湘南で海の神秘を楽しむ!「新江ノ島水族館」エデュテイメント体感レポート

2016.12.25 更新

江の島・相模湾・富士山を望む絶好のロケーションに位置する「新江ノ島水族館」は、「えのすい」の呼び名で親しまれています。定番のショーや季節ごとに企画されるイベントは、地の利を最大限に活用し、本格的でスゴイ!と聞き、早速行ってきました!

▲目の前の湘南の浜辺では人々がサーフィンや遊泳を楽しみ、夏には海の家が建ち並びます
神奈川県藤沢市にある「新江ノ島水族館」は、湘南の風景を臨む水族館。「えのすい」の呼び名で親しまれています。鎌倉や江の島の観光や海のレジャーと組みあわせて楽しめるのも魅力の一つ。午前中に水族館を見て回り、一度外に出て昼間は江の島付近を散策しても再び入場することが可能です。

2004年のリニューアルオープンからファンが多いという噂のイルカショー「ドルフェリア」が、午前中は比較的空いていると聞き、開館早々に訪れました。
▲小田急電鉄江ノ島線・片瀬江ノ島駅から徒歩約5分。あっという間に到着

いざ「えのすい」入館!見どころ満載な「相模湾ゾーン」へ

日本屈指の年間来館者を誇る「えのすい」は、相模湾の環境を中心に様々な生き物について学術的な情報を提供するという側面(エデュケーション)にとどまらず、楽しみながらいつの間にか来館者が学んでいる、そんなエンターテイメントを融合させた企画に定評があります。
▲入口では、江の島の南の岩場と浅瀬を再現。水しぶきや渦巻きもみられます

入館エントランスから階段をのぼり、ブリッジを通りぬけると、最初に誰もが通過する建物、大水槽のある「相模湾ゾーン」に突入です。

浅瀬から深海まで変化に富む複雑な地形をもち、暖流と寒流が交差する地点でもある相模湾は、1,500種類以上の多様な生物が生息する日本でも有数の魚の宝庫となっています。貝塚の発見で有名な動物学者モースも、この地に国内初の臨海実験所を設置したというほど。そのスゴさが伺えます。
▲意外に色とりどりの魚たちが多くて驚きます

通路は、ゆるやかなスロープになっており、ぐるりと相模湾の展示を見ながら、階下の大水槽にむかってゆきます。なんだか浅瀬からゆっくり深い海中に潜っていくような感覚に襲われます。スロープ沿いの岩場にはエイやサメが間近に大きく見えるポイントもあります。
▲岩礁の潮の動きをリアルに再現しているため、通常の展示とは違う実際の海中の様子がわかります。色とりどりの海藻がゆらぎ、海のリズムが感じられます

サンゴは植物ではなくて動物です。南の地域に生息するサンゴには、体内に共生藻という植物を宿す種類が多いのだそうです。共生藻から栄養源をもらっているサンゴの体は、共生藻が光合成しやすいように半透明で、共生藻がいなくなるとエネルギーが得られず白化します。これが一般にイメージされる白いサンゴです。

一方、共生藻を体内に持たず、ほぼ100%捕食によってエネルギーを得ている逗子沖のサンゴは光合成をする必要がないため半透明でなく色とりどりなのだそうです。
▲身近な逗子沖で、こんなにカラフルなサンゴがみられるとは驚き!
▲凹んでいる丸枠の窓は腰かけて撮影することもできる記念写真のポイントの一つ
▲窓から水槽をのぞくと、海底から眺めているようなアングルになります。マイワシの大群が撮れました
▲オーバーハングの水槽は上部から自然光がはいり、まさに海中を歩いている感覚

さあ、「相模湾大水槽」の前までもう少しです。

「相模湾大水槽」に到着!総勢約2万匹が泳ぐ大スペクタクル

高さ9m幅12mの「相模湾大水槽」前にやってきました!この水槽の最大の見どころは、なんといっても銀色に輝きながら力強くうねり泳ぐ相模湾のマイワシの大群です。その数、約8,000匹。変化自在に群れの形を変え泳ぐ様子を眺めていると時がたつのも忘れてしまいそうです。
 
「相模湾大水槽」では毎日2つのパフォーマンスを開催。そのうちの一つ、ダイビングショー「フィンズ」をみることができました。ショーの時間帯は、水槽の前のじゅうたんのスペースに前三列までは車座になって鑑賞することが可能です。
▲座ると海底から海面を見上げるようで時を忘れ没頭してしまいます

「えのすい」では、なんと飼育スタッフがショーのパフォーマンスを担当し解説をしてくれます!「えのすいトリーター」と呼ばれ親しまれている海洋生物のプロ、飼育スタッフがどんな疑問にも、詳しく、わかりやすく、楽しく答えてくれるので海の生き物たちがぐっと身近に感じられます。

ダイビングスーツを着てライブカメラを持ったトリーターさんが潜水し、ショーが始まりました。トリーターさんの視点が水槽周辺のモニターに映し出されます。
▲岩の向こうからトリーターさんが私たちにむかって泳いできます

水槽前と水槽内の二人のトリーターさんはマイクが繋がっており、潜水しているトリーターさんへリクエストができます。魚たちの素顔に水中カメラで接近することができるこのショーのテーマは「あなただけの”ただ1匹”との出会い」です。大水槽には大小あわせて90種類約2万匹の生物が生息しています。
▲「ウツボの顔のアップが見たい」というリクエストに応えカメラが近づきます
▲なかなか見られないウツボの顔のアップ

臆病なウツボは通常かくれてしまうのですが、トリーターさんは飼育のプロで魚たちと仲が良いからこそ大接近が可能です。意外に大人からのリクエストも多く、双方向参加型のショーを幅広い年代の方が楽しんでいるようでした。

イルカショースタジアム必見の「ドルフェリア」へ!

イルカやアシカたちのパフォーマンスが披露される「イルカショースタジアム」の建物に移動してきました。会場は、江の島や富士山、湘南の海がいっぺんに楽しめる絶景のロケーション。

「イルカショースタジアム」では、毎日開催されているイルカショーと土日祝日に上演される「ドルフェリア」があり、趣向の異なる2種類のショーを楽しむことができます。ショーの時間は時期により変わるので事前のチェックをおススメします。
▲イルカたちとアクアンの共演。オキゴンドウのセーラー(全長4.7m)も大迫力のジャンプ

正直こんなショーは見たことがありません!
登場する「アクアン」は歌うこと踊ることが大好き。イルカと交信する力をもつ「アクアン」とイルカたちが織り成す舞台にすっかり魅了されてしまう「ドルフェリア」。

歌声(生です!)・ダンス・イルカたちの迫力のパフォーマンス、そしてそれだけでは終わらない驚きの展開も!ネタバレになってしまいますので、多くは語れないのが残念…。

一般的なショーでみられる、ヒトとイルカたちをつなぐ魚(エサ)が与えられることもありませんので、改めて感心します。最後は小さな手(胸ビレ)を振ってバイバイをしてくれます。感動の20分間でした。

この後に行われるイルカ・アシカショー「きずな/kizuna」も見比べたくなり、ほかの展示をまわった後、再び「イルカショースタジアム」へ。ショーまでの待ち時間には会場近くの「スタジアムカフェ」やテラス近くの「オーシャンカフェ」でドリンクやスイーツを購入して、海を眺めながら過ごすのもおすすめですよ。
▲「ドルフェリア」にちなんだアクアンドリンク(400円・税込)。カルピスのような甘酸っぱい味にカラフルでプチプチした甘いゼリー入り

イルカショー「きずな/kizuna」では、イルカやアシカの普段のトレーニングの様子が垣間見ることができたり、クスリと笑えるようなシーンがあったり、トリーターさんとアシカやイルカとの強い絆を感じることができました。
▲トリーターさんとアシカやイルカたちの息がぴったり
かわいいイルカと握手して写真撮影ができる「イルカと握手」という有料プログラム(要チケット購入)もあり人気です。

「イルカショースタジアム」に隣接する「ウミガメの浜辺」でも、ウミガメと触れ合える「ウミガメにタッチ」という有料プログラムがあります。アオウミガメに野菜をあげたり、撮影をすることもできます。
▲チンゲンサイを食べるアオウミガメ

海藻などを主食とするアオウミガメは仲間たちと穏やかにゆったり泳いでいます。「えのすい」生まれの小さなアオウミガメもいます。一方、イカやエビを食べるアカウミガメは気性が荒いため、落ち着けるようにプール内それぞれの間にしきりがあります。
▲日差しが暖かく開放的で風が心地よいウミガメのデッキ。スロープは浜辺の景色がよくみえる人気スペース
▲晴れると美しい富士の姿に出会えます

癒し空間「クラゲファンタジーホール」

「えのすい」のもう一つの見どころ、「クラゲファンタジーホール」にやってきました。世界でもクラゲ展示のさきがけで、その展示種類は国内有数を誇ります。
▲「クラゲファンタジーホール」の中心には、クラゲと同じ丸みを帯びた球体の水槽

球体の水槽には色とりどりのクラゲが踊るように浮かびます。ホール内にはベンチもあり、座って複数の水槽を眺められる癒しの空間です。
▲ふわふわと泳いでいるようにみえるクラゲ

実はクラゲには脳や心臓がありません。クラゲは海中の流れに身をまかせて漂うプランクトンですので、流れがなければ浮かぶことがでません。
▲「パシフイックシーネットル」世界最大級のクラゲ。水槽内では成長に限りがありますが、自然界では傘径約80cm全長約4mになるといわれています
▲「アカクラゲ」傘からのびる長い触手がリボンのよう
▲四葉のクローバーを思わせる模様の「ミズクラゲ」

「クラゲファンタジーホール」ではプロジェクションマッピングを使った映像『海月の宇宙(そら)』を上映しており、「えのすい」の目玉のショーとなっています。

上映が開始されると、美しく浮遊するクラゲに光と音の演出が加わり「クラゲファンタジーホール」一帯が360度、壁面から天井まで、アートとファンタジーの空間に様変わりします。ここが水族館であることを一瞬忘れてしまいそうでした。
▲ホール全体がクラゲのすむ海の世界へと変化
▲クラゲの生態がわかるストーリー
▲太古から現代まで無駄のない形で生き続けたクラゲに宇宙や生命の神秘を感じます

まだまだ見逃せないゾーンがいっぱい!また訪れたい新江ノ島水族館!

ご紹介しきれない見どころがいくつもありますが、さらに絞ってこれだけは!という貴重な展示をご案内します。

湘南名物でもある「シラス」が展示されているコーナー。シラスはカタクチイワシやマイワシの稚魚だそうです。稚魚から成長過程をおった展示はかなり難しく世界初なのだそうです。
▲世界初の「シラス」の展示に成功

謎のベールに包まれた未知の領域、深海の世界を体験できる展示のコーナーもあります。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と共同研究されている深海生物の長期飼育方法などについて、館内「深海I」「深海II」で公開しています。資料的価値の高いものが展示されており、マニアや関係者も訪れるとのこと。

日本の深海研究の発展に貢献した潜水調査船「しんかい2000」も展示されており、こちらは3人乗りだそうです。まるで地底に向かって飛び立つ海のロケットのよう。
▲日本初の本格的な有人潜水調査船「しんかい2000」の実機

いつでも、いつまでも!多様な生物と共存する環境が未来へ繋がる「えのすいeco」活動

▲毎月第3日曜日に開催されているビーチクリーンの模様。誰でも参加OK

「えのすい」では、エコロジー(生態学)とエコアクション(環境を考える活動)にも取り組んでいます。裸足で歩ける海岸を目指すビーチクリーンは、「えのすいeco」活動のひとつ。浜辺などに打ち上げられた流木やヒトデを回収し、これらの自然物を使った工作などのワークショップも行われています(「なぎさの体験学習館」で開催)。
ほぼ毎日体験学習が何らかの形で開催されていますので、来館前にホームページで開催時間のチェックをおススメします。

相模湾の自然や海の生き物と過ごす時間で、すっかり鋭気が養われました。
毎月こだわりのイベントが開催されており、季節をおって何度も行きたくなった方には、かなりお得な年間パスポートもあります。なお、年中無休なので元日から行けますよ!是非体感していただきたい水族館です。
石橋 麻衣子

石橋 麻衣子

東京在住。広告・情報誌制作会社などを経てフリーに。教育・園芸・グルメ・旅・ハワイの文化・ライフスタイルなどをテーマに記事をてがけています。心躍るものや美しい言葉を通じて、人のつながりと行動の輪が広がることを目指します。(制作会社CLINK:クリンク)

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