情緒豊かな伊香保温泉。石段街でいいとこどり散策!

2016.11.21

一年を通して多くの観光客が訪れる群馬県の伊香保温泉。温泉街のシンボルとして知られる365段もある石段の両脇には、風情豊かな構えの旅館やお店が軒を連ね、浴衣に半纏姿の人々が行き交います。伊香保温泉への旅行を計画している人に知ってほしい、石段街の楽しみ方をご紹介します!

▲湧出口近くの立ち寄り湯「伊香保温泉露天風呂」

午前中がねらい目!もちもちふわふわの手作り「湯乃花まんじゅう」

JR渋川駅から車で約20分。伊香保温泉に到着してまず初めに訪れたのは、石段の頂上付近にある饅頭店「勝月堂(しょうげつどう)」です。

1910(明治43)年に創業し、現在は4代目の半田正博さんが中心となってお店を切り盛りしています。休日には大行列ができるこのお店、すべての工程を手作業で行っています。

「秘伝の蜜と小麦を混ぜ合わせた生地で、甘さ控えめのあんこを包み、木製の蒸し器で蒸しています。蒸し器は午前中のみ稼働させているので、あつあつの湯乃花まんじゅうを食べるなら午前中にいらっしゃってください」と半田さん。
あまりの人気っぷりに、売り切れることも多いそう。
▲目にもとまらぬ速さで作業する店員さんたち。厨房内には蒸気がたちこめている

一口食べて驚いたのは、厚めの皮のもちもちした食感!まんじゅうといえばこってり甘いあんこが入っている印象が強いですが、「勝月堂」の湯乃花まんじゅうは、皮とあんのバランスを重視していて甘さ控えめ。ふわふわの皮は、蒸しパンのような優しい甘みが特徴で、いくつでも食べられそう!お客さんの中には、「うちの子どもはここのまんじゅうしか食べないんだよ」という熱烈ファンもいるとか。
▲湯乃花まんじゅうからふんわりと蒸気が舞う

湯乃花まんじゅうは1個90円(税込)。持ち帰りは6個入り650円(税込)から。
一度「勝月堂」の湯乃花まんじゅうを食べたら、「温泉まんじゅうは厚皮派!」と宣言したくなってしまいます。大量に買い込んでいきたいところですが、消費期限は製造から2日以内のためご注意を。

石段を上り、伊香保神社へ参拝

「勝月堂」から少し石段を上ると、石段の頂上にある「伊香保神社」に到着しました。825年(天長2)年、現在の渋川市有馬地区に建てられ、平安時代以降に伊香保へ移築されたという歴史深い神社です。縁結びと子宝にご利益があるといわれており、次々に参拝者が訪れます。
▲息を切らしながら頂上へ。石段のいたるところにある段数の表示が、石段を上る人の励みになっているようだ
▲こぢんまりと落ち着いた雰囲気(参拝時間・拝観料金:境内自由)

朱塗りの「河鹿橋」にうっとり

「伊香保神社」の境内を通り、湯元通りを南へ約15分歩くと、「河鹿橋(かじかばし)」に到着。近くに駐車場がありますが、入れる台数が限られているため、徒歩で向かうのがおすすめです。
▲木々が色づく前の「河鹿橋」。朱色と緑の相性が抜群
▲「河鹿橋」と紅葉した木々。毎年10月下旬から11月中旬にかけてライトアップしている

もみじや楓の木に囲まれた「河鹿橋」は、異世界を覗いているような感覚に陥るほど、優雅な雰囲気に包まれていました。
少し早く起きた朝の散策に、ライトアップ期には夜の散策にも、ぴったりなスポットです。

ドアを開けたらいきなり露天風呂!源泉湧出口近くで「黄金の湯」を堪能する

伊香保温泉の源泉には、鉄分が多く含まれた茶褐色の「黄金(こがね)の湯」、肌の代謝を促進するメタケイ酸が含まれた「白銀(しろがね)の湯」の2種類があります。「伊香保温泉露天風呂」は、「黄金の湯」の湧出口横にある、源泉かけ流しの温泉が楽しめる立ち寄り温泉です。
▲湧出口をのぞき込むと、温泉の湧き出る様子が見える

「黄金の湯」の湧出口は、「河鹿橋」を少し通り過ぎたあたり。湧出口に向かう道のりでは、ところどころで岩陰を伝う温泉を発見。鉄分で赤く染まった岩に興奮しながら、「伊香保温泉露天風呂」を訪れます。
▲露天風呂外観。昭和のかおり漂う木造建築

女湯、男湯、と書かれた扉を開けいざ中へ入ると、目の前に露天風呂が。スノコとロッカーが設置されている脱衣所があります。

湯船はあつめの湯とぬるめの湯の2つに仕切られており、洗い場はありません。茶褐色のお湯はふんわりと鉄が香り、触り心地もなめらかです。
紅葉全盛期には、頭上のもみじやコナラの葉が湯船を赤や橙に染めます。
▲男湯の様子。女湯もほぼおなじ造り。これはもう、ほぼ完全に屋外!

源泉かけ流しのお湯を存分に味わえる公衆浴場は、伊香保温泉散策に欠かせません。

小腹が空いたら、ハイセンスなカフェでひと休み

石段を下る途中に、明治の文豪・徳冨蘆花(とくとみろか)が通った旅館「千明仁泉亭(ちぎらじんせんてい)」を発見。併設されているカフェ・バー「楽水楽山(らくすいらくさん)」でひと休みすることにしました。

お店の人気メニューは、米粉やココナッツオイルを使った「抹茶のシフォンケーキ」480円(税込)。注文が入ってからハンドドリップで淹れる「深入りコーヒー」540円(税込)といっしょに食べるのがおすすめです。
▲ビターな抹茶の風味は、添えられたあんこや生クリームのまろやかな甘みと相性抜群

さらなるお店の魅力は、店内に集められた県内を中心とした作家さんたちの作品。アクセサリーや石けん、衣類など、すべて購入することができます。
▲落ち着いた雰囲気の店内。全31席
▲店内で売られているクラフトは、「千明仁泉亭」の若女将が県内外の作家さんたちとつながり、集めたもの

宿泊者でなくても、人気旅館のおもてなしを体感できる「楽水楽山」。ケーキのおいしさと、きらりと光る若女将のセンスに脱帽でした。

石段街で過ごす一日の締めくくりは、レトロな遊技場!

▲黄昏時の石段街に、光が灯る

あたりが暗くなり、提灯が灯り始めるころ、石段街はどこか浮かれた縁日のような雰囲気に様変わりします。そんな石段街を盛り上げるのは、射的や弓を楽しめる遊技場です。子どもから若い女性グループ、老夫婦まで、射的銃を構え、矢をつがえます。

この日は、石段の中段より少し下にある「柳香軒(りゅうこうけん)」へ行きました。
▲射的は8発300円(税込)。木や陶器でできた的が古めかしい
▲8本500円(税込)の弓では、土とおがくずを積み上げて作られた的を狙う

店を切り盛りするのは、4代目の高橋精一さん・高江さんご夫妻。精一さんは、弓道7段を有する凄腕プレーヤーです。
▲「昔は全国にたくさんあった弓場(ゆば)も、いまではかなり減ってしまいました」と精一さん

世代問わず、童心に帰って楽しめる遊技場は、日帰りの人も、泊まりの人も一度は体験してみてほしいアクティビティです。
今回ご紹介したお店やスポット以外にも、石段街にはレトロな気分を盛り上げてくれるお店や景色がたくさんあります。
▲2010年に石段を新設して365段になった。山上から湧き出す源泉を引き、傷ついた兵士を癒すために造られたのがはじまりだそう

四季折々、美しい情景を見せる石段街は、一年を通して盛り上がりを見せます。昔懐かしい雰囲気の石段街へ、心身のリフレッシュを求めて出かけてみては?
写真 奈良茉美
前川有香

前川有香

編集者、ライター。移住に関する雑誌『TURNS』や、書籍『うちのコにしたい!羊毛フェルト猫のつくりかた』、その他小冊子、ウェブ媒体の編集・執筆などを手がける。出版・編集プロダクションデコ所属。

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