一度は履いてみたい、“あなたのため”の靴

2015.06.17 更新

オーダーメイドの靴を作ったことがありますか?足の形は人それぞれ、幅が広い人もいれば、甲が高い人、左右大きさが違う人もいて、足にまつわる悩みを持つ人は意外と多いかもしれません。一方で、自分の足の特徴をきちんと知った上で、足に合った靴選びをできている人はどれだけいるでしょうか?兵庫県神戸市の靴職人、大森勇輔さんは、履き心地を第一に考えたオーダーメイドの靴を製作しています。

「履き倒れ」と表現される、履物の街・神戸

神戸というとどこか洗練された印象があります。日本の主要な国際貿易港のひとつである神戸港があり、昔から国際色豊かだったからかもしれません。現在の神戸市中央区には、神戸港が開港した慶応3年(1868年)から30年近く、外国人居留地が置かれていました。

そんな神戸の街はしばしば「履き倒れの街」と表現されてきました。人々が靴にお金をかけ過ぎて貧乏になるほど、靴屋が多いということを意味しています。というのも、かつて草履や鼻緒を作っていた職人が、外国人の靴の修理や新調を行うために靴職人に転業。そこから神戸の靴の歴史が始まったのです。

脱サラ職人が手掛ける、ハンドメイドの靴

「もともとものづくりが好きで、“みんなが使っていて、技術を要するもの”が何かを考えた時に『靴』にたどり着きました」
兵庫県神戸市出身の大森勇輔さんは、県内の大学を卒業後、医療機器メーカーに就職。営業として働きましたが、「誰かの役に立つものづくりを生業にしたい」と、脱サラして神戸医療福祉専門学校で靴づくりについて学びます。そして、2007年にオーダーメイドの靴屋として独立しました。

そんな大森さんのアトリエにお邪魔すると、シュッとした格好いいフォルムの靴や、革の柔らかさが伝わる丸みを帯びた可愛らしい靴が並んでいます。
「とってもステキだけど、オーダーメイドってなんだか高そう…」

これまで靴をオーダーしたことのない私、値段を聞く前にビビってしまいます。

だけど、見れば見るほどに可愛い。そして、試着させてもらうと、なんという履き心地の良さ!その軽さと革の柔らかさに驚かされました。ハンドメイドで、革の伸び具合を手で確かめながら作るため、ふわっと足を優しく包み込むように仕上がるのだとか。

自分だけの靴を待つ楽しみ

見た目もさることながら、一度試着するとその履きやすさにイチコロになってしまう、大森さんの靴。取材時に思わずその場で購入することを決めました。

木型づくりから行うフルオーダーメイドの場合は9万円~ですが、カジュアルオーダーメイドの場合は、木型をゼロから起こさずに工程を簡略化することで、2万円ほどで作ることができるというのです。
まずは足のサイズの採寸と、細かい足の悩みのヒアリングから。

「ここは痛くないですか?」「かかとが擦れていませんか?」と一つひとつ聞かれると、「そういえば…」と悩みは出てくるものですね。これまでなんとなく感じていた左右の足の大きさの違いや、足の甲の高さが明らかになりました。
採寸後は、マスター木型で作ったサンプル靴を試着しながら、足の厚みや幅の調整を、下敷きを入れて確認。

最後に色やデザインを選んで、オーダー終了です。あとは、仕上がりをウキウキしながら家で待つのみ!オーダーしてから約1ヶ月後に、人生初のオーダーメイドシューズが手元に届きました。
早速履いてみると、当たり前ですがジャストフィット!!!革がとても柔らかく、締め付け感が一切ないのに足に寄り添ってくる感覚です。

履き心地にこだわった、世界に一つだけの靴

実は大森さんが手掛けるのは、健康先進国ドイツの技術を用いた靴づくり。大森さんは足の不自由な人向けの靴を作る技術と知識も持っており、骨格に合わせた足に優しくて、履き心地に徹底的にこだわった靴を作っています。

「僕たち日本人も椅子を使う生活が中心になってきて、骨格が欧米化しつつあるんですよ。だけど、靴がその骨格になかなか追いついていない。そうすると歩き方が変になって、腰を痛めてしまって、足に悩んでいる人もすごく多い」

また、大森さんの靴は、靴を脱ぐ日本の生活スタイルに合わせて、紐をつけたまま脱ぎ履きがしやすい形状になっています。さらには、靴底の修理は街の修理屋さんに頼めばリペアできるような作りになっていて、日本人らしい繊細な心遣いがされています。
きちんとお手入れをして靴底の補修をしていけば、10年でも20年でも履き続けられるという、大森さんのオーダーメイドシューズ。

世界に一つだけの、あなたのための靴を作ってみませんか?

「Ordermade Shoes Yusuke Omori」のアトリエを訪れるイベント

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

広告出版社を退職後、世界一周、日本一周を経て「くらしさ」を設立。全国各地のモノ・コト・ヒトを伝え、つないでいく活動に尽力している。全国の仕事人に会いに行ける旅「Life Design Journey」も運営。http://lifedesign-j.com/

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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