大河ドラマのロケ地にもなる「歴史公園えさし藤原の郷」でタイムスリップ!

2016.11.27 更新

岩手県奥州市にある、全国で唯一という平安時代の歴史テーマパーク「歴史公園えさし藤原の郷」は、映画やNHK大河ドラマのロケ地としても知られている。奥州藤原氏を描いた大河ドラマ『炎立つ』(平成3年)の撮影の際、恒久的に残せる歴史公園として造られ、平成5年にテーマパークとしてオープンしたこちらの施設を訪ねた。

▲平安時代の貴族になりきれる、非日常な空間

広大な土地に約120もの歴史的建造物を再現

JR水沢江刺駅から車でおよそ15分。奥州市江刺区にある「歴史公園えさし藤原の郷」は奥州藤原氏の偉業を称え、後世に伝えていくために造られた歴史公園だ。江刺区は初代当主、清衡(きよひら)生誕の地でもある。約20ヘクタールの広大な土地に120棟余りの歴史的建造物を再現している。中には鎌倉時代の武家住宅を再現したエリアもある。
▲じっくり体験コース(120分)とお急ぎコース(50分)がある

広大な園内をどこから見るか迷わないように、2つのモデルコースが準備されている。無駄なく廻れるのでおススメ。もちろん自由に見て歩くこともできる。
▲園内をガイド付で巡る「ゆめひら号」(1日乗車券は中学生以上200円、3歳以上100円※税込)で楽チン移動♪
▲律令時代(12世紀)の朝廷の政治拠点だった政庁を再現。朱色が鮮やか!

厳密な時代考証に基づいた建造物は見ごたえたっぷりだが、中でも「伽羅御所(きゃらごしょ)」は日本で唯一「寝殿造」の様式を完全に再現した建造物。一部を再現した寝殿造風の建物は他にもあるが、庭園を含めて厳密に寝殿造を再現しているのは、ここ「藤原の郷」だけだ。当時の資料をもとに、地元の宮大工や庭師の手によって造られた。
▲日本最古の造園指導書『作庭記』をもとに造られた庭園。池には鯉も泳いでいる
▲絶妙なラインの「反り屋根」は宮大工ならではの技術

「藤原の郷」では映画『陰陽師』、大河ドラマ『真田丸』『軍司官兵衛』『平清盛』『龍馬伝』など数多くの映画やドラマのロケが行われている。園内を歩きながら「ここはあの作品で見たよね」とロケスポットを探しながら歩くのも楽しい。
▲『真田丸』の撮影にも使用された櫓門
▲こちらは清衡が平泉に進出するまで居住していた「清衡館(きよひらのやかた)」の再現
▲清衡が平和への願いを込めて建立した「金色堂」の再現も!
▲平安時代の世界観を壊さないように、電線はすべて地下に埋められている

このように360度、見渡す限り平安の世界を再現しているこちらのテーマパーク。まさに非日常の世界に浸ることができる。
園内で撮影された映画やドラマのロケ資料を展示している施設もあるので、お気に入り作品の台本や小道具を探してみるのも楽しい。
▲ここでしか見られない大河ドラマのメイキング映像は必見。撮影の裏側や出演者の素顔を覗いてみよう
▲「藤原の郷」でロケを行った作品出演者のサイン。これまでのロケ実施数はなんと200作以上というから驚き

平安時代の装束を体験し、当時に思いを馳せる!

「藤原の郷」では、平安時代をより深く知ってもらうために当時の装束の着付け体験ができる。中でも、京都から仕入れた本格的な「十二単(じゅうにひとえ)」の体験は珍しく、全国から希望者が訪れるという。
▲華やかで重量感のある十二単。正式な着付けを体験できる(要予約、税込21,600円)(写真提供:江刺開発振興株式会社)
▲こちらは「壺装束」という、平安時代の貴族の旅装束。壺装束を着たまま園内を散策することも可能(要予約、春と秋のみ期間限定。税込3,500円)
▲壺装束体験者には刺繍入りの足袋ソックスがもらえる。靴下のように伸びるので普段の和装にも使える
▲時代衣装を無料で羽織れるコーナーも。屏風の前でオホホ!自前のカメラで自由に撮影できる。男性用もあり
▲スタッフお手製の鎧も着用。厚紙製で軽いので簡単に着られる

