「サンライズ出雲」は女子にぴったり!個室で楽しむ寝台列車の旅/古谷あつみの鉄道旅 番外編Vol.1
皆さま、こんにちは!古谷あつみです。今回は古谷あつみの鉄道旅の「番外編」ということで、女子旅の要素をたっぷりと詰め込んだ、寝台特急「サンライズ出雲」の旅をご紹介したいと思います。撮影担当のカメラマンは、久保田敦さんです。(※最新情報は施設に直接お問い合わせください)

今回の見どころはここ!
2.憧れの寝台列車の車内をお見せします!
3.出雲市に向けて出発!「サンライズ出雲」の旅
4.岡山駅でのお楽しみ、旅情あふれる朝食をゲット!

1.仕事帰りでも出発OK!東京駅からはじまる旅
けれど、夢のような体験ができる列車が走っている一方で、もっと気軽に利用できる寝台列車もまだあります!
その寝台列車は、ここ東京駅から出発する「サンライズ出雲」!
今や、毎日運転される最後の寝台特急です。

清潔で美しく、車内設備が整った「走るホテル」のような寝台列車なので、女性も安心して利用できます。
列車の中でひと晩をすごすという、寝台列車の旅を体験するにはピッタリの列車なんです。
今回の目的地は「出雲市駅」。 そう、女子らしく縁結びの旅をするため、出雲大社を目指すのです!
「サンライズ出雲」の東京駅発車時刻は22時ちょうど。 これなら、忙しい人も仕事帰りに東京駅に直行すれば間に合いますね!
実は、私もこの日は仕事でした。 仕事帰りのサラリーマンに囲まれながら、東京駅でちょっとした優越感を味わいました(笑)

「サンライズ出雲」は「サンライズ瀬戸」と東京~岡山間を併結して走ります。
そして、途中の岡山駅で2本の列車に切り離されます。 「サンライズ瀬戸」は香川県の高松行きなので、四国の旅にもぴったりです。
きっぷを買うのも、決して難しくありません。
乗車券と特急・寝台券は「みどりの窓口」で、新幹線などと同じように買えるのです。 人気の列車なので、週末や連休は満席になることも。 乗車日の1ヶ月前からの発売なので、早めにきっぷを購入しましょう。

「サンライズ出雲」には車内販売がなく、車内には自動販売機しかないので、東京駅で朝食や飲み物などを購入しておくのがオススメです。
私は、「あるもの」を注文してあるので、今回は朝食を買わず乗り込みます!

2.憧れの寝台列車の車内をお見せします!

さて、さっそく車内設備の紹介!と、いきたいところですが、「サンライズ出雲」に乗ったらまずはコレ!
3号車と10号車にある自動販売機で、シャワーカード(320円)を購入しておきます。シャワーカードは数量限定なので、早めに手に入れておきたいもの。女性はお風呂に入れないと辛いですものね。

シャワーカードを手に入れたら、早速自分の部屋に向かいます。個室がずらっと並ぶ廊下を歩くだけで、ワクワクしちゃいますね!
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」には、さまざまなタイプの部屋があります。車内は基本的に2階建てになっていて、1階、2階ともに大きく造られた窓が旅の気分を盛り上げます。
今回、私が選んだのは「シングル」と呼ばれる1人用個室の2階。
「シングル」は、もっとも部屋数が多く、値段も比較的リーズナブルなため、いわば「スタンダードなお部屋」といったところでしょうか。
なお、東京~出雲市間の利用だと、「シングル」の寝台料金7,560円に、乗車券11,990円、特急券3,240円(乗車券、特急券は他の個室寝台でも同額)を加え、お値段は22,790円になります。

部屋のなかは、コンパクトにまとめられています。身長171cmの私でもゆったりと眠れるベッドの脇には、オーディオのコントロールパネルやテーブルなどが備えられています。
浴衣やスリッパなども用意されているため、最小限の荷物だけ持って乗ってもOKです!
2階の部屋は天井にまでかかる広い窓が特徴。寝転びながら、またたく星を眺めることができます。
私はやっぱり2階派!

でも、アドバイザーの鉄道ライター・土屋武之さんは「頭上が広々としているから」1階派だそうです。自分好みの部屋を探すのも楽しいですね。

また、個室にはどの部屋にもコンセントが設置されています。
携帯電話の充電は欠かせませんし、鏡を見ながらヘアアイロンなども使えるので、女子には嬉しい設備ですね!

また、各部屋には暗証番号式でロックができる鍵が設置されているので安心です!
今夜は、ここが私の城です。さて、どんな旅が始まるのでしょう。
ここまで、個室の設備をざっと紹介しましたが、他も気になりますよね?

まずは、若者に人気の「ノビノビ座席」。個室ではないので寝台料金がかからず、乗車券+特急券だけで利用できます。
東京~出雲市間なら、乗車券11,990円+特急券3,760円で15,750円となります。
座席と言っても各席はフラットなカーペット敷きで、横になって休むことができます。上下2段式になっていて、頭にあたる部分には仕切りがあり、隣りの人も気になりません。
友達同士で、修学旅行のような気分を楽しむのもいいですね!

