常寂光寺 四季を映す、光と影の美しきコントラスト

2016.12.09

京都嵯峨野・小倉山の中腹にある常寂光寺(じょうじゃっこうじ)は、生い茂る木々から漏れ入る光の様からその名がついたと言われる、京都有数の紅葉寺。季節ごとに表情を変える、その美しき景色をお届けします。

木漏れ日もうっすらと紅色に染まる、秋の景色

常寂光寺の美しさは、木々の多さによるといえるでしょう。所せましと枝葉を広げるイロハモミジやオオモミジが200本を越えて生い茂っています。何層にも折り重なる葉は、石畳に複雑な陰影を投げかけ、赤、黄、橙、緑の美しいグラデーションを作りあげています。
▲足元に目をやれば、緑の苔に紅の落ち葉
▲目線をあげれば、真っ赤に染まった葉が一面に。ため息がでる美しさです
寺に到着したら、江戸時代の中期に建てられたと伝わる山門をくぐり境内に入ります。門の上には大きく「常寂光寺」の文字が見えます。
見事に色づく紅葉の小路を歩いていると、視線の先に仁王門が見えてきます。この仁王門は常寂光寺のシンボル的存在で、さまざまな雑誌やポスターなどにも登場するビュースポットです。
仁王門から先へと続く階段と、それを包むような紅葉景色。門の四角を額縁に見立てれば、まるで絵画のような景色が楽しめます。
▲こちらは山門側を振り返って。絵になる景色とはまさにこのこと
▲仁王門でにらみを効かせる仁王像。身の丈は七尺。平安時代に活躍した仏師、運慶(うんけい)の作と伝えられています
仁王門を背に石段を登ります。上から横からカラフルで複雑な光が注ぎます。そして石段の両サイドには苔の緑。階段を上るたび光が色とりどりに変わる様は、まるで万華鏡の中を歩いているようです。
▲石段を登った先にある、本堂前の鐘楼。梵鐘は正午と夕方17時に鳴らされます
本堂から参拝順路を進むと、左手にぱっと景色が開けます。山の中腹から見渡す京都市内と紅葉のコンビネーション。石段を登って弾んだ息を整えながらのんびり眺めてください。一息ついたら参拝路をさらに上へ。桃山時代建築の重要文化財である多宝塔へと続きます。
▲多宝塔へ向かう途中、本堂の裏手にある池は、紅葉の時期のみならず四季の美を写します
▲嵯峨野といえば竹林。年中変わらぬ緑と紅葉の対比も見どころです
京都町衆によって寄進されたと伝えられる多宝塔。総高約12m、内部に釈迦、多宝二仏を安置するため、並尊閣とも呼ばれるそうです。内部は常時非公開で見ることはできませんが、その美しい外観と彫刻の見事さは一見の価値ありです。

紅葉の時期以外も美しい、四季の常寂光寺

一年で最も華やかになる秋以外にも、桜咲く春、苔むす梅雨や新緑の初夏、雪積もる冬と、四季折々の表情が楽しめます。季節ごとの美しい景色をご紹介します。
▲枝垂れ桜や山桜のほか、沢山の山野花が咲く春。百花繚乱の様子はまるで極楽浄土のようです
▲苔生す梅雨から初夏。清涼感を感じる風景です
▲山門から仁王門へ至る道も、新緑に包まれます
▲青葉モミジとあいまって一面緑の世界がひろがります
▲多宝塔に雪ふりつもる冬。息も白く染まる境内は、静寂の世界に包まれます
いかがでしたか?光と影、木々が織り成す色とりどりのグラデーション。季節ごとのドラマチックな風景を楽しむならおススメの寺院です。嵯峨野・嵐山周辺を観光する際はぜひ訪れてみてください。
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP