勝浦漁港にぎわい市場で食べる、新鮮・マグロづくしな朝ごはん
日本一の生マグロの水揚げ高(平成27年度 農林水産省調べ)を誇る和歌山県那智勝浦(なちかつうら)町の勝浦漁港。この漁港では、毎週日曜日、マグロをはじめとする新鮮な海の幸や地域の特産品が並ぶ朝市「勝浦漁港にぎわい市場」が開かれ、多くの観光客でにぎわいます。マグロのセリ見学や、朝市で食べる贅沢な朝ごはん、オリジナルツナ缶づくりなど、楽しみどころ満載な勝浦漁港を紹介します。

というわけで、今回は、日が昇って間もない早朝の勝浦漁港を訪れました。
まずは漁港でマグロのセリを見学!
セリが行われているエリアをちらっとのぞくと…

水揚げされたばかりのマグロがズラリ。
どれも1mを超える大きな体で、近くで見るとすごい迫力です。
漁業関係者のお仕事の邪魔になるので、セリが行われているエリアの中に入ることはできませんが、ここ勝浦漁港では、2階の見学デッキからセリの様子を見学できるようになっています。案内看板に従い、早速2階へ行ってみました。


「マグロの場合は、セリというか入札なんです。買い付ける人は、それぞれのマグロに付けられた番号と入札したい値段を札に書き、箱に入れて、その中で一番高値をつけた人を市場の職員が読み上げて発表していくんです」



その途方もない数字にいまいち実感がわきませんが、大量のマグロが取引されるセリの様子は一見の価値あり。
ふだんなかなか見ることのできないマグロの入札風景は、大人も楽しめる社会見学です。
和歌山県漁業協同組合連合会 勝浦市場
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7-8-2
[見学時間]入札は、毎朝7:00からマグロがなくなるまで
[定休日]土曜(そのほか、休市日はホームページの市場スケジュールをご覧ください。)
0735-52-0951
にぎわい広場を散策して、地域の特産品にワクワク!

広場にずらりと立ち並ぶ屋台で、まず目を引いたのが、モクモクと湯気を立ち上らせる大きな釜。
冷えた体を温めようと、吸い寄せられるように近づいていくと、その正体は、地域の郷土料理、「鮪の潮汁(うしおじる)」。
釜から魚介出汁の効いた、上品な香りを漂わせていました。

「マグロの出汁ってどんな味?」
とっても気になるところです。
潮汁のほかにも、あまり聞き慣れないマグロ料理がズラリ。


先程まで、「食べるのは、広場を一通り散策し終わってから」と強く心に誓っていたのですが、その香ばしい香りにノックアウト!
思わず注文してしまいました。

「ほ~っ」
一口飲むと、思わずこぼれる吐息。
あっさりとした塩味がすっと体に染み渡る優しい味です。マグロの出汁は、臭みなどもなく、とっても上品。いいアクセントになっています。また、マグロのすり身とごぼうでつくられたつみれもホクホク。飲み終えるころには、体の芯からポッカポッカ。
まさに寒い朝にピッタリな一杯です。
そしてお次は、マグロの照り焼きを串にしたトロのスタミナ焼。肉厚がしっかりしていて、食べごたえ充分のマグロ。甘辛いタレとの相性が抜群で、ガッツリ系男子にオススメ。こちらも大満足の一品です。


みかんとゆずのいいとこ取りをしたような品種で、みかんよりも酸味がやや強く、さっぱりしているのが特長だそう。



嬉しそうに語ってくれたのは、出店者組合の組合長、堀明弘さん。この地域で酒店を営む堀さんは、広場でビールなどの飲み物の屋台を出店しているほか、地域の地酒や、お酒のおつまみにもぴったりの「海の生ハム」を販売。

