着物で乗れるレトロバス!「ぐるっと松江レイクラインバス」の旅/古谷あつみの鉄道旅 番外編Vol.2

2017.02.15

みなさん、こんにちは!古谷あつみです。今回は鉄道旅番外編ということで、とっても便利な周遊バスの旅をご紹介します。私がオススメしたいのは、島根県松江市を走る「ぐるっと松江レイクラインバス」。撮影担当のカメラマンは久保田敦さんです!

今回の見どころはここ!

1.着物に着替えてレトロなバスに乗ろう!
2.バスの中でも縁結び?!ヒミツの縁結びシートで良縁祈願の旅
3.着物といえばやっぱりコレ!城下町をぶらり散歩
4.ご利益抜群!宍道湖(しんじこ)の良縁夕日

1.着物に着替えてレトロなバスに乗ろう!

周遊バスとは、観光地などで運行される定期観光バスと路線バスの二つの面を持ったバスのこと。観光地を結ぶルートを巡回しているので、気に入ったところで自由に乗り降りができるのです。近年では、全国各地の観光地で見かけるようになりました。

「ぐるっと松江レイクラインバス」はJR松江駅前を起点に、一方通行で松江市内を一周。宍道湖の嫁ヶ島夕日公園や島根県立美術館、松江城など、松江市内のさまざまな観光スポットに停留所があり、20分に1本の間隔で走っています。
乗り降りが自由にできる1日乗車券もバスの中で500円にて発売されており、大変お得に移動できるのです。
▲JRを除く出雲地方のバス、電車が乗り放題になる「縁結びパーフェクトチケット」

私たちが利用したのは、3,000円で松江市営バス、一畑電車、一畑バス、出雲空港・米子空港連絡バスなどが3日間乗り放題になる縁結びパーフェクトチケット!
出雲空港と松江駅の間の移動だけでも、往復2,000円以上かかるので、本当にお得なチケットです。

このチケットには、「ぐるっと松江レイクラインバス」の1日乗車券の引換券も付いていて、まさにパーフェクト!
なんだかとってもご利益がありそうなこのチケットを使って、どんな旅が始まるのでしょうか?
▲着物レンタルの店「堀川小町」

旅の始まりはここ。松江市の観光名所、小泉八雲記念館の前にある、着物レンタルのお店「堀川小町」から。
松江市内には、和服にピッタリな観光スポットが数多くあるので、ここで着替えて巡ろうという趣向です!

女性用の着物、袴のレンタル料金は1日4,320円。
リーズナブルに借りることができ、必要なものも全てそろっているので、手ぶらでもOKです。バッグやアクセサリー類も料金に含まれています。
▲「堀川小町」には、選択に迷うほどの着物が並ぶ!

用意された色とりどりの着物は、モダンなものから古典的な柄のものまであり、どれを借りるか迷ってしまうほど。帯もたくさんあり、着物との組み合わせを考えるだけでもワクワクしてしまいます!

悩みに悩んで選んだ着物は、このピンクに桜柄でした。
私は身長が171cmあるので、丈の合う着物があるのかな?と思いましたが、その心配はいりませんでした。最近では、外国人観光客にも人気があるそうです。
▲着付けもしてもらえるから安心

一日中着ることになるので、苦しくないよう気づかって着せてくださり、和服に慣れていない人でも安心です。
もちろん、着崩れないよう配慮してくださるのでバッチリ!着付けをしてもらっていると、いつもと違うこれからの旅への期待値が上がります。
▲着物姿でレトロバスを待つ

さて、着物で出発!小泉八雲記念館前バス停から「ぐるっと松江レイクラインバス」に乗り込みましょう。
▲このバスが松江の街を一周している

このレトロで可愛らしいバスに乗って、松江の街をぐるっと旅します。 レトロバスは何種類もあって、どのバスが来るかな?という楽しみもあるんです。

まずは須衛都久(すえつぐ)神社へ。縁結びパーフェクトチケットを握りしめ、良縁祈願の旅に出発です!

2.バスの中でも縁結び?!ヒミツの縁結びシートで良縁祈願の旅

▲車内もレトロ調。このタイプには、後部に展望スペースもある

バスのなかもレトロで可愛らしい雰囲気。和服との相性も抜群です。窓の外に流れる景色を眺めると、思わず笑顔になってしまいます。

そして、「ぐるっと松江レイクラインバス」のうち、1台だけに「縁結びシート」があるそうです。どのバスにあるかは、乗ってみてからのお楽しみ。
残念ながら、最初に乗ったバスには縁結びシートはありませんでした…運良く巡り合えることができるのでしょうか?
▲由緒ある須衛都久神社に参拝

景色を眺め、縁結びシートを探しているうちに、あっという間に須衛都久神社に到着です。
ここ須衛都久神社は良縁祈願や悪縁削除にご利益があるといわれます。ちょっとした穴場で、観光客の姿は見かけませんでした。地元の方から熱く信仰されているといった雰囲気で、ゆっくりと参拝ができます。
▲静かな神社だけど、良縁祈願の穴場だ

島根県庁や松江市役所にも近く交通量も多い道路沿いにありますが、静かで神秘的な空気が流れています。この神社は須衛都久社(すえつぐのやしろ)として、約1300年前に書かれた書物『出雲国風土記』にも記載されているんですよ!

ここで私がお願いするのは、やはり良縁!素敵なご縁に恵まれますように…
▲バスの座席に赤い袋が!?

須衛都久神社を出て、次の観光スポットへ向かうため、また「ぐるっと松江レイクラインバス」へ乗り込むと、なにげなく座った席に不思議な赤い袋が吊り下げられていました。
▲「お告げ書」が入っていた!

袋のなかには、「お告げ書」と書かれたカードが入っていました。
この座席が「縁結びシート」です!須衛都久神社の御利益か、巡り合うことが出来ました!

「お告げ書」は、おみくじのようになっています。私が引いた「お告げ書」には「縁はきっと結ばれる」とありました。なんだか、良縁が舞い込んできそうな気がしてきました。
▲運転士さんから、秘密のプレゼントをいただく

そして、この「お告げ書」をバスから降りる時に運転士さんに渡すと、プレゼントがもらえるのです。思わぬプレゼントに、テンションも一気に上がります。
なにが貰えるか、ご紹介したいところですが、秘密です(笑)
ぜひ「縁結びシート」を探してゲットしてくださいね!

3.着物といえばやっぱりコレ!城下町をぶらり散歩

▲松江城の内堀越しに塩見縄手の方を見る

さて、縁結びシートにも巡り合え、すっかり気分も盛り上がった私。
再びバスから松江の街並みを眺めつつ一周し、小泉八雲記念館前の一つ手前の塩見縄手停留所まで戻りました。
城下町を着物で散歩してみたかったのです。

武家屋敷の前に広がる通りが「塩見縄手」と呼ばれるところ。いかにも和服がふさわしい場所です!
▲堀尾吉晴が築いた松江城は、国宝にも指定

ここは松江の開祖と呼ばれる大名・堀尾吉晴が1607~1611(慶長12~16)年にかけて松江城を建てた際に作られた、城下町のメインストリート。
城がある亀田山と北側の赤山の中間にあった宇賀山を堀削して、内堀とそれに並行する道路や侍屋敷を造成してできたといいます。
▲塩見縄手バス停付近を走る「ぐるっと松江レイクラインバス」

縄手とは、縄のように一筋に伸びた道路のこと。
この通りにある武家屋敷に一時住んでいた塩見小兵衛が、のちに異例の栄進をしたため、それをたたえてこの通りを塩見縄手とよぶようになったと伝えられています。

この塩見縄手地区は1973(昭和48)年に松江市伝統美観保存地区に指定され、さらに1987(昭和62)年には「日本の道100選」にも選ばれました。
▲松江城へと通じる橋から遊覧船を眺める

松江城の周りを流れる堀川には遊覧船が運航されていて、松江城や塩見縄手を一望でき、四季折々の花など、自然豊かな松江の街を楽しむことが出来ます。
ゆらゆらと堀川を流れる遊覧船を眺めているだけでも、城下町らしい街の雰囲気が楽しめます。
▲武家屋敷を模した和風の外観で建てられた「松江歴史館」

続いて向かったのは、「松江歴史館」。 松江城や城下町の仕組み、移り変わり、そして現在の町に隠された秘密について、展示はもちろん映像、模型などで紹介されています。
松江の歴史についてもしっかり学ぶことができますが、今回のお目当ては「松江の和菓子とお茶」です。
▲松江に来たら、ぜひ抹茶と和菓子を味わいたい

松江歴史館内の「喫茶きはる」で、松江の和菓子を気軽に味わうことができるのです!
松江の和菓子文化は、松江藩第7代の藩主、松平治郷(不昧公)が茶の湯文化を領内に広めたことから始まりました。今では、京都や金沢と並ぶ和菓子どころとしても有名です。

「喫茶きはる」の店内では、創作和菓子の実演も見学することができます。
現代の名工、伊丹二夫(いたみつぎお)さんの手で丁寧に造られる上生菓子には、四季の風物をモチーフにしたものをはじめさまざまな種類があり、そのどれもがお菓子と思えないほどの繊細さ!

私が選んだ上生菓子は、「縁結び」という名前がついたこちらでした。
▲創作和菓子「縁結び」(上生菓子と抹茶のセットで800円)

運命の赤い糸が結ばれた形を連想をさせるお菓子に、ハート型の花びらがあしらわれた練り切りです。
優しいピンク色の「縁結び」は、目で見ても楽しめますが、なんといっても…ご利益がありそう!縁起の良い上生菓子で、恋愛運アップも間違いなしです!
▲松江歴史館の畳敷きの広間で、庭園を眺めながら一服

大きな窓からは、庭と国宝の松江城を眺めることができ、雰囲気も抜群。庭を散歩するカップルを眺めながら、ご利益に期待!デートにもピッタリなスポットです。
▲「カラコロ工房」へも、ぐるっと松江レイクラインバスで行ける

松江ぶらり散歩の最後に向かったのは、「カラコロ工房」です。
ここは旧日本銀行松江支店の建物を工芸館へリニューアルした施設。地下大金庫が当時のまま残されているなど、見学するだけでも面白いです。ショップや、レストラン、喫茶店などが入っていて、工芸品の製作体験などもできます。
▲元銀行の建物らしく重厚な外観

「カラコロ工房」という名前は、松江に在住していた小説家・小泉八雲が1890(明治23)年当時、木でできていた松江大橋を、人々が下駄を履いて渡る際に響く「カラコロ」という音に深く心ひかれたと語ったことから名付けられたそう。由来の通り、和服が似合うレトロな建物です。

今回の旅のご利益で、すてきな彼ができたら、旅の記念に工芸品の製作体験もしてみたいです!

4.ご利益抜群!宍道湖の良縁夕日

さて、「ぐるっと松江レイクラインバス」で松江を存分に楽しんだあと、最後は宍道湖の夕日スポットへ向かいました。

このバスには、夕日鑑賞コースというバスが設定されています。季節ごとの日没時刻に合わせ、宍道湖畔の夕日スポットにも立ち寄るというものです。
▲夕日スポットへ向かうバスは、満員御礼!

「宍道湖夕日スポット」へは、夕日公園前または嫁ヶ島夕日公園停留所で下車。宍道湖に沈む夕日が嫁ヶ島の向こう側に見える絶景ポイントで、湖沿いを歩ける歩道や、腰掛けて夕日を鑑賞できる「スポットテラス」が整備されています。
ここから、ゆっくり夕日を眺めます。
▲ぐるっと松江レイクラインバスの夕日観賞コースは、日没の時間にぴったり

夕日鑑賞コースのバスで、夕日スポットに到着したのは、ちょうど宍道湖に夕日が沈む直前!本当にちょうどいいタイミングでした。

「水の都・松江」の象徴ともいえる、宍道湖の夕日は、「日本の夕陽百選」にも選定されています。
さらに、夕日の沈む方角はなんと!出雲大社の方角なのです。縁結びで有名な出雲大社の方角に沈む夕日だなんて、ご利益がありそうです!
▲嫁ヶ島の向こう側に夕日が沈んでゆきます

刻一刻と表情を変える夕景は宍道湖の水面を染め、美しさは日本一と言われています。
「古谷あつみの鉄道旅」で数々の夕日を眺めてきた私ですが、その中でも特に印象に残る美しさでした。沈む夕日に向かって、良縁祈願です。
さまざまな縁結びスポットを巡った今回の旅。
このすべてを「ぐるっと松江レイクラインバス」で楽しむことができます。

一日かけて巡った、良縁祈願の旅のご利益は果たしてどうなるのか?!素敵なご縁と巡り合えますように…。

みなさんも、レトロな「ぐるっと松江レイクラインバス」で縁結びの旅へ出かけてみませんか?
※記事内の価格表記は全て税込です。

土屋武之(鉄道ライター)

鉄道を専門分野として執筆活動を行っている、フリーランスのライター・ジャーナリスト。硬派の鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」メイン記事を毎号担当する一方で、幅広い知識に基づく、初心者向けのわかりやすい解説記事にも定評がある。

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

小学生の頃、社会見学で近くにある車両基地へ行き、特急電車の運転台に上げてもらったことがきっかけで、根っからの鉄道好きとなる。 学校卒業後は新幹線の車内販売員、JR西日本の駅員として働く。その経験から、きっぷのルールや窓口業務には精通している。 現在はタレント活動のほか、鉄道関係の専門学校や公立高校で講師をしている。2015年には、「東洋経済オンライン」でライター・デビューし、鉄道旅行雑誌「旅と鉄道」等で執筆活動中。

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