勝浦漁港にぎわい市場で食べる、新鮮・マグロづくしな朝ごはん

2017.03.16

日本一の生マグロの水揚げ高(平成27年度 農林水産省調べ)を誇る和歌山県那智勝浦(なちかつうら)町の勝浦漁港。この漁港では、毎週日曜日、マグロをはじめとする新鮮な海の幸や地域の特産品が並ぶ朝市「勝浦漁港にぎわい市場」が開かれ、多くの観光客でにぎわいます。マグロのセリ見学や、朝市で食べる贅沢な朝ごはん、オリジナルツナ缶づくりなど、楽しみどころ満載な勝浦漁港を紹介します。

勝浦温泉や絶景で知られる「紀の松島」など、観光地としても人気の和歌山県那智勝浦町。ここにある勝浦漁港は、日本有数のマグロ基地。シーズンを問わず、たくさんのマグロが水揚げされます。さらに、毎週日曜日の朝には「朝市」が開かれる、「観光客が楽しめる漁港」なんだとか。

というわけで、今回は、日が昇って間もない早朝の勝浦漁港を訪れました。

まずは漁港でマグロのセリを見学!

時刻は朝7時。漁港には、すでにたくさんの関係者らしき人が、マグロの買い付けで忙しそうにしています。

セリが行われているエリアをちらっとのぞくと…
「お~!」
水揚げされたばかりのマグロがズラリ。
どれも1mを超える大きな体で、近くで見るとすごい迫力です。

漁業関係者のお仕事の邪魔になるので、セリが行われているエリアの中に入ることはできませんが、ここ勝浦漁港では、2階の見学デッキからセリの様子を見学できるようになっています。案内看板に従い、早速2階へ行ってみました。
▲2階の見学デッキからセリの様子が見学できる
▲整然と並ぶマグロは圧巻
この日は特別に、関係者の方にお話を伺うことができました。

「マグロの場合は、セリというか入札なんです。買い付ける人は、それぞれのマグロに付けられた番号と入札したい値段を札に書き、箱に入れて、その中で一番高値をつけた人を市場の職員が読み上げて発表していくんです」
落札されたマグロは、その時点で落札者にその権利が移ります。発泡スチロールに入れて氷漬けにされたり、木箱に入れて他の市場に出されたりするものもあるんだそう。
鮮度が命ですから、それはそれはあっという間のできごと。みるみるうちに、並んでいたマグロが減っていきます。
「ビンチョウマグロにメバチマグロ、キハダマグロ、カジキマグロ…。ここにはさまざまなマグロが水揚げされます。この時期はこれでも少ない方で、今日は全部で50トンくらい。多いときには1日100トン以上のマグロが取引されているんですよ」

その途方もない数字にいまいち実感がわきませんが、大量のマグロが取引されるセリの様子は一見の価値あり。

ふだんなかなか見ることのできないマグロの入札風景は、大人も楽しめる社会見学です。

にぎわい広場を散策して、地域の特産品にワクワク!

マグロのセリ見学を堪能したら、次はいよいよ「にぎわい広場」の朝市。見学デッキを降りて、正面にある広場に向かうと、威勢のいい声が聞こえてきました。
▲屋台が並ぶ「勝浦漁港にぎわい広場」
「はーい。いらっしゃーい。温まりますよ~」
広場にずらりと立ち並ぶ屋台で、まず目を引いたのが、モクモクと湯気を立ち上らせる大きな釜。
冷えた体を温めようと、吸い寄せられるように近づいていくと、その正体は、地域の郷土料理、「鮪の潮汁(うしおじる)」。
釜から魚介出汁の効いた、上品な香りを漂わせていました。
この潮汁、なんと焼いたマグロの「かま」の部分で出汁をとっているんだとか。
「マグロの出汁ってどんな味?」
とっても気になるところです。

潮汁のほかにも、あまり聞き慣れないマグロ料理がズラリ。
▲網で焼かれたマグロたちの香ばしい香りも、これまた食欲をそそります
「潮汁とトロのスタミナ焼ください!!」
先程まで、「食べるのは、広場を一通り散策し終わってから」と強く心に誓っていたのですが、その香ばしい香りにノックアウト!
思わず注文してしまいました。
▲「トロのスタミナ焼」(1串500円・税込)と「鮪の潮汁」(1杯200円・税込)
まずは、潮汁。

