人気沸騰中!土鍋で煮込んだアツアツ鍋焼きラーメン
雄大な太平洋を望む約120kmの海岸線を有する海のまち・高知県須崎市。ここでは今、熱々のご当地グルメが大人気です。一般的に“鍋焼き”といえば、うどんを連想しますが、ここ須崎市では、ラーメンを土鍋で煮込んだ「鍋焼きラーメン」がポピュラー!今回は、そんな須崎市が生んだ熱々の鍋焼きラーメンを味わいに行きます。

須崎市民のソウルフード「鍋焼きラーメン」誕生物語
鍋焼きラーメンという名前の由来は、店主が出前の際に、ラーメンが冷めないようにとホーロー鍋を使ったことから名付けられたそうです。
具材は当時、須崎市内で調達できたネギや卵にちくわ。さらに、たまたま食堂の斜め向かいに鶏屋さんがあったことから鶏肉、スープには鶏ガラを使用。
素朴なラーメンでしたが、その熱々の美味しさは戦後間もない食糧難の時代に、須崎市民の身体を温めてくれるささやかなごちそうになっていきました。

いつしかこの美味しさは評判となり、谷口食堂の閉店後もあの味を残していきたいと、鍋焼きラーメンを提供するお店が次々と増え、平成14(2002)年には、全国に須崎市独自の食文化を広めようと「須崎名物・鍋焼きラーメンプロジェクトX」が発足。
“伝説の名店・幻の味”として語り継がれる谷口食堂の味を次世代に伝えるべく7つの定義を設け、全国へとその美味しさをアピールし始めました。
鍋焼きラーメンをモチーフにしたキャラクター「なべラーマン」も、この頃誕生しました。

須崎名物「鍋焼きラーメン」の七つの定義
2.麺は、細麺ストレートで少し硬めに提供されること
3.具は、親鳥の肉・ねぎ・生卵・ちくわ(すまき)などであること
4.器は、土鍋(ホーロー、鉄鍋)であること
5.スープが沸騰した状態で提供されること
6.たくわん(古漬けで酸味のあるものがベスト)が提供されること
7.全てに「おもてなしの心」を込めること
※すまきとは高知県ではポピュラーな魚肉練り製品
そんなプロジェクトの活動もあり、様々なメディアなどにも取り上げられ、行列を作るほど人気に。現在では、須崎市内だけでも33店舗ものお店が提供しているんだそうです!今回は、その中で、地元民が県外の人におすすめしたい店やメニューを決める「高知家の食卓 県民総選挙」の高幡エリア(高知県中西部の須崎市を含む5市町)で3年連続1位に輝いた「鍋焼きラーメン」を紹介します。
現在の鍋焼きラーメンのスタイルを確立した名店「橋本食堂」


お店に入ると、現在店主を務めている橋本さんの娘・岡崎さんをはじめ、笑顔の絶えない地元のお母さんたちがお出迎え。店内は、まるで実家に帰ってきたかのような温かな雰囲気が漂っています。ひとたび注文が入ると、見事なチームワークで次々と鍋焼きラーメンが作られていきます。

親鳥のガラや野菜を煮込んで作るダシと大正時代に創業した地元の醤油醸造所の醤油を合わせた、透明感のある琥珀色のスープに、時間が経っても伸びにくい特性麺を投入。

麺とスープがよく絡んだら、具材のネギ、ちくわ、卵を乗せ、一煮立ちさせたら完成!
テーブルに到着した鍋焼きラーメンの蓋を開けると、鍋から食欲をそそる醤油の良い香りと熱々の湯気が立ち込めます。

ひと口スープを飲むと、鶏ガラの旨みとほんのり甘い醤油が絶妙に相まった、あっさりだけどコクが深い味わいが口いっぱいに広がります。ストレートの細麺も、食べる頃にはちょうど良い硬さになっていて、スープとよく絡みます。
ふと気づけば、周りにはごはんを片手に鍋焼きラーメンを食べている人がチラホラ。私もごはんをオーダーすることに。

お店の人に食べ方を伺うと、ラーメンとご飯を交互に食べたり、ごはんの上に麺を乗せて食べたり、鶏肉とごはんを食べたりと、その食べ方は様々なんだそうです。中には、食べ終わったラーメンに、ごはんを入れて雑炊風にする人もいるんだとか。
私もまずは、ラーメンとごはんを交互に食べてみました。なるほど、旨みが強いスープとご飯の甘みとが相性がピッタリです!これは、ごはんを頼んでしまう訳だと納得。

食事も中盤に差し掛かった頃、ようやく卵を崩して麺につけてみました。トロ~リ半熟になった黄身がラーメンの味をマイルドに変化させます。実は、卵の食べ方も人によって様々なんだとか。

最後は、鶏肉とスープ、ごはんを一緒にパクリ。鶏肉は噛めば噛むほどに旨みが溢れ出してきました。須崎市が誇る名店の味、最後の1滴まで飲み干してしまうほど美味しい1杯でした。次回はまた、違った食べ方で鍋焼きラーメンを堪能しようと思います。

橋本食堂
高知県須崎市横町4-19
[営業時間] 11:00~15:00
[定休日] 日曜、祝日、12月30日~1月4日 ※年末年始の休みは予定
0889-42-2201

畔元志保
高知県生まれ、高知県育ち、高知県が大好きな高知県民。高知県のタウン誌「ほっとこうち」の編集部勤務を経て、フリーライターになり、横長の高知県を西へ東へ駆け巡っている。高知県の大自然と、可杯・箸拳・菊の花を愛するお酒好き!
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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