風光明媚な「瀞峡」をウォータージェット船で楽しむ

2017.11.09

和歌山県・三重県・奈良県の県境を流れる北山川上流の峡谷「瀞峡(どろきょう)」。その断崖・奇岩が連なる絶景は、国の特別名勝および天然記念物にも指定されています。今回は、ウォータージェット船に乗って巡る「瀞峡」の見どころをご紹介します。

爽快な乗り心地の「ウォータージェット船」

そそり立つ岩壁の間を縫うように走る北山川。
ほとんど流れを感じない、まったりとしたエメラルドグリーンの川の色が印象的。
紅葉の季節になればよりいっそう神秘的な色が際立ち、息をのむほどの美しさです。
▲ドライブイン「瀞峡めぐりの里 熊野川」の中にある「川の駅 志古(しこ)乗船場」

1日6便運行される観光用の定期便「ウォータージェット船」に乗って、秘境「瀞峡」を巡ってみたいと思います。

熊野川に沿って走る国道168号線を通って、和歌山県新宮市にある「川の駅 志古乗船場」に到着です。
▲これから乗り込む「ウォータージェット船」

「瀞峡めぐりの里 熊野川」に入って一番奥が、乗船券売り場と改札口。
航路は、ここ志古乗船場を出て瀞峡を巡り、また同じ場所に戻ってきます。

さぁ、いよいよ約2時間(休憩含む)の瀞峡巡りの旅に出発です。
▲時速約40kmで進むウォータージェット船は、想像以上のスピード感

ふつうの船とは違い、スクリューなどは付いていません。船の下から取り入れた水を勢いよく噴き出し、水面を叩き付けるようにして進むんです。だから水深40cmもあれば大丈夫なんですって。

「ひゃっほー!」
気分爽快!揺れも感じることなく、水面を滑るように進んでいきます。
▲日本の風景とは思えないほど雄大な景色。川辺では鮎釣りを楽しむ人の姿も

川幅の広いここ熊野川から、途中二手に分かれるところで北山川に入り、上流へ向かいます。
窓を開けていると吹き抜ける風が気持ちいい。

静寂の峡谷美を楽しむ

▲写真中央、寄り添うように並ぶ岩が「夫婦岩」

出発してから約40分、両側に岩肌が現れました。ここからが「瀞峡」と呼ばれている景勝峡谷。瀞峡は、下流から下瀞、上瀞、奥瀞に分かれていて、この船は下瀞と上瀞を巡ります。中でも下瀞は、高さが50mもある断崖や奇岩、洞窟などの見どころが1km以上もつづく景勝地で、「瀞八丁(どろはっちょう)」と呼ばれています。
「左に見えるのが…」という船内アナウンスが流れると、我先にと真剣な顔でみんなキョロキョロ。
「あ~っ!あれあれ!」
奇岩を発見するたびに得意顔です。
見どころが近づくと船はスピードを落とし、乗務員の方が「見つけられましたか?」と、船内を回って指さししながら教えてくれます。

上の写真は、川から亀が這い上がってきたように見える「亀岩」。胴の長さは約13m、畳を敷き詰めると30畳余りの大広間になるほどの大きさなのだそう。
この辺りには本物の亀も棲んでいて、ときどき甲羅干しに出てくるんですって。
▲岩の亀裂にできた洞窟「寒泉窟(かんせんくつ)」

さらに進むと「寒泉窟」という洞窟が見えてきました。奥行きは42m、夏でも寒くて長時間は中にいられないことから名前が付いたのだそう。
「わ~!興味津々、ちょっと怖いけど探検してみたい!」
▲ほぼ直角に切り立つ断崖の下にずり落ちたような岩が、慶長10(1605)年の慶長大地震で落下したといわれる「墜落岩」
「ガガガ~」
船のルーフが開きました。お天気のいい日は、こうして屋根を開けてもらえるそうです。
「わぉ。この開放感…」
手つかずの自然に分け入るワクワク感がさらにアップします。
田戸(たど)というところに停泊し、20分間の休憩です。

せっかくなので、付近を散策してみました。
▲抜群の透明度。しびれるほどの冷たさを想像していましたが、10月のこの日の水はそれほど冷たくありません

ここは3県の境、上写真右側が奈良県、写真中央が和歌山県、左端が三重県です。
見上げると、断崖絶壁の崖の上に建物が…。
「瀞ホテル」といい、かつては宿泊可能なホテルだったそうですが、現在は食事ができるカフェになっているのだそう。
上の写真は、三重県(写真右側)と奈良県(写真左側)に架かる吊り橋「山彦橋(やまびこばし)」です。
「上まで来ちゃいました~!…ぎゃ~、揺らさないで~!」
スリル満点。下を見ると足がすくんで動けなくなるかもしれないので、お気をつけくださいませ。

そしてこの「山彦橋」、ここで声を出すと周囲の岩に反響して、こだまが返ってくることから付けられた名前なのだとか。
お決まりの「ヤッホー!」
「……」
小さな声で「わんわんわん…」と聞こえたような聞こえないような…。
「山彦橋」を訪れた際は、ぜひぜひ、おためしあれ。

船を降りたところから吊り橋まで片道徒歩3~4分なので、20分の休憩時間に楽しめますよ。
▲「瀞ホテル」前からの眺め

吊り橋と、「瀞ホテル」からの絶景を楽しんだところで、船に戻る時間です。
▲写真中央の、獅子が口を開けて吠えているように見えるのが「獅子岩」

ふたたび船に乗り込み、さらに上流へと進みます。ここから先は「上瀞」です。
どんなに日照りが続いても水が尽きることがないという「母子の滝」。上の写真は「母の滝」、奥の方には小さな「子の滝」があるのだそう。
▲紅白の首輪がつけられた「こま犬岩」
▲にょきっと生える(立つ)「松茸岩」

「松茸岩」を過ぎたところで船は旋回し、ふたたび自然が造りだした芸術作品を楽しみながら、志古に戻ります。
▲もみじが色づく「瀞ホテル」前からの眺め

「冬の瀞」「春の瀞」「夏の瀞」「秋の瀞」、「晴れた日の瀞」「霧が立ちこめる瀞」「岩を濡らす雨の瀞」、それぞれにいろいろな顔を見せてくれる深淵の峡谷美ですが、「瀞ホテル」の前で真っ赤に染まるもみじ越しの瀞峡は最高にきれい!
この秋、瀞峡の絶景をぜひ体験してみてください。
※写真は2016年以前のものです。
Yukitake

Yukitake

三重の雑誌「Edge」をはじめ、さまざまな雑誌・情報誌において、グルメ・観光などの記事を執筆。女性目線の取材とソフトな文体を大切にしています。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP