朝獲れの天然の鯛やブリを贅沢にしゃぶしゃぶ!「海鮮活しゃぶ」を食べに佐田岬へ

2017.01.06 更新

愛媛県を訪れた県外客が口を揃えて言うのは「魚がびっくりするほど新鮮で美味しい」という言葉。それが瀬戸内海に面した愛媛県ならではのメリットであるのは周知の通りですが、そんな魚の旨みをさらに引き出す「海鮮活(かつ)しゃぶ」という新名物料理が、とある漁師町で誕生し人気を集めています。魚たちが身に脂を蓄えた冬のこの時期は格別の美味しさということで、早速行ってみました。

車を走らせる道中も楽しいドライブコース

目指すは愛媛県の最西端に位置する、伊方町(いかたちょう)三崎地区。愛媛県の中でも特に漁業の盛んな地です。松山市からも車で約2時間という距離にあり、大分県大分市まで豊予(ほうよ)海峡を挟んで約15km程度という、佐田岬の突端にあります。
国道197号をクネクネと走っていくと右手には瀬戸内海が、左手には宇和海が見えてくるドライブコース。風力発電の大きな風車が立ち並ぶ景観も特徴のひとつです。岬の両側が海に囲まれたこの地だからこそ、「海鮮活しゃぶ」が生まれたのも納得です。
▲道中にはいくつか展望台もあり、風車の近くに行くとブンブンと迫力のある音が聞こえてきます

その時季にしか出会えない旬鍋

「海鮮活しゃぶ」の定義は、お刺身でも食べられる新鮮な魚を、しゃぶしゃぶにして地元の野菜と共に食べようというもの。その条件を守りながら各店の色を出しています。
またその時期に獲れる旬の魚や野菜を使うため、1年中味わえる滋味ですが、寒くなり身に脂がのってきた冬の時期こそ、素材の味が引き立つ「海鮮活しゃぶ」の美味しさを堪能できるチャンスなのだそうです。
提供するお店は3店舗ほどありますが、今回「海鮮活しゃぶコース」をいただくことにしたのは港のすぐ側にある「まりーな亭」。漁師であるシェフの父親が釣り上げた朝獲れの魚をメインに、ジャンルに捉われない料理を提供する、観光客からも地元の皆さんからも愛されているお店です。
▲海をイメージした店内には魚網や浮き玉などがインテリアの一部として飾られていて楽しい雰囲気
この日は「まりーな亭」の調理中のキッチンにもお邪魔させていただきました。これから調理されるのを待つ朝獲れの鯛、ブリ、ハマチは丸々と太っていて、そのツヤからも新鮮なのがわかります。そして鮮やかな手さばきで、あっという間にさばかれていきました。
▲「まりーな亭」で腕をふるう宇都宮シェフは、料理番組「料理の鉄人」のスタジオキッチンで道場六三郎の助手を務めていたほどの腕前
短冊になった天然鯛を薄切りに。もちろんお刺身としても食べられる新鮮さなだけに、包丁を入れる瞬間を見ているだけでもその弾力を感じられます。通常の刺身よりも大判に切り分けることで、出汁に通した時に均等に火が通るようになるのです。
その日の入荷状況によって違いますが、「まりーな亭」の「海鮮活しゃぶ」では通常3種の魚を盛り合わせるそう。この日はハマチの腹の部分、ブリと鯛を食べ比べます。「この腹の部分がとろける旨さ」とのこと。
魚をくぐらせる出汁は、身を切り出した魚のアラをじっくりと焼いてから丁寧に取ったアラ出汁を使うことが条件。「まりーな亭」ではそこにカツオやイリコを合わせるという、なんとも贅沢なものです。黄金色に輝く出汁は、そのまま飲んでしまいたくなるような良い香りが漂っています。

絶妙な瞬間を見極めながら泳がせて

▲切り分けた瞬間から魚の脂がとろけ始めます。真っ白いのがハマチ、血合いの赤みが鮮やかなものがブリ、奥に見える透明感のある白身が鯛
まずは脂ののったハマチからいただきます。出汁が湧いてきたら、切り身を3秒~5秒ほどしゃぶしゃぶ。表面がほんのり白身がかってきたタイミングで取り出しましょう。
ポン酢にくぐらせたらぱくりと一口で。半生状態の食感も、なんとも言えない弾力で余分な脂が落とされた上に、そこに出汁の風味がプラスされていて美味!
試しにもう一切れ、タレを全く付けないで食べてみましたが、ハマチ本来の魚の甘みが感じられてそれだけでも十分美味しいのに驚かされます。
次はブリをいただいてみます。
こちらも表面が白くなる程度、さっと火を通した半生状態。ポン酢であっさりと。しっかりとした身の歯ごたえが抜群で、噛むほどにブリの旨みとコクが口の中にいっぱい広がります。
一番あっさりした風味の鯛は梅肉だれで食べるのもおすすめ。皮つきで食べて最も美味しいのは、脂がのっている冬のこの時期です。
▲地元産サンフルーツを使ったまろやかな酸味の自家製ポン酢と、奥からコクのあるゴマだれ、甘酸っぱさが白身魚に合う梅だれ、そして愛媛の南予地域の郷土料理には欠かせないほんのり辛子の効いたみがらし味噌で食べます

それぞれの魚とそれぞれのタレの絶妙な相性には感服。いつの間にかどんどん箸が進みます。
そしてこの出汁に地元産の白菜や水菜などその季節の旬の野菜を入れて食べることで、野菜に魚の旨味が絡み一層美味しくなるという相乗効果も。
そしてこの「まりーな亭」の特徴はシメにも。通常は中華麺やご飯をいれて雑炊にすることが多いのですが、ここではなんとパスタが登場します。
魚と野菜の旨みがたっぷり溶け込んだ濃厚な出汁でパスタをしゃぶしゃぶしてから、特製のトマトソースに絡めて。爽やかな酸味のトマトソースとよく合います。加えて佐田岬のもうひとつの名産品、日本一の漁獲量を誇るしらすが魚の旨みをさらに引き立ててくれます。
その他にもサザエなど地元の海や山の幸を使った6種の前菜やジャコ天、じゃこカツ、白身魚のフライなどがセットになった「海鮮活しゃぶコース」(1人前3,500円・2名~)。三崎地区の特産品をぎゅっと凝縮したコースになっています。朝獲れの新鮮な魚しか使えないため、2日前までに必ず予約をしてから足を運ぶようにしてくださいね。

わざわざ足を運んででも食べる価値のある、漁師町の新名物。現在ではいくつかの旅館でも提供されていますので、時期を変えて食べ比べてみるのもいいかも。
渡邊麻子

渡邊麻子

高知&静岡育ち。東京の出版社を経て「タウン情報まつやま」に10年間勤めたのち、2014年に独立。フリーランスのエディター&ライターとしてグルメ取材記事の作成ほか、企業のコンセプトブックなどに携わる。また音楽ライターとしての経験を活かし、南海放送ラジオでも音楽番組パーソナリティとして活動中。

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