関門海峡を歩いて渡る!?下関、門司の両岸で楽しむスローな海峡めぐり

2016.11.09 更新

本州と九州を隔てる「関門海峡」。自動車や鉄道であれば、あっという間に通り過ぎてしまいますが、なんと海底を歩いて渡ることもできるんです!それも、車道の横などではなく、歩行者専用の「関門トンネル人道」が整備されています。せっかくなら、歩いて海峡を横断して、いつもと違うスローな目線で関門海峡めぐりを楽しみませんか?

関門海峡は海上、陸上ともに交通の大動脈。車に鉄道…え!歩いても渡れるの!?

本州の下関市と九州の北九州市を隔てる関門海峡は、日本海と瀬戸内海を結ぶ海上交通の大動脈。昼夜問わず大小さまざまな船舶がひっきりなしに行き交います。この海峡を渡るには、自動車であれば高速道路と有料道路、鉄道であれば在来線と新幹線がありますが、自動車用の「関門国道トンネル」に「人道」が別途整備されており、なんと徒歩で渡ることもできるんです!

そこで、「歩き」の目線だからこそ楽しめる海峡ウォッチングへ行ってきました。
▲日本三大急潮流に数えられる関門海峡。潮流に逆らって進む船(手前)は、目に見えて大変そう。一転して潮流と同じ方向に進む船(後方)は、スイスイと通過していく
▲海峡におけるシンボル的存在の「関門橋」は、1973(昭和48)年11月14日に開通。開通当時、1,038mという長さは日本一だった

下関側の観光拠点「カモンワーフ」からスタート!トンネル人道を目指してぶらり散策

下関側から出発するなら、観光施設「カモンワーフ」からスタートするのがおすすめです。トンネル人道入口までは徒歩15分ほどで、周辺には駐車場(有料)も多く、お隣には下関ならではの超新鮮な寿司や海鮮丼が味わえる「唐戸市場」の「いきいき馬関街」があり、踏破前の腹ごしらえにもピッタリ!
▲「カモンワーフ」とその一帯には下関名物が味わえる飲食店が多数並ぶ
▲カモンワーフをスタートしてすぐに観光名所の一つ「赤間神宮」が左手に見える

さらに歩みを進めると道路は海沿いへ。いよいよ間近に「関門橋」が迫ってきました。
▲歩道は広々、ゆっくり海峡を見ながら歩ける。目の前にはど~んと「関門橋」の主塔(高さ141m)!

しばらく行き交う船を見ていると、瀬戸内海側に真っ白な巨大客船が登場。船首に「DIAMOND PRINCESS(ダイヤモンド・プリンセス)」の文字!わわわ、なんと目の前にやってきたのは国内最大級の豪華客船ではありませんか!
▲海面から橋までは高さ61m、その間を水面上54m、全長288mの巨大な船体が通り抜けていく。大型客船に出会えるのは超レアなケース

何という幸運!…な~んて、実は通過を把握しての待ち伏せなのでした。大型船の通過は、海上保安庁「関門海峡海上交通センター」のウェブサイトで、事前に確認することができます。

いよいよ「関門トンネル人道」で海峡の海底横断!

▲下関側の「トンネル人道」入口

いよいよトンネルの入口が見えてきました。さあ、果たして海底を進む「関門トンネル人道」とは?
▲トンネルの入口に併設されている「関門プラザ」には、「関門国道トンネル」や「関門橋」についての構造や建設時の写真、模型など、貴重な資料が展示されている
▲エレベーターは大小2基。手前にあるのは自転車・原付の料金箱(トンネル人道の通行料は徒歩であれば無料。自転車・原付は20円 ※トンネル内は手押し)
▲エレベーターに乗ったら「地下」ボタンを押すのみ!

ドキドキしながらエレベーターで地下55mへと向かいます。ちなみに、気温や天候に影響されないトンネル内は、地元の人にとってはウォーキングコースとして人気なのだそう。
▲エレベーターを降りるとまずホールがあり、その先に関門トンネル人道の起点(画像中央)がある

ここで忘れてはいけないことが…。それは、門司側へと進む前に、ホールに設置されている専用用紙にスタンプを押すこと。下関側、門司側双方にあるスタンプを押すことによって、歩いて海峡を渡った証である「関門TOPPA!記念証」がもらえるのです。トンネル人道を通るなら、この記念証は必ずもらっておきたいところですね。スタンプを押したら、門司側に向かってスタートします!
▲まずは下関側のスタンプを押印。門司側のスタンプと組み合わせて一つのイラストになる
▲トンネルの起点横には国道路線案内標識も掲示。トンネルは車道と二層構造(車道が上)になっており、人道もれっきとした国道の扱いとなっている
▲ゆるやかにV字形の高低差があるトンネル内。壁には魚のイラストが描かれている
▲しばらく歩くと何やら路面に文字が…なんと、ここから先は福岡県!海底から九州へ!

やがて、見えてきたのは、トンネルの最深部58m地点にある山口県と福岡県の県境です。えいっとジャンプして一跨ぎ、九州に入りました!
▲海底を歩いて県境を越えられるスポットは、国内でもここだけ

トンネル人道の長さは780mで、普通に歩けば10分程度で海峡を渡りきることができます。
門司側の出口でもスタンプを押して、関門海峡と魚とトンネル人道のイラストが完成。
▲二つのスタンプでできあがったイラスト。ちょっとズレているのはご愛敬(汗)

再びエレベーターに乗って門司側の地上へ出ます。今度は九州側からの関門海峡の絶景~。
▲門司側の「トンネル人道」入口
▲対岸に見える下関側の入口を見て「海底を歩いてきたんだなぁ」としみじみ

歩いて小腹が空いたら、関門名物のおでんが味わえる「若松屋」へ

歩いてはしゃいで、なんとなく小腹が空いてきたと思ったら、美味しそうな匂いがどこからともなく漂ってきます。あ、あそこ、おでんの暖簾がかかったお店から!
▲店の佇まいからして「絶対に美味しい!」オーラがハンパない!

このお店こそ地元の人にもこよなく愛されている「若松屋」。具材の芯までしっかりと秘伝のだしが染み込んだおでんは、関門名物の一つとして大人気です。
▲季節に関係なく地元の人にこよなく愛されているおでん。どれにしようか迷う~

今回は、すじ肉、ちくわ、大根、糸こんにゃく、丸天、玉子をチョイス(おでんはすべて一品税込105円)。まずはちくわから…甘辛い風味のだしが染み込んでふわふわ、美味しい~!続いて、大根に玉子、さらにとろとろのすじ肉がまた堪りません。
▲このおでんの味わい深さたるや恐るべし、これは毎日でも食べた~い!
▲おでん以外にチャンポンも名物。わわ、もうカツ丼もなべ焼うどんも全部気になる!
そして、「若松屋」のすぐ隣には海峡の守護神として祀られている「和布刈(めかり)神社」があります。特に交通安全に御利益があるといわれており、パワースポットとしても人気なのだとか。
▲境内の真上に関門橋!神社としては九州最北端に位置する
▲神社から眺める海峡の夕陽はとても神秘的。お祓いなどは9:30~17:00で受付

「関門TOPPA!記念証」を受け取り、帰路は海峡クルーズで!

お腹も満たされたところで、旅の一番の目的である「関門TOPPA!記念証」を受け取りに、「JR門司港駅観光案内所」へ。路線バス(ただし本数は少なめ)に乗ればわずか10分程度です。
なお、「関門TOPPA!記念証」は、このほかにJR下関駅観光案内所、カモンワーフ事務局などで受け取ることができます(各窓口ともに受け取りは9:00~18:00)。
▲2016年11月現在JR門司港駅は大規模改修中で、案内所はすぐ隣にある旧JR九州本社ビルに移転中

ちなみに「記念証」は、「恋愛成就手形」「合格祈願手形」などさまざまなデザインが用意されており、英語と中国語バージョン含めて7種類から自由に選ぶことができます。
▲記念証には、日付も記入してもらえる

目的を達成したところで、下関側に戻ります。門司港駅の目と鼻の先には渡船場があり、ここから船でスタート地点の「カモンワーフ」付近まで戻ることができるのです。
▲時間によってサンセットや夜景も楽しめる連絡船
▲連絡船の2階はオープンデッキ!海上から関門海峡の夕景を満喫~
絶景、歴史、グルメなど見どころはまだまだ盛りだくさん!関門トンネル人道を渡って、あなたなりの目線でスローな関門めぐりをぜひ満喫してください!
兼行太一朗

兼行太一朗

フリーライター・カメラマンとして、山口県を拠点に活動中。 主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。(編集/株式会社くらしさ)

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