琉球王国の栄華をいまに伝える世界遺産「首里城」へ、歴史ロマンの旅

2015.06.23

沖縄観光ではずせないスポットといえば、やっぱりここ「首里城」。14世紀頃に創建されたといわれ、国王の居城として約500年にわたって琉球王国の政治・外交・文化の中心地として栄華を誇りました。鮮やかな朱色に彩られた建物は中国・日本双方の文化を取り入れた独自のスタイルで、まさに沖縄の歩んできた歴史が垣間見られる場所。パワースポットとしても名高い首里城公園へ、ゆる~り歴史散策をしてきました。

▲沖縄戦を含め4度焼失し、1992年に復元された正殿

さまざまな門をくぐり抜け「正殿」を目指す

外郭と内郭により二重に囲まれている首里城は、正殿にたどり着くまでにたくさんの門をくぐります。それぞれの門の異なる建築様式もさることながら、各門に掲げられた扁額(へんがく)からは「琉球は礼節を重んずる国」「歓迎する門」「立派なめでたい泉の門」など、それぞれの門に込められた意味合いも知ることができます。別名がつく門もあり、ひとつずつその意味合いを読み解いていくのも粋な楽しみ方。
▲到着すると、まず迎えてくれるのが「守礼(しゅれい)の門」。二千円札のデザインになるなど、何かと沖縄の象徴的な存在
▲「瑞泉(ずいせん)門」。門の手前には王宮の飲料水として使われていた湧水があります
▲首里森御嶽(すいむいうたき)

城内には10カ所の拝所があったといわれていますが、城壁の手前にこんもり佇むのが首里森御嶽。神話には「神が創られた聖地」と記されていて、とても格式の高い拝所の一つです。
▲世界遺産にも登録されている「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」

守礼門近くの木々が生い茂った御嶽(うたき)前にあるこの石門は、国王が城外へ出掛ける際に道中の安全を祈願した場所。門の形はしているものの、人が通る門ではなく神への礼拝の門なのだとか。
▲中国の紫禁城をモデルにしたと考えられている正殿の屋根は、日本特有の唐破風(からはふ)。国王の象徴である龍の装飾があちこちに施されています

首里城内で最も中心的な建物が「正殿」。中国の宮廷建築と日本の建築様式を基本にしながら独自の様式で築きあげられました。南殿は薩摩藩の接待に、北殿は中国の冊封使(さっぽうし)歓待のための建物なので、それぞれの趣の違いも歴然。知恵を活かしながら外交を行っていた琉球王国の姿がうかがえます。
▲北殿に展示されている御庭(うなー)での儀式の模型。向かって正面が正殿、右が南殿、左が北殿


現在開放されている空間では、王国時代に製作された漆器や絵画などの美術工芸品、衣装、歴代王の肖像画やペリー来航時の写真パネル、さまざまなレプリカなどを展示。ときおり他国の脅威にさらされながらも、華やかな王朝文化が根付いていたことを知ることができます。
▲国王が座る絢爛豪華な玉座「御差床(うすさか)」
▲正殿1階には、何やらガラス床で地下がのぞきこめる一角が…。唯一現存する首里城最古の遺構で、世界遺産に登録されています

和風の落ち着いた雰囲気のある南殿の奥には、国王の執務空間「書院」や王子などの控え所で諸役人と懇談した「鎖之間(さすのま)」があります。鎖之間には茶室があったことから、現在でもちょっとしたお茶ができる空間になっています。琉球王国時代にはさまざまな宮廷料理が生まれ、お菓子だけでも160種類もあったと言われていますが、ここ「お茶室・鎖之間」では、その代表的な「花ぼうる」「くんぺん」「ちいるんこう」「ちんすこう」の4種類と「さんぴん茶」がいただけます(税込310円)。
▲書院・鎖之間と一体をなす琉球庭園には琉球石灰岩やソテツ・松などの木々が美しく配されており、2009年に国の名勝として指定されました
▲お茶菓子を出してくれるスタッフさんからは丁寧な説明も。かつてこの場所が女人禁制だったことにちなみ、彼女たちの衣装は当時の男子が着用していた形なのだとか

かつて沖縄の島々を統治した琉球王国の中心地で、歴史と文化に触れ、往時の雰囲気をゆったりと体感する時間。風水にのっとり建てられたお城の周辺には緑があふれ、数々の名勝や文化財、池や石畳道など、趣のある散策エリアもたくさん。学びと癒しを与えてくれます。

沖縄の風土と歴史が作り上げた沖縄一の名城、「首里城」。王道だけど、やっぱり外せないスポットです。
真地さあ子

真地さあ子

海外のフリーペーパーや外資系IT社勤務を経て、新聞や情報・PR誌、キッズクラフトコラムなど様々な媒体の記事や翻訳を担当。土地に暮らす人々の心や文化、小さな声を汲みとった記事やメディア関連作品づくりを行う。文学修士(民俗学)、高校教諭、司書、利酒師、泡盛マイスター免許保有(現在ワケあって苦行の禁酒中)

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