謎が潜む青いミステリースポット「摩周湖」と「神の子池」

2015.10.28

「どうしてこんなに青いの?」と思うほど、藍色の湖面が印象的な摩周湖。そして、「こんな綺麗な水の色を見たことがない!」と感じるほど、コバルトブルーの水面が衝撃的な神の子池。北海道東部にある、ちょっとミステリアスな湖と池を巡ってみました。

▲摩周湖を見下ろす、「摩周第三展望台」からの眺め

摩周湖は、周囲約20キロメートル、最大水深約211メートルのカルデラ湖。一方の神の子池は、周囲約220メートル、水深約5メートルの小さな池。
それぞれ離れた場所にありますが、実は地下でつながっていて、摩周湖から神の子池へ水が流れている、という言い伝えもあります。しかし、正確なことは解明されていません。
水はどこから現れ、どこに流れているのか、水面が他の地ではあまり見られない独特な青色に見えるのはなぜかなど、さまざまな謎に包まれています。
今日はそんな摩周湖と神の子池の絶景を眺められるスポットを紹介します。さあ、いざ神秘の世界へ!

典型的な摩周湖の姿を眺める、「摩周第一展望台」

摩周湖は、女満別空港から車で約1時間半、釧路空港からは2時間弱の場所にある、周囲を高さ300メートルから400メートルある絶壁に囲まれた湖。険しい立地であるうえ、自然保護のため、湖畔に降り立つことはできません。見学できるスポットは、湖を囲む外輪山の上に3箇所だけです。

3つある見学スポットのうち、一番大きくてメジャーな場所が「摩周第一展望台」。観光バスでも行くことができる展望台で、土産物店もあります。
▲「摩周第一展望台」から眺めた摩周湖

展望台へ上がると、吸い込まれてしまいそうなくらい、深い青色をした湖が眼下に広がります。
世界屈指の透明度の高さであるうえ、水深が急激に深くなるため、青い光以外をあまり反射せず、このような色に見えるのではないか、と言われています。
▲どうですか、この青さ!画像加工していませんヨ

ここは観光バスがひっきりなしにやってくるほど、有名な場所。訪れる人の数も多いのですが、展望スペースが広いので、ゆったり眺めることができます。
観光ガイドブックや観光サイトなどで目にする摩周湖の写真は、ここで撮られたカットが大半。「ザ・摩周湖」という典型的な写真を撮りたい!という方はこの展望台がオススメです。真冬に訪れれば、雪で覆われた真っ白い摩周湖の姿も眺められます。
▲展望スペースが広いので、軽い散策気分で楽しめます

カムイシュ島を間近に眺められる「摩周第三展望台」

摩周湖を時計の針にたとえると、真北が0時だとして、「摩周第一展望台」はおおよそ7時位の位置にあります。
車で約10分移動した、9時位の位置にあるのが2つ目の展望台、「摩周第三展望台」です。

ここの駐車場は大型バスが入れないため、「摩周第一展望台」に比べると、訪れる人の数はぐっと少なくなります。しかも、冬期は積雪のため、「摩周第一展望台」から「摩周第三展望台」へ向かう道が閉鎖となり、訪れることができません。
▲駐車場から坂道を上がっていくと展望スポット

同じ摩周湖でも、先ほどの「摩周第一展望台」と比べると、眺めはだいぶ変わります。さっきは遠くに見えた、湖内で唯一の島「カムイシュ島」が近くに見えます。
▲目の前にカムイシュ島、その奥には、荒々しい形をした摩周岳も見えます

ちらりと見えるカムイシュ島ですが、水面からの高さは約30mあります。この島の正体は、湖底にそびえる高さ約240mの火山のてっぺん。頂上部がほんの少しだけ水面上に顔を出しています。実は、摩周湖の水中には、火山が隠れているんです。
周囲を崖に囲まれた摩周湖、真っ青な水の中も険しい地形になっていそうですね。
▲急斜面からせり出すように設けられた展望台から湖と島を見学

摩周湖の展望台で、第一、第三ときたら、第二は?と思うかもしれませんが、第二展望台はありません。昔は存在していましたが、現在の展望台や道路を整備する際に廃止され、残る展望台は、「摩周第一展望台」と「摩周第三展望台」の2箇所です。

では、3つ目のスポットは…?

