石ノ森萬画館で、仮面ライダー、サイボーグ009、キカイダーの世界に浸る!

2017.01.03

『仮面ライダー』『サイボーグ009』などの作品で知られる、宮城県出身の萬画家・石ノ森章太郎。生前の石ノ森と縁の深かった宮城県石巻市には、彼の名を冠したマンガミュージアム、「石ノ森萬画館」があります。石ノ森作品のキャラクターたちに会いに行ってみましょう。

マンガ列車に乗ってマンガの町へ

宮城県の県庁所在地・仙台市から今回の目的地である石巻市までは、JRの快速・仙石東北ラインなら約1時間。でも今回の旅はマンガがテーマなので、乗車時間は少し長くなりますがJR仙石線・各駅停車のマンガ列車「マンガッタンライナー」で石巻へ向かいます。
▲JR仙台駅。ここから出発です
▲「マンガッタンライナー」。石巻方面の正面は『がんばれロボコン』です
マンガ列車は「マンガッタンライナー」「マンガッタンライナーII」の2種類。普段はランダムに走っているため乗れるかどうかはタイミング次第なのですが、日曜の正午直前に石巻駅に到着する1便だけは「マンガッタンライナー」と決まっています(ダイヤ改正により変動するのでJRの時刻表をご確認ください)。
▲車内には石ノ森マンガのキャラクターがたくさん
電車は、塩竈(しおがま)、松島などを通過して石巻に向かいます。頭の中のBGMは、小さい頃にレコードが擦り切れるほど聴いた『仮面ライダースーパー1』の主題歌。胸が高鳴ります。

1時間半ほど電車に揺られ、JR石巻駅に到着しました。
▲仙台方面の正面は『サイボーグ009』です    
石巻駅に着くと、ホームでは『サイボーグ009』のサイボーグ戦士、003がお出迎え(日曜の正午直前に着く1便のみ)。「マンガッタンライナー」の乗車記念証明書を配布してくれます。

乗車記念証明書には、「マンガッタンライナー」と「マンガッタンライナーII」の解説が付いています。これはテンション上がります!
▲麗しのフランソワーズ・アルヌール。またの名をサイボーグ003
そして石巻駅構内には、あちらこちらに石ノ森作品のキャラクターが
▲改札近くに立つ仮面ライダーとサイボーグ戦士たち
▲4・5番線ホームの階段に描かれた仮面ライダー
▲跨線橋の階段の途中にもイラストが描かれています
上の写真で、左に描かれているのは、『ジュン』の主人公のジュン。作者の石ノ森がジュンのメンテナンスをしているという描写が印象的です。

ところで、国内有数の水揚げ量を誇る港町として知られる石巻市は、「マンガを活かしたまちづくり」をうたう「マンガの町」でもあります。駅を出ると、町の中にも石ノ森作品のキャラクターがたくさん。
▲駅前には、毎時0分に石ノ森キャラクターたちが登場するカラクリ時計が
時計の上に立っているのは、2004年に誕生した石巻のオリジナルヒーロー、シージェッター海斗です。時計のカラクリが作動する時にはテーマソング「シージェッター海斗」が流れます。
▲石巻駅前の交番には『ロボット刑事』の捜査用ロボット「K」も勤務中
石巻駅から石ノ森萬画館に向かう「マンガロード」にも、石ノ森作品のキャラクターが次々と登場します。
▲「萬画ポケットパーク」に立つ『サイボーグ009』の主人公、島村ジョー。凛々しい!
▲石巻商工会議所の前には『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャー
▲『がんばれロボコン』のロボコンと一緒にひと休みできるベンチ
ほかにもポストの上やマンホールのフタなど、あちらこちらに隠れているキャラクターを見つけながら歩いていくと、川の中州に立つ奇妙な形の物体が見えてきました。

石ノ森作品のキャラクターが集結!「石ノ森萬画館」

石巻駅から歩いて15分ほどのところにある北上川河口付近の中州は、空から見た形がニューヨークのマンハッタンに似ていることから「マンガッタン」と呼ばれています。古今東西の石ノ森キャラクターたちをのせて「マンガッタン」に降り立ったこの宇宙船が、「石ノ森萬画館」です。
▲キャラククターたちはこの船に乗って、作品の舞台から石巻にやってきました
萬画館の前ではシージェッター海斗がガッツポーズで来訪者を迎えます。
入口にいたる通路の壁には、生前の石ノ森と親交のあった約50人の人気マンガ家の手形プレートが並び、その隣に石ノ森の実物大の手が突き出ていました。
▲石ノ森章太郎が来館者に握手を求めています
入口の脇のスペースには、仮面ライダードライブの愛車「トライドロン」が駐車してありました。
▲カッコイイ!最高速度はなんと560km/h!
屋外の展示物を見学していると、宇宙船の一部がピカピカと光りはじめ、『サイボーグ009』の島村ジョーの声が聞こえてきます。
「さあ、出発だ。みんな、準備はいいか?」
光っていたあたりの扉が開き、島村ジョーや仮面ライダー、アカレンジャーなどのキャラクターが龍神に乗って降りてきました。
▲毎時0分に出動。出動時以外は館内2階の展示室で見学できます
キャラクターたちがそれぞれの存在感を示したあと、再びジョーの声。
「僕たちでこの町を守るんだ!」
石巻の人々がキャラクターたちに託した思いが伝わってくるような気がします。

