日本三大薬湯・新潟県松之山温泉の湯めぐりで、体の芯からぽっかぽか

2017.03.17

突然ですが、「日本三大薬湯」をご存知ですか?江戸時代の資料「諸国温泉効能鑑」によると、群馬の草津と兵庫の有馬、そして新潟の松之山(まつのやま)が選ばれています。他の2湯に比べてちょっとマイナーな、雪国に700年続く温泉。その実力を確かめるべく、お得に温泉を楽しめる「湯巡り手形」を片手に、さあ繰り出しましょう!

▲松之山温泉は東京から車で約3時間。新潟県と長野県の県境に位置しています

湯冷めしにくく、美肌効果も!? 「日本三大薬湯」と言われるその実力

さかのぼること700年前、一羽の鷹がいつも同じところに降り立つことから木こりに発見されたと言われる松之山温泉。その成分は「温泉」の条件となる温泉基準成分のなんと15倍!古くから湯治場として評判が高く、訪れる人の治癒に役立てられてきました。
▲松之山温泉の源泉は「鷹の湯」「鏡の湯」「庚申(こうしん)の湯」の3つ

温泉といえば気になるのはその効能ですが、特に傷や冷え性、肌荒れの治癒・改善に働きかけてくれるとのこと。さらに天然保湿成分がたっぷりと含まれ、角質をとって肌をツルツルにする働きがあると言われる弱アルカリ性のお湯なので、女性にも嬉しいことづくめな温泉なのです。
▲消毒・洗浄効果が期待できる「メタホウ酸」の含有量は日本トップクラス!天然保湿成分「メタケイ酸」も豊富なせいか、実際地元の方のお肌はつやつやでした

三大薬湯の松之山温泉の特徴を挙げると
・とにかく源泉が熱い(98度)
・湯冷めしにくく1~2時間経っても冷えない
・塩分が高くかなりしょっぱい

1,200万年前の海水がマグマで温められて吹き出した温泉なので、塩化物イオンが体に熱を閉じ込め、体が芯から温まり湯冷めしにくいメカニズム。その温まりやすさから、長湯ではなく短時間浸かって、少し休んでからまた入る「分割湯」が松之山流の楽しみ方です。
▲松之山に3つある源泉のうち「鷹の湯」は無色透明。入浴中に唇をなめてみるだけでもかなりしょっぱい!

それでは早速松之山温泉をとことん堪能しに出かけることにしましょう!
まずは、松之山の温泉や観光に関しての情報を仕入れに「松之山温泉里山ビジターセンター」へ。ここは松之山温泉の旅館、飲食店、タクシー会社などが共同出資して立ち上げた旅行会社「松之山温泉合同会社まんま」が運営しています。
▲松之山里山ビジターセンターでは地元に詳しいスタッフが相談にのってくれます

ここでは、日帰り入浴OKの施設6軒の中から3軒をお得に利用できる「湯めぐり手形」が購入できます。湯めぐり手形では、3種類の源泉のうち「鷹の湯」と「鏡の湯」に入浴できます。
▲湯めぐり手形は1枚税込1,200円。有効期限は購入日から1年

各施設の日帰り入浴料金は通常500円以上するので、3軒まわると300円以上お得。お待ちかねの松之山温泉湯めぐりスタートです!

源泉かけ流しで雪見風呂を堪能! 創業140余年の「ひなの宿ちとせ」

最初は、松之山温泉で一番歴史が古い宿であり、日帰り入浴もOKの「ひなの宿ちとせ」へ。ビジターセンターのお向かいにあります。
▲階段の右側には手すり付きのスロープが整備され、館内もバリアフリーが徹底されている幅広い世代に優しい宿
▲ロビーや廊下が畳敷きなのも嬉しいポイント

もともとは90度以上もある熱い源泉「鷹の湯」を、山の水で加水して約42度に設定しています。

こちらの日帰り温泉(10:30~15:00)は男女別にそれぞれ内湯と露天風呂のある湯殿「ほんやらの湯」と、離れの露天風呂「月見の湯」の2つのタイプが楽しめます(今回は取材のため特別に17時ごろに撮影)。

自慢の露天風呂「月見の湯」は、四方を自然に囲まれた独立したお風呂。
脱衣室は写真右奥のすぐそこではありますが、湯船までには冬は裸足で雪をちょっと踏まないとたどり着けず、しかもこの日は気温マイナス1度。足の感覚がやや麻痺した状態です。
冷え切った身体で、源泉がたっぷりと注がれた湯船に体を沈めると…じわじわ足も温かさに馴染んでいく感覚がたまりません!
▲「月見の湯」での雪見風呂、最高!男女入れ替え制(日帰り入浴の時間帯は女性10:30~12:00、男性13:00~15:00)

冷えた空気と熱々の温泉の絶妙なコントラストに、いつまでも浸かっていたくなりました。

三大薬湯とまで言われた温泉パワーで、あっという間に体の芯までぽかぽかに。冷え性で靴下が手放せない体質なのですが、湯上り後も何時間も温かさが続きました!このあと気付いたら館内を裸足で歩いていました。

男女入れ替え制のために「月見の湯」に入れない時間帯でも、「ほんやらの湯」の露天風呂で冬季は雪見風呂を堪能することができます。
▲男女別に内湯と露天が楽しめる「ほんやらの湯」。「ほんやら」の由来となった「ほんやら洞」は地元の言葉で「かまくら」の意味
▲松之山温泉について説明してくださった若旦那の柳一成(かずなり)さん。宿の運営はもちろん、「松之山温泉合同会社まんま」を立ち上げ松之山全体の活性化に活躍中

源泉ほぼ100%!地元に愛される「鷹の湯」

続いて、次の日帰り温泉へ向かいます。温泉街は端から端まで歩いても10分程度。温泉街の奥には湧き出る源泉を確認できるスポットがあります。
▲奥の建物の場所が、源泉が湧き出ている場所。湯気が立ち上っているのが確認できます。この日の積雪量は2m!

次の目的地は、湯めぐり手形スポットの中で唯一の日帰り温泉専門施設で、源泉の名前をそのまま冠した共同浴場「鷹の湯」です。
▲「鷹の湯」は、男女ともに内湯と露天が一つずつあります

観光客はもとより、地元の人たちにも愛用されており、この日も10:00の開館と同時に「待ってました」とばかりに地元の方がどんどん館内へ。地元の人とのコミュニケーションを図れるのは共同浴場ならではの魅力です。
▲山の谷間ということで、視界いっぱいの雪の壁

鷹の湯のこだわりは、源泉をなるべく加水することなくお湯を張ること。松之山の温泉は湯量が豊富ですが、超高温。そのまま湯船に張って入浴するには危険なので、基本的には加水をせざるをえません。

しかし鷹の湯では、閉館後から翌日分のお湯を少しずつ注ぐことで温泉水を冷まし、翌朝約43度になっているよう工夫しているのです。
気温などにも左右されるので臨機応変に加水する場合もありますが、濃厚な成分の温泉をほぼそのまま楽しめるなんて贅沢!
▲内湯。「よその温泉はぬるいから、やっぱり松之山温泉が一番!これくらい熱い温泉じゃないと」と話す地元の方も
▲館長の村山さんからは「雪見風呂を楽しむなら、12月下旬から2月いっぱいがオススメですね」と教えていただきました

緑色の自家源泉を楽しむ、風情あふれる木造建築の宿「凌雲閣」

最後は、独自に所有している源泉「鏡の湯」を楽しむことができる木造の宿「凌雲閣」へ。
▲昭和13(1938)年に建てられ登録有形文化財にも指定されている、松之山温泉で一番古い建築

こちらには時間によって交代の男湯と女湯になる内湯、そして貸切で使える家族風呂(予約不可)の3つのお風呂があり、12:00~15:00まで日帰り入浴ができます。
成分は鷹の湯とほとんど変わらないそうですが、明らかに違うのが湯色。鷹の湯が無色透明なのに対して淡い緑色をしています。
▲内湯の広い方の湯船。湯色の違いは一目瞭然

浸かってみると、心なしかこちらの温泉は温度が低い気がします。
若旦那の島田怜(れい)さんに伺ったところ、「鷹の湯は1,200mのところから湧き出ていますが、鏡の湯は400mと地表に近い分温度が低いんです」という回答が。なるほど!
▲凌雲閣5代目の島田怜さん。「松之山温泉に通って肌の調子が良くなったという話も聞いたことがあります」
▲こちらが家族風呂。空いている時は時間制限がないので、家族で気兼ねなくのんびりと

凌雲閣では館内の風情溢れる建築も必見です。
特に3階の客室は大工が1人1室作ったという個性的な仕様になっており、タイミングが良ければ見学することができます。
▲意匠が凝らされた玄関。柱時計は昭和初期のもの
▲3階の客室のひとつ「管領の間」。入ってすぐの間の梁見せ天井が印象的

松之山温泉ならではのスポットやお土産も見逃せない!

温泉街・松之山はお湯に浸かる以外にも、温泉にまつわるスポットやアイテムがあります。

まずは顔湯。
温泉街の奥へと進むと現れるのが移築された古民家。その外にあるボックスのふたを開けると、湯気がもくもく!源泉「鷹の湯」の蒸気が顔に潤いを与えてくれます。
▲外に設置されているので気軽に試せるのがいいところ。隣には足湯も(※足湯は冬季休止)

そしてイチオシのお土産が「松之山温泉ミスト」(80g・税込1,296円)。
温泉水を使った無添加化粧水で、洗顔後やお化粧の前後にシュッとひと吹きするだけで肌のキメを整える働きが期待出来ると言われている優れもの。

今回訪れた日帰り温泉スポットをはじめ、ビジターセンターや温泉街のおみやげ屋さんでも購入することができます。
▲左が松之山温泉フェイスパック(税込410円)、手前が松之山温泉入発泡入浴錠(税込205円)。写真のミストは80gですが、200g(税込2,365円)もあります

さて、湯めぐり手形も全部使い切って、お肌もすべすべに。源泉が違っても、どちらも肌がさらっと滑らかになった実感がありました。普段のお風呂上がりはすぐ足がカサカサになりやすいのですが、そんなことも全くありません。
▲湯めぐり手形の裏に日付と施設名を書いてもらって、3軒制覇!

そして何と言っても雪の積もる外に出ても寒くないくらい、湯冷めしない松之山温泉の実力に大満足!
他にも、松之山温泉では「松之山温泉合同会社まんま」による、山菜やきのこを採って食べるパーティーやハイキングなどの松之山をとことん楽しむプログラムを発信中。

連泊して温泉巡りとアクティビティを楽しむのも魅力的です。元気をチャージしに、自然の恵みたっぷりの松之山をぜひ訪れてみてください!
丸山智子

丸山智子

ライター・コピーライター。新潟をもっと楽しくするWEBマガジン「にいがたレポ」参加ライター。東京の編集プロダクション、広告制作会社を経て2014年より新潟でフリーランスに。イベントの宣伝・広報、地方情報誌、住宅情報誌、会報誌等での執筆、広告の企画制作などの分野で活動中。関心分野は、和菓子・日本文化・舞台芸術。

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