牡蠣の旬は今!岡山の絶品ご当地グルメ「日生カキオコ」はいかが?

2017.01.02

岡山・日生(ひなせ)地区は牡蠣養殖が盛んな、小さな漁業の町。毎年11月から春先までの牡蠣シーズンは、生牡蠣をたっぷり使った名物お好み焼き「日生カキオコ」を求めて全国各地から多くの観光客が訪れます。今回は数ある名店の中からオススメの新旧3軒をご紹介します!

▲特別に上にも牡蠣をトッピングしてもらった「日生カキオコ」(撮影協力:うま×うま)

岡山県備前市の日生地区は、兵庫県との県境に位置する小さな漁業の町です。

古くから漁を生業にしてきた町は、冬場の収入源にと、1960年代から牡蠣の養殖業をスタート。日生育ちの牡蠣は、周囲の島々から海に流れ込む豊富な養分で育ち、大粒で、加熱しても身が縮みにくいのが特徴。実は養殖牡蠣の生産量が全国3位(平成26年度)の岡山県にあって、その半数がここ日生産なんです。
▲湾内に浮かぶ養殖牡蠣の筏(いかだ)
▲未明に水揚げされ、その日のうちに打ち子さん(牡蠣の殻をむく人のこと)たちが手作業でむく
▲殻をむいたばかりの牡蠣は水分たっぷり。牡蠣が最も美味しいのは1~2月

1人の客が全国区に仕立てた!?「日生カキオコ」の始まり

そんな牡蠣の町のご当地グルメ「日生カキオコ」は、地獲れの生牡蠣がたっぷり入ったお好み焼き。まずは、「日生カキオコ」発祥の背景を聞こうと、地元有志のグループ「日生カキオコまちづくりの会」を訪ねました。
▲話を聞かせてくれた「日生カキオコまちづくりの会」事務総長の法華(ほっか)さん

法華さんによれば、牡蠣入りのお好み焼きは、養殖業が始まって間もなく、地元の漁師さんが、流通に乗らない牡蠣を家に持ち帰り、お好み焼きに入れて食べていた「漁師さん発祥説」が有力なんだとか。関西と広島の間に位置するためか、もともと日生地区にはお好み焼き屋が多く、次第にお店でも「牡蠣入りお好み焼き」がメニューに並び始めたのだそう。もちろん当時は、「日生カキオコ」の名前なんてありませんでした。

そんな地元食が、ご当地グルメへとブランド化していくきっかけは、兵庫県赤穂市から岡山に毎日通勤していたある1人の男性が、日生で偶然「牡蠣入りお好み焼き」を食べたこと。

男性は、そのお好み焼きの美味しさに感激し、通勤仲間と一緒に、日生で「牡蠣入りお好み焼き」の食べ歩きを決行。2002年にはなんと、手作りマップまでこしらえました。
▲現在の「日生カキオコ」専用マップ。描かれている地図は、2002年当時に有志が描いたものを利用し、店舗情報だけ更新している

その熱意に突き動かされるように、地元のメンバーも加わり、普及活動がスタート。2003年にメンバーの1人が「日生カキオコ」と命名し、その後、テレビや雑誌など、多くのメディアで紹介され、岡山を代表するご当地グルメになりました。

2011年には日生の商工会や観光協会も加わって「日生カキオコまちづくりの会」を結成。その取り組みもあって、週末になると日生へと続く基幹道路が大渋滞になるほど、知名度がアップしました。

現在、日生地区には、「日生カキオコ」をメニューに掲げた飲食店が20店舗ほどあります。今回は、その中からオススメの3軒にお邪魔してきました。

人情あふれる人気店。豪快に具を入れる「浜屋 みっちゃん」

まず一軒目に目指したのは、「浜屋 みっちゃん」。
▲海岸線から裏に延びる通りの風情もステキ

のれんをくぐると、年季の入った鉄板が目に飛び込んできました。浜のお好み焼き屋さんらしく、はじめましてだけどどこか懐かしい。
▲店主の中野美津江さん(みっちゃん)。席数は鉄板をぐるっと囲む全6席

ここで「日生カキオコ」を味わうときの心構えをひとつ。
どんなに年配の女性でも、カキオコのスタッフさんはみな、「お姉さん」と呼ぶこと。ここ日生では、どれだけ年を重ねてもおとなの女性は「お姉さん」と呼ばれるんです。これだけは守ってくださいね♪

生地にキャベツをたんまり入れるのが「みっちゃん」流。上には、その日に仕入れた新鮮な生牡蠣がドドーーンと載ります。
▲思わず「こんなに牡蠣を入れても大丈夫ですか?」と聞いてしまった…

「はい、焼けたよ!唐辛子の一味はお好みでかけてね」と美津江さん。

では、いただきます!!
▲日生カキオコ(税込1,000円)。鉄板のまま提供されるから、時間がたってもアツアツ

コテを使い、まずは牡蠣からほおばります。
▲以前、長い行列のため食べるのを断念した経験がある筆者。念願の初カキオコ!

パクッ、ジュワーッ。
口の中で牡蠣の旨みが、ソースと追いかけっこ。ソースに全然負けていない!
生地にも牡蠣の旨みがしみ込んでなんとも滋味深く、贅を尽くしたお好み焼き。ザ・お好み焼き・レボリューション!!

