出雲大社にも「大しめ縄」を奉納する町でオリジナルしめ縄作り!

2016.12.13 更新

日本最大級の大きさを誇る出雲大社神楽殿の大しめ縄。長さ13.5m、重さ4.5tのこの大しめ縄は、出雲大社から南に50kmほどの山あいの地、島根県飯南町(いいなんちょう)で作られています。全国でも珍しい“しめ縄専門”の施設「大しめなわ創作館」で、インテリアとしても素敵なオリジナルのしめ縄作りを体験してきました。

しめ縄作りの技術を伝承する「大しめなわ創作館」へ

出雲縁結び空港から車で1時間、広島県と県境を接する山あいの町、飯南町。ここでは昭和30年代から、出雲大社神楽殿の大しめ縄を制作しています。その卓越した技術は評判となり、今では全国各地へ飯南町産のしめ縄が奉納されています。
▲日本最大級の大きさを誇る、出雲大社神楽殿の大しめ縄

しめ縄の生産を行いながら、町に伝わるしめ縄文化を後世に伝えるため、平成26年に開館したのが「大しめなわ創作館」。入口に掛かる大しめ縄が目印です。ここでは制作工房の見学をはじめ、資料展示やしめ縄作り体験を通してしめ縄に親しむことができます。
▲神社のようなデザインの大しめなわ創作館

飯南町でしめ縄作りが始まったきっかけは、この地に出雲大社の分院があったこと。標高が500mと高く、冬場は雪に閉ざされる飯南町では、農家の冬仕事として藁(わら)細工が行われていました。その技を活かして、神社のしめ縄を作ったのが始まりだそうです。
▲館内のしめ縄制作工房。誰でも見学することができる

また、高原地帯のため昼夜の寒暖差が大きく、しめ縄の材料となる稲藁(いなわら)の成育にも適しているそうです。制作工房では、強くしなやかに育った飯南町産の稲藁を使ってしめ縄作りが行われています。
▲乾燥させた藁の表面の皮を一本一本、人の手で取り除く

しめ縄作りに使う稲藁は、町内にある専用の田んぼで生産されています。しめ縄の材料にするため米が実る前の青い状態で刈り取られた藁は、まっすぐに伸び、長いもので150cmほどありました。
▲「こも」と呼ばれる表面の藁を繋ぎ合わせ、その中に更に藁を入れて太くする。これで編む前の縄が完成する

この縄を2本作り、それを寄り合わせれば、しめ縄の形になります。縄の重さは1本50kgを超えることも。大人6人がかりで交互にねじってより合わせる作業はかなりの重労働です。出雲大社神楽殿の大しめ縄の作り方も基本的には同じですが、縄の重さが通常の6~8倍あるのでクレーン車2台を使い、50人がかりでより合わせが行われるそうです。
▲最後に縄の中央に「しめのこ」と呼ばれる飾りを着ければ完成。飯南町産のしめ縄は、東北地方から米国ハワイまで、各地に奉納実績がある

スタッフさんの指導のもと、デコレーションしめ縄作りに挑戦!

「大しめなわ創作館」では、普段なかなかできないしめ縄作りを体験することができます。
▲しめ縄作り体験コーナー。横の壁には出雲大社神楽殿の大しめ縄の写真が

細いしめ縄で輪じめを作り、短冊とリボンを付ける「初級コース」(税込880円)、太い縄を綯(な)い、水引をあしらった輪じめを作る「中級コース」(税込2,000円)、更に造花を施す「中級デコレーションコース」(税込2,500円~)、本格的な大黒じめに挑戦する「上級コース」(税込5,000円)の4種類から選べます。今回は、インテリアとしても楽しめる「中級デコレーションコース」のしめ縄作りを体験しました!

まずは、材料の藁を2束に分け、縄を綯う作業から。簡単なロープ編みのはずが、藁だとなかなかスムーズにできません。
▲藁の束を机に固定し、縄を綯っていく。力が必要で、油断すると表面が凸凹になってしまう
▲スタッフの小松美帆(みほ)さん。コツを分かりやすく指導してくださいます

表面がつるっとした美しいしめ縄を目指し、藁をねじりながらギュッギュッと力を込め、締めながら編んでいきます。小松さんのサポートのおかげで、ゆがみの少ない綺麗な縄ができました。
▲なわ綯いはこれで完成!

この縄をクルクルっと巻いて形を整えます。
▲丸い部分を下にするのが一般的な形だそうですが、好みに応じて方向を変えてもOK!丸い部分が横にくるようにしてもお洒落だそうです

今回は一般的な形を選びました。針金で固定し、壁掛け用の輪っかを作ればベースのしめ縄の完成です。
▲デコレーション前の素のしめ縄が完成。右上に元気よく飛び出した藁が縁起の良い印象

いよいよデコレーション!花を使って可愛く仕上げます

いよいよお待ちかねのデコレーションタイム。色々な種類の造花や水引の中から、好みのものを選んでいきます。装飾次第で、シンプルにもゴージャスにも、洋風にも和風にもできるので、かなり迷ってしまいました。
▲最終的に選んだのがこちらの造花。クリスマス&お正月に使えるよう選んでみました

造花をつける位置を決め、細い針金で固定していきます。
▲飾り付けをすると一気にオリジナリティが出ました

最後にお好みでリボンをつけて、完成です!クリスマス風に赤いリボンで仕上げました。年末になったら取り外して、お正月用に変身するという欲張りな仕様です。
▲自分で作った世界に一つのしめ縄が完成!

華やかなデコレーションしめ縄はプレゼントや、結婚式などのおめでたい席の装飾にもピッタリ。贈られた方も手作りだと知ったらびっくりすること間違いなしです。
▲こちらは見本。成型のしかた次第でこんなスタイリッシュな作風にもなります。作った人の個性が表れるのが楽しい
▲初級コースの作品。華奢な縄と短冊が可愛らしい
▲上級コースの「大黒じめ」。出雲大社神楽殿と同じ形状のもので、家内安全の御利益があるとか

日本の伝統工芸品であるしめ縄を、インテリアとして気軽に取り入れることができるデコレーションしめ縄。しめ縄の新しい可能性を感じました。

旅のしめくくりに、しめ縄みやげとしめ縄スイーツ!?

「大しめなわ創作館」館内には、しめ縄のショップも併設されています。工房で一つひとつ手作りされた様々な形のしめ縄が販売されています。
▲「大黒じめ」(税込5,000円)
▲手の平サイズの可愛いしめ縄。「ご縁結び(輪じめかざり)」(税込500円)。小さいのでデスクまわりや車の中などに飾っても

「ご縁結び」はここ、「大しめなわ創作館」の工房で一つひとつ手作りされ、今では出雲大社界隈のお土産店でも人気商品になっているそうですよ。
さらに「大しめなわ創作館」の隣には、「道の駅 とんばら」があります。ここで珍しいしめ縄の形をモチーフにした「しめ縄スイーツ」が食べられると聞いて、寄ってみました。
▲「道の駅 とんばら」敷地内にあるカフェ「ラムネMILK堂」

こちらが噂のしめ縄スイーツ、「しめなわアイスサンド」!お隣鳥取県産の大山バターを100%使用したオーダーメイドのクロワッサンに、「ラムネMILK堂」こだわりのバニラアイスがサンドされています。
▲「しめなわアイスサンド」(コーヒーか紅茶のセット・税込590円、アイスサンド単品・税込390円)。クロワッサンの形が大しめ縄に似ています

「ラムネMILK堂」のアイスクリームは、地元・飯南町の新鮮な生乳が使われています。サックサクのしめ縄クロワッサンと、濃厚なバニラアイスは相性抜群。
しめ縄といえば神社や神棚というイメージを覆された今回の体験。しめ縄の新しい魅力を知ることができました。伝統と格式ある「大しめ縄の町」飯南町で、ぜひ体験してみませんか?
賣豆紀有加里

賣豆紀有加里

島根県在住のグラフィックデザイナー。島根県の観光情報サイト、フリーペーパーなどでライターも務める。山陰のおいしいもの・楽しいこと・素敵な場所を発掘するのが趣味。(編集/株式会社くらしさ)

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