一畑電車で縁結びの旅!/古谷あつみの鉄道旅Vol.15

2017.02.28

みなさんこんにちは!古谷あつみが行く全国各地の鉄道旅!今回は女子必見の縁結びの旅です。「バタデン」の愛称で親しまれ、縁結びスポット出雲大社へと走る「一畑(いちばた)電車」に乗ってきました。

アドバイザーは土屋武之さん、撮影担当のカメラマンは久保田敦さんです。

今回の見どころはここ!

1.手ぶらで乗り込む!縁結びトレインのヒミツ
2.バタデンの名物スポットを訪れる!
3.タイムスリップ!出雲の街のレトロ体験
4.撮り鉄の旅へ!縁結びショットを探しに行こう

1.手ぶらで乗り込む!縁結びトレインのヒミツ

今回の旅の舞台は一畑電車。
2010(平成22)年に中井貴一さん主演の映画『RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男の物語』の舞台になり一躍有名になった、島根県を走る鉄道です。
▲電鉄出雲市駅へ向かう

はじまりはここ、電鉄出雲市駅!
東京から「サンライズ出雲」で来た私たちは、JR出雲市駅に隣接するこの駅から、一畑電車で出雲大社を目指します。
▲荷物を松江しんじ湖温泉駅まで送ってくれる!

ここから旅に出るのはいいのですが、3泊分の荷物を抱えた私たち…。こんなに大きなバッグを抱えて取材はできません。

そこで利用したのが「手荷物託送サービス」。電鉄出雲市駅と松江しんじ湖温泉駅との間で荷物を送ることができ、到着した駅では預かっていてくれるので、とっても便利!

つまり、出雲大社などへ、そのまま手ぶらで立ち寄ることもできるのです。さっそく、荷物を預けます。
1人3個まで預けることができるので、私と土屋さんの荷物を一緒に送って640円(10kgまでの料金)でした!ここで預けて、丸一日バタデンの旅を楽しんでから、最終目的地の松江しんじ湖温泉駅で受け取ります!
▲電鉄出雲市駅は近代的な高架駅

という訳で、すっかり身軽になった私たち!

一畑グループでは、この他にも、出雲大社前駅や出雲縁結び空港で荷物を預ければ、旅館やホテルまで運んでくれる、「ニモツ御宿お届けサービス」というサービスもあるんですよ。手ぶらで観光できるのは、本当に助かりますよね。

それではここから改めて、旅のスタートです!

私たちの後ろに見えるピンクの可愛らしい電車はなんだと思いますか?
▲"ご縁電車"しまねっこ号

この、とっても可愛らしい列車は、一畑電車で大人気の”ご縁電車”「しまねっこ号」なんです!本当に可愛いーーー!

一畑電車にはいろいろなデザインの電車が走っているのですが、これは女子の心を鷲掴みにするピンクの車体に、ゆるキャラのなかでも圧倒的な支持を得る「しまねっこ」があしらわれているんです!
これが本当に走っているのだから、思わずうっとりしちゃいます。
さぁ、この列車に乗って出雲大社を目指します。
▲ゆるキャラ「しまねっこ」と一緒にポーズ!

車内にも、しまねっこがいて記念撮影できるんですよ!

土屋「一畑電車の公式ホームページで、”ご縁電車”の運行情報は確認できるよ。」
古谷「でも、運試しにふらっと乗りに行って、この電車に出会えたら、良縁の兆しが見えた様な気になりますよねー!」

他にも、車内にはとっても楽しい縁結びジンクスが詰まっているんですよ!
▲さて、どこにこのつり革が…

まずは、ピンクのハート形つり革!1両に1つだけしかないつり革なんですよ。
このつり革に捕まって…良縁を掴んじゃってください!(笑)
▲床にあみだくじが描かれている

続いて、「ご縁あみだくじ」。
良縁を願う男女がここであみだくじをすると…!?素敵な恋が芽生えるかも知れません!
▲広告スペースなどに掲げられている「ご縁四十五箇条」

私が特に気に入ったのがコチラ。「ご縁四十五箇条」です。
日常生活のなかで、良縁を結ぶためのヒントがつり革など車内の色々なところに掲載されているんですよ!
第一条~第二十四条までに「新しいご縁をみつけるためのヒント」。
第二十五条~第四十五条までに「今あるご縁を深めるためのヒント」が書かれています。
ひとつひとつ読めば、良縁につながりそうな言葉がいっぱい!
▲思わぬところに、しまねっこが!

そして、そして!なんと言っても「隠れしまねっこ」。
この写真のように、車内には、隠れしまねっこが7ついます。
すべて見つけることができたら、良縁に巡り会えるかも…と言いますが、これがまた難しいんです!
▲こんなところにも…

ほら、天井にもいますよ!わかりますか?
残りの隠れしまねっこはみなさん自身で見つけてほしいと思いますが、本当に難しいですよ!
でも、難易度が高い方がご利益はありそうですもんね!

ちなみに私は…4つしか見つけることが出来ませんでした。良縁への道は遠いのでしょうか?
▲しまねっこが座席にちょこんと鎮座

土屋「島根県では、県の観光資源を活かして『ご縁の国しまね』を広くPRしているんだ。」
古谷「その一環として、一畑電車と島根県のコラボレーションで誕生したのが、”ご縁電車”というわけですね!」

深いご縁で完成した”ご縁電車”ですが、完成まで様々な苦労があったそうです。

土屋「まず、しまねっこが可愛く座るこのピンク色のシート。こんな色のシートは他の電車では使われていないんで、ほとんどが特注品なんだよ。」
古谷「ますますご利益がありそう…。」

2.バタデンの名物スポットを訪れる!

▲洋風の出雲大社前駅舎

さて、「しまねっこ号」の旅を楽しんでいるうちに、出雲大社前駅に到着です。
実は私、この駅の雰囲気がとっても好きなんです。
まんまるとした可愛らしい屋根が特徴で、屋根の中央と扉のステンドグラスが美しく輝く駅舎です。瓦の色の風合いに味があり、見ていて飽きません。
1996(平成8)年に国の登録有形文化財に指定され、2009(平成21)年には近代化産業遺産にも認定されています。
▲待合室もレトロ感満点

駅舎内もとっても素敵なんです。
ステンドグラスから色とりどりの美しい光が降り注ぎ、白い壁が時間により色が変わります。
右手に見える、カーブを描いた幾何学模様のオブジェに見えるもの…これは実は、かつてきっぷ売り場として使われていたところです。
出雲大社の最寄り駅としては、意外な洋風の駅ですが、モダンでオシャレ。この街にとけ込んでいます。
さて他にも、大社に来たら、ぜひ訪れて欲しい鉄道スポットを紹介します。
▲出雲大社前駅で保存されているデハニ52

まずは、駅の構内で展示されている電車。一畑電車伝統のオレンジ色に身を包んだデハニ50形のデハニ52号です!

デハニ50形は映画『RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男』で一躍有名になりました。

土屋「デハニ50形は1928(昭和3)年から作られた、今、日本に残っている電車の中でも、もっとも古いもののうちの一つだよ。同じタイプのデハニ53号は、雲州平田駅構内での運転体験に使われている。」
▲座席は映画の美術スタッフが復元

デハニ52号は鉄道ファンや、映画ファンからの熱い要望により一般公開されています。
そして、ファンにはたまらないのが、実はこれらのデハニ50形、映画のために車内が改造されたものなのです!

土屋「一時は、52も53もお座敷電車に改造されていたのだけど、2両とも映画の撮影の時にお座敷を外して、美術さんが元の姿に似せて座席を作ったんだ。それがそのまま残されている。」
古谷「車内で映画を思い出すもよし、デハニ自体が放つ威厳のある雰囲気を楽しむのもよしですよね!」
▲主人公の故郷は伊野灘。駅名標も実は美術さんの作品が残されたもの

デハニ50形以外にも、一畑電車にはロケが行われた場所はたくさんあります。中井貴一さんが演じた主人公の故郷の駅と設定された伊野灘駅からは、ベストポジションで宍道湖(しんじこ)を眺められます。
▲この一畑口駅から物語は始まった

映画のオープニングやラストシーンで登場した一畑口駅は、レトロで味のある木造駅舎が特徴。映画を観てからバタデンに乗りに行くのがオススメですよ!
▲一畑口駅は珍しい平地のスイッチバック駅。すべての列車が折り返し運転をする
▲一畑電車にはレンタサイクルもある

さて、次に皆さんに訪れて欲しいスポットへは自転車で行きます!
出雲大社前駅では、レンタサイクルのサービスもあり、先ほど見たデハニ52号と同じで、ちょっと気分のあがるオレンジ色の電動レンタサイクルを1日(9:00~17:00)800円で借りることができます。

この自転車、実は今日1日大活躍するんですよ!その秘密はまた後ほど。では、出発です!

3.タイムスリップ!出雲の街のレトロ体験

▲背景は出雲大社の大鳥居

レンタサイクルで大社の街を走り抜けます。たくさんの良縁パワーをチャージしたせいか、とっても清々しく爽快な気分です。
このまま、出雲そばを食べに出かけるのもアリですが、私にはどうしても行きたい場所があったのです。
▲重厚な外観の旧大社駅

駅舎が国の重要文化財にも指定されている、旧大社駅です!

大社駅は1990(平成2)年に駅としての役目を終えましたが、圧倒されるほどの雰囲気を放つ駅舎は、出雲に来たならば絶対に訪れて欲しい場所。
現在は出雲市によって保存されていて自由に見学でき、私も何度も訪れています。
そのたびに、神社や教会などで感じる神聖で厳かな空気を、私はここでも感じるのです。

国鉄~JR西日本には、今は廃止になってしまった大社線という路線があり、出雲市駅と大社駅の間を結んでいました。
一畑電車の出雲大社前駅が開業したのは1930(昭和5)年のことですが、それよりもずっと前から、大社駅は出雲大社への参拝客を迎え入れていたのです。
▲内部もひろびろ

大社駅のホームや駅舎は驚くほど大きいです。多くの出雲大社の参拝客を迎え入れ、送り出してきた駅だということがわかります。

1951(昭和26)年から1961(昭和36)年までは、東京から直通する急行「出雲」も運行されていました。参拝者のために団体臨時列車などが乗り入れることもあり、駅舎を見るとその頃の賑わいが想像できます。
▲旅館の案内看板もそのまま(大社駅現役当時のもので、現在は電話番号などが異なります)

古谷「わぁ。シブい看板ですねぇ。」
土屋「あぁ、旅館の案内看板だね。当時は宿もものすごい賑わいだったんだよ。広いのは駅舎だけじゃなく、駅前も広かったんだ。たくさんの出迎えのバスが駅前にズラッと並んでいたそうだよ。」
古谷「そんなに賑わっていたなんて不思議。なんだか時が止まってしまったような空間ですね。」
▲国鉄タイプの駅名標もそのまま

駅名標なども当時のまま残っているので、見学するのも楽しいです。
1912(明治45)年に開業した大社駅ですが、駅舎が改築され、現在の外観になったのは1924(大正13)年のこと。
出雲大社にふさわしい重厚な様式が取り入れられており、高い天井や凝った装飾などを見ると、この駅の建設にいかに力が注がれていたかがわかります。
▲構内で保存されているD51形蒸気機関車

「デゴイチ」の愛称で親しまれるD51形蒸気機関車も展示されており、かなりの時間をここで楽しめます。
当時の賑わったであろう雰囲気が今も残っており、なんだがパワーがもらえそうな場所です。ここでも良縁パワーをチャージできちゃうかも!?

4.撮り鉄の旅へ!縁結びショットを探しに行こう

▲再び出雲大社前駅から一畑電車に乗り込む

古谷「さて、念願の大社駅にも行けましたし、自転車を返しに行きましょう。」
土屋「待って、まだ早い。」
古谷「えー!?」
土屋「せっかく出雲に来たんだ。ご利益がありそうな鉄道風景を撮影したくないかい?」
▲車内に自転車を積み込める!

一畑電車には、「レール&サイクル」というサービスがあり、自転車を1台310円で電車の中へ持ち込めるのです。これはすべての駅の間で利用できます。
地元のお客さんだけではなく、沿線には宍道湖などのサイクリングスポットもあるので、観光客にも人気があります。
▲電車の中には自転車を固定できるスペースがある

折りたためないような自転車でも持ち込みOKなので、気軽に利用できます。
また、レンタサイクルと併せて利用すれば、沿線観光や撮り鉄の旅も便利度UPです!
▲アテンダントさんが笑顔で案内

車内では、電車アテンダントさんと呼ばれる可愛らしい乗務員さんが、沿線の見どころの案内やグッズ販売をしています。
私たちの自転車の乗降も手伝ってくださったり、たくさんの質問にも笑顔で答えてくださいました。
▲目的地の高浜に到着

出雲大社前駅から、撮影地の高浜駅へは10分もしないうちに到着です。
見たところ、普通の駅ですがここに、ご利益がありそうな写真が撮れる撮影地があるのでしょうか?!
▲電車が鳥居の前を走る粟津稲生(あわずいなり)神社

久保田カメラマンの案内で到着したのはここ、粟津稲生神社。
ふつうは「稲荷」という字を当てられるのですが、ここは「稲生」という字を当てられた、全国でも珍しい神社です。
けどそれよりも、ここはとっても面白い写真が撮れることで知られているんですよ!
▲赤い鳥居が立ち並ぶ

鳥居と社殿の間を、なんと一畑電車が走るのです!
ここでは、鉄道ファンならば一度は見たことがある、20基も立ち並ぶ朱塗りの鳥居と電車とのコラボ写真が撮れます。なんともご利益がありそうな場所です!
では、早速撮影します!
▲久保田敦さんの作品

まずは、久保田さんの写真です!
赤い鳥居と黄色い列車の美しいコントラストです。
当日は、あまり天気が良くなく、小雨まで降っていたのに、こんなにキマッた写真が撮れるなんて本当にすごいです。
▲雨合羽の子供たち

こちらも久保田さんが撮影した写真です。
電車は写っていませんが、黄色い雨合羽の子どもたちが!
久保田さんが撮影すると、なんともドラマチックな写真になるのですね。

と、久保田さんの素晴らしい写真を紹介したあとに、私の写真を紹介するのはなんとも恥ずかしいですが…
▲こちらが私の作品

こちらです(笑)。久保田さんの写真には遠く及びませんが、なんだかご利益がありそうな写真が撮れました。
これを持ち帰って家に飾り、良縁を願いたいと思います(笑)。
▲一畑電車の車窓のハイライトは宍道湖

さて、盛りだくさんの縁結び旅でしたが、やはり最後は一畑電車の一番の魅力、車窓から見る宍道湖ではないでしょうか。
一畑電車の広報担当の方も仰っていましたが、宍道湖は毎日表情が変わり、いつも違う風景が見えるのだそう。
この日は、曇り空で残念に思っていましたが、雲の隙間から光が差し込んで宍道湖を照らし、神秘的な雰囲気を醸し出していました。
▲松江しんじ湖温泉駅前の足湯

松江しんじ湖温泉駅の駅前にある足湯に浸かって、今回の旅は終わりです。熱めのお湯が染みます。

一畑電車で、じっくりと縁結び旅をしましたが、私に良縁がやってくる日は来るのでしょうか?

※記事内の価格表記は全て税込です。

土屋武之(鉄道ライター)

鉄道を専門分野として執筆活動を行っている、フリーランスのライター・ジャーナリスト。硬派の鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」メイン記事を毎号担当する一方で、幅広い知識に基づく、初心者向けのわかりやすい解説記事にも定評がある。
2004年12月29日に広島電鉄の広島港駅で、日本の私鉄のすべてに乗車するという「全線完乗」を達成。2011年8月9日にはJR北海道の富良野駅にてJRも完乗し、日本の全鉄道路線に乗車したという記録を持つ、「鉄道旅行」の第一人者でもある。
著書は「鉄道の未来予想図」(実業之日本社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)、「鉄道員になるには」(ぺりかん社)、「誰かに話したくなる大人の鉄道雑学」(SBクリエイティブ)など。

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

古谷あつみ(鉄道タレント・松竹芸能所属)

小学生の頃、社会見学で近くにある車両基地へ行き、特急電車の運転台に上げてもらったことがきっかけで、根っからの鉄道好きとなる。 学校卒業後は新幹線の車内販売員、JR西日本の駅員として働く。その経験から、きっぷのルールや窓口業務には精通している。 現在はタレント活動のほか、鉄道関係の専門学校や公立高校で講師をしている。2015年には、「東洋経済オンライン」でライター・デビューし、鉄道旅行雑誌「旅と鉄道」等で執筆活動中。

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