とっておきの一杯が待つ、大阪・ぜんざい紀行

2017.03.05 更新

じわりと寒さが身に沁みるような時こそ、ぜんざいの誘惑は断ち難い。男ひとりでも猛烈に食べたくなることがよくある。そんな誘惑にしっかり応えてくれる店が散歩途中にあれば最高だ。大阪の中心からちょっと離れたのどかな散策路を歩き、ぜんざいの名店をめぐった。

【今回めぐった店】
1.往時の花街・新町でスタイリッシュなぜんざいを「餅匠しづく」
2.のどかな高級住宅街・帝塚山で“まるい”ぜんざいを「福壽堂秀信」
3.与謝野晶子生誕の地に近いカフェで堺らしいぜんざいを「サカイノマ」

1.往時の花街・新町でスタイリッシュなぜんざいを「餅匠しづく」

百貨店や地下街でもぜんざいは食べられるが、館内暖房ですでに体が温まっているからもうひとつ有り難みがない(私見だが)。外気に震える状態から一歩入ればあったかい部屋とぜんざい……というのがよかろう(贅沢者め)。

そんな話をある日、グルメ誌の女性編集者にすると間髪を入れずにこんな答えが返ってきた。
「それやったら、新町の『餅匠しづく』さんに行かはったらどうですか?」
大福餅がおいしい店だと聞いているけど、ぜんざいやってはるの?
「冬限定ですけどね。おいしかったですよ」

さっそく出かけようとしたら、「まだぜんざい向けの丹波大納言が手に入らないので」との返事。2015年は12月上旬からぜんざいを出していたが、この冬は2017年の1月7日になってから「お待たせしました。今日からです」の連絡をいただく。
▲栗蒸し羊羹で有名な奥の和菓子屋さんは明治10(1877)年の創業。花街(かがい)の記憶を知っている貴重な1軒。手前のハンバーガー屋のテントと実に対照的だ

この新町は山崎豊子の小説『花のれん』や『ぼんち』に登場する、大阪一の花街があった場所。船場の旦さんがお目当ての芸妓とお茶屋で遊ぶために西横堀川(今は暗渠・あんきょ)を渡って通っていたエリアである。のみならず、あの料亭「吉兆」も蕎麦の「砂場」も、今日では世界に広がったカウンター割烹の先駆け「浜作」も新町が発祥。実に華やかで艶っぽい街だったのだ。

近くの会社役員は、「昔は春場所の取組後は、横綱・大関がこの辺の料亭で派手に遊んでたんやで」と話していた。稀勢の里もぜひ新町で遊んでほしいところだが、今は「新町」というと高層マンションが立ち並び、同じ西区の靱公園界隈、堀江あたりと共に「“住みたい街”ランキングの常連」になっていて、過日の面影はちらり、と見える程度。もちろん、三味線の音も聞こえない。

写真の通りを西へ歩くと、北東の角に「餅匠しづく」が立っている。
▲一見すると和菓子の店だとは思えない

元々が岸和田のお店で、新町に出店したのは2009年。ご覧の通り、コンクリ打ちっぱなしの外観に看板などはない。小さく、張り紙がしてあり、以下の文面が書かれていた。

「おぜんざい始めました
小豆は丹波の春日町東中だけしか育たない黒さや大納言小豆という在来種をつかい、オーガニックシュガーだけで焚きました
焼き立ての香ばしいお餅と共にお召し上がりください」

中に入ると、物販スペースにこんな誘惑が(店内でも食べられます)。
▲黒の皿にのっているから一層そそられる

いかん。今日はぜんざいを食べに来たのだ。奥のイートインスペースに腰を下ろし、しばし待つ。人気の店だけあって、近所の会社に勤める女性やご近所のママ、手みやげを選ぶ営業マン……と客足が途切れない。
奥の厨房ではぜんざいをベストコンディションでサーブする準備が進む。
そして、やって来ましたお目当てのぜんざい(1,280円)。
サーブしてくれるスタッフの服装が、どう見ても「甘味処」のそれではない。お洒落すぎる。

木製の箸もスプーンも、銀細工の箸置きも「手仕事」を感じさせるがこれまた洒落てます。
ふっくらした、ちょっと焦げのある2つの餅がまず目に入った。聞くと、京都は高台寺の「金網つじ」の網で丁寧に焼いているらしい。
甘さの絶妙さ加減に驚く。これ以上でも以下でもないだろう。それと、口溶けの素晴らしさ。後味が残らずスッと消える。
「餅は餅屋」ということわざの通り、しっとりの食感。琵琶湖の湖西、高島市針江という水のきれいな場所で生まれた餅米でつくられる。これを口に運ぶごとに、お焦げとともに幸せが押し寄せる。夢中で食べると餅はいつしか腹の中に消え、寂しさが残る。「美味いものは儚い」とはこんなことなのか。

せっかくだから、もうひとつの人気メニュー、抹茶ぜんざい(1,500円)にもトライしてみた。
▲抹茶に小豆は色的にもベストマッチだ

「抹茶の器を手に取って、上からゆっくりかけていってください」と説明され、ゆっくりやってみる。参加型パフォーマンスもまた良し。
隣の女性も、ぜんざいがお好きなようで一心不乱に食べていた。よっぽど美味しかったのでしょう。箸をつけてから一度もスマホを見ていなかった。
大阪ではぜんざいに「塩昆布」が付くことが多いが、この日はおかきと薄荷豆、黒豆の菓子(日によって替わる)である。薄荷豆は喫茶用に作っていて、それ以外は買える。ぜんざいをいただいてから、お代わりのお茶を飲みながらぽりぽり、という感じですな。
お茶のお代わりを頼むと別な湯呑みでサーブ。このあたりも心憎い。
お茶まで「ひっかかり」なく飲めて半端ないおいしさだったが、聞くと水のミネラルやイオンバランスを整える「エレクトロンチャージャー」というマシンを使って水質のいい状態をキープしているとか。上にはマランツのアンプ。どうしてまた? 
「いい音の波動を水に対して送ることで、さらに水質がよくなるんです。こういった機械が社長は好きでして」と。
▲このカットだけ見ると、とても「和菓子屋」には見えませんね

原理的なことはもう一つよく分からなかったが、美味しさの源はまず「水」なのでそこを安定させるということなのだろう。餅しかり、小豆しかり。

せっかくだから、おみやげも買って帰る。花街であったこの地をリスペクトして「新町もなか(1個185円)」というのもある。自分でもなかの皮の間にあんを挟む、という行為が楽しい。「濃厚 和栗のモンブラン」は次回のお楽しみに取っておいてもいいな。
北に歩くと、いかにも花街らしい石碑がフレンチレストランのそばにあった。初世中村鴈治郎は現在の四代目鴈治郎の曽祖父で、明治から昭和にかけて、上方歌舞伎の名跡「鴈治郎」はスーパースターの代名詞だったのだ。
そんな花街の記憶もどこへやら、目の前に新町北公園が広がる。大阪市西区では21世紀になってから公園に面した店が大ブームで、若者やおしゃれなママたちの御用達店になっている。
公園の北側は「オリックス劇場」。かつての大阪厚生年金会館大ホールだ。
その西隣、「中ホール」があった場所には超高層52階建てマンション「ザ・サンクタスタワー」がそびえる。
▲高すぎてフレームに入りきれない

そういえば、1980年代はアイドルのコンサートが大阪厚生年金会館大ホールで開催されると、メガホンと鉢巻き姿の親衛隊(死語)男子がこの公園で掛け声の練習をして盛り上がってたなぁ……などと「今は昔」を振り返りながら、腹ごなしの散歩をするのであった。
※価格は税別。ぜんざいの提供は1月上旬から3月下旬まで(毎年変動する)。

2.のどかな高級住宅街・帝塚山で“まるい”ぜんざいを「福壽堂秀信」

帝塚山に本店のある和菓子の重鎮「福壽堂秀信」は、ミナミの宗右衛門町が発祥(現在も本社は同地)の店だ。宗右衛門町も新町、堀江、北新地と並ぶ「大阪四花街」の一つ「南地(なんち・現在のミナミ)」の中でも最も賑わっていた場所である。ぜんざいは艶っぽい女性のファンがつく街で、というお約束なのかもしれない。

さてその帝塚山本店は昭和39(1964)年、東京オリンピックの年に誕生し、茶寮「季(とき)」は昭和55(1980)年の改装の際に登場した。茶寮は本店のほかに阪急三番街や近鉄上本町店にもあるが、やはりぜんざいは「路面の店」で食べるに限る。アプローチがなんとも素晴らしい。これですよ。
▲車道と歩道の区別がないのがこの辺りの特徴

明治33(1900)年に開業した阪堺電軌上町線はNHK連続テレビ小説「てっぱん」でも重要なシーンでたびたび登場したが、ぜんざいをいただく散歩なら、こんな乗り物が最適でしょ?帝塚山三丁目電停で下車します。
▲狭いプラットフォームも旅気分が高まる

今日は、「まず散歩してぜんざいモードになってから店に」と決めていたので、電停近くの万代池公園に足を延ばす。若いママと子どもが遊ぶ大阪市内の公園でも、新町のそれとは違って空が広く、本当にのどかな感じ。
▲すでに仕事を完全に忘れている

対岸では水鳥が楽しそうに泳いでいた。大阪でもほんと、いろいろあります。
▲元サッカー日本代表監督の岡田武史さんもこの公園が遊び場だった、とあるインタビューで語っていた

池の周りをぐるっと回って、三丁目の電停からちょっと北上すると、先ほどの店に着く。入ると、いかにも「昭和の高級住宅街の甘味処」の匂いがするショーケースがお出迎え。
▲またも目移りするが、今日はぜんざいが食べたかったから即オーダー

平日の昼間はのんびりしている。窓越しに眺める庭もええ感じ。帝塚山らしい。
他の席の人と目が合うようで合わない心遣い。しつらえの良さを感じる。
蓋の付いたお椀のぜんざい(800円)がやってきました。
お餅は四角。丸餅が多い関西でなぜ四角にしたのかは、ベテランの社員さんでもご存じなかったようだ。
昆布をのせているいぶし銀の小皿がシブい

さぁ、いただきます。
近くを走るガタンゴトンという路面電車の音が、静かに流れるインストゥルメンタルのBGMに混じって、どこにもない「帝塚山の音」になって心地よい。

食べて感じたのは、「全体のバランスの良さ」。それぞれの素材が強い自己主張をするのではなく、トータルで「まるい」味になっている。けれど主役は何と言っても小豆のあんで、絶妙の炊き加減とふくよかな甘さを醸す小豆の引き立て役にお餅がある、という感じである。

後日、小豆のあんの秘密を聞くために、堺にある「福壽堂秀信」の工場を訪れたが、工場長の岡野幸治さんは以下のようなことを語ってくれた。

「初日は小豆を水につけるだけです。それで一晩置いて2日目は水を抜いて小豆の顔を見て、再び水を張って『前炊き』して渋を切ります。この渋の切り方加減が大きなポイント。そして、別の釜にザラメと水を熱して糖液をつくり、その糖液と合わせてまた一晩寝かせます」
なかなかすんなりとはいかないんですね。
▲岡野さん(右)と経営戦略本部部長の岡本將嗣(まさつぐ)さん

「3日目は、おいしい小豆の旨味が出た糖液をいったん分離します。そのことで糖液を吸った小豆の顔を見ます。分離させるのはいったんダイエットさせる感じですね。また鍋に戻して糖液と一緒に『本炊き』にかかります。ゆっくり温度を上げて、糖液の水分を飛ばして、ぜんざいの濃度に近づけていくんですね」
それでやっと完成ですか。
「いえ、また一晩寝かします」なかなか大変だ。

「茶寮にぜんざいを届けられるのは4日目。先ほどの工程の一つでも省略してしまうと、おいしいぜんざいにはならないんですね。小豆は正直ですよ」

にこやかな表情で一つひとつ丁寧に語る岡野さんを見ていると、「やっぱり料理は人格だな」とつくづく思う。そして岡野氏曰く
「ぜんざいで小豆のおいしさを感じていただいたのでしたら、この甘納豆(45g400円)はいかがですか? 甘納豆というお菓子の概念が、ちょっと変わる気がしますよ」
たしかに変わりました。そして、あのぜんざいを思い出しました。
▲店頭限定商品で販売している

日本茶、コーヒーはもちろんだが、スコッチのストレートでもきっとバツグンに合う。小さなスプーンか爪楊枝でどうぞ。

茶寮の隣の物販店で、何をおみやげに買って帰ろうかと悩むのも楽しみだ。
生まれも育ちも帝塚山の30代男子編集者によると、名物はぜんざい以外にもいろいろあるようだ。
「祖母(90歳を超えておられる)は稲庭うどん(900円、赤飯付き1,200円)と生ゆば丼(850円)のふたつが基本で、母が不在の場合や散歩したい場合に訪れているようです」
基本という表現がケタ違いの来店回数を想像させる。

「母親もかなりヘビーユーザーで、わらび餅パフェや黒蜜のかき氷をよく食べるそうです」
彼のような帝塚山ファミリーは決して少なくなさそうだ。

帝塚山にはチェーン系もシアトル系のカフェもない。
「街の喫茶店も減る一方なので、『ポアール』の茶房と並んでその安心感からよく使われているようですね」
地元に愛される甘味処、あの上機嫌な空気感はそういうことだったのだ。

帰りは北に歩き、姫松の交差点で「ポアール」を横目で見つつ、上町線に乗った。帝塚山には地下鉄は似合わんな。
▲どちらかと言えば、帝塚山三丁目より姫松電停のほうが近い

※価格は税別。ぜんざいの提供は10月から3月下旬まで(近鉄上本町店のみ9月から6月まで)。

3.与謝野晶子生誕の地に近いカフェで堺らしいぜんざいを「サカイノマ」

先ほどの阪堺電軌上町線は、住吉で「阪堺線」と合流して堺の浜寺駅前を目指して走る。その途中、大和川を越えて「高須神社」から「御陵前」の電停の間3kmほどは、「旧堺」の市街地だ。
▲大小路(おおしょうじ)の電停前で、新旧の電車がすれちがう

日本史の、中世後期から近世にかけて、この「旧堺」というのは常に歴史の「表舞台中の表舞台」だった。堺で活躍した人物だけ挙げても、ルイス・フロイス、フランシスコ・ザビエル、三好長慶、呂宋助左衛門、織田信長、千利休、豊臣秀吉、徳川家康……と乱暴に割愛してもこれだけいる。

大阪の「船場」と似たり寄ったりの狭いエリアなので、ちょっと歩いただけで「家康が妙國寺から街に繰り出した通り」とか「千利休の名前が初めて過去帳に登場した神社」とか「ザビエルが滞在した豪商の屋敷跡」とか、歴史好きにはたまらん場所が続々と登場する。

そして、近代史の中で忘れてはいけないのが与謝野晶子だ。
彼女の生家である老舗和菓子屋「駿河屋」は阪堺線「宿院(しゅくいん)」と「大小路」の間、やや宿院寄りの場所にあり、生家跡の碑が紀州街道(大道筋)沿いに立つ。
▲少し南に行くと、利休と晶子の功績を讃えたミュージアム「さかい利晶の杜」がある

「建て倒(だお)れ」と呼ばれるほど豪邸が多く、中世以来経済的繁栄を謳歌した堺の中で「和菓子屋」というのは特別なステイタスであったはず。周辺には今なお多くの老舗和菓子店がある。
晶子の生家跡から大道筋を渡ったすぐの所にある「丸市菓子舗」は彼女が17歳の明治28(1895)年の創業。
また生家跡から西にすぐのところにある、「芥子餅(けしもち)」でおなじみの「本家小嶋」はなんと、千利休が10歳だった天文元(1532)年に生まれた店で、両方とも普通に現役を続けている。
▲300年続く線香店の主人が「堺は300年では『古い』と言いません」と話していた背景にはこんな店の存在がある

それでは堺は「古いものしかない」のかと言うとそうではなく、クラシックな町割りが続く旧堺市街の中に、最近ポツポツと、でも確実に若い人たちによる「場」が出来ている。大小路の電停から少し北に行った所にある「サカイノマ カフェ&レジデンス」がそれだ。2016年秋にオープン。
▲チンチン電車の行き来もよく見える

築70年ほどの町家を改装して、奥に宿泊可能な2部屋のゲストハウスもあり、
最近、外国人を含めてとみに増えてきた「堺を観光したい」という広範なニーズにも対応できるようになっている。
▲決して広い店ではないが、天井が高いので開放感バツグン

設計は間宮吉彦さん。京阪神だけでなく東京、上海などでも人気のカフェやレストラン、バー、商業施設を手がけ、堺では大人気の「つぼ市製茶本舗」も彼の手によるもの。間宮さんの生家もこの阪堺線沿いで、そこも今、ゲストハウスとして運営されている。
▲書いてはいないが、カレーやハヤシライスもウマい

「サカイノマ」は20席程度の店内だが、料理もドリンクも「堺らしいこだわりを大事にしたい」と、地元の店や産地と連携してさまざまな工夫を凝らしている。そしてぜんざい(680円、お茶付き880円)も例外ではなかった。可愛い容器にダマされてはいけない。ひと口すすっただけで、「どうみてもカフェのぜんざいとは違う!」と感じる。
▲この日はさつまいものチップスが付け合わせに

聞くと、創業200年以上を誇る肉桂(にっき=シナモン)餅の老舗「八百源来弘堂」がこの「サカイノマ」仕様でぜんざいのあんを作ってくれているそうだ。地元ネットワークおそるべし。
▲堺にはスーパースター和菓子屋が目白押しだ

ぜんざいのあんは、「八百源来弘堂」が和菓子に使う小豆とは別に、十勝小豆の「北ロマン」という品種の中でも選別した大粒の豆で炊いている。小豆の存在感がきっちりあるのはそのためだ。
そしてお餅の存在感が半端ない。弾力があってプリプリ。こちらも各地の自然栽培のネットワークをがっちり持っているスタッフの西依通代(にしよりみちよ)さんが、湖西・高島市の名水で育まれた「針江のんきぃふぁーむ」のお餅をぜんざい用に仕入れている。堺の「編集力」おそるべし。
▲お茶付きを頼むと、ほうじ茶をこのポットでサーブしてくれる

「八百源さんの肉桂餅もあるんですよ」との誘惑。ぜひいただきます。
▲お茶とセットで550円

先ほどのぜんざいとセットになったお茶も、旧堺の老舗「松倉茶舗」のほうじ茶を使っているが、こちらは同じ松倉の川柳(かわやなぎ)というお茶で、緑茶だけど、番茶のように大きい茶葉を使っている。深い苦味が肉桂餅とバツグンに合う。

帰りは、ひと駅ぐらい歩こうかと店を出たらもう暗くなっている。ライトアップされた「サカイノマ」の外観が美しい。
▲「熊」というのはこの界隈の「熊野町」にちなんだもの

大きな公園まで歩くと、沈む夕日が見えた。この辺りに中世の豪商・日比屋了慶の屋敷があり、フランシスコ・ザビエルが天文19(1550)年に来日した際にはここで手厚く「おもてなし」されていたとか。その場所に戦後、市民の憩いの場所が誕生し、「ザビエル公園」と名づけられた。
▲中世の海岸線はザビエル公園付近だったらしい

この堺を舞台にしたかつての大河ドラマのタイトルは、「黄金の日日」だったことを思い出した。

※価格は税込。ぜんざいの提供は12月中旬~3月下旬まで。
ここで紹介した3店はいずれも、一人で訪ねてもゆったりくつろげる店ばかり。
二人で食べる法善寺横丁の「夫婦善哉」も情緒豊かで素敵だが、おひとりさまでも街ごとにバラエティ豊かなぜんざいの時間が待っている。

おいしい一杯だけでなく、いつの間にかお店の成り立ちや街の歴史なども知ることができ、やっぱり大阪は味わい深いわいと改めて感じ入ったのでありました。
チンチン電車のスピードで、のんびり行きましょう。
中島 淳

中島 淳

編集者。京阪神エルマガジン社時代にSAVVYとMeets Regionalの副編集長、Lmagazine編集長を歴任、2006年に独立して編集出版集団140Bを立ち上げ、代表取締役に。どら焼き、きんつば、おはぎ、大福、もなかなど「あんこ」ものには四季を問わず目がないが、ぜんざいが登場する冬は寒がりにもかかわらず気合が入る。

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