京都「CURRY & BAR 240(ニコヨン)」4種のあいがけスパイスカレーが旨すぎ!
京都にクレイジーでファンキーなカレー屋がある。店主は、カレー店での修行経験がないバンドマンだ。一見お遊びのように見えるが、大阪で独自の進化を遂げた「スパイスカレー」と、さまざまなカレーの要素が融合していて、カレーツウが食べれば、数百店以上を食べ歩いて完成させたことがわかる本格的な一皿だ(by カレー調査隊隊長・井上岳久)

カレーの第一人者である井上岳久先生と、一番弟子りかです。私たち2人は「カレー調査隊」として、ぐるたび編集部に届いた耳寄りカレー情報をもとに全国津々浦々を旅しています。
今回は、京都府にある、スパイシーな4種のあいがけカレーのうわさを調査してきました。
スパイスを駆使した4種のあいがけカレー「CURRY & BAR 240」

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京都の二条城近くに、バンドマンが店長を務めるカレー店「CURRY & BAR 240(ニコヨン)」があります。カレー店での修行経験はないそうですが、カレーソースが4種のあいがけになっていて、スパイスが効いていておいしいと、インターネットを中心に話題になっています。本当においしいのかどうか、ぜひ訪問して評価をお願いします
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井上先生「この店は、2015年6月の開店から瞬く間に人気になり、カレーツウの間でも話題になっていたんだ。だけど、時間がとれなくてなかなか行けなかったよ。この機会に、調査しに行ってみようか!」
りか「やった~!実は私、カレーと同じくらいバンドマンが大好きなんです!最高の組み合わせですね!」
井上先生「ったく、やれやれ…」

井上先生「お!いかにも、バンドマンがやっていそうな外観だね」
りか「ですね~!オシャレなレコード屋さんと間違えてしまいそうです。さっそく中に入ってみましょう(バンドマン♪バンドマン♪)」


奥から出てきたのは、噂のバンドマンである店長の徳増良介(とくますりょうすけ)さん。ロックバンド「LABRET(ラブレット)」でギターを担当しているといいます。

徳増さん「以前は、バンドをやりながらバーテンダーをやっていたのですが、深夜の仕事ではなく昼間の仕事をしようと思って。そのときカレー作りにハマっていたので、カレー屋やろか~という感じですね」
井上先生「カレーはどこで覚えたんですか?」
徳増さん「店を開く1年前に、輸入雑貨店でスパイスカレーキットが売っていたので、試しに買ったんですよ。中に小分けになったスパイスが入っていて、最初は付属の説明書見ながら作りましたけど、レシピ本もなかったので、感覚ですかね」

徳増さん「最初は1種類だけでしたが、そうすると提供するカレーの減りがめっちゃ早いので、“あいがけにしたらいいんちゃう?”と思いついて。2種類かけてみたら、まだ皿のスペースに余裕があるなってことで、最終的に4種類になっただけですよ。なので、スリランカカレーは関係ないですね」

ちなみに店名の「240(ニコヨン)」とは、戦後の日本で、日給240円で働く非正規雇用の労働者を指した俗語。ご自身も10代の頃に非正規雇用の労働をやっていたことに由来するそうです。そこから這い上がっていくという意志も込めているのでしょうか!
カレーツウの舌は騙せない!辛さと香りが引き立つ「ニコヨンスペシャル」

井上先生「見た目は、いま大阪で流行りのスパイスカレーだね」
りか「そうですね。スパイスがたくさん振りかけてあって、香辛料のツンっとしたいい香りがします」


りか「わかりました。では、お先にいただきます!」

りか「う~~~っん♪」


井上先生「あ、そう?じゃあ、どれどれ…」

りか「先生、お味はどうですか?」
井上先生「結構、辛いな!カレーも熱々だから、香りが立っていて、スパイスの辛さが引き立っているよ。名付けるなら、THEやんちゃカレーかな。アチャールもうまいね」
りか「アチャールって、付け合わせのことですか?」
井上先生「一番弟子なのに、そんなことも知らないの?アチャー。ってね(笑)」

カレーの作り方で分かる、ただものではない感!
でも、最初の不安がなんだったのかと思うくらい、スパイスを駆使したカレーにくぎ付けになってしまいました。「ニコヨンスペシャル」の4種類のカレーは、一体どうやって作っているのでしょうか?徳増さんに聞いてみました!

※テンパリング…油で熱することで、ホールスパイスや野菜の香りを引き出す作業のこと
りか「スパイスは、投入する前に焙煎するんですね?」
徳増さん「焙煎したスパイスとしていないスパイスでは、香りが全然違うので」
井上先生「(彼は、スリランカのスパイステクニックについても知っているようだな)」
りか「最後に、ししとうとクミンシードをテンパリングするワケは?」
徳増さん「これも、テンパリングするとしないでは香りが違うので」
井上先生「(お、それは大阪で話題になっているカレー店の新しいテクニックじゃないか!)」

徳増さん「牛スジカレーの場合は、牛スジを下ゆですると臭うんですよ。だから、臭い消しのために日本酒を入れたり、あと隠し味に醤油も入れたりしています。ごぼうのスパイスキーマは、ミンチした国産の鶏むね肉と、ミキサーで作ったごぼうのペーストを混ぜて作ります。ごぼうを入れた理由は、僕がごぼう好きだからですね」
井上先生「(スパイスだけじゃなく、日本酒や醤油も駆使しているとは!)」

徳増さん「パキスタンカレーは、鶏肉と玉ねぎ、トマトを、コリアンダー、クミンシード、シナモン、フェンネル、スターアニスなど20種類ほどのスパイスで5時間煮込みます。ライブで北海道に行ったとき、たまたま入った『カラバトカリー(※)』という店のパキスタンカレーがおいしかったので、レシピはわからないんですが再現してみました」
※札幌にあるパキスタンカレーが有名なカレー店。独特なスパイステクニックで人気の横浜『サリサリカリー』の系列店でもある
井上先生「(フェンネルやスターアニスなどのスパイスも使い、しかも北海道にある他店のメニューまで研究しているじゃないか!)」


井上先生「なるほど。ちなみにカスリメティはどこからきたのでしょうか?」
徳増さん「いろんなカレー屋さんがのせていたので。“この葉っぱなんやろ?”と調べたら、カスリメティの香りがするなって。じゃあ、うちものせようって感じです」
井上先生「かなり、研究していますね」

では井上先生、カレーの評価をお願いします。


りか「そ、そんな~!」

京都でスパイスカレーを食べるなら、「CURRY & BAR 240」へ。
ご協力ありがとうございました!
CURRY & BAR 240
京都府京都市上京区竹屋町下る聚楽町863-25 朝田ビル1F
[営業時間] 11:00~15:30(L.O.15:00)、18:00~23:00(L.O. 22:00)
[定休日]不定休
075-821-8240

井上岳久(カレー大學学長/株式会社カレー総合研究所代表)
カレー業界を牽引する、業界の第一人者。横濱カレーミュージアム責任者を経て現職に至る。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなど、カレー全般に精通。レトルトカレーは全国から2,000種類を収集し試食している。著書に『一億人の大好物 カレーの作り方』『国民食カレーに学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』など多数。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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