春先と秋がオススメ、「裏摩周展望台」

摩周湖を時計に例え、おおよそ1時の位置に「裏摩周展望台」があります。
ただ、湖を取り囲む山沿いに道路がないため、ほかの2つの展望台から訪れるには一度山を下り、ぐるりと大回りをしてからまた山を登っていくので、車で1時間以上かかります。
▲駐車場から一段高いところに展望デッキがあります

木が生い茂っていて少々見えにくいのですが、ほかの2つの展望台とは全く異なる角度から摩周湖の姿を眺めることができます。
摩周湖内は阿寒国立公園の特別保護地区に指定されていて、木の伐採ができないので、少々視界が悪くても仕方ありません。葉が生い茂る前の春先や、葉が枯れる秋ごろが狙い目です。ただし、積雪期は閉鎖され入れないのでご注意を。
▲9月上旬の風景。カムイシュ島が、点のように見えます

摩周湖は霧に覆われることが多い湖として有名。霧がない綺麗な姿を見ると、女性は婚期が遅くなり、男性は出世が遅くなる、という都市伝説があるほどです。
ここの展望台は他の2箇所に比べると、標高が低いため比較的霧に覆われることが少ない、と言われています。天候のことを考えると、3つの展望台の中ではここが一番、霧がかからない摩周湖を見られる可能性が高いようです。
▲展望台から後ろを振り返ると、これもまたステキな風景!遠くに斜里岳をはじめとした山々が見えます

摩周湖は、湖に注ぎこむ川がなく、流れ出る川もありません。それなのに、雪解け水がたくさん出る春先を含め、一年中水位が変わりません。
少々かたい話をすると、河川がないので、河川法で定められた「湖」という定義に当てはまらないそうです。摩周湖は、法的には「湖」ではなく、巨大な「水たまり」、という位置づけなのだとか。

なぜ藍色に見えるのか、湖の水はどこから現れ、どこに消えていくのか。なぜ水位が変わらないのか。ともに明確には解明されていません。
いやはや、不思議な湖、ではなく、不思議な水たまりですね。

摩周湖の伏流水!?コバルトブルーに輝く「神の子池」

摩周湖の水が地中を通り地表に現れた池、と言い伝えられている場所があります。それが、「神の子池」です。
▲池の周囲には散策路があります。2015年現在、木道を整備中なので、今後散策路の様子は変わる見込みです

場所は、「裏摩周展望台」から車で20~30分、林道をしばらく進んだ山奥にあります。
摩周湖の伏流水では?と言われていますが、実際は摩周湖の外輪山の降水が水源ではないか、という説が有力なようです。

この池の一番の特徴は、コバルトブルーに輝く水の色と、池の底までくっきり見える水の透明感です。池から流れ出ていく水は透明なのですが、湧き出ている池の部分だけ、信じられないくらい綺麗な青い色に見えます。
▲水温が年平均8度と低いため、倒木が青い水の中で腐らずに化石のように沈んでいます

なぜ池の部分だけ青いのか。摩周湖の伏流水なのか、否か。どちらも明確には解明されていない、ちょっとミステリアスな池です。
▲光の加減で微妙に変わる色合いを、思わずじっくり見入ってしまいます

北海道東部にある、藍色をした湖と、コバルトブルーの池。地下でつながっているかもしれないし、つながっていないかもしれない、謎が多い湖と池です。
自然の神秘を感じることができる、青いミステリースポット。ぜひ一度ご自身の目でお確かめを!
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP