日本有数の寿司激選区・塩竈で絶対に外さない人気店3選

2017.04.09 更新

塩竈は仙台市街地から国道45号線を30分ほど北上したところにある港町。日本有数のマグロ水揚げ量を誇る「塩釜漁市場」があります。そのせいもあってか、塩竈市街地は寿司屋の軒数が多く、面積に対して寿司屋の比率がとても高いという特徴があります。今回は数ある塩竈の寿司屋の中から、地元民が選ぶベスト5には必ず入っているであろう人気の3軒をご紹介します。

今ではポピュラーになった「皿に盛る寿司」の元祖
塩釜すし哲本店

▲JR本塩釜駅前のロータリーを左へ出て徒歩2分ほど行くと、お店が見えてきます。いざ入店
この店で寿司を木製の板ではなく有田焼の陶器に乗せて出すようになったのは、およそ40年前。寿司と陶器の見た目の美しさが話題になり、塩竈の寿司が全国から脚光を浴びるきっかけにもなりました。もちろん見た目の期待を裏切らない美味しさですから、県外から通う「すし哲ファン」も多く、宮城県を代表する寿司屋と言っても過言ではない名店です。

店に入るとまず目に入るのが、木製のカウンター席。年季の入った木の質感が名店ならではの雰囲気を醸し出しています。
▲ラベルを見ると「すし哲」のロゴが(写真はフルールド・ロティス)
店に入って最初にすすめられたのは意外なことにワイン。店主がわざわざフランスのジョスメイヤー醸造所まで出向いて、「すし哲」の寿司やお造りに合うようにオーダーしてきた特注の白ワインです。「フルールド・ロティス」(グラス税込1,000円、フルボトル税込6,200円)と、「ビノ・オークセロア」(グラス税込930円、フルボトル税込5,200円)の2種類があります。
▲この日は左奥から時計回りに、「ぼたんえびの味噌煮」、「あんこうの友酢和え」、「やわらか煮だこ」、そして店名入りの玉子
続いては、店のおすすめをまとめた3点盛り(時価※この日は税込3,456円)をオーダー。敢えて生ものは外し、火を通した3品を集めています。中でも「やわらか煮だこ」は店主自慢の逸品。噛んでいるうちに舌の上でスッと消えていくような柔らかさです!
▲「どう、美味しいでしょう?それじゃ寿司を握っていきましょう。」と店主の白幡泰三さん

さぁ、ついに来ました!店の看板メニューとも言える「すし哲物語」!有田焼特有の発色のよい陶器の質感と、寿司のしっとり感が相まって、まるで美術作品のようです。
▲「すし哲物語」(税込3,980円)。季節によってネタは変わります。この日は、下段右よりイクラ、ぼたんえび、ウニ、トロ、ヒラメ、ひがしもの、アワビ、ホッキ貝、子持ち昆布、煮だこ、玉子、穴子。「ひがしもの」は塩竈のブランドマグロで、三陸東沖漁場で獲れる極上のメバチマグロです
ネタは店主が毎朝3時頃にその日の水揚げや入荷状況を市場に確認して仕入れているそう。「港に上がったものを直接仕入れられるのが、塩竈のいいところだね」。シャリは県産のササニシキ。ほかの米よりも粘り気が弱く、口に含んだ時のパラッとほぐれていく感触が堪りません。
▲「旬のものは、その時期を変えたりすることはできませんからね(笑)。季節ごとに地元のネタをいかに美味しく味わっていただけるか。私が大切にしているのはその部分です」
▲この日の〆のデザートは苺のシャーベット(「すし哲物語」の料金に含む)。寿司にデザートを付けるのも、この店が始めたスタイル
寿司に合うオリジナルのワイン、陶器の皿盛り、デザート付き、と実は寿司業界のイノベーターでもある「塩釜すし哲本店」。「いろいろ考えますけど、選ぶのはお客さまですから」と謙虚に話す店主の笑顔が印象的でした。

三陸、塩竈、七ヶ浜などの厳選ネタを堪能!
鮨しらはた

▲塩釜すし哲本店から徒歩すぐ。3階建ての立派なお店です
松島湾のカキ、七ヶ浜のヒラメ、閖上(ゆりあげ)の赤貝、亘理のホッキ貝、三陸エリアからはアワビ、ウニ、ぼたんえび、そしてマグロにイワシなどなど…。この店では寿司を通じて宮城県の海の幸の充実ぶりを実感できます。店内に貼られた「おすすめ」は旬のものばかり。こちらも要チェックです。
▲この日の「刺し盛」(時価※この日は税込3,456円)は、マグロ中トロ、子持ち昆布、ぼたんえび、手前はつぶ貝、左はアイナメ
まずは「刺し盛」からいただきます。寿司屋の刺身はやはり一味違います。国内有数のマグロ水揚げ漁港を擁する塩竈なだけに、マグロは刺身でも是非味わっておきたいですね。この中で珍しいのは籠に入っている子持ち昆布。数の子で昆布を挟んだもので、このままポリポリといただきます。
▲人気メニューのひとつ「あじの俺んち風タタキ」(税込930円)。柑橘系のダシでさっぱりとした味わいです
▲1階にはカウンター席のほか個室、2階にはカウンター席、テーブル席、座敷席があります
▲「しらはたのおまかせにぎり」(税込4,200円)。内容はその日の仕入れ次第。この日は、上段右から、漬けマグロ、マグロ中トロ、マグロ大トロ、中段右から、ウニ、イクラ、アワビ、ホッキ貝、アイナメ、下段右から、アジ、ぼたんえび、煮だこ、穴子。もちろん玉子も付きます
マグロは3種類を味比べ。貝も2種類入っています。煮だこはとろけるような柔らかさで、穴子はふっくらとした食感を楽しめます。「火を通すネタで寿司屋の技量が分かる」という説がありますが、どうやら本当のようです。陶器に盛り付けられた寿司の美しさも「すし哲」には負けていませんね。
▲汁ものが欲しくなったら「毛がにの味噌汁」はいかがでしょう(税込450円)。口いっぱいに濃密な旨みが広がります
▲「どうです?お気に召しましたか?」と店主の白幡邦友さん。「はい、握りの大きさも食べやすいサイズで、とっても美味しいです」
この店は昭和61(1986)年に「すし哲」から独立したそうで、店主同士、実はご兄弟。無料駐車場が兼用なのも頷けます。両店とも似ているといえば似ていますが、違うと言えば違います。どちらを贔屓にするかは、実際に行って食べてみるのが一番です。

店の外観はモダンでも創業約90年の実力派
亀喜寿司

▲国道45号線沿いにあり、車でも入りやすい立地です
最後に紹介する「亀喜寿司」は、老舗の風格を漂わせてもおかしくない名店ですが、リーズナブルな価格帯のメニューも豊富。カジュアルに寿司を楽しめるお店です。カウンター、テーブル席、小上がり、個室と席の種類もいろいろ用意されているほか、「お子様寿司(税込810円)」などもあり、ファミリー層にも人気です。仕入はもちろん塩竈を中心に、その日の最高のネタを揃えています。
▲「寿司屋では寿司職人との会話も楽しんでください。どの店主も話は面白いですよ」。と語る店主の保志さんの寿司談義もまた面白い
▲「それでは自慢の握りを食べていただこうかな」。握りの仕上げ、穴子にタレを塗ります
▲この日の「季節の盛り合わせ」(税込3,456円)。ネタは季節によって変わります。前列上から、白子、ムラサキウニ、イワシ、ぼたんえび、穴子、奥列上から玉子、ずわいがに、ホッキ貝、ヒラメ、本マグロの熟成トロ
この内容は冬~春頃まで。夏からは、シャコ、ウニ、アワビが入り、穴子は旬を迎えるのでますます美味しくなるそう。秋になると宮城県でも地元名産品としてプッシュしている「ひがしもの」や、サンマ、キンカサバなどに入れ替わります。季節が変わる度に食べてみたい一皿です。
言葉を添えると、もっと寿司を楽しめるんですよと店主。「その魚を漁師がどうやって獲ったとか、漁場のロケーションの話とかをすると、より味のイメージが膨らみますよね。五感で味わっていただければ嬉しいです」。
▲そして〆のデザートはベイクトチーズケーキ…?
この店で見逃せないのが、ケーキのような「すり身入り玉子焼き」(1切税込324円)。実はこれ、玉子焼きなんです!材料はタラのすり身と卵のみで、調味料ですら使っていません。1ホール作るのに3時間もかかるそうで、「でも、お客様に『これ?なに?』と驚いていただきたくて、わざわざこの形にしているんですよ(笑)」。
▲食べてみるとびっくりするくらいふわふわ!確かにほんのりと魚の「甘み」がします
美味しい握り寿司に遊び心の利いた卵焼き、そして何といっても親しみやすい大将の保志さん。魅力いっぱいの亀喜寿司、塩竈でもトップクラスの名店でした。
塩竈の寿司屋はなぜもれなく美味しいのかを亀喜寿司の保志さんに訊いてみたら、「それは単に仕入れ先に恵まれたロケーションにあるからだけではなく、どの店主もお互い切磋琢磨しているからですよ」とのお答え。なるほど。塩竈の寿司職人の心意気と、技の奥の深さに触れたような気がしました。

本当に美味しい寿司を食べてみたいという方は、東北きっての寿司激選区である塩竈にぜひ一度行ってみることをオススメします!
さとう謙一

さとう謙一

アパレル業界から脱サラし2002年頃から断続的にフリー執筆者。企画、編集、指導もこなす。 これまでの担当件数は約6,000件、現地取材は東北地方を中心にのべ4,000カ所を超える。趣味はロックバンド活動と犬の動画を見ること。特撮オタクでもある。仙台市出身&在住。

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