当時の貴族や武将の気分になれる各種体験ができるのも、「藤原の郷」ならでは。衣装を着て、厳密に再現されている園内や建物の中で撮影してみると、まるでタイムスリップしたかのよう!
▲鎧を着て弓矢を射れば、気分はすっかり武士!弓矢は竹製で当時のものを再現している(体験無料)
▲平安時代の遊び、貝合わせ。1枚税込200円でハマグリの絵付け体験ができる

世界初?!平安時代をテーマにしたトリックアートで遊ぶ

こちらのテーマパークの中でも、家族連れや修学旅行生に人気なのが、平安時代をテーマにしたトリックアートアトラクション「トリックアート平安の館」だ。トリックアートとは、目の錯覚を利用して立体的に見える絵画のこと。
▲ぎゃあ~!鬼につかまった~!
▲掛け軸から飛び出た、鯉を捕まえる!

トリックアートは全部で8種類。毎月、オモシロ写真コンテストも開かれている。アイディアと演技力勝負のトリックアートで盛り上がってみてはいかが。

時を超えて再現された「平安時代食」を食す!

「藤原の郷」では、当時の文献や資料をもとに再現された「平安時代食」を専用の大広間などで味わうこともできる。歴史研究家と料理長が研究を重ねてメニュー化にこぎつけたのだそう。

今回いただいた「秀衡(ひでひら)の宴」(税込6,480円)は、現代風に言うとちょっとした「パーティー料理」。鴨肉やあわび、うなぎなどの贅沢食材も使用されていて、平安貴族の食生活の豊かさがうかがえる。当時の時代背景なども交えながら、料理についての説明もしてもらえる。
ちなみに、秀衡とは奥州藤原氏の三代目当主の名称だ。
▲全部で10品の「秀衡の宴」はデザート付きで満腹になれるボリューム

食材の豊富さはもちろんのこと、多様な調理方法にも驚かされる。料理長イチオシは「むなぎの白蒸し」(おぼんの中の右上)。うなぎ(むなぎ)の上に大根おろしを乗せて蒸したものだ。ちなみに「むなぎ」とはうなぎの古名で、新鮮なうなぎは胸が黄色いことから、胸黄(むなぎ)が転じて「うなぎ」となったという。
▲むなぎの白蒸しは米酢でいただく。ふんわりとした甘酸っぱいうなぎはいくらでも食べられそうなくらい美味!

平安時代食は5日前まで、5名以上の予約で楽しめる。今回紹介した「秀衡の宴」の他、全7品の「義経の宴」(税込3,780円)もある。

気軽に食事を楽しみたい人は、テーマパークエリアの外にある「レストラン清衡」がおすすめ。定食や麺類、デザートなど豊富なメニューから選べる。
▲人気の「黄金清衡ラーメン」(税込1,200円)。ラーメンの上には金粉がのっている

「黄金清衡ラーメン」は、三陸産のこあみとわかめ、花巻産の白金豚の肉みそを使用したエビ塩担々麺。はじめはこのまま、少しずつ肉みそを崩していただく。
▲限定10食の「前沢牛カレー」(税込1,296円)

じっくり煮込まれた前沢牛カレー。赤ワインを使用したこっくりとした味わい。ライスには特Aの評価をされた「江刺金札米(えさしきんさつまい)」を使用している。
平安時代の「衣食住」の体験は、大人の知的好奇心をたっぷりと満たしてくれるものだった。広大な土地に広がる歴史ロマン。日常から離れて、ゆっくりと過ごせる「えさし藤原の郷」で平安の世に思いを馳せてみてはいかが?
▲6月末から8月にかけては「中尊寺ハス」も見ることができる。「中尊寺ハス」とは、「平泉金色堂」に眠る四代目泰衡(やすひら)の首桶から発見された種が800年の時を超えて花開いたもの

撮影:前川寛子
八木絵里

八木絵里

劇団ゼミナール所属。飛び道具系女優として活躍する傍ら、声の仕事やライターにも挑戦。好奇心旺盛な獅子座のB型。(編集/株式会社くらしさ)

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