日本三大薬湯・新潟県松之山温泉の湯めぐりで、体の芯からぽっかぽか
突然ですが、「日本三大薬湯」をご存知ですか?江戸時代の資料「諸国温泉効能鑑」によると、群馬の草津と兵庫の有馬、そして新潟の松之山(まつのやま)が選ばれています。他の2湯に比べてちょっとマイナーな、雪国に700年続く温泉。その実力を確かめるべく、お得に温泉を楽しめる「湯巡り手形」を片手に、さあ繰り出しましょう!

湯冷めしにくく、美肌効果も!? 「日本三大薬湯」と言われるその実力

温泉といえば気になるのはその効能ですが、特に傷や冷え性、肌荒れの治癒・改善に働きかけてくれるとのこと。さらに天然保湿成分がたっぷりと含まれ、角質をとって肌をツルツルにする働きがあると言われる弱アルカリ性のお湯なので、女性にも嬉しいことづくめな温泉なのです。

三大薬湯の松之山温泉の特徴を挙げると
・とにかく源泉が熱い(98度)
・湯冷めしにくく1~2時間経っても冷えない
・塩分が高くかなりしょっぱい
1,200万年前の海水がマグマで温められて吹き出した温泉なので、塩化物イオンが体に熱を閉じ込め、体が芯から温まり湯冷めしにくいメカニズム。その温まりやすさから、長湯ではなく短時間浸かって、少し休んでからまた入る「分割湯」が松之山流の楽しみ方です。

それでは早速松之山温泉をとことん堪能しに出かけることにしましょう!
まずは、松之山の温泉や観光に関しての情報を仕入れに「松之山温泉里山ビジターセンター」へ。ここは松之山温泉の旅館、飲食店、タクシー会社などが共同出資して立ち上げた旅行会社「松之山温泉合同会社まんま」が運営しています。


ここでは、日帰り入浴OKの施設6軒の中から3軒をお得に利用できる「湯めぐり手形」が購入できます。湯めぐり手形では、3種類の源泉のうち「鷹の湯」と「鏡の湯」に入浴できます。

各施設の日帰り入浴料金は通常500円以上するので、3軒まわると300円以上お得。お待ちかねの松之山温泉湯めぐりスタートです!
松之山温泉里山ビジターセンター(松之山温泉合同会社まんま)
新潟県十日町市湯本49-1
[営業時間]9:00~17:00
[定休日]火・水曜
025-595-8588
源泉かけ流しで雪見風呂を堪能! 創業140余年の「ひなの宿ちとせ」


もともとは90度以上もある熱い源泉「鷹の湯」を、山の水で加水して約42度に設定しています。
こちらの日帰り温泉(10:30~15:00)は男女別にそれぞれ内湯と露天風呂のある湯殿「ほんやらの湯」と、離れの露天風呂「月見の湯」の2つのタイプが楽しめます(今回は取材のため特別に17時ごろに撮影)。
自慢の露天風呂「月見の湯」は、四方を自然に囲まれた独立したお風呂。
脱衣室は写真右奥のすぐそこではありますが、湯船までには冬は裸足で雪をちょっと踏まないとたどり着けず、しかもこの日は気温マイナス1度。足の感覚がやや麻痺した状態です。


冷えた空気と熱々の温泉の絶妙なコントラストに、いつまでも浸かっていたくなりました。
三大薬湯とまで言われた温泉パワーで、あっという間に体の芯までぽかぽかに。冷え性で靴下が手放せない体質なのですが、湯上り後も何時間も温かさが続きました!このあと気付いたら館内を裸足で歩いていました。
男女入れ替え制のために「月見の湯」に入れない時間帯でも、「ほんやらの湯」の露天風呂で冬季は雪見風呂を堪能することができます。


ひなの宿ちとせ
新潟県十日町市松之山湯本49-1
[日帰り入浴時間]10:30~15:00
[日帰り入浴料金]税込700円(ハンドタオル付き)
※湯めぐり手形(税込1,200円)利用で3軒入浴可
[定休日]なし
025-596-2525
源泉ほぼ100%!地元に愛される「鷹の湯」

次の目的地は、湯めぐり手形スポットの中で唯一の日帰り温泉専門施設で、源泉の名前をそのまま冠した共同浴場「鷹の湯」です。

観光客はもとより、地元の人たちにも愛用されており、この日も10:00の開館と同時に「待ってました」とばかりに地元の方がどんどん館内へ。地元の人とのコミュニケーションを図れるのは共同浴場ならではの魅力です。

鷹の湯のこだわりは、源泉をなるべく加水することなくお湯を張ること。松之山の温泉は湯量が豊富ですが、超高温。そのまま湯船に張って入浴するには危険なので、基本的には加水をせざるをえません。
しかし鷹の湯では、閉館後から翌日分のお湯を少しずつ注ぐことで温泉水を冷まし、翌朝約43度になっているよう工夫しているのです。
気温などにも左右されるので臨機応変に加水する場合もありますが、濃厚な成分の温泉をほぼそのまま楽しめるなんて贅沢!


鷹の湯
新潟県十日町市松之山湯本
[日帰り温泉時間]4月~11月/10:00~21:30(22:00閉館)、12月~3月/10:00~20:30(21:00閉館)
[日帰り入浴料金]税込500円(小学生未満無料)
※湯めぐり手形(税込1,200円)利用で3軒入浴可
[休館日]第2・4木曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
025-596-2221
緑色の自家源泉を楽しむ、風情あふれる木造建築の宿「凌雲閣」

こちらには時間によって交代の男湯と女湯になる内湯、そして貸切で使える家族風呂(予約不可)の3つのお風呂があり、12:00~15:00まで日帰り入浴ができます。
成分は鷹の湯とほとんど変わらないそうですが、明らかに違うのが湯色。鷹の湯が無色透明なのに対して淡い緑色をしています。

浸かってみると、心なしかこちらの温泉は温度が低い気がします。
若旦那の島田怜(れい)さんに伺ったところ、「鷹の湯は1,200mのところから湧き出ていますが、鏡の湯は400mと地表に近い分温度が低いんです」という回答が。なるほど!


凌雲閣では館内の風情溢れる建築も必見です。
特に3階の客室は大工が1人1室作ったという個性的な仕様になっており、タイミングが良ければ見学することができます。


凌雲閣
新潟県十日町市松之山天水越81
[日帰り温泉時間]12:00~15:00
[日帰り入浴料金]税込500円(小学生未満無料)
※湯めぐり手形(税込1,200円)利用で3軒入浴可
[休館日]不定休
025-596-2100
松之山温泉ならではのスポットやお土産も見逃せない!
まずは顔湯。
温泉街の奥へと進むと現れるのが移築された古民家。その外にあるボックスのふたを開けると、湯気がもくもく!源泉「鷹の湯」の蒸気が顔に潤いを与えてくれます。

そしてイチオシのお土産が「松之山温泉ミスト」(80g・税込1,296円)。
温泉水を使った無添加化粧水で、洗顔後やお化粧の前後にシュッとひと吹きするだけで肌のキメを整える働きが期待出来ると言われている優れもの。
今回訪れた日帰り温泉スポットをはじめ、ビジターセンターや温泉街のおみやげ屋さんでも購入することができます。

さて、湯めぐり手形も全部使い切って、お肌もすべすべに。源泉が違っても、どちらも肌がさらっと滑らかになった実感がありました。普段のお風呂上がりはすぐ足がカサカサになりやすいのですが、そんなことも全くありません。

そして何と言っても雪の積もる外に出ても寒くないくらい、湯冷めしない松之山温泉の実力に大満足!

連泊して温泉巡りとアクティビティを楽しむのも魅力的です。元気をチャージしに、自然の恵みたっぷりの松之山をぜひ訪れてみてください!

丸山智子
ライター・コピーライター。新潟をもっと楽しくするWEBマガジン「にいがたレポ」参加ライター。東京の編集プロダクション、広告制作会社を経て2014年より新潟でフリーランスに。イベントの宣伝・広報、地方情報誌、住宅情報誌、会報誌等での執筆、広告の企画制作などの分野で活動中。関心分野は、和菓子・日本文化・舞台芸術。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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