汁まで飲み干したい!ウワサの「近江ちゃんぽん」は健康を思いやったやさしい味だった

2017.02.22 更新

ちゃんぽんと言うと、まず思い浮かべるのが長崎ちゃんぽんという人も多いはず。しかし「近江ちゃんぽん」は50年以上にわたって独自の進化を遂げ、今や滋賀のソウルフードとして圧倒的な人気を誇っています。麺好きの方はもちろん、カロリーが気になるヘルシー志向の方にもおすすめです!

元祖「近江ちゃんぽん」の聖地へ

今回訪れたのは、「近江ちゃんぽん」を生み出した「ちゃんぽん亭総本家」。
その前身は「麺類をかべ」という大衆食堂でした。

1963(昭和38)年創業の「麺類をかべ」はうどんやそばがメニューの中心でしたが、おいしくて健康的な一品を作りたいと、地元でとれる新鮮な野菜と豚肉を中華麺と一緒に煮込んでお客さんに出したところ、これが大評判となりました。

「麺類をかべ」は2004年に「ちゃんぽん亭総本家」と名前を変え、今では北海道から本州、四国まで全国55店舗を展開するほど人気が広がっています。
▲「ちゃんぽん亭総本家 彦根駅前本店」はかつて「麺類をかべ」があった場所。今でも当時の看板がそのまま残っています

JR彦根駅のすぐそばという場所柄、地元客だけでなく旅行客や出張客などさまざまな人たちが来店します。
▲60席ほどの店内はカウンター席も充実。女性の一人客も多いのだとか

ボリューム満点だけどヘルシー。それが「近江ちゃんぽん」

実際に店内で「近江ちゃんぽん」を作る様子を見せていただきました。

ちゃんぽんといえば“長崎ちゃんぽん”をイメージされる方も多いかもしれませんが、「近江ちゃんぽん」はそれとはまったく異なります。

ちゃんぽん麺は小麦粉に唐灰汁(とうあく)という炭酸ナトリウムと炭酸カリウムを配合したものを混ぜて作りますが、「近江ちゃんぽん」の麺はかんすいを使った自家製の中華麺。出汁がほどよく絡む中太麺にこだわっています。
▲自社運営の製麺工房で作られています

また、調理方法にも大きな違いがあります。長崎ちゃんぽんは中華鍋で具材を炒めるのが一般的ですが、「近江ちゃんぽん」は小鍋で煮込むのが特徴です。肉や野菜を最初から煮込むことで出汁に旨みが広がり、まろやかで味わい深い仕上がりになるのです。油も使わないので、ヘルシーですよね。
▲一食分ずつ丁寧に、そして手早く煮込んでいきます

キャベツ、もやし、ねぎ、人参とたっぷりの野菜を手軽に食べられる「近江ちゃんぽん」。一杯で成人が1日に必要とされる野菜の約半分の量(180g)を摂ることができるため、野菜不足の方や女性にも人気です。

厨房には山になった野菜が!なんと、彦根駅前本店だけで1日約30kgのキャベツを使うそうです。
▲堆(うずたか)く積み上げられているキャベツは、いつもあっという間になくなってしまうのだそう

そうこうしている間に「近江ちゃんぽん」が間もなく完成です。
▲注文を受けてからお客さんのところに届けるまで、およそ7分
▲最後にきくらげを添えて出来上がりです!

最後まで美味しく完食できる工夫がたくさん!

▲近江ちゃんぽん734円(税込)

さぁ、ついに出来上がりました~!美味しそう!
早速いただきます!

「近江ちゃんぽん」は長崎ちゃんぽんのような白濁したとんこつや鶏ガラベースのスープではなく、もっと澄んでいます。

鰹節や昆布など7種類の国産素材を絶妙なバランスで配合した醤油ベースのスープは「黄金だし」とも呼ばれており、関西に近いという土地柄か、やさしい和風味になっているのです。

口にしてみると、あっさりしているのに、奥深い旨みが広がる繊細な味。
ラーメンやうどんの汁を最後まで飲むなんて、健康のことを考えるとご法度かもしれませんが、「近江ちゃんぽん」のスープはこってりとした脂っぽさがないので、最後まで飲みきっても罪悪感がまったくありません。
▲モチモチとした麺にスープが絡んで食べ応え抜群!

「ちゃんぽん亭総本家」では、ひと通りスープの旨みを楽しんだ後も最後まで美味しく食べられるおすすめの食べ方があります。

それは半分ほど食べたくらいで、テーブルに備え付けられたお酢をスープに混ぜるというもの。お酢特有のツンとした酸っぱさはなく、スープが一層まろやかな味わいになるんです。

お酢には疲労回復や食欲増進、高血圧予防などさまざまな効能もあると言われているので、試してみない手はないですよね。
▲まずはレンゲの半分くらいを目安にお酢を加えてみてください

そして中には特製のラー油を加えるという強者も。
▲おぉ、見るからに辛そうです
ほんの少しだけでアクセントになるので入れすぎ注意ですが、刺激を加えて味の変化を楽しみたい方はぜひ試してみてください。

身体の芯から温まる!「あんかけちゃんぽん」

次にもう一軒、ちょっと変わった「近江ちゃんぽん」があるということで、こちらのお店「めんや 三平」にやってきました。
▲地元彦根で30年以上の歴史がある「三平」。2015年10月に移転し、アクセスもさらに便利になりました

この日は大雪。彦根市街地もしっかり積もっていました。思わず外出を躊躇してしまうような天気にもかかわらず、「三平」の駐車場には何台も車が停まっています。

そう、このお店で出されるちゃんぽんは、こんな寒い日にこそぴったりなのです!
▲お店の前のタヌキも雪で顔が見えなくなっています

県外からも通うお客さんが多いという「三平」の自慢のメニューは「あんかけちゃんぽん」。

名前の通り、和風だしのやさしい「近江ちゃんぽん」のスープが、とろみがかったあんかけ状になっています。
こちらは同じく滋賀県長浜名物の”あんかけうどん”である「のっぺいうどん」からヒントを得て今から30年ほど前に誕生しました。
▲広々としたオープンキッチンでテキパキと調理する店長の松浦さん

しばらくすると、もうもうと立ちのぼる湯気とともに「あんかけちゃんぽん」が運ばれてきました。
▲あんかけちゃんぽん780円(税込)

こちらもキャベツ、人参、もやしなどの野菜がたっぷり入っていて麺はやや細め。スープがしっかり麺とからまり、食べたあともいつまでも口の中で余韻が残ります。

あんかけ状のスープは溶き卵が入っているせいか、するりと喉に入っていくこのとろみ加減が絶妙!やさしい味わいで大人はもちろん子どもにも喜ばれそうです。

松浦さんいわく、ゆるすぎても汁っぽくなってしまうし、かたいと食べにくくなったりダマになったりしてしまうため、このとろみを調節するのはとても難しいのだそうです。
▲勢いよく食べると確実に火傷してしまうのでお気をつけください

並盛りでもボリューム満点ですが、常連の人はライスやチャーハンを一緒に注文し、のこったスープをかけて「あんかけライス」や「あんかけチャーハン」にして楽しむ人もいるそうです。

身体がポカポカ温まり、大満足で完食しました。
ごちそうさまでした!

野菜たっぷりで子どもから大人まで愛されるやさしい味の「近江ちゃんぽん」。
何度でも食べたくなるその味にすっかり虜になってしまった筆者は、滋賀への再訪を誓うのでした。
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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