実は日本人好み!?辛すぎずマイルドなカンボジア料理/東京で楽しむ世界の料理Vol.15

2017.02.24

フランスで最も権威ある美食ガイドにて、世界一のグルメ都市として評価されている東京。世界各国津々浦々、あらゆるジャンルの料理が集まっています。海を越えて異郷の地へ出向かずとも、ここ東京は素晴らしい美食との出会いであふれているのです!今回ご紹介するのは、代々木にあるカンボジア料理店。辛すぎず、日本人好みなマイルドな味わいだと言われるカンボジア料理。いったいどんなごちそうが出てくるのでしょうか?

東南アジアはインドシナ半島の南部に位置するカンボジア王国。カンボジアといえば、一番にアンコールワット遺跡を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ジャングルの中にこつ然と現れる巨大な寺院の数々、そしてその壁に描かれた神秘的なレリーフ、木々に侵食された遺跡の独特な雰囲気…。なんとも冒険心をくすぐられる場所ですよね。
▲アンコールワット

しかし、カンボジアの魅力はそれだけではありません!そこに暮らす親切で穏やかな人々や、現地以外ではなかなか食べることができない料理も多くの人を惹きつけてやまない秘密の一つ。そこで今回は、そんなカンボジアの魅力をまるごと感じられるお店に行ってきました。

足を踏み入れると、そこはもう魅惑の国カンボジア!

JR代々木駅から明治神宮方面に徒歩1分。大通りから少し外れた路地にカンボジア料理「アンコールワット」はあります。遺跡が描かれた緑色の入り口が目印です。
▲昭和57年(1982年)にオープンして以来、30年以上愛され続けている老舗店
お店に入ると、象たちがお出迎え。そして、その隣には招き猫…!?このなんとも言えないカオスな感じもアジアらしくてよし!
開放感溢れる広々とした店内は、どことなくレトロな感じがして、はじめてでも落ち着きます。天井にはずらっと有名人のサインが。人気店ぶりがうかがえますね。
席もグループ用のボックス席から、少人数で掛けられるテーブル席まであって使い勝手も良さそう。カラフルな内装も可愛らしいですね。

「いらっしゃいませー!」と、素敵な笑顔で出迎えてくれたのは、オーナーの呉(ご)さん。日本には2017年で36年滞在しており日本語ペラペラです。
▲カンボジア人のオーナー呉さん。従業員のみなさんもカンボジア出身

お料理ができるまでのあいだ、お店の中を見せていただくことにしました。店内には、アンコールワットやカンボジアにちなんだ飾りがいたるところにあります。
▲遺跡に描かれている「デバダー」(女官、踊り子像)のレリーフの飾り

アンコールワットには、百を越えるデバダーが彫られており、歯を見せて笑うものや、手鏡を持つもの、ヘアスタイルが違うものなど様々な種類があるのだとか。
▲カンボジアの伝統的な踊り「アプサラ」の様子を描いた絵画

アプサラとは天使や天女を指し、神に捧げる踊りとしてクメール王朝で生まれました。反り返った手と指の優雅な動きが特徴的です。

「お店の装飾は、アンコールワット関連の飾りを中心に現地で買ったカンボジアらしいものにしています。お店にいらした方が、カンボジアに来たかのような気持ちになってもらえるとうれしいですね」と呉さんは語ります。たしかに、気分はすっかりカンボジアです。

どこかほっとする懐かしい味わい。カンボジア料理の魅力とは…!?

東南アジアの料理といえば、香辛料やパクチーをふんだんに使用したタイ料理や、ハーブを多用したベトナム料理の印象が強いですよね。しかし、カンボジア料理はそこまで香辛料やハーブを使わずに、マイルドに仕上げたものが多いのだとか。
今回は、ディナーメニューからおすすめのものをチョイスしていただくことにしました。

はじめに出てきたのは、彩りあざやかな「牛たたきの辛いサラダ(880円・税別)」。日本ではたたきとして提供していますが、カンボジアでは生の牛肉にレモンをかけて食べるのが主流なのだとか。
実際食べてみると、マイルドという表現を覆し、辛い!でも甘い!美味しい!!ナンプラーやブドウの果実が使われているため、辛さがみるみる和らぎます。これは、食欲を刺激される味です。
ここで飲みたくなるのが…ビールですよね!お店にはカンボジアを代表するビール(プノンペンビールやアンコールビール)をはじめ、約10種類ほどのアジアビールが揃っています。
▲力強い味わいが特徴的なプノンペンビール(650円・税別)※アンコールビールは2017年3月頃から入荷予定

お次は「バンクーン(680円・税別)」をいただきます。これは、中国料理の影響を受けた料理の一つで、タケノコやクワイ、豚挽き肉などを、片栗粉を使用したもちもちした生地で包んで蒸したもの。上には、わざわざカンボジアから取り寄せた赤玉ねぎと、特製チリソースがかかっています。
▲ボリュームたっぷりの「バンクーン」
ひとくち食べてみると、モッチリした皮と、タケノコやクワイのシャキシャキした食感が絶妙です。お肉のジューシーさとチリソースの甘辛い感じもたまりません。こちらは、どこか日本食にも通じる優しい味わいです。

続いて出てきたのが、カンボジアの代表料理「アモック(500円・税別)」。これは、魚を野菜と一緒にココナッツミルクでスパイシーに煮込んだものです。こちらでは鮭を使っていますが、カンボジアでは淡水魚などを使うことが多いとのこと。魚は皮を向いて骨を取り、調味料は木臼で細かく砕くなど大変な手間がかかるため、カンボジアでは、もてなしの料理として出されることが多いものです。
ココナッツの優しい甘さとほんのりとスパイシーな感じが、やみつきになること間違いなしです。
このアモックは地域によって違いがあり、お店で出されているものはプノンペン周辺地域のしっかりとした形があるタイプ。他の地域だと、スープに近いものなどもあるのだそうです。

次にいただいたのは、お店一番の大人気メニュー「蟹爪と春雨の炒め(980円・税別)」。
カンボジアから取り寄せた干しエビと秘伝のソースで、春雨を煮込んだあとにいったん冷やし、味を浸透させてから、さらに温めます。
アツアツの春雨に、エビや魚介の旨みがたっぷり染みて…これは美味しい!滋味深くどこかほっとする味わいに箸が止まりません。

最後は、こちらも大人気のデザート「かぼちゃプリンとココナッツアイス、500円・税別」をいただきます。生のカボチャの中身をくり抜き、ココナッツミルクと卵、砂糖を注ぎ入れ、時間をかけて丸ごと蒸したカンボジアの伝統的なデザートです。
カボチャ独特のホクホクした食感と自然な甘みが特徴的。どことなく優しい味に、心が安らぎます。ココナッツアイスとも相性抜群です。

ちなみにこれが、切る前のもの。このまるごと感が素敵ですね。
これまで馴染みが薄かったカンボジア料理でしたが、美味しい料理の数々にすっかり虜になってしました。東南アジアらしい味付けや香辛料は効かせながらも、マイルドに仕上がっているところが日本人の好みとよく合う気がします。
また、一つの料理にたくさんの食材を使用するため、一皿一皿がカラフルで美しので、目でも楽しめました。

ちなみに、お昼のメニューがこちら。ボリューム満点のセットメニューや単品のお料理が800円(税別)~と、リーズナブルな価格でいただけます。
「以前にカンボジアから日本へ移り住んできた時に、日本や日本人の方にいろいろと助けてもらいました。そのときの感謝の気持ちを込めてお店を開いたんです」とオーナーの呉さんは語ります。そのため、料理の量を多めに、値段をリーズナブルにしているのだとか。
お店の方の親切な気遣いにも心が温まる素晴らしいお店でした。

日本とカンボジアの温かい交わりを感じられる「アンコールワット」。ぜひ一度足を運んでみてください。
立岡美佐子

立岡美佐子

編集プロダクション・エフェクト所属の編集者&ライター。好きなものは、旅行とごはん。おいしいものやステキな景色のためならば、日本といわず世界各国どこへでも! 住まい、旅、食、街などジャンルを問わず執筆中です。 編集:山葉のぶゆき(エフェクト)

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