35年もの間、店を営む美津江さん。
「わたしな、愛想悪いって言われるけど一生懸命焼きよるだけなんよ。席数も少ないし、アツアツを食べさせるから、回転が悪い。ダラダラしゃべっとったら並んでいるお客さんに申し訳なくてね」
▲美津江さんは御年78歳。「耳が遠いから大きな声で注文してね」と美津江さん

でも実は、リピーターさんが去年座った席まで覚えているぐらい、愛情をかけてお客さんを見ているんですよ。週末は行列必至の人気店。ぜひ気長に、順番を待ってくださいね!
「みっちゃん」との心の交流に後ろ髪をひかれつつ、次を目指します。
日生カキオコのPR活動に奔走する人物「てっぱん隊長」なる人物がいる、と聞き、そのお店へと向いました。

オヤツ感覚で食べられる気軽なお店「カキオコ屋 暖里」

そのお店は、地元の市場「五味(ごみ)の市」の向かいにあります。
▲すぐそばが日生の海。隣は「海の駅 しおじ」

店名は「カキオコ屋 暖里(ゆるり)」。
こちらの男性が、日生カキオコの「てっぱん隊長」こと、中村智浩(ともひろ)さんです。
▲日生町内で「お好み焼き ともひろ」を営む中村さん。日生PRのため、2013年に観光客が集まるこの場所にも店を構えた

「県内外のイベントで出店するけれど、その場合は、衛生上、蒸した牡蠣を使うんです。生牡蠣を使ったカキオコを食べるならぜひ日生に来て味わって。美味しさが違いますよ」と中村さん。

そんな「暖里」のカキオコは、生地がフワフワ。キャベツは甘さと食感を生かすため、大きさも5mm角と1cm角の2種類を用意するほどのこだわり具合。甘めのソースで、小さな子どもも喜びそう!ミニサイズ(税込500円)もあるので、オヤツ感覚でも食べられます。
▲日生カキオコ(税込850円)。プラスチック容器に入れてくれるのでテイクアウトできる
▲地元備前市の「鷹取醤油」で作ってもらった「日生カキオコ」用のオリジナルソース(税込650円)
さあ、「五味の市」まで来たからには、あの名物スイーツを食べてみないと!
▲週末は多くの出店者と観光客でにぎわう「五味の市」

牡蠣を使った名物がズラリ!漁協直営の「五味の市」

テレビや雑誌など、メディアに引っ張りダコの名物こそ、「五味の市」オリジナルの「カキフライソフトクリーム」(税込300円)。
なんと、ソフトクリームにカキフライが豪快に刺さったビジュアル。舌が混乱しそうでしょ(笑)?
▲生牡蠣を揚げたカキフライが2つ、刺さっている

でもね、これが意外にイケる!
甘さ控えめのミルク味ソフトクリームにかけられた刺身醤油が味をまとめているんです。ぜひ一度、ご賞味あれ!
▲こちらは「かきゴロゴロ弁当」(税込800円)。ヒジキとショウガの炊き込みご飯の上に、醤油で煮た旨みたっぷりの牡蠣がぎっしり
ささ、「日生カキオコ」めぐりのトリを飾るのは、2009年オープンの「うま×うま」です。
▲JR日生駅の裏という好立地

カキオコも殻付き牡蠣も超絶旨い!その名も「うま×うま」

何十年と続く老舗が多い中、この「うま×うま」は比較的新しいお店です。
▲美人と評判の店主・牧野真希さん。豪快にカキオコを焼く姿に見とれないようご注意を

代々漁師の家に生まれ、小さい頃からおじいちゃんの牡蠣むきを手伝っていた牧野さん。新鮮な魚介が手に入ることから、美味しい日生の魚介を多くの人に食べてもらおうと、27歳の若さでこのお店を始めたそう。
▲牡蠣を軽く焼いてから載せる。このひと手間が牡蠣の臭みを消すのだとか
▲定番の「日生カキオコ」(税込950円)

トロトロな生地といい、味わい深くもさっぱりしたソースといい、すべては牡蠣の引き立て役。そんな心得がぴったりの、旨さが突き抜けているカキオコです。

美味しさに感激していると、「今日から殻付き牡蠣が入荷しているんだけど、食べてみらん?牡蠣の美味しさを知るにはこれが一番」と牧野さん。

「今日から」なんて、ラッキーすぎる!ぜひ、いただきます!
▲「殻付き蒸しカキ」(一皿税込800円)はこのボリューム。数は殻の大きさで変わる

殻付きのまま蒸して、味付けは一切なし。
優しい潮の味と牡蠣の旨みが、口の中でじゅわ~っと溢れだす。ガムでもないのに、ずーっと噛んでいたい。これは、やばいヤツです(笑)。食べたら、毎年日生を目指すほど中毒になること、間違いナシ。

新星にして、すでに名店の風格がある「うま×うま」。カキオコと一緒に殻付き牡蠣もぜひ食べてみてくださいね!
「日生カキオコ」が小さな漁師町に与えたインパクトがどれだけのものか。その驚きの美味しさから想像できました。
1人の心を動かした〝地元食″が、ご当地グルメへと成長したサクセスストーリー。でも日生の人たちは気負わず、変わらず、日生の穏やかな海のように迎えてくれますよ。のんびりと、お越しくださいね。

撮影:松本紀子
ココホレジャパン

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