秋田名物ハタハタを食べ尽くし!かみなり響く荒れた冬が旬!

2016.12.13 更新

秋田県の県魚としても知られる「ハタハタ」の旬は10月下旬~1月。癖のない淡泊な魚で、郷土料理の「しょっつる鍋」のほか、塩焼きや田楽など様々な調理法で楽しめます。今回は、獲れたての魚を味わえることで人気の網元の宿「男鹿萬盛閣(おがばんせいかく)」で、ハタハタ料理を味わい尽くしてきました。

秋田県民にはおなじみの冬の魚「ハタハタ」とは?

ハタハタは、かみなりの鳴る冬の荒れた海で大量に獲れることから魚偏に「雷」で「鱩(ハタハタ)」と読みます。また、雷神様が遣わした魚とされることから魚偏に「神」で「鰰」などとも書き、縁起の良い魚とされています。
あっさりとした食べやすい白身の魚で、中でもメスのおなかにつまったブリコ(卵)は歯ごたえがあり、プチプチと噛むごとに口の中へ広がる旨みがたまらなくくせになります。

さらにハタハタの良いところは、下処理がとても簡単なことです。うろこがなく洗うだけですぐに調理できるため、簡単に煮たり、焼いたりできます。長期保存可能な「ハタハタ寿司」としても重宝されるなど、古くから秋田県の郷土料理として親しまれてきました。

網元の宿だからこそ味わえる、旬の絶品魚料理

そんなハタハタを味わうべく訪れたのは、秋田県男鹿温泉郷にある網元の宿「男鹿萬盛閣」。昭和35(1960)年創業のこちらの宿、本家は底曳船「萬盛丸」を所有する船主であることから、男鹿の海で獲れたばかりの旬の魚を使った料理が味わえると評判です。一年を通して、旬の海の幸を堪能できるのは網元の宿ならでは。

特に、秋田県沖を産卵の場としているハタハタは、冬の男鹿の名物。こちらの宿に10月下旬~1月頃に宿泊すれば、旬のハタハタ料理を存分に楽しめるのです。

しょっつる鍋からスタート!ハタハタ料理を食べ尽くす

通常、ハタハタを使った料理は、宿泊時の食事メニューの中に時期や仕入れ状況によって盛り込まれます。今回は特別に、こちらの宿のハタハタ料理を全て味わってみることに。
▲ハタハタの代表的な料理は、やっぱり「しょっつる鍋」

まずは秋田の郷土料理として知られる「しょっつる鍋」から!「しょっつる」という魚醤が味の決め手で、寒い冬の季節にはもってこいの鍋料理です(提供期間:10月下旬~12月末)。

しょっつるは秋田の伝統的な調味料で、ハタハタなどの魚に塩を加えて長期間熟成させて作ります。魚が原材料なので、魚をメインにした鍋料理との相性はバッチリ!ハタハタや豆腐、旬の野菜(主に白菜、春菊、ネギ、ニンジン、エノキなど)の旨みをより一層引き立たせてくれます。

だし汁が見た目に薄いため、薄味なのかと思われるようですが、味はしっかりついているので、そのままいただきましょう。ハタハタそのものの味を楽しめ、魚醤のだしが野菜に染みて甘みも深まり、さらりと食べられました。ハタハタの骨と身もほろほろとほぐれて食べやすく、「魚=骨が気になる」という方にもお勧めです。
▲シンプルにハタハタを味わうなら「ハタハタの塩焼き」

お次は「塩焼き」。火加減を調整しながらじっくりと焼いているそう。口に入れた瞬間、外はカリッ!中はジューシーで、シンプルにハタハタの美味しさが楽しめました(提供期間:10月下旬~12月末)。

ここで…焼いたハタハタの食べ方を伝授!
ハタハタの上下(背と腹)を挟むように手で軽くもんでから、頭を引くと中骨も一緒にきれいに抜けて食べやすくなります。

気持ち良いくらいスーと中骨が抜けてくるので、骨が気になって食べるのが苦手という方にもお勧めです。ぜひこの方法をお試しください!
▲自家製のみそダレをプラスした「田楽」

次にいただいたのは、こちらの宿の自家製みそダレを使った「田楽」。濃い目の見た目とは裏腹に、くどくなく食べやすい味付けになっています。甘さとしょっぱさがちょうど良い加減でお酒のおつまみにも持ってこいです(提供期間:10月下旬~12月末)。
▲それぞれのお店や家庭に代々伝わる味が楽しめる「ハタハタ寿司」

そして、保存食として年間を通して提供されるのが「ハタハタ寿司」。麹や米、塩などでハタハタを漬けた郷土料理です。麹や塩などの分量を調整して、甘めのものやしょっぱめに作られたものなど、お店や家庭によって味付けもバラバラです。

こちらの宿では、旬の時期以外に提供する「ハタハタ寿司」は地元の水産加工業者のものですが、ハタハタが大量に獲れる時期のみ自家製の「ハタハタ寿司」を提供しているそうです。自家製の「ハタハタ寿司」は酸味が少なく、あっさりとしているので、初めての方でも食べやすい味付けでした。女将さんいわく「お好みによってわさび醤油を少しつけて食べるのもお勧め」だそうです。
▲カリカリの「唐揚げ」は、とても食べやすくて子どもにも大好評!

ハタハタは、頭などを取り除いて冷凍保存が可能なため、唐揚げなどにすれば年中食べられます。唐揚げは2度揚げして中までしっかりと火を通しているため、中骨もそのまま食べられるそう。骨までカリカリなので、頭側から、尻尾から、どこからかぶりついても、そのまま全ておいしくいただくことができました。
なお、しょっつる鍋(税別1,800円)を除き、単品で注文することはできませんが、予約時に「ハタハタ料理を食べたい」など希望を伝えることで、メニューを調整してもらえる場合もあります。事前に相談してみてください(季節により提供できないメニューもあり)。

旬のハタハタは脂乗りも良く、焼いても、煮ても、漬けても、どんな調理方法でも存分にその味を堪能できて大満足!旬の季節、新鮮なうちに味わえるのも、網元の宿だからこそできる贅沢です。
▲秋田県の地酒も数多くそろう。ハタハタ料理に合うお酒は、北鹿「大吟醸 北秋田」。「利き酒セット」(3杯・税別1,000円)もあり
▲食事は宿泊部屋で食べるスタイルなので、小さなお子さんがいる家族連れでも安心(大人数の場合は大広間への案内も可能)。
▲食事の後は、こちらの宿自慢の源泉かけ流しの温泉(源泉温度56.5度)でじっくり旅の疲れを癒やすことができる。貸切露天風呂もあり

大切な資源を守りながら、その恵みをいただこう

平成27年度、秋田県では約1,146tのハタハタの漁獲量がありました。そのうちおよそ半分にあたる531tは男鹿市管内で水揚げされたそうです。
▲多くの人に好まれるブリコたっぷりのメスのハタハタを、秋田では「季節ハタハタ」と呼びます(写真提供:網元の宿 男鹿萬盛閣)

ちなみに、ハタハタ漁には2種類あることをご存知でしょうか?「底曳網漁業」で獲れたハタハタは「沖ハタハタ」、「定置網漁業」や「さし網漁業」で獲れたハタハタは「陸(おか)ハタハタ」と呼ばれています。

「底曳網漁業」は9~6月頃まで、「定置網漁業」「さし網漁業」は11~1月中旬頃までと、各年の漁獲量によって終漁時期を定め、管理しながら漁を行っています。

というのも、かつては豊富に獲れていたハタハタの漁獲量が激減した時期があったため。平成4~7年の3年間、大切な資源であり、秋田の県魚であるハタハタを守ろうと、秋田県漁業協同組合が全面禁漁を決めていたこともあったのだそうです。
▲量を守りながら漁獲。水揚げされたハタハタはオス・メス、サイズごとに選別される(写真提供:網元の宿 男鹿萬盛閣)

こうしてハタハタが守られていることで、今でもおいしくいただけるんですね!とてもありがたいことです。

店舗ごとに趣向をこらした「ハタハタ丼」を食すべし!

そんなハタハタをリーズナブルに楽しみたいなら「ハタハタ丼」がおすすめです。ハタハタとしょっつるの美味しさを、丼ものにして多くの方に味わってもらおうと、「男鹿ハタハタグルメ開発委員会」が考案しました。
▲手軽・身近にハタハタを楽しめる各店こだわりの「ハタハタ丼」。※写真はイメージです(写真提供:一般社団法人 男鹿市観光協会)

ハタハタ丼は、男鹿市内の飲食施設11店舗で食べることができます。ハタハタとしょっつるという共通の食材・調味料をベースにしながらも、それぞれの飲食施設によって調理方法も味も異なり、バラエティー豊か!男鹿の観光地巡りと一緒に、ぜひオリジナリティーあふれるハタハタ丼も食べ歩きしてみてください。
詳細は、「一般社団法人 男鹿市観光協会」のホームページにて。
古くから伝わる伝統料理「しょっつる鍋」から、新たに生まれた「ハタハタ丼」まで、どれもハタハタ漁獲量の多い男鹿だからこそ堪能できる一品です。

一時は危ぶまれたハタハタの激減も、地元の漁業協同組合や漁師たちの力で戻りつつあり、秋田の県魚としてこれからもずっと愛され続けていくことでしょう。
ぜひ、男鹿の「ハタハタ」を食べて、その魅力を感じてみてください。
Team Clover Plus

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秋田の企画・編集プロダクションです。秋田県内・東北エリアを中心に、主に秋田の食ネタ、農業ネタ、食材ネタ、観光ネタなどを取材しております。イイモノいっぱいの東北が、秋田が、たくさんの方に伝わりますように。よろしくお願いします。

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