こちらは「ソロ」。「サンライズ瀬戸・出雲」のなかで、最もリーズナブルに楽しめる個室(寝台料金6,480円)です。
先ほど紹介したシングルと比べ、ややコンパクトにまとめられた個室になっています。カプセルのようでもあり、まるで宇宙旅行の気分?

天井の高いこちらの部屋は「シングルツイン」。
ベッドは上下2段式で、下段は折りたたむとソファになります。1人でも2人でも使用することが可能で、知らない人と相部屋になることはなく、カップルの旅などにおすすめです。
寝台料金は1人利用の場合は9,430円。2人で利用する場合は1室14,830円です。
他に、2人用個室としては「サンライズツイン」があります。ベッドが並行に2つ並んだ形の部屋で、1階部分にあり、寝台料金は1室15,120円になります。

さて、最後に紹介するのは、「サンライズ出雲」でもっともゆったりとした個室A寝台。その名も「シングルデラックス」です!
2階にあって、1人用の室内には広いベッドと洗面台やデスクが設置され、一晩だけ利用するにはもったいないぐらいの贅沢な造りになっています。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」それぞれに6室ずつしかなく、寝台料金は13,730円もしますが、大変人気がある部屋です。
実は、今回の取材では、この個室を取ろうとしたのですが、寝台券が手に入らなかったんですよ!
利用してみたい方は、くれぐれも早めにきっぷを購入してくださいね!いつかは私も乗ってみたいです。
3.出雲市駅に向けて出発!「サンライズ出雲」の旅

さて、いよいよ出雲市へ向けて出発!寝台列車の旅が始まります。
東京とはしばらくのあいだ、お別れです。
ゆっくりと出発した「サンライズ出雲」は、さまざまな通勤列車とすれ違います。
先ほどまでこの街で仕事をしていたのかと思うと、なんだか不思議な気分です。

流線型にながれる光を大きな窓から眺めてみると、これぞ寝台列車の旅!といった雰囲気。まだ明るい駅を通過していくたびに、ワクワクした気持ちが高まってゆきます。
ずっと眺めていられる景色です。

東京駅で購入したビールでひとり、乾杯です。優しい光に包まれながら飲むお酒は格別!車内の自動販売機にはソフトドリンクしかありませんので、東京駅で買い忘れないでくださいね!(笑)

3号車と10号車に設けられたミニラウンジで、仲間同士でお酒を飲むのもアリですね!ときには、他の乗客と話が弾み、旅の情報交換ができることもあります。寝台列車ならではの夜です。

東京駅を出た下り「サンライズ出雲」は切り離しがある岡山まで、横浜、熱海、沼津、富士、静岡、浜松、姫路に停車します。
寝台列車の夜の楽しみ方はそれぞれですが、今回は早起きをして「あるもの」を見るため、早めに眠ることにします。

購入したシャワーカードでは6分間、シャワーが使えます。
6分と聞くと短く感じますが、途中で止めることもできますし、寝台列車とは思えない水圧なので時間が余るほどです。もちろん、シャンプーやボディーソープも備え付けられています。
列車が出発してすぐは、シャワーが込み合います。深夜か翌朝、岡山を出てからの時間が空いていて利用しやすいですよ。観光に出かける前に汗を流しておきたいですもんね!
では。スッキリしたところで、おやすみなさい~!
4.岡山駅でのお楽しみ、旅情あふれる朝食をゲット!

翌朝、目覚ましが鳴ったのは5時。 みなさま、おはようございます!
私がこんなに早起きしたのは、朝陽が昇る瞬間を見たかったからです。
寝台列車の旅の大きな楽しみが、日の出!列車名だって「サンライズ」ですもんね。

季節によって違いますが、兵庫県の姫路を過ぎた頃には、窓の外がゆっくりと明るくなってきます。目を閉じた時は熱海を過ぎたあたりだったのに、もうこんなところまで来たなんて信じられません。
でも、「サンライズ出雲」の旅はここからが本番です!
まずはラウンジに移動して日の出の瞬間を拝みます。

ラウンジでは、美しい日の出と出合えました!
この瞬間を見ようと、多くの乗客がサロンカーに集まっていました。
車内から朝日を眺めていると、とっても清々しい気持ちになります。

岡山駅到着は6時27分。景色を眺めながら待ちます。
他のお客さんとも仲良くなり、楽しいひとときが流れます。
実は、岡山駅では「あるもの」を受け取るため、事前に電話をして予約していたのです。

岡山駅で受け取ったのは、この紙袋。そう、朝食の駅弁を予約していたのです。昨夜は夕食も食べずに列車に乗ったので、もうお腹はペコペコ。出雲市までの車窓と一緒に楽しみたいと思います!

岡山駅での楽しみといえば、もうひとつ。これまで一緒に走ってきた「サンライズ瀬戸」との切り離し作業を見ることが出来るのです。

切り離し作業を写真に収めようと、多くの乗客が集まっていました。
ここで、「サンライズ瀬戸」とはお別れ。それぞれの目的地へと別々に走り出します。

さて、朝食もゲットしたところで車内へ戻ります。お弁当はサロンカーでいただいてもよし、個室で楽しむのもよし!私は、車窓を独り占めしながら楽しみます。

私が受け取った駅弁は、「三好野本店」さんへあらかじめ電話をし、号車、希望するお弁当を伝えておいて、列車のドアの前まで届けていただいたもの。
「サンライズ瀬戸・出雲」が到着する時間には、ホームにあるキオスクも開店していますが、混雑するのでとっても嬉しいサービスですね。
今回、私が食べたのは「千屋牛と松茸のわっぱめし(1,480円)」。岡山県のブランド黒毛和牛である「千屋牛」のしぐれ煮と松茸や栗など、秋の山の幸が詰まった贅沢な品です。

一方、三好野本店さんの定番駅弁といえばこちら「後楽園のお弁当(1,130円)」。季節によって内容が変わるこちらの弁当は、岡山の味覚がたっぷり詰まっており、根強い人気があります。
写真は秋・冬バージョンのお弁当で、鰆の白醤油焼きや舞茸とさつま芋のかき揚げ、岡山県の豚肉を使った焼豚スライスなどが入っています。さらには、岡山名物の「祭ずし」も楽しめる豪華なお弁当です!
なお、「サンライズ瀬戸・出雲」への配達は、ほとんどすべての弁当で1個から可能です。出発の3日前まで、ファックス、電話、公式ホームページの問い合わせフォームで受け付けてもらえます。
受け渡しは事前に指定した号車の乗降ドア付近にて。配達料は無料ですが、事前に、お釣りがないよう弁当代金を用意しておきましょう。
三好野本店
岡山県岡山市北区駅元町1-1(JR岡山駅構内売店)
[営業時間]6:00~21:00(店舗により異なる)
[定休日]なし
[駅弁配達の受付]
0120-35-3355(8:00~18:00)
086-200-2010(FAX)

朝陽が降り注ぐ部屋のなかで、お弁当をいただきます。
列車は倉敷から伯備(はくび)線に入り、中国山地を横断。山あいを駆け抜ける車窓を眺めていると、山の幸が詰まった弁当が、よりいっそう美味しく感じます!

出雲市到着は9時58分なので、岡山からまだ3時間ほどかかります。それまで、ゆったり思い思いに過ごせばOK。
流れゆく伯備線の車窓を個室からゆっくり眺めながら、誰にも邪魔されずにくつろいでいると、とっても気分が良いです!

東京駅からの旅を思い返すと、今ここにいることが夢のよう。ひと晩眠ると、見知らぬ遠くまで運ばれる。それが、いつもの旅とまた違った、夜行列車の旅の楽しみです。

伯備線から山陰本線に入り「サンライズ出雲」の旅も終盤に差し掛かったころ、宍道湖の美しい風景が車窓いっぱいに広がります!
出雲市はもうすぐ!なんだか、とっても長い一夜でした。しかし、それも寝台列車の魅力。飛行機や新幹線の旅では決して味わうことのできないゆったりとした時間を楽しむことができました。

さぁ、出雲市に到着です。
列車から降りるのは名残惜しいですが、旅はまだまだ始まったばかり。今日一日、たっぷりと観光をする時間があるのです。

今まで、飛行機や新幹線で旅をしていたあなたも、寝台列車の旅をしてみたくなりましたか?観光でもビジネスでも、時間を有効に使うことができる「サンライズ出雲」で、ぜひ寝台列車デビューしてみましょう!
取材協力:西日本旅客鉄道(JR西日本)
※記事内の金額は取材当時のものとなりますので、変更している可能性があります。

土屋武之(鉄道ライター)
鉄道を専門分野として執筆活動を行っている、フリーランスのライター・ジャーナリスト。硬派の鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」メイン記事を毎号担当する一方で、幅広い知識に基づく、初心者向けのわかりやすい解説記事にも定評がある。
2004年12月29日に広島電鉄の広島港駅で、日本の私鉄のすべてに乗車するという「全線完乗」を達成。2011年8月9日にはJR北海道の富良野駅にてJRも完乗し、日本の全鉄道路線に乗車したという記録を持つ、「鉄道旅行」の第一人者でもある。
著書は「鉄道のしくみ・基礎篇/新技術篇」(ネコ・パブリッシング)、「鉄道の未来予想図」(実業之日本社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)、「鉄道員になるには」(ぺりかん社)など。

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)
小学生の頃、社会見学で近くにある車両基地へ行き、特急電車の運転台に上げてもらったことがきっかけで、根っからの鉄道好きとなる。 学校卒業後は新幹線の車内販売員、JR西日本の駅員として働く。その経験から、きっぷのルールや窓口業務には精通している。 現在はタレント活動のほか、鉄道関係の専門学校や公立高校で講師をしている。2015年には、「東洋経済オンライン」でライター・デビューし、鉄道旅行雑誌「旅と鉄道」等で執筆活動中。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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