旬の野菜とハーブを収穫&クッキング体験!なべくら高原・森の家

2015.08.21 更新

長野県飯山市のなべくら高原にある「森の家」では、豊かな自然の中で、食・人・文化を体験できるイベントを数多く開催しています。森の中でのんびり過ごしたいという人におすすめの注目のスポットです。今回は、自ら野菜を収穫し、調理ができるイベント「採れたて野菜でダッチオーブン! 夏野菜のPIZZA&信州みゆきポークのハーブグリル」に参加。さらに、森林ヨガのレッスンも体験。こころもからだも、ほっとゆるめて、森時間を満喫してきました。

忙しい日常から、“森時間”へショートトリップ!

▲飯山駅構内。建築に使用された県内産の木の香りが漂う
「森の家」に行くには、2014年に開通した北陸新幹線・飯山駅を経由します。飯山駅の1階には観光案内所、そば屋があり、開放感いっぱいの中2階にはカフェ「パノラマテラス」があります。最寄り駅は、ここから飯山線に乗って3駅目の戸狩野沢温泉駅。駅からは「森の家」のスタッフが送迎してくれます(宿泊者限定要予約・無料)。

送迎車に乗って、なべくら高原のシンボルである鍋倉大橋を渡ります。温井(ぬくい)集落などいくつかの集落を越えると、木々と空だけが広がる環境の中に、「森の家」があります。
▲鍋倉大橋からの景色。鍋倉山も見渡せる
なべくら高原は日本有数の豪雪地帯であり、ブナの森が広がる場所です。新潟県に接する里山で、標高1,000m程の稜線からは日本海が見えるそうです。
▲「森の家」近くに広がるブナの森
▲「森の家」にはコテージが10棟ある。どんぐりの帽子のような屋根がかわいい
▲森の家のスタッフのみなさん。イベントに合わせて、市民インストラクターもイベントをサポートしている。現在市民インストラクターは80名おり、長野市や山向こうの新潟県上越市からも来ている

なべくら高原の絶景のもと、収穫体験スタート!

コテージに荷物を置いたら、本日の料理に使用する野菜とハーブを収穫するため、さっそく畑へ向かいます。森の家から車で3分ほどの場所にある農家・木内順一さん、娘のマミさんの畑「ひぐらし農場」におじゃましました。
▲木内順一さんは農業を営んで40年。マミさんは、ハーブを育てて3年目
▲美しい山々に囲まれた畑。現在は、トウモロコシ、キャベツ、レタス、アスパラ、野沢菜、ニンジンなど10種類以上の野菜を育てている
▲ハーブ園ではペパーミント、アップルミント、レモンバーム、ラベンダー、スペアミント、ローズマリーなど20種類以上のハーブを育てている

フレッシュな香りに癒されながらハーブ摘み!

まずは、今日の料理とハーブティーに使うハーブを摘みます。
「摘んでいただいたハーブにそのままお湯を注いで、ぜひフレッシュハーブティーで味わってほしいですね。リラックス効果はもちろん、胃痛、頭痛の緩和などハーブによって期待できる効能はさまざまです。そして何より、自分で選んで摘んだオリジナルのハーブティーは格段に美味しいですよ」(マミさん)
▲摘みたてのハーブは香りも強い
▲りんごのようにフルーティーな香りのアップルミントは興奮を鎮めてリラックスさせる効果や安眠効果、頭痛や胃痛を改善したり、消化促進に優れているといわれている
▲呼吸器の健康や体内の粘膜を強化してくれるといわれるヒソップ。気管支炎やぜんそく、風邪などの感染症に有効で、のどの痛みや鼻づまり、せきなどの諸症状を緩和してくれるといわれている
▲野菜を収穫しながら、なべくら高原の魅力を教えてもらえるのも楽しい
▲パセリもハーブの一種だ。天然の抗ヒスタミン剤として有効で、ぜんそくや花粉症などのアレルギーに効果があるといわれている
▲色鮮やかなハーブを収穫。どんな味がするのか楽しみ

まさにパワーフード!畑だからこそ出合える野菜たち

つづいては夏野菜の収穫。高原で育った野菜は虫にとってもごちそうです。中でもキャベツは虫達の大好物。スーパーマーケットなどでは見ないような、穴だらけの野菜の葉にちょっと驚きました。キュウリやトマトのかたちも様々です。

でも、自然の力でぐんぐん育った野菜は、本当にみずみずしく、力強い!
畑にいるだけで、なんだかパワーをもらっている気持ちになります。
▲レタスはちょうどこの日が収穫予定日だったそう。葉肉が厚くて弾力のあるものがおいしいそうだ
▲トマトはまだ青いものも多かった。気温や天気によって成長具合いも変わる。目には見えない環境の変化を野菜が教えてくれる

アスパラって、こうやって生えているんだ!

畑を歩いているとふわふわした植物を発見(写真下)。順一さんに「これはなんの野菜ですか~?」と聞くと、「アスパラだよ~」と答えが返ってきました。
▲これがアスパラ……?
不思議そうな顔をしていると、「ほれ!」と下のほうを指差すので見てみると……ありました! グリーンアスパラガス。

日々の買い物や、食卓からは見えてこない、野菜が育つ場所や成長過程、収穫法がわかるのも、収穫体験の魅力のひとつです。
▲普段目にしているアスパラは、成長過程の初期段階に収穫したもの。右は、さらに成長したもの
▲アスパラの茂みをかきわけて包丁で切って収穫する
▲切り口から水分がしたたり落ちる。採りたてだからこそ見られる瞬間!
▲順一さんが腰につけている木の板は、手作りの包丁収納箱。いつでも包丁をさっと抜き出して野菜を収穫することができる
「春は桜、冬は積雪が輝く。どの季節の景色もきれいだよ。ここは、湿度が低いから、野菜作りに向いているんです」(順一さん)
▲畑の四季の様子を記録した写真で、畑や周辺のことを教えてくれる
▲こんなに採れました!

獲れたての野菜を使ってクッキングスタート!

畑から「森の家」に戻ったら、さっそく調理を開始。収穫した野菜とハーブ以外の材料、調理用具は、「森の家」がすべて用意してくれるから楽チンです。

<今回のクッキングメニュー>
・ダッチオーブンで焼く採りたての野菜を使ったピザ
・採りたて野菜のサラダ
・北信州のブランド豚「信州みゆきポーク」を使ったハーブグリル
・採りたてフレッシュハーブのハーブティー
まずは、「信州みゆきポーク」にハーブとオリーブオイルで下味と香りをつけます。ハーブをちぎるたびに、フレッシュな香りがたち、食欲をそそります。
バジル、タイム、ローズマリー、セージなど、ぜいたくにミックスしてみました。
▲お肉の上にはたっぷりのハーブ
次にピザにのせる野菜を切ります。収穫したばかりの野菜は、皮にハリがあり、包丁で切った断面はみずみずしくなめらか。アスパラ、ズッキーニ、ピーマンなど、ピザ生地が見えなくなるほどのボリュームに!
▲チーズをはさんで何層にも重ねてみた
▲自分で採った野菜を切るのは、うれしさもひとしお
▲彩りも鮮やか

ダッチオーブン初心者でも安心のサポート

つづいて、炭火でダッチオーブンを余熱します。
炭火をおこすのも、ダッチオーブンを使うのもはじめてという人でも、スタッフが一緒に行ってくれるのでご安心を。

なかなか炭に火がつかなかったり、ダッチオーブンが想像以上に重かったり、どんな工程も大いに盛り上がるのも、アウトドアクッキングの醍醐味です。
▲炭に火をつけるため、とにかく一生懸命あおぐ!!
▲炭に火がつきはじめた。「炭の音をよく聞いてみてください。パチパチという音になったらOK!」(スタッフ大坂さん)
▲ピザをダッチオーブンへ入れて焼く。ダッチオーブンの上にも炭をおき、上下から加熱する
焼くこと約10分。ずっしりと重たいフタを開けると、野菜がジュージューと音を立てていて、なんともおいしそう!
▲ピザが完成。野菜から水分が出て旨みがぎゅっと凝縮
▲早く食べたい!(でも、生地の裏が焦げました……)
▲収穫したじゃがいももスライスして、グリルでこんがり焼いた。つまみ食いがすすみます……
▲みゆきポークも焼けてきた。肉汁とハーブの相性も抜群だ
▲ハーブにはお湯をそそいでハーブティーに
▲見た目も鮮やかで美しい。どんな味がするのだろう……?
「いただきま~す」
ほんの1時間前に収穫したばかりの野菜やハーブは、歯ごたえ、香り、みずみずしさ、甘み、すべて100点満点!
思いっきりからだを動かしたあとなので、さらにおいしく感じます。
▲まるでレストランのテラス席で食べるような優雅な夕食が完成

コテージに泊まって、こころゆくまで森時間を満喫しよう

今回は、イベント参加後にコテージに1泊する宿泊プランを選びました。心ゆくまで森時間を過ごすことができます。

日が暮れる頃、車で20分ほどのところにある「いいやま湯滝温泉」へ(公共交通機関利用者は温泉までの送迎可)。露天風呂があり、千曲川のせせらぎが聞こえます。

「森の家」に戻る途中、車を運転していたスタッフの片平享伸(たかのぶ)さんが、突如、「蛍見ますか?」と言って、森の家近くの田んぼに車を止めてくれました。
暗闇の中で目をこらしていると……キラキラと光る蛍がたくさん飛んでいました。まさに、天然のイルミネーション!

「素朴な自然の姿を、そのまま体験してもらいたいと思っています。自然にはかなわないですからね」(片平さん)

夜は、森の家のセンターハウスで開催中の「キャンドルBar」でくつろぎの時間を過ごすことができます(Barイベント開催時のみ)。クラシック音楽が流れる最高のリラックス空間です。
▲センターハウスのキャンドルBar
▲地酒の「北光正宗(ほっこうまさむね)」や「水尾(みずお)」、ウイスキー、ビールなどを楽しめる。この日のおつまみは、茄子のかす漬け
▲コテージ。暖炉のある部屋、洋室ベッドタイプ(定員6名)、和室タイプ(定員7名)がある。寝具、調理用具、食器類、冷蔵庫、電子レンジなども完備

早朝の森林ヨガ&森散策で、こころとからだの声を聞く

翌日は、早朝から「森林ヨガ」に参加。ヨガインストラクターによるプライベートレッスンを受けることができます(インストラクターは日によって変わります。要予約。所要1.5時間~2時間、料金1万円/インストラクター1名)。森の家から車で約10分ほど離れた森の中で行いました。
▲朝霧がたちこめる幻想的な空間のなかで、呼吸をゆっくり整え、からだを伸ばしていく
朝食は、「森の家」内にあるイベントスペース「こもれび」のテラスで。パン2種とチーズ、フレッシュジュース、ハーブティー(またはコーヒー・紅茶)。朝の空気の中でいただく朝食は格別です。

朝食後は、森の家の敷地内にある「ブナの里山こみち」を散歩してみました。1周1.2キロ。のんびり歩けば30~40分の散歩コースです。静かな環境の中だからこそ、自分のこころやからだとゆっくり向き合うことができます。
▲森の中にのびていく遊歩道はベビーカーや車いすでも散策できるように整備されている。子どもから高齢者まで、みんなで楽しめるサポートがうれしい
▲森をぬけると池がひろがっていた

地元の人たちとのふれあいが、“とっておき”をつくる

「森の家」のスタッフは、ほとんどが県外からの移住組。なべくら高原の魅力にひかれて、森の家の運営やインストラクターのほか、なべくら高原の森や村づくりにたずさわっています。

「地元の人たちにとっては当たり前の環境でも、県外の人が見たら“ここにしかない宝もの”に気づくことができる。その魅力を再発見し、発信することが、森の家の役目です」(森の家支配人・高野賢一さん)

森の家での出会いをきっかけに、農家さんと文通をはじめた人もいるそうです。行って帰ってくるだけでは終わらない。ここは、地方とつながるきっかけが生まれる場所なのです。

「なべくら高原には『屋久島の縄文杉を見に行こう!』というようなとがった目的はないかもしれません。誰にとってもわかりやすいようなブランドは持っていないんです(笑)。でも、ここでしか体験できない楽しさがたくさんあります。
地域にうもれていた資源を活用して、生活の一端を切り取り、その魅力を体験してもらいたい。背伸びしない環境だからこそ誰もが、森の時間、村の時間とフィットしていくことができるのではないかと思います」(高野さん)
▲「なべくら高原・森の家」 支配人・高野賢一さん
▲森の家から帰ろうとしたとき、「好きなだけ持っていって!」と地元の農家さんがキュウリを持ってきてくれた
「森の家」では、今回体験したイベントや森林ヨガのほかにも、「夕暮れカヌー」や「ダッチオーブンで焼きりんご」「焚き火Bar」「スノーシュートレッキング」「ブナの巨木と信越トレイル満喫トレッキング」など、年間を通じてさまざまなイベントを開催していています。

イベントの多くは入門者向けなので、気軽に参加できるのもうれしいポイントです。家族や友だち、一人で参加する人も多いそう。アウトドアイベントのほかにも、郷土料理を作って食べたり、地元の文化を伝える語り部の話を聴いたりするイベントなども人気です。

アウトドアスポーツとはひと味違う、“森時間”。
自然だけでなく、土地が育んだ食や人のあたたかさにも出会える、とっておきの時間を体験しましょう!

(写真:濱津和貴)

飯山旅々。

信州飯山市の自然や文化、人情に触れることのできる、地元密着型の着地型プランを提供するサイト
森林セラピー(R)プランや信越トレイルトレッキング、「かまくらの里」など信州飯山を知りつくした「目利き」が厳選するプランを随時紹介。

この施設で体験できる他のプラン

齋藤春菜

齋藤春菜

編集者、ライター。出版・編集プロダクションデコ所属。女性の美容・健康・ライフスタイルに関する書籍、雑誌を多数編集・執筆。文芸、料理、アート本の編集も行う。全国各地へと取材に訪れたさいには地元のおいしいお店を必ずチェックする。編集を担当した本に『お灸のすすめ』『瞑想のすすめ』(ともに池田書店)、『足もとのおしゃれとケア』『わたしらしさのメイク』(ともに技術評論社)、『はじめてのレコード』(DUBOOKS)、『顔望診をはじめよう』、『月の名前』、『健康半分』などがある。

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