石垣とお堀がすごい!日本三名城「大阪城」をガイドさんと巡る
大阪のど真ん中にある大阪城。天下統一を果たした豊臣秀吉が築いた城といわれています。「大阪に来たらまずココ!」と、海外からの観光客もいっぱい。ガイドさんに城のみどころをたっぷり教えていただきました!

今回ガイドをお願いしたのは、大阪観光ボランティアガイド協会の一幡眞之(いちまんまさゆき)さん。当協会では、大阪城公園界隈を回る複数の散策コースを用意しています。いずれも所要時間は1~2時間。その中から今回は大手門や多聞櫓、豊国神社などを巡る「大手口コース」を案内してもらいました。
秀吉が築いたとされる大阪城、実は……

「石山本願寺というお寺があった跡に、豊臣秀吉が築いたのが”大坂城”です」と一幡さん。なんと当初は「大坂城」と表記していたそう。1585年に天守閣が建てられ、15年かけて二の丸、三の丸など広大な面積を誇る大坂城ができあがりました。まさに秀吉の権力を示す壮大な城でした。
しかし!現在の城は秀吉が造ったものではないのだとか。実は、徳川幕府が造ったものだそうです。もともとの大坂城は、徳川家と豊臣家が激突した1615(慶長20)年の「大坂夏の陣」で焼失。徳川幕府は、豊臣の城を完全に埋めて盛り土をし、その上に西の要として新たな城を築きました。

1626(寛永3)年の徳川家光の時代には徳川幕府による天守ができますが、この天守は40年足らずで落雷により焼失。以来放置されたままでしたが、重要文化財「大坂夏の陣図屏風」に描かれた豊臣時代の天守の絵などを元に、市民から集まった寄付金約150万円(当時のお金)で1931(昭和6)年に復興しました。これが今ある「大阪城天守閣」なのです。
「大手門」のすぐそこに、迫力の石垣がお待ちかね!

中でも最初に注目したいのは、城の正面入り口にあたる大手門付近の石垣。大手前芝生広場から大手門を見ると、その左右にある外堀の石垣が、右と左で石の積み方が違うのがわかります。門に向かって左側はランダムに、右側は整然と積まれたように見えるのです。


どうしてこのような違いがあるのでしょう。
「造られた時期が違うんですよ。どちらも徳川時代の石垣ですが、築城当初に造られたのが左側、そして築城から7~8年経った頃に造られたのが右側の石垣なんです」と一幡さん。
10年もの歳月をかけた建設の間に、石垣の施工技術がぐんと発達したから石の積み方に違いがあるとのこと。なるほど!石垣ひとつからそんなことが分かってしまうんですね。

向かって右手の柱に、複雑な形をした「継ぎ手」があります。大正時代に、古くなった柱を修理した跡なのですが、こんな手のこんだ方法で継いでいるのは日本でもここだけ。誰も構造が分からず長年の間「謎」とされていましたが、1979(昭和54)年に新聞で呼びかけたところ、神戸市の大工さんだけがその構造を解き明かしたそうです。まるで「解いてみろ」とばかりに突きつけられた過去からの挑戦状。大正時代の修復技術はそれ程までに複雑だったのです。

そしてもう1つ大手門周辺の見どころをご紹介。大手門をくぐって正面に、大阪城名物である巨石が2つあります。それぞれ「大手見付石」「大手二番石」と呼ばれ、城内で4番目と8番目に大きな石なんですって。

立身出世のご利益で人気急上昇!「豊国神社」

せっかくなので、ぜひ立ち寄ってみましょう。




いざ、しゃちほこと虎のいる「天守閣」へ!

そして桜門を背に進むと、いよいよ大阪城天守閣です。思わず「お~!」と声をあげてしまうほど立派。最上階の屋根の上には金のしゃちほこ、黒壁には金箔で描かれた虎の彫刻。いかにも天下統一を成し遂げた秀吉の城!堂々とした風格があります。

「徳川時代に作られた石垣の上に、当時最高水準の建築技術で豊臣時代の城が再現されました。これが今の大阪城天守閣の真の姿なんです」と一幡さん。天守閣の外見は昔の姿ですが、中味はコンクリート製。そのおかげで、太平洋戦争中でも焼けずに残りました。昭和の天守と江戸時代の石垣が時代を超えて共存しているなんてロマンがありますよね。
ガイドコースはここで終了。見どころがたっぷり詰まった大阪城。ガイドコースでは、それらを解説付きで回れるから充実感もたっぷり!インターネットからガイド申込みができますよ。10日前まで受け付けています。
NPO法人 大阪観光ボランティアガイド協会
大阪府大阪市中央区大坂城34-11(大阪城パークセンター内)
[定休日]12月28日~1月3日
[ガイド料金]無料
090-3059-6923、090-3493-9269(10:00~15:30)
天守閣の展望台へ!大阪のすべてが一望できる


天守からは、よほど天気の悪い日を除き、奈良県の生駒山や信貴山、兵庫県の六甲山まで見渡せます。南側には日本一の高さを誇るビル「あべのハルカス」。その手前が、大坂夏の陣で真田幸村が戦った茶臼山です。

さらに注目したいのが、天守閣の東側に広がる「配水池」。豊臣時代の天守はこの辺りにありました。またこの「配水池」の周辺からは、豊臣時代の大坂城の石垣が見つかっており、現在一般公開に向けて整備が進んでいます。多くの歴史ロマンが埋まっていそうで、ワクワクしますね!

秀吉の一生と、豊臣大坂城を物語るミュージアム

さらに5階には、「大坂夏の陣図屏風」を元にした人形展示「ミニチュア夏の陣」が。有名な「天王寺口の戦い」の様子です。この戦いで奮闘した真田幸村を探してみましょう。



定期的に展示が変わる4階と3階を抜け、2階に下りると、戦国武将の兜のレプリカをかぶることができる「兜・陣羽織試着体験コーナー」(1回・税込500円)があります。一番人気は秀吉の兜ですが、NHK大河ドラマ『真田丸』の影響で、2016年は幸村の兜が逆転一位になったとか。どちらもカッコいい!



大阪城天守閣
大阪府大阪市中央区大阪城1-1
[開館時間]9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
※季節により時間延長あり
[定休日]12月28日~1月1日
[入場料]600円(中学生以下無料、15名以上は団体割引あり)※すべて税込
06-6941-3044
隠れた見どころ「大阪城の裏手」

さらに階段を下ると、天守閣の北側にある「極楽橋」に出ます。ここからながめる天守閣もきれい。ゆったりしたお堀や連なる石垣の迫力を楽しみながら、大阪城を目に焼き付けましょう。


大阪市内を歩いていると、時折ビルの間からのぞく大阪城。しかし近くで見ると、広大な城内や勇壮な天守閣にあらためて驚かされます。巨大な石垣やお堀など見どころがつまった大阪城を、ぜひ探索してみましょう。
大阪城公園(大阪城パークセンター)
大阪市中央区大阪城3-11
[営業時間] 9:00~17:30
[定休日] 12月29日~1月3日
06-6755-4146

國松珠実
大阪エリアの女性ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」所属。人と話すのが好きで店舗や企業取材を得意とする。また旅行好きが高じて世界遺産検定1級を持っている。 編集/株式会社くらしさ
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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