突如はじまった「マグロ解体ショー」に大興奮!
声の聞こえてくる方には、人だかりができています。


先程までマグロ料理を販売していたお店の方の解説を聞きながら、捌かれるマグロを食い入るように見つめる人々。

あっという間に捌かれていくマグロの様子に、大人も子どもも興味津々。市場にズラリと並ぶマグロの姿も圧巻でしたが、目の前できれいに捌かれていくマグロの姿もこれまた圧巻。解体したマグロの即売会や重量当てクイズもあり、大満足の解体ショーでした。
海風を浴びながら、新鮮なマグロづくしの朝ごはんに舌鼓
「え?さっき食べてたやん」
「あれは、とりあえずのおやつ。これからが朝ごはん!」
そんなやり取りをしながら、解体ショーをしていた「ヤマサ脇口水産」のお店で朝ごはんをいただくことに。

マグロの運搬用の木箱で作られた、趣きあるベンチに座ってしばらく待っていると…
「お待たせしました」

まずは、勝浦漁港に水揚げされた新鮮なマグロをこれでもかとたっぷりのせた、その名も「熊野灘上鉄火丼」。

脂ののった中トロや、やや淡白であっさりしているビンチョウマグロなど、それぞれの個性を楽しみながらあっという間にペロリ。

「漬けマグロ」がのったご飯に、これまた、マグロの「かま」でとった出汁をかけていただくお茶漬けです。さっぱりとした出汁と漬けマグロが見事なコラボレーション。口に入れるとほろっとくずれるマグロが、じんわりと魚の旨みを醸し出し、出汁が後口をさっぱりと整える。さらさらと何杯でもいけちゃいます。
新鮮なマグロづくしの朝ごはん。漁港で海風を感じながら食べると、おいしさも倍増。たまには、こんな贅沢な朝ごはんでもいいのでは。
勝浦漁港にぎわい広場
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7-12(勝浦地方卸売市場横)
[開催日時]日曜8:00~11:00(雨天開催)
0735-52-2131(那智勝浦町役場観光産業課内 勝浦漁港にぎわい広場実行委員会 事務局)
オリジナルツナ缶づくり体験に足湯…。まだまだ楽しめるスポットがいっぱい
そのひとつが「まぐろ体験CAN」です。なんとここは水産物の加工を体験することができる施設。予約をすれば、「紀州勝浦産生マグロ」を使ったツナ缶づくりが体験できます。
世界にひとつ、自分だけのツナ缶づくり。
少年ごころをくすぐられます。

蒸したマグロの身に混じった血合いや骨を取り除き、サイコロ状に切って、塩と綿実油(めんじつゆ)を混ぜて缶につめて…。

体験では、1人3つのツナ缶を作るのですが、そこにプラスアルファの粋な計らいが。その名も「思い出CAN」。つくったツナ缶とは別にさらにもう1缶。缶の中には思い出の写真や小物など、自分の好きなものを入れることができます。
タイムカプセルならぬ、タイム缶詰!
旅の思い出もバッチリつめて、缶に蓋をしたら、スタッフの方に真空殺菌してもらいます。


オリジナルツナ缶の完成。
大人も子どもも夢中になること間違いなし。事前予約して、市場散策とあわせてぜひ体験してみましょう。
まぐろ体験CAN(まぐろ缶詰づくり体験)
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7-12(和歌山県漁業協同組合連合会 勝浦市場)
[開始時間]9:00~、13:00~
[所要時間]約3時間
[料金]一人2,500円(税込)
[休館日]火曜(祝日の場合は開館、翌日休み)
※3日前までに要予約
0735-52-0977


海乃湯
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7-12
[営業時間]6:00~22:00
[定休日]なし
[料金]無料
0735-52-0555(那智勝浦町観光産業課)
楽しみどころ満載の「勝浦漁港にぎわい広場」。早起きは三文の徳といいますが、
無理をしてでも早起きしてみることをおすすめします。
那智勝浦を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみては。

James
イギリス人と日本人とのクォーター。大学では工学部、情報システムを専攻したかと思えば、ミュージシャンとしてギタリスト、MC、DJとして活動。TVやラジオなどでも活躍。その後(株)アドビジョンにて、デザインやコピーライティングなどマルチに活躍。バックグラウンドを活かした独自の視点が人気のライター。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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