京町家で気軽に京友禅体験。アレンジ次第で、はんなりにもポップにも

2017.01.10

京都を代表する伝統的工芸品「京友禅」。着物の代名詞となっていますが、なじみのない人も多いかも?京都市内には、そんな人々でも気軽に訪れることのできる、京友禅の体験工房があるんです。早速、体験しに伺ってきました。

歴史を物語る小川通の京町家にて

京都市中京区小川通御池南入る。
「京友禅工房 丸益西村屋」の住所です。地下鉄烏丸御池駅から徒歩7分、御池通から小川通を少し南に入ったところ。

小川通はその名のとおり、昔は堀川に注ぎ込む小川(こかわ)が流れていて、この清流を利用して染色が盛んに行われていたそうです。
通りを注意深く見てみると、辺りには染工場が多いのがわかります。
▲京都の街なかにある築100年以上の京町家を利用した工房&ショップ
丸益西村屋も、明治38(1905)年に手描き友禅業として創業して以来、和装の染色に携わってきた老舗。平成12(2000)年には、本業に加えて京友禅体験工房を本格的にスタートしました。
▲まさにうなぎの寝床。奥に長く伸びる典型的な京町家の造り
手前にショップが並び、中庭を過ぎて、一番奥に工房があります。   
出迎えてくださったこの方が、京友禅の伝統工芸士である三代目の西村良雄さん。
広く京友禅を知ってもらいたい、心に残る体験をしてもらいたいと工房を立ち上げました。

「京町家を保存したいという思いもあったので、大正時代のこの建物を、古い部分を残しながら複合施設に改装しました。『繭』という名前には、伝統工芸に携わる方が集まる場所にという願いを込めています」
今では友禅染体験が特に人気で、修学旅行生から外国人観光客まで、さまざまな方が訪れています。

数枚の型紙を使い、丁寧に染める「摺込友禅」

今回は、1~1.5時間程度でできる「京友禅入門コース」を体験することに。
当日予約が可能で、料金もハンカチ(小)税込1,300円~という気軽さが魅力。

友禅には手描友禅と型友禅があり、ここでは、型友禅の中の型紙とハケを用いる技法「摺込(すりこみ)友禅」を使います。型紙があるので、絵心に自信がなくても大丈夫!
まずは、Tシャツやバッグ、扇子、風呂敷などのアイテムの中から染めるものをチョイス。
▲花鳥風月モチーフにぴったりな扇子。夏季の一番人気だそう(税込2,200円~)
▲普段使いしやすいバッグには和柄以外を合わせるのもGOOD(税込2,200円)
アイテムを選んだら、次は絵柄を選ぶのですが、これが至難の業。  
ずらっと並んだ型紙の数は、なんと何千種類にものぼり、これは迷います。選べる数に制限はないので組合せも自由。
▲京都らしい絵柄コーナーにて
単体で使う小さな型紙から、重ねて使う型紙までさまざま。  
そもそも友禅型は、一模様でも数枚から数十枚の型紙を必要とし、着物一枚分で百枚以上使うこともあるのだとか。気の遠くなるような、手作業なんですね。
例えば、この型紙は三枚が重なって松の葉模様が完成します。
せっかくなので、五枚セットの京都らしい型紙を使い、ぼかし手ぬぐい(税込1,900円)をキャンバスにして染めてみることにしました。
▲平安貴族の遊び、蹴鞠の型紙です

染料は少なく、ハケは真っ直ぐ立てて

まずは「1」の型紙から。底辺をしっかり合わせてピンを打ちます。
スタッフの方が、染料とハケの使い方を指南。
染料はハケにほんの少しだけ付け、かすれるくらいまで余分な染料を紙に落としてから布にオン。ハケを立てて、小さい円を描くようにくるくると動かします。
最初は緊張しましたが、慣れてきたらついつい調子に乗ってハケを大胆に動かしてしまいます。丁寧に、まっすぐ立てて、小さく動かすのがコツ。精神統一して、挑むべしです。
▲これくらい薄くてもちょうど良いと、やっているうちにわかってきました
色は見本通りでなくてOKなので、好きな色を選び、2色でグラデーションを作ったり、ぼかしを入れたりと自由に遊べます。
完成~!
だんだん絵になっていくのが嬉しくて、塗り絵感覚で楽しめました。ハケを動かすことに集中して、いつのまにか無言になっていたほど。

出来上がったら、仕立てが必要なもの(扇子/がま口)を除いてすぐに持って帰れます。自宅で当て布をしてアイロンをかければOKです。

小さな型紙を組み合わせてオリジナルに

筆者の体験の撮影後、同行していたカメラマンが黙々と制作し始め、出来上がったのがこちらのトートバッグ。かわいくて実用的です。
▲片面は、空でガイコツが踊っているようなイメージ
▲もう一方は京都タワー。絵だけではなく文字を入れるのもOK
使ったのはこちらの型紙。
若いスタッフが考案したポップな絵柄がたくさん揃っているので、好きなものを組み合せて自分だけの小物を作ってみるのもいいですね。

工房で作られた雑貨もcheck!

▲メイドイン京都の手づくり雑貨が所せましと並び、買い物だけでも訪れたくなる
工房に隣接したショップには、職人が手作業で仕上げた雑貨がずらり。 友禅をモダンにアレンジした小物は、お土産にもぴったり。
▲ブラック×シルバーorゴールドの動物モチーフは人気の商品。風船ポーチ(写真左/税込2,916円)、がま口(写真右/税込1,620円)
▲デザイナーとコラボしたシリーズ「PACHI」のコインケース(写真上・中/税込1,728円)と、昔ながらの模様をアレンジした縁起物がま口(写真下/税込1,404円)。捺染(なっせん)という技法を用い、一つひとつ職人が手づくり
はんなりにもポップにも楽しめる京友禅の世界、京都旅の文化体験のひとつとしてぜひ楽しんでみてください。
気に入ったら、3~5時間かけてタペストリーやのれんを制作する「京友禅本格コース」にステップアップすることもできますよ。
宮本貴美

宮本貴美

京都在住のフリーディレクター/ライター。旅にまつわる取材、執筆、編集をおこなう。 最近はスポーツトラベルに注目中。

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