「ほ~っ」
一口飲むと、思わずこぼれる吐息。
あっさりとした塩味がすっと体に染み渡る優しい味です。マグロの出汁は、臭みなどもなく、とっても上品。いいアクセントになっています。また、マグロのすり身とごぼうでつくられたつみれもホクホク。飲み終えるころには、体の芯からポッカポッカ。
まさに寒い朝にピッタリな一杯です。

そしてお次は、マグロの照り焼きを串にしたトロのスタミナ焼。肉厚がしっかりしていて、食べごたえ充分のマグロ。甘辛いタレとの相性が抜群で、ガッツリ系男子にオススメ。こちらも大満足の一品です。
さてさて、お腹も落ち着いたところで、広場を散策しましょう。
にぎわい広場では、このほかにも、マグロはもちろん、地域の特産品を販売するお店がいっぱい。
和歌山県はみかんの生産でも有名ですが、この地域では、「じゃばら」とよばれる柑橘の生産が盛んなんだとか。
みかんとゆずのいいとこ取りをしたような品種で、みかんよりも酸味がやや強く、さっぱりしているのが特長だそう。
▲さっぱりとした酸味が特長の「柑橘じゃばら果皮のドライフルーツ」(1袋540円・税込)は女性へのお土産にもオススメ
ほかにも、地域の地酒など、お土産に喜ばれそうなアイテムももりだくさん。
▲左から「和歌山じゃばらうめ酒(720ml)」(2,360円 ・税込)、米焼酎「熊野水軍(720ml)」(1,180円・税込)、吟醸酒「熊野三山(720ml)」(2,160円・税込)
訪れた人たちは、みな思い思いに散策し、買い物を楽しんでいます。
▲勝浦漁港にぎわい広場出店者組合の組合長、堀忠(ほりちゅう)酒店の堀明弘(あきひろ)さん
「県が地域の特産物を広める活動をすすめるなかで、この『にぎわい広場』は、地域で商売を営む組合のみんなで集まってはじめたんです。素泊まりで宿泊されている方がここに立ち寄って朝ごはんを食べていってくださったり、旅のお土産にと地域の特産物を買っていってくださって…」

嬉しそうに語ってくれたのは、出店者組合の組合長、堀明弘さん。この地域で酒店を営む堀さんは、広場でビールなどの飲み物の屋台を出店しているほか、地域の地酒や、お酒のおつまみにもぴったりの「海の生ハム」を販売。
▲「海の生ハム(脇口水産)」(1パック50g 650円~・税込)
「海の生ハム」は、勝浦漁港に水揚げされたカジキマグロを、低温の煙をあてる「冷燻(れいくん)」という手法でじっくり熟成させた商品。豚肉で作られた生ハムよりもヘルシーでありながら、魚特有の生臭さもなく、もっちりとした食感とあっさりとした塩味が癖になります。

突如はじまった「マグロ解体ショー」に大興奮!

広場のお店巡りを楽しんでいると、「まもなくマグロ解体ショーを行います」とのアナウンスが。
声の聞こえてくる方には、人だかりができています。
なんと、おとなりの勝浦漁港に水揚げされたばかりのマグロの解体ショーが始まりました。
「まずは、頭を落とします。もっと大きなマグロだと、ノコギリなどを使わないといけないこともあるんですよ」
先程までマグロ料理を販売していたお店の方の解説を聞きながら、捌かれるマグロを食い入るように見つめる人々。
▲マグロの頭と胴体の間の首にあたる「かま」
「こちらが、『かま』と呼ばれる部分。この部位は、とてもおいしいのに少量しかとれないので、あまり出回らないんです。うちのお店でも社長が自分で全部食べてしまいます(笑)」

あっという間に捌かれていくマグロの様子に、大人も子どもも興味津々。市場にズラリと並ぶマグロの姿も圧巻でしたが、目の前できれいに捌かれていくマグロの姿もこれまた圧巻。解体したマグロの即売会や重量当てクイズもあり、大満足の解体ショーでした。

海風を浴びながら、新鮮なマグロづくしの朝ごはんに舌鼓

「よしっ。解体ショーも終わったし、朝ごはん食べよ。やっぱりマグロでしょ」
「え?さっき食べてたやん」
「あれは、とりあえずのおやつ。これからが朝ごはん!」
そんなやり取りをしながら、解体ショーをしていた「ヤマサ脇口水産」のお店で朝ごはんをいただくことに。
こちらのお店では、マグロの握り寿司やマグロ丼など、新鮮なマグロ料理が味わえます。

マグロの運搬用の木箱で作られた、趣きあるベンチに座ってしばらく待っていると…

「お待たせしました」
▲「熊野灘上鉄火丼」(1,850円・税込/左)と「漁師茶漬け」(900円・税込/右)
「うぉ~」
まずは、勝浦漁港に水揚げされた新鮮なマグロをこれでもかとたっぷりのせた、その名も「熊野灘上鉄火丼」。
「マカジキ、中落ち、ビンチョウ、本マグロ中トロ炙り、赤身の5種類のマグロを楽しんでいただけます」
脂ののった中トロや、やや淡白であっさりしているビンチョウマグロなど、それぞれの個性を楽しみながらあっという間にペロリ。
そして、お次は「漁師茶漬け」。
「漬けマグロ」がのったご飯に、これまた、マグロの「かま」でとった出汁をかけていただくお茶漬けです。さっぱりとした出汁と漬けマグロが見事なコラボレーション。口に入れるとほろっとくずれるマグロが、じんわりと魚の旨みを醸し出し、出汁が後口をさっぱりと整える。さらさらと何杯でもいけちゃいます。

新鮮なマグロづくしの朝ごはん。漁港で海風を感じながら食べると、おいしさも倍増。たまには、こんな贅沢な朝ごはんでもいいのでは。

オリジナルツナ缶づくり体験に足湯…。まだまだ楽しめるスポットがいっぱい

にぎわい広場には、食事や買い物以外にもまだまだ楽しめるスポットがいっぱい。
そのひとつが「まぐろ体験CAN」です。なんとここは水産物の加工を体験することができる施設。予約をすれば、「紀州勝浦産生マグロ」を使ったツナ缶づくりが体験できます。

世界にひとつ、自分だけのツナ缶づくり。
少年ごころをくすぐられます。
▲まぐろ体験CAN
ツナ缶づくり体験では、工程を係の方に教えてもらいながらすすめていきます。
蒸したマグロの身に混じった血合いや骨を取り除き、サイコロ状に切って、塩と綿実油(めんじつゆ)を混ぜて缶につめて…。
本格的な缶詰づくりにみんな真剣です。
体験では、1人3つのツナ缶を作るのですが、そこにプラスアルファの粋な計らいが。その名も「思い出CAN」。つくったツナ缶とは別にさらにもう1缶。缶の中には思い出の写真や小物など、自分の好きなものを入れることができます。

タイムカプセルならぬ、タイム缶詰!
旅の思い出もバッチリつめて、缶に蓋をしたら、スタッフの方に真空殺菌してもらいます。
真空殺菌処理を待っている間に自分だけのオリジナルラベルを作成。好きな写真やイラストを配置して、こだわりの一缶をつくりましょう。
ジャーン。
オリジナルツナ缶の完成。

大人も子どもも夢中になること間違いなし。事前予約して、市場散策とあわせてぜひ体験してみましょう。
市場の散策に疲れたら、勝浦漁港の前の足湯でちょっとひと休み。
▲足湯「海乃湯」
漁船でにぎわう海の景色を眺めながら、足湯でまったりするのも最高です。
見て、食べて、体験して…。
楽しみどころ満載の「勝浦漁港にぎわい広場」。早起きは三文の徳といいますが、
無理をしてでも早起きしてみることをおすすめします。
那智勝浦を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみては。
James

James

イギリス人と日本人とのクォーター。大学では工学部、情報システムを専攻したかと思えば、ミュージシャンとしてギタリスト、MC、DJとして活動。TVやラジオなどでも活躍。その後(株)アドビジョンにて、デザインやコピーライティングなどマルチに活躍。バックグラウンドを活かした独自の視点が人気のライター。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP