恋愛成就のパワースポット。願いをかけながら全ての橋を渡り修禅寺でお参りをすると、恋が実ると言われています。
▲5つある橋のひとつ「楓橋」。別名「寄り添い橋」

5つの橋には、それぞれに別名がついています。

渡月橋(とげつばし)は、みそめ橋。
虎渓橋(こけいばし)は、あこがれ橋。
桂橋(かつらばし)は、結ばれ橋。
楓橋(かえでばし)は、寄り添い橋。
滝下橋(たきしたばし)は、安らぎ橋。

桂川を上流へ向かって橋を渡っていくと、2人が出会い、惹かれ、心結ばれ、安らげる存在へと関係を育んでいけるんですね。
好きな人とこんな風に心を結ぶことができたら…とても素敵なことですね。

さてさて。
5つの橋には、それぞれの橋の名前を表した「橋紋(きょうもん)」があり、御影石でできた美しい橋紋が橋の途中に埋め込まれているんです。
▲楓橋の橋紋、見つけた!

橋紋のある場所は橋によって全く異なるので、探しながら歩くのも楽しいですよ~!全部見つけられたら、もっと幸せになれるかもしれません。

日帰り温泉で1日の疲れを癒す

修善寺の温泉街を堪能するなら、絶対に外せないのが温泉です。かつては桂川沿いに7つの外湯があったそうですが、昭和20年代には独鈷の湯だけになってしまったのだそう。その後、修善寺を訪れる人びとに外湯めぐりを楽しんでもらいたいという願いから、平成12(2000)年、外湯「筥湯(はこゆ)」がオープンしました。
▲12mの望楼を併設した「筥湯」。修善寺の街並みを一望できる

お風呂は内湯のみ。たっぷりと湯を湛えた大きな湯船が出迎えてくれます。
▲男湯。壁を挟んだ左側が女湯で造りは同じ。湯船は総ヒノキ
▲日中は天窓から自然光が降り注ぎ、気持ちがいい空間
▲湯船の一角にはお湯が噴き出すように出ているところも

泉質は河原湯と同じ、アルカリ性単純泉。効能は、冷え性や疲労回復、筋肉痛や神経痛など。お湯が柔らかく、いつまでもゆるゆると入っていたくなるほどでした。

修善寺の街並みに心癒され、温泉に体を癒され、ゆったりと帰路につきます。日帰りでも泊まりでも、ゆったりと過ごせる街なのだと気付かされます。
お散歩しに出かけた日は、秋に行われる「修善寺菊飾り」の真っ最中。このイベントの期間中に限り、「独鈷の湯」周辺や「修禅寺」の山門などに菊の鉢植えが飾られるのだそう。和の雰囲気がより一層際立ち、とても華やかでした。

伊豆で観光をしようと思うと車が必須ということがほとんどですが、ここ修善寺だけは話が別。
名所旧跡が徒歩圏内にぎゅっと凝縮されているので、1日歩いて楽しめるのが魅力。修善寺の歴史に思いを馳せながら、趣ある街並みをゆったりと楽しんでくださいね!
永井理恵子

永井理恵子

日大芸術学部写真学科卒のフリーライター。食いしん坊(飲んべえでもある)。東京の荒波に15年揉まれて気づいたのは、生まれ育った静岡県と御殿場市が思いのほか素敵な場所だったってこと!地元のいいところを発信すべく鋭意活動中。

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