ミルク鍋の元祖「飛鳥鍋」は、奈良で1300年以上も受け継がれる牛乳嫌いでもOKの鍋だった

2017.01.19

奈良の郷土料理の一つ「飛鳥鍋(あすかなべ)」をご存知ですか?特製の牛乳スープで鶏肉や野菜を煮込んだ真っ白な牛乳鍋のことで、低カロリーでヘルシーとあって女性に人気です。起源は飛鳥時代までさかのぼり、現代では明日香村の家庭料理として食べられています。今回は、明日香村で100年以上営む郷土料理のお店「めんどや」で、飛鳥鍋をいただいてきました。

飛鳥鍋は、現在の牛乳鍋のルーツ!

変わり鍋が流行っている昨今ですが、牛乳鍋のルーツである「飛鳥鍋」は古代、飛鳥に都があった時代に生み出された鍋。

「めんどや」5代目店主の北海(きたみ)希美子さんによると「牛乳は孝徳(こうとく)天皇(645~654年)の時代に中国から伝わり、宮中では牛を飼っていたそうです。明日香村のお隣の談山(たんざん)神社の修行僧が、牛乳で鶏肉を炊いて食べたのが飛鳥鍋のルーツです」。
1300年以上前の食べ物が現代に受け継がれているなんて、地元・明日香村ならではですね!

「めんどや」では、1980年代から飛鳥鍋を提供しています。
もとは隠れメニューだったそうですが、常連客からの評判の声が多く、通常メニューに。いまや看板メニューになっています。
▲飛鳥鍋2,500円(税別)。コースは3,500円(税別)。いずれも2名より注文可。予約がベター

味の決め手は、やはり特製の牛乳スープ。地元産の牛乳と、昆布やカツオで丁寧にとった和風だし、鶏がらスープを合わせたオリジナルレシピです。

スープに入れる具材は、煮くずれしないように大きめにカットされた地場産の旬の野菜と地鶏。目を引くのは、ブロッコリー、アスパラガス、カボチャなどのゴロッとした野菜たち!
「クリーミーな牛乳鍋に合うんですよ」と北海さん。一度にかなりの量の野菜が摂れるのも嬉しいですよね。
▲5代目店主の北海希美子さん

具材は北海さんが、順に鍋に入れて仕上げてくれるので安心。グツグツと煮えてきました。
スープをいただくと、牛乳独特のくさみはなく、和風だしの風味が強い上品な味わい。野菜の旨みがスープに溶け出し、コクと甘みが広がります。
「牛乳嫌いな人でもこれは食べられるんです!」と、牛乳が苦手な北海さんが言うから余計に説得力があります(笑)。
主役の鶏肉は奈良県産の地鶏。
身が引き締まり、旨みがぎゅっと詰まっています。

おいしさの秘密は下処理にもあり。油抜きしてあるのでヘルシーなうえ、くさみをとるために赤ワインで鶏肉を洗っているのだそう!
赤ワインはお肉をやわらかくしてくれる効果もあるので一石二鳥。なんとも贅沢です!

締めにはうどんがおすすめ。
いろんな具材から染み出た旨みエキスたっぷりのスープに、うどんを入れてひと煮立ち。
▲うどん1人前150円(税別)
▲モチモチっとした食感のうどん

飛鳥鍋コースには、鍋のほかに料理3品とデザートが付きます。
高級吉野葛で作るごま豆腐、だしの染み込んだ大根やフキ、ナス、クルマエビなどの煮物、地元に自生する無農薬の柿の葉でくるんだ柿の葉ずし、本わらび粉で作ったわらび餅と旬のフルーツ。
▲どれも心を込めて北海さんが作った品ばかり。右手前の柿の葉ずしの柿の葉は紅葉バージョン。春から夏にかけては青葉になります

小鉢ものから締めのうどんまで、かなりのボリュームなのにヘルシーなものが多いからか、ほとんどのお客さんが「気づけば完食」状態だとか。
栄養価の高い牛乳鍋ゆえ、寒い冬も体の内側からポカポカになりますよ。

古代の宮廷でも食べられたとされる飛鳥鍋。
歴史深い奈良が誇るご当地鍋を、ぜひ味わいに来てください!
白崎友美

白崎友美

奈良の編集制作会社EditZ(エディッツ)の編集者。大阪、京都で雑誌や通販カタログなどの制作を行い、現在は居住する奈良県に軸足を置き、奈良の観光関連のガイドブックやホームページなどを制作。自社媒体の季刊誌『ならめがね』にて、「ユルい・まったり・懐かしい」奈良の魅力を発信している。

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