鯖江メガネ作り体験/クリエイター女子が行く!Vol.3

2015.09.09

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけど、どこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は金沢で素敵なグラスを作ってきましたが、さてさて今回は……?

▲はるばるやってきたぜ!
今日はわたくし、人生初上陸の福井県鯖江市にやって参りました。
自然が豊かでものづくり産業も大変盛んな街です。

皆さん、鯖江市と言ったらまず何を思い浮かべるでしょうか?
そう!メガネですよね。それこそ、メガネと言ったら鯖江市ですよね。
お察しの通り、今回は鯖江の名産品メガネ作りを体験します!

早速、本日お邪魔する施設へ。
一体どんなところなんだろう?……ん?
▲こんなに大きな施設だったのか!
こちらが鯖江市の中心にそびえ立つ、めがねミュージアムさん。
写真では見切れていますが、地上10階の大変立派な建物です。
ミュージアム内では体験工房だけでなく、ショップや博物館を楽しむこともできるんだとか。

迷いに迷ってマイメガネ

マイメガネを作るには、まずは顔のサイズを計り基本データを記入します。
▲近未来的な道具を装着
こうして目幅や耳の高さなど正確にサイズを計ることで、自分の顔にぴったりフィットしたメガネを作ることができます。

そして、本日お世話になる竹内先生にご挨拶。
▲よろしくおねがいします!先生おしゃれだし、かっこいい……
先生「こんにちは。よろしくお願いします。素敵なメガネを作っていきましょうね!さあ、まず素材選びをしていきますよ。フレームの形、色や柄など、たくさん用意していますから、ゆっくり考えてください」

(先生のメガネも、ご自身の手作りだそう)
▲様々な色や柄のツル(耳にかける部分)も豊富に取り揃えてます!
▲フレーム用の板もたくさん!ぐわー!どれにしよう
ずらりと並ぶパーツの中から選びます。
この中からひとつだけだなんて、迷う~!
シンプルでスタンダードなものはもちろん、カラフルで個性的なものまで揃っているので、お気に入りが見つかること間違いなし。
▲フレームの形もたくさんの種類の中から選べます
組み合わせも自由なので、あえてフロントとサイドの色味を変えてもおしゃれなんだとか!
私は迷いに迷って、べっ甲風のレトロな柄に、丸みのあるフレームをチョイス。

ツルツルとした薄い板が、ここからどうやってメガネへと姿を変えていくのか、まだ想像もつきません。
▲光が当たると色味も変化して見える、不思議な素材
先生「では作業にうつりましょう。まず、フレームになる部分を糸のこぎりという道具で切り出していきますよ!あ、今日は少し腕が疲れると思いますが、がんばりましょうね」

えっ?腕が疲れる?メガネ作りに腕力が必要なの……?
頭の中はハテナでいっぱいです。

筋肉痛、でも快感

▲先生がお手本を。すいすいと切り進めていきます
おお。大きなのこぎりを使うよりもずっと簡単そうだ。
これならあっという間に終わってしまうかもしれません。

ようし!いざ、作業スタート!
はは!楽勝らくしょ…………ん?
えー、こんな序盤で認めたくないのですが、綺麗に切り出すのめっちゃ難しいです。
そして先生の予告通り、腕力も必要。
最初はどうしても力を入れすぎて、ガガッと引っかかりやすいです。
しかし、慣れると余計な力が抜けて、スムーズに腕を動かせるようになるんだとか。
板のやわらかさは木材と変わらないので、コツさえつかめばこっちのもの!

後から聞いた話ですが、先生は指の力をつけるために指立て伏せをしているんだそう。
どうりでガッシリとした手をしているわけだ……。
▲印に沿ってギコギコギコギコ
▲なんとかくり抜いたぞ!
先生「どうですか。なかなか腕が疲れるでしょう!私は一日で大体8個のメガネを作るので、さすがにもう慣れました」

一日8個ですって!?プロはスピードも求められるんですね。
先生はこの道ウン十年のプロですが、メガネ職人業界ではそれでも若手なんだとか。
80歳や90歳でバリバリ現役のお師匠さんからすると、先生は息子のような存在らしいです。

丁寧な仕事を心がけて

先生「さあ、次は切り出した断面を棒ヤスリと紙ヤスリで磨いていってください」
▲先生がやるとなんでも簡単そうに見えるんだよなあ
これまたなかなか力を使う作業です。
ですが、磨けば磨くほど滑らかになっていくのが気持ちよく、あっという間に時間は過ぎていきます。
なんとなく、小さいころ公園で磨き続けた泥だんごのことを思い出しました。
▲シャシャシャシャシャシャシャシャシャッ
その後、専用の機械を使って、磨いたフレームの内側にレンズをはめる溝をつけます。
ここで綺麗に溝をつけるために、丁寧に磨いておく必要があったんですね。
▲小気味よい機械音が響きます
内側をくり抜いたのと同じ要領で、フレームの外側も型に沿って切り抜いていきます。
この頃になると、楽しみながら糸のこぎりを操れるようになってきました。
メガネ作りは基本ひたすら座っての作業になるので、友人や恋人同士で参加して、会話を楽しみながら作業するのも楽しそう。

私は今回一人なので、聞こえるのはヤスリとのこぎりの音だけでしたが、これもまた風情がありますね……。
▲時折、先生に頼ったりもします

地味を楽しむ

今回のメガネ作りでひとつ気づいたことは、ズバリ「地味」だということ。
どんなド派手で奇抜なメガネでも、出来上がるまでは黙々と地味な作業が続くのです。
しかし、ものづくりの裏側を知ることで、その物への思い入れや愛情は格段に変わります。

先生「人間の顔は絶対に左右対称でなく、完璧じゃない。だから機械だけで作ったメガネは、手作りのメガネには絶対かなわないんです。今は安いメガネもあり手軽に買えますよね。ですが、こうして顔のバランスも計算し、地味な作業を経て出来上がったメガネは、素晴らしいかけ心地ですよ」

先生とのおしゃべりを楽しんでいる間に、かなりメガネらしい形ができてきました。
▲よしよし、イメージ通りだぞ
機械でカーブをつけ、フレーム部分はこれにてひとまず完成!
カーブをつけただけで、平らで二次元だったメガネが、三次元メガネにバージョンアップしました。
▲満足な仕上がり

待ち遠しい40日間

メガネのツルになる部分も切り出し、カミソリの刃のような道具でカーブを作っていきます。
左右のツルが対称になるように削らなければいけないので慎重に。
うまく対称にならないと、「なんでツルは2つ必要なの?そもそもなんで耳も目も2つなの?」と行き場の無い理不尽な八つ当たりをしたくなります。
▲シュシュシュシュシュシュシュシュシュッ
最後に先生が微調整(あくまで微と言い張りたい)をしてくれて、全てのパーツが揃いました。
▲全貌は完成までおあずけです
やったー!削り、ヤスリがけ、磨いたぞー!!これで五島がやるべき全工程が終了!
後は、職人さんが最終仕上げをし、配送してくれるのを待つのみ!到着は30~40日ほどかかるそうです。
途中でも述べたように、作業としては決して派手ではありませんでした。
しかし、先生の言葉や細かな工程を経て、これ以上ない愛情を込めたメガネができあがったと実感。
完成が非常に楽しみです!

先生「お疲れさまでした。後の仕上げは任せてください!五島さんのように自分用に作るのはもちろん、プレゼントにもオススメですよ。今後もぜひ、たくさんの人に鯖江に遊びに来ていただきたいです」
▲最後までかっこいい竹内先生、ありがとうございました!

視力が良くてもそばにいて

40日後。ついに!届きました、マイメガネ。
綺麗にしっかりと梱包されています。
▲おおおお……なんと神々しい……
いざ!オープン!
▲ピカーーーーーーーーーーーーーーッ
おおおおおお!!なんということでしょう。
美しい。美しすぎる。

職人さんの仕上げによって光沢が出て、細部まで光り輝いています。
よく見ると左右対称でない部分もあるのですが、自分で作ったという実感が沸くので、私は尚のこと興奮しました。

調子に乗ってモデル風に撮っていただきました。
▲めっちゃエフェクトかけてくれた
▲なめらかな手触り
いやしかし、抜群のかけ心地ですよ本当に!
これなら長時間かけていても耳の付け根が痛くならない。
▲どう転んでもおしゃれ
ちょっと憂鬱な朝、このメガネをかければ仕事もはかどりそうです。

マイメガネをバッグに忍ばせて、明日からの毎日をより楽しんでいきましょう!

今日のいちまい


五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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