北欧童話の世界が広がる「あけぼの子どもの森公園」で、暮らすように遊ぼう!

2016.11.29 更新

埼玉県飯能市にある「あけぼの子どもの森公園」は、ちょっと不思議な公園です。きのこのようなかたちの家や、小さな池のほとりに佇む小屋など、まるで北欧童話のような世界が広がっています。国内だけでなく海外から訪れる人も増えている、話題の公園に行ってきました。

西武池袋線の元加治駅から、のんびり歩くこと約20分。「いったいどこに北欧童話の世界があるんだろう」と、少し不安になりつつも、なだらかな上り坂を進んで行くと…見えました!きのこのようなかたちをした建物が!
▲建物の正体は「きのこの家」でした

園内に入るとすぐに、緑深き森に囲まれ、人里離れた小さな村にやってきた気分に。開園は、1997年。20年近く、この場所で愛されつづける公園です。
でも、なぜ飯能市にこのような公園があるのでしょうか?スタッフの清水孝司(たかし)さんに公園のことをお聞きしました。

「北欧童話には、自然と生き物たちが互いを尊重し、共存する世界が描かれています。その世界を体感し、学ぶ場所をつくりたいという思いから、この公園が生まれました。ご覧の通り、すべり台やブランコなどの遊具はありません。あるのは豊かな自然と、不思議なかたちの建物だけ。どう遊ぶかは、来園者の方々が自由に考えて、思い思いに過ごしていただけたらと思っています」(清水さん)

頭のどこかで、“北欧童話の世界を再現したテーマパーク”と思っていた私…。そんな認識を改め、まずは「きのこの家」へ。

外観だけじゃない!住みやすさも追求した家

玄関からは正面にレンガづくりのキッチンが見えます。丸い木のテーブルと半円型の長イスは、とっても使いやすそう。キッチンの水道からは、ちゃんと水も出ました。
想像していたよりも、しっかりとした“家”のつくりにびっくり!
▲曲線に合わせた棚の形も美しい
▲以前は、オーブンで料理をつくったこともあったそう

キッチンの先には、リビングがあります。暖炉もあって、寒い冬でもあたたかそう。暖炉は、実際に使えるそうです。屋根からのびていたえんとつは、この暖炉のものだったのですね。
▲レンガづくりの暖炉
▲リビングにはソファーや子ども用の小さなテーブルセットなどもある

建物は地下1階、地上2階の3階建て。小さな部屋が複雑に組み合わさったような構造で、気がつくと、いま何階のどの部屋にいるのか分からなくなっていました…。
でも、そんな探検気分になれるのもおもしろいところ。
▲中央の柱の中から、何やら物音が…
▲なんと、中から子どもが登場!中に入って遊んでいたようです
▲2階へつづく階段。手すりは、まるで木のツルが絡んだようなデザイン。家の中にいても、自然の中で遊んでいるような楽しい気分になる

かわいらしい窓からは、やわらかな光が差し込み、まるで、誰かがここに住んで、家を育ててきたように感じる空間です。

いつもと違った視点で、建物を見てみよう

この建物は、きのこのようなかたちをした建物と、きのこをひっくり返したようなかたちの建物がくっついてひとつの建物になっていて、じつはあるメッセージが込められています。それは、『ある考えを持った人、その逆の考えを持った人も、一つ屋根の下では同じ。助け合って暮らしましょう』というもの。いかがですか?そんなふうに考えながら建物を見ると、また違ったおもしろさがありませんか」(清水さん)

外観だけでなく、家の中の窓や天井などにも、いろいろな意味を見つけることができるかもしれません。
▲天井は何本もの柱が集まり、支え合うように接合されている
▲窓の外には、穏やかな自然の風景が広がる
▲よく見ると、玄関の傘立ての下にかたつむり(鉄製のオブジェ)が!

小さな森をのんびり散歩

「きのこの家」をあとにして、小さな池のほとりへ。スケッチを楽しむ人や、ペットと散歩をする人、写真を撮る人など、みな思い思いに公園を楽しんでいました。
▲「きのこの家」を熱心にスケッチ中

小さな池の中に、青色の小屋が見えます。池の名前は「わんぱく池」。青色の小屋も、どこか異国情緒が漂います。いろんな生き物たちが、小屋のまわりで水浴びを楽しむのかな。想像がふくらみます。
▲「わんぱく池」と、そこにたたずむ青色の小屋

小屋の中は大人ひとりが入れるほどの小さなスペースで、窓から外を眺めると、「きのこの家」が見えました。なんだか、森の番人になった気分に。
▲細い橋を渡って小屋の中へ
▲小屋の窓から見た風景

「わんぱく池」をぐるりと囲むように小道があるので、のんびりと、散歩をつづけます。小道沿いには、草木が元気にしげっていて、立て看板がありました。虫や動物についての注意書きです。
▲虫や動物もここで暮らしていることをお忘れなく

「動物や虫が苦手な方もいると思います。でも、ここでは、嫌うだけではなく、どうすれば、ケンカをせずに尊重し合えるかをぜひ考えてみてください。この虫はどんな状況であればおとなしくて、どんな場合に怒るのか…そんなふうに、性質を知れば、対応の仕方も分かってきて、仲良く付き合えますよ」(清水さん)
▲スズメバチのなかまやヘビに遭遇したら、刺激せずに、そっとその場を離れましょう

トタンで出来た橋は、なんだか小さなトンネルのような、生き物のようなかたちをしています。なぜこんなかたちをしているのかな?想像をめぐらすのも楽しいです。
▲橋の中央で声を出すと声が反響した

園内には、ミュージアムと図書館が一体になった「森の家」もあります。「森の家」には、飯能産の西川材が149本使われています。シュッと上にのびていて、どっしりとした印象の建物です。
▲「森の家」。こちらも少しきのこに見えるような…、切り株のような…。なんの形に見えますか?

家の中はゆったりとした空間で、ゆっくりと本を読めます。散歩の休憩にもぴったりです。

園内には、コンサートや子どもたち向けのワークショップを行っている「子ども劇場」もあります。ぐにゃりと曲がったような屋根に合わせて、ドアやドアの窓も独創的なかたちです。
▲「子ども劇場」
▲室内には、たっぷりと光が入る
▲スタッフの手作りおもちゃ。自然と楽しく触れ合ってほしいという願いから、オセロの駒は木で作られている
かわいい建物を実際に見てみたいという気持ちからやって来ましたが、気づけば飯能の自然のなかで、のんびりと過ごしていました。この公園は、飯能の美しい自然があってこそ、北欧童話のような世界をまとっていることが分かりました。
通うたびに、新しい発見もありそう!また、ゆっくり訪れたいです。

「あけぼの子どもの森公園」から徒歩5分のカフェで味わえる絶品チーズケーキ

「あけぼの子どもの森公園」を訪れたら、絶対に立ち寄ってほしいカフェがあります。お店の名前は「Hot Pot(ホットポット)」。公園の入口から歩いて5分ほどで着きます。
小さなお家のような建物は、植物に覆われていて、「あけぼの子どもの森公園」の世界のつづきのような、絵本の中のような雰囲気です。

中に入ると、思っていたよりも広くてびっくり。店長の清水修(おさむ)さんと奥さんの三英子(みえこ)さんが、やさしい笑顔で中へと案内してくれました。
▲カウンター席のほかにテーブル席、テラス席などもある

なんと、内装やテーブルなどは修さんの手づくりなんだとか。もともと、坑道を掘る仕事をしていた人たちの住まいだったというこの建物を、イギリスの納屋をイメージしてリフォームしたそうです。
▲修さんと三英子さん。修さんは、都内の飲食店に勤めた後、イギリスへ。帰国後に、自身のお店を開いた

チーズケーキがおいしいという噂を聞いていたので、さっそく注文しました。店内にはクラシック音楽が静かに流れていて、とっても落ち着きます。

運ばれてきたケーキには、ぶどうやいちご、イチジクなどのフルーツがたっぷりのっていて、見るからにおいしそうです!
フォークを入れると、濃厚さがうかがえるギュッとした質感が伝わってきます。口に入れると、ひんやり冷たく、さわやかな甘み。フォークを持つ手が止まりません!

「チーズケーキは、いちばんおいしい半解凍の状態でお出ししています。常温だと、甘さが重たく感じてしまうのです。材料の卵は、飯能市で飼育されているオンドリの卵。栄養たっぷりの卵です」(修さん)

濃厚なのに、さわやかな後味で、しつこさがなく、ペロリ。もう一個食べれてしまいそう!コーヒーにもよく合って、幸せな気分に。
▲ケーキとドリンクがセットで600円(税込)

チーズケーキのほかに、お昼はランチ、夜はコースメニューもあります。ハンバーグやパスタ、和風・中華ぞうすいなどメニューも豊富。

おいしいスイーツや料理を何度も食べたくなるのはもちろん、修さんと三英子さんのあたたかい人柄に惹かれて、通いたくなる人もきっと多いはず。「あけぼの子どもの森公園」で遊んだ帰りに、夕食をここで食べるのもおすすめです。

ジブリの世界のようなランチスポット「壺小屋」

飯能駅から、バスか車に乗って約20分のところにある「壺小屋(ここや)」も、ぜひ訪れたい場所です。道沿いにある「壺小屋」の看板をたどって行くと…現れたのは、ジブリの世界に出てくるような建物!
いったいどんなお店なんだろう…ドキドキしながら中へ。すると、店主の猿田香(さるたかおり)さんが、やさしい笑顔で出迎えてくれました。カフェスペースの奥には、陶芸品が所狭しと並べられたギャラリー&ショップもあります。

「家族が焼き物をしていて、その器を使ったお店を開きたくてここをオープンしました。建物も、土を使った建物にしたくて、家族や友人と力を合わせて自分たちでつくりました」(猿田さん)
▲店主の猿田さん
▲店内にはテーブル席が5つ。窓や照明にもオリジナリティがあふれている
▲陶器のギャラリー&ショップ

器だけでなく、建物も手づくりとは驚きました。お店の横には石窯があり、そこで天然酵母のパンを焼いています。
ランチは日替わり。この日は、「シーフードのココナッツカレー」「赤いんげん豆のカレー」「天然酵母のパンランチ(ハムとクリームチーズのベーグルサンド)」の3種類(すべて税込900円)。
「シーフードのココナッツカレー」を注文しました。
シーフードと野菜の旨み、ココナッツの甘みのバランスがよく、とってもおいしい!具沢山なのもうれしいです。
もちっとしたピタパンは香ばしくて、カレーのおいしさを引き立てます。付け合わせの、ジャガイモとキャベツのスパイス和えも、素材の味わいが引き立つシンプルな味付け。
▲猿田さん手作りのパウンドケーキやクッキーをぜひお土産に

「あけぼの子どもの森公園」からは少し距離があるので、公園に行く前に、ランチタイムを目指して行くといいでしょう。
「あけぼの子どもの森公園」も「Hot Pot」も「壺小屋」も、どこか、絵本の世界のような場所でした。訪れたあとは、どこか遠くまで旅に出ていたような気持ちに。でも、はじめて訪れたとは思えないほどくつろげる、距離感が近い場所。
この居心地のよさは、飯能市の豊かな自然と、自然を大切に想いながら、人との出会いも大切にするみなさんが育んだものなのかなぁと、帰りの電車に揺られながら考えていました。
齋藤春菜

齋藤春菜

編集者、ライター。出版・編集プロダクションデコ所属。女性の美容・健康・ライフスタイルに関する書籍、雑誌を多数編集・執筆。文芸、料理、アート本の編集も行う。全国各地へと取材に訪れたさいには地元のおいしいお店を必ずチェックする。編集を担当した本に『お灸のすすめ』『瞑想のすすめ』(ともに池田書店)、『足もとのおしゃれとケア』『わたしらしさのメイク』(ともに技術評論社)、『はじめてのレコード』(DUBOOKS)、『顔望診をはじめよう』、『月の名前』、『健康半分』などがある。

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