さて、いよいよ館内へ。入館するとすぐに受付があり、サイボーグ戦士に扮したアテンダントが迎えてくれます。入館は無料ですが、有料ゾーン(展示室、映像ホール)を見学するためチケットを購入。
▲夏は白の衣装になり、イベント時などには緑や青も登場するそう
受付の裏手には石ノ森章太郎を紹介するコーナーがあり、写真付きの年表で石ノ森の来歴を知ることができます。石ノ森や手塚治虫、赤塚不二夫などのマンガ界の巨匠が青年時代に住んだことで知られる、トキワ荘の模型も展示されています。
▲写真や経歴、石ノ森自身の言葉から、彼の人柄が垣間見える気がします
石ノ森は、マンガは「あらゆる事象を表現でき」、「無限大の可能性を持つ」と考え、マンガを「萬画」と表記し、自身を「萬画家」と名乗っていました。石ノ森萬画館の名称をはじめ、石巻のあちこちで「萬画」の表記が見られるのは、彼の遺志を受け継いだものなのです。
石ノ森が「萬画」についての考えを表明した「萬画宣言」も、この紹介コーナーで読むことができます。

在りし日の石ノ森に思いを馳せつつ、無料エリアの展示物を見ながらスロープを上り、2階の展示室に向かいます。
▲展示室の入口。この先に行くにはチケットが必要
ふと下を見ると、床には島村ジョーの影が!危うく見逃すところでした。
そして奥に進むと、『サイボーグ009』のブラックゴースト(黒い幽霊団)の研究所をイメージした空間に入ります。9人のサイボーグ戦士たちと、彼らにサイボーグ化手術を施したアイザック・ギルモア博士の登場です。なんだか自分までサイボーグ化されてしまいそう。
▲各戦士の個性が、ポーズや表情にも表現されています
ここでは、サイボーグ化された経緯や特殊能力などのプロフィールを、各戦士の前に置かれたパネルで知ることができます。さらに、キャラクターがしゃべったり動いたりという仕掛けも。約10分おきに頭上を飛ぶ002ことジェット・リンクも要チェックです。

「サイボーグ009の世界」を抜けると、おおっ!目の前には岩の上でポーズをとる仮面ライダー1号が!
▲ここから「仮面ライダーの世界」です
1号を取り囲むように半円状に並んでいるのは昭和期のライダー15人のマスク。まさに壮観です。憧れのスーパー1にもついにお目にかかることができました。
通路を進むと平成期のライダー18人のマスクも展示されています。

「仮面ライダーの世界」では、プリペイドカード(500円・税込)を購入すれば「仮面ライダーに変身!」、「サイクロン号に乗る!」の2種類のアトラクションも楽しめます(各250円・税込)。
▲仮面ライダーに変身して、飛んでくる障害物をパンチ、キックで撃破!
▲さらわれたヒロインを救うべく、愛車・サイクロン号で風を切って疾走!
「仮面ライダーの世界」を後にし、さまざまな展示や仕掛けで石ノ森作品の世界を体験しながら進んでいくと、暗い研究室にたどり着きました。カプセルの中に立つロボットが見えます。「人造人間キカイダーの世界」です。
ここでは良心回路を組み込まれたロボット戦士、キカイダーの誕生の瞬間が再現されています。キカイダーの声や効果音にも迫力があり、臨場感たっぷり。
▲スイッチを入れるとキカイダー誕生の演出が始まります
キカイダーの研究室を出てすぐの壁には、石ノ森作品関連の小さなイラストがびっしり。少し離れて眺めると、なんと石ノ森の顔が浮かび上がってきました。
▲気付かずに通り過ぎてしまいそう
さらに進むと、「シージェッター海斗の世界」に入ります。パネルには石ノ森が描き残したキャラクター「鉄魔人シャドル」のラフスケッチも。シージェッター海斗は鉄魔人シャドルをベースにして誕生した石巻のヒーローなのです。
▲石巻のヒーロー、「シージェッター海斗」をパネルやジオラマで紹介
「シージェッター海斗の世界」を抜けると、不意に世界が明るくなりました。いつの間にか、展示室の入口付近に戻ってきています。ずいぶん長い間、石ノ森萬画の世界に深く迷い込んでいたように感じます。

エレベーターに乗り、島村ジョーの声に導かれて3階へ。

アニメーションづくりを体験!

3階は無料の「学習・体験ゾーン」になっています。「アニメにしよう!」のコーナーでアニメーション作りに挑戦してみました。
▲ロボコンの見本を使ってさっそくトライ!     
見本を下に敷いてなぞり、色鉛筆で塗ればOK。連続する数枚の絵を描いてアテンダントに渡すと、短いアニメーションになってディスプレイに映し出されます。自分の絵が画面上で動いているのを見ると、なんだかニヤけてしまいます。
▲子どもたちも夢中で取り組んでいました
「アニメにしよう!」の隣はライブラリー。石ノ森作品をはじめ約6,000冊のマンガ本が並び、自由に読むことができます。
▲新旧のマンガがズラリ。大人も子どもも、読み始めると没頭してしまいます
展示や体験をひととおり楽しんだら、1階のグッズショップ「墨汁一滴」でおみやげ探しです。 
石ノ森作品のイラスト入りのお菓子や日用品、キャラクターのフィギュア、作品と石巻とのコラボ商品など、石ノ森ファンならずとも買って帰りたくなる商品が盛りだくさんです。
▲石ノ森萬画館オリジナル商品の数々
いよいよ、マンガづくしの1日も終わりです。ラストは、仮面ライダーと一緒にポーズ!
▲仮面ライダーがいつも休んでいる、萬画館の休憩コーナー
やっぱりマンガは最高!石ノ森章太郎最高!マンガの列車に乗ってマンガの町を訪れ、石ノ森の世界にどっぷり浸り、年齢を忘れてはしゃいでしまいました。

(C)石森プロ (C)石森プロ・東映 (C)石森プロ/街づくりまんぼう
加藤貴伸

加藤貴伸

編集者・ライター。高等学校教諭、編集プロダクション勤務を経て、出身地の宮城県塩竈(しおがま)市に戻りフリーで活動中。

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