箱根湯本ほっこり日帰り旅。純度100%自家源泉「天山湯治郷」へ!

2017.02.06 更新

東京からほど近い箱根は、自然と癒しを求めて日本中から訪れる人々でいつも賑わう温泉地です。温泉といえば旅館に宿泊…というイメージもありますが、思い立ったらすぐ行ける距離の箱根なら、日帰りでも十分のんびり過ごすことが可能。おひとりさまでも気軽に行ける立ち寄り湯「天山湯治郷」で、時間を忘れてお湯につかって笑顔と生命力を取り戻したら、温泉街で食事&お買い物も満喫!そんなプチトリップを紹介します。

箱根湯本駅から車で約10分。奥湯本の豊かな自然が抱く立ち寄り湯に到着

「そうだ箱根に行こう」と思い立ったら吉日。小田急ロマンスカーに乗って、箱根の玄関口・箱根湯本駅へ。駅から片道税込100円の旅館組合巡回バスに乗って約10分。水も緑も美しい自然豊かな奥箱根の山間に「天山湯治郷」はありました。都心から僅か100分ほどで到着できる距離感が、なんといっても魅力です。
清らかな須雲川(すくもがわ)沿いの小高い山のふもと、四季がゆるやかに美しく巡る8,000坪の自然の中に、7本の自家源泉を抱く「天山湯治郷」はあります。2016年に開湯50周年を迎え、長年にわたって訪れる人々を自然の恵みで癒し続けている名湯です。
敷地内には「ひがな湯治 天山」と「かよい湯治 一休」、「逗留湯治 羽衣」の各棟があり、入館料はそれぞれ別料金です。今回は日帰りの予定なので「天山」と「一休」を巡ります。

まずは「ひがな湯治 天山」へ。ここから先は、携帯電話も撮影もNG

中庭から「天山」へ続く石段を昇ると、和のしっとりした風情漂うエントランスが(入場券は石段途中の自動発券機で購入します)。藍染めののれんをくぐると、スタッフの温かな笑顔に迎えられました。ここから先は、基本的に携帯電話も撮影もNG。時を忘れ、日常からエスケープできます。
靴を脱いでロッカーに入れて館内へ。フロントデスクにはタオルが用意され、手ぶらで来た場合でもここで購入できます(タオル1枚200円~・税込)。

pH9.3というアルカリ性の源泉は“飲む野菜”。一杯飲めば胃もすっきり

▲フロント近くには無料の飲泉コーナーが。紙コップも用意されています

8,000坪の敷地内にある7カ所の源泉から、日に37万リットルの湯がこんこんと湧出しているという「天山湯治郷」。泉質は、ぽかぽか効果のナトリウム塩化物泉と、お肌しっとり効果が期待できるアルカリ性単純泉の2種類。そのうちアルカリ性単純泉は飲泉が可能。pH9.3の軟水なので、一口飲むとたちまちすっと身体に入っていきます。なんだか胃のあたりがすっきりした感じがしたのもそのはず、胃酸過多や胸やけ、二日酔いに効果がみられるそうです。
▲オリジナル温泉容器(4リットル508円、500ミリリットル100円※共に税込)を購入して飲泉を入れて持ち歩けば、いつでも飲めて便利
▲脱衣所に向かう途中には浴衣貸出所が。温泉気分を存分に楽しむなら、ここで浴衣をレンタルするのもおすすめです(1回500円・税込)

塩素も加水もない純度100%の源泉2種を、自然の中でゆるり満喫

▲女湯:アルカリ性単純泉の「祖の湯」

山間の壮大な敷地に佇む「天山」。女湯には6つ、男湯には5つの湯舟が用意されており、あふれる緑と陽光に包まれて、まるで自然と一体となるかのような入湯が叶います。お風呂はすべてオープンエアの野天風呂。余計な仕切りや壁がないので、清々しい山の空気と木漏れ日を感じながら湯舟に浸かることができます。日常生活で縮こまっていた全身が、お湯の中でゆるゆるとほどけていく感じです。

澄み切ってきれいなお湯は、溜めおきや塩素に頼らない、湧き出たばかりのフレッシュな源泉。場所によって42度、43度、44度と1度単位で温度管理もしっかり厳密に。例えば、ぬるめのアルカリ性単純泉にゆっくり浸かって、お肌すべすべ感を実感したり、熱めのナトリウム塩化物泉で体を温めてしゃっきりしたり、好みで入ることができます。
▲女湯:野趣あふれる洞窟風呂。こちらもアルカリ性単純泉なので、洞窟の奥へ進むと、蒸気でお肌もよりしっとりするよう
▲女湯:藤棚の下のお風呂はナトリウム塩化物泉。初夏には藤の花が咲き、花の香りでうっとり夢心地に
自然の恵みである温泉を存分に楽しむためにも、周囲の自然を汚すことはできない。そんな想いから、界面活性剤を使わない固形石鹸やシャンプー&リンスを風呂場に備えるなど、徹底して環境にこだわっています。
▲男湯:女湯に比べて、どことなくワイルドな雰囲気
▲男湯:漆塗りの古代檜の湯殿は、湯上がりの壮快感がたまらない熱めの温度に設定されているのだとか

湯上がりには館内の休憩所で、うたた寝したり、読書したり、骨休め

古民家を移築したという歳月を越えた木の温もり漂う館内には、入湯の合間にごろりと休める休憩所や読書室などが点在。お気に入りの場所を見つけて、ゆっくり、のんびり過ごせそうです。
▲目の前に広がる緑景が見事な大広間「ざしきぼっこ」。床暖房なので冬でも湯冷めすることなくお昼寝できます
▲モダンなインテリアも心地よい読書室「雨宿り」
▲愛煙家の方はこちらの中庭で。ビールやジュースの自販機もここに

味自慢の食事処をはじめ、おしゃれな喫茶やお土産処まで充実

▲「山法師」:開放感あふれるロケーションでお食事できるのも天山ならでは
館内には、温泉しゃぶしゃぶがいただける「楽天」と、鰻や自然薯など滋養料理が味わえる「山法師」の食事処があります。別棟にある手打蕎麦が楽しめる「岩清水」も合わせ、3カ所からその日の気分で選択可能。いずれも心と体の治癒力を高める“湯治”にふさわしいヘルシーなおいしさが評判のお店ばかりです。
▲「山法師」:三河一色から活鰻で届けられた国産鰻を、裂いてから蒸しあげ、焦げ目を付けず、ふっくらとあめ色に焼き上げる職人技が生きた逸品(鰻重 松3,834円、竹3,402円※共に税込)
▲「楽天」:温泉でしゃぶしゃぶする野菜たっぷりの人気メニュー「箱根山麓豚の温泉湯くぐり」。最後の〆はラーメンで(1人前1,944円・税込※写真は2人前)
ティーブレイクには、喫茶「うかれ雲」へ。温泉水を使いネルドリップで丁寧に入れてくれるコーヒーのほか、ヘルシードリンク、スイーツなども充実。穏やかな時間が流れます。
▲テラス席でいただいた、ほのかに甘い「昔々のトマトジュース」(596円・税込)
フロント前にある、みやげ噺「洒落亭」には、全国から選りすぐりの匠の技・工芸品が揃います。
▲本日選んだのは、ちりめんのような織り方が独特な風合いの天山オリジナルタオル(大1,450円・税込)。コンパクトに畳めるうえ、ちょっとしたストールとしても使えそう。手のツボを刺激する、コロンと丸い握り玉「くり坊」(620円・税込)も旅の記念に

平日なら天山と両方楽しめる「はしご湯券」を使って、温泉入浴だけの施設「かよい湯治 一休」へ

ここへ訪れたら「天山」だけではもったいない。ぜひとも隣接する「かよい湯治 一休」の湯もゆっくり堪能してみて。浴衣のまま向かいたい場合は、フロントでサンダルを貸してもらえます。

平日なら「天山」と「一休」の両方の湯を、じっくりと堪能できる「はしご湯券」(300円・税込)もあってお得。ウィークデーならではのゆったり感を満喫するために、有休を取って訪れるリピーターも多いのだそうです。
▲風がすっと吹き抜ける館内の廊下。床暖房で暖かく、座って寛ぐこともできます
▲男湯:壮大な眺望に包まれた古代檜風呂と野天風呂。秋の月見の頃は、皓々と冴えた月光のもとで湯につかれるのだとか
▲女湯:壮麗な滝の流れを望むしっとりした風情の中、癒しのときを過ごせます

お湯の鮮度を保つための秘密をさぐりに、特別にバックヤードを拝見

フロントや食事処で会う人たちを含め、ここにはなんと100名以上のスタッフが「湯守り」として働いているのだとか。

一切水を加えることなく高温の源泉を適温にする熱交換機をはじめ、最新鋭のマシンやシステムを用いてお湯の鮮度や効能を厳重管理。さらに、毎晩すべての湯を抜き、2時間かけて高温高圧スチーム洗浄機で湯船を徹底清掃するなど、並々ならない努力と「湯守り」としての真摯な姿勢が貫かれているのです。
▲入湯客の多い週末のみ活躍するイスラエル製の濾過装置
こんなバックヤードがあるからこそ、地球のエネルギーをそのまま心身にチャージできるような湯治が叶うのだと納得。身体の隅々までが浄化され、生き生きと甦ってくるような感覚はここならでは。箱根の自然と「湯守り」のみなさんにありがとうございましたと感謝して、「天山湯治郷」を後にしました。

日帰り旅の締めくくりは、箱根湯本でおみやげ探し&食事

箱根旅の楽しみのひとつが、箱根湯本駅から伸びる駅前通りの散策。国道沿いの左右には食事処やお土産屋がずらりと連なり、そぞろ歩きの観光客で賑わっています。
数ある箱根みやげの中でも人気なのが、近隣の小田原名物の干物。とりわけ目を引くのがこの一軒、創業文久3(1863)年の小田原干物の老舗「山安 箱根湯本本店(ひもの店山里)」です。
▲七輪でセルフで焼いて試食して、気に入った干物を購入できます
▲アジをはじめ金目鯛も入った一番人気の干物セット(1,080円・税込)。「素材、製法、塩、水」にこだわった高級干物がこのプライスで
「天山湯治郷」ですっかり身も心も元気回復したせいか、食欲も復活。せっかくなので、駅前通りから少し入った場所にある、自然薯を使ったそばで人気の「はつ花 新館」へ。ここは昭和9(1934)年創業の老舗そば処。本館も近くにありますが今日は新館へ。
▲「はつ花」一番人気の蕎麦。自然薯山かけ、薬味のセット「せいろそば」(1,200円・税込)

蕎麦粉と自然薯と卵だけを使った滋味豊かな蕎麦は、時間がたっても伸びることがなく、喉ごし抜群。食べるごとに蕎麦本来の香りと、自然薯独特の風味があふれます。自然薯は滋養に富み、疲労回復やホルモンバランスを整える働きもあるのだとか。身も心もデトックスしに訪れた一日の締めくくりに絶好でした。
午前中に都内を出発して夕暮れ時に帰る、箱根日帰り旅。約半日過ごしただけなのに、満足度はとびきり。「天山湯治郷」の自然とお湯の効果でリフレッシュできて、ほんとうに来て良かったと思えました。いつでも迎えてくれる心安らぐ世界が箱根にあると思えば、明日からもきっと、がんばれそうですね。
ゴトウヤスコ

ゴトウヤスコ

ホテル、レストラン、神社、婚礼、旅、食、暦&歳時記、ものづくりなどの広告コピー、雑誌記事、インタビュー記事などを多数執筆し、言葉で人と人をつなぎ、心に響くものごとを伝える。旅は、基本一人旅好き。温泉、パワースポット、絶景、おいしいものがあるところなら、好奇心がおもむくままどこへでも。得意技は、手土産&グルメハンティング。最近は伝統.芸能、日本刀、蓄音機など和文化への興味を深堀中。読書会なども開催。(制作会社CLINK:クリンク)

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