火おこし体験もできる!仙台の「縄文の森広場」でタイムトラベラー気分

2017.05.08 更新

およそ1万5000年前に始まり、約2300年前まで続いたとされる縄文時代。今回ご紹介する「縄文の森広場」は、宮城県仙台市にある約4000年前(縄文時代中期)の「山田上ノ台(やまだうえのだい)遺跡」を保存・活用した文化施設です。大昔の人々はこの地域でどんな暮らしを送っていたのか?遺跡と展示物の見学の他、火おこしなどの体験も通して、みえさん、あきくん親子に楽しく体験してもらいました。

まずは縄文時代を再現した「野外展示」を見学

「縄文の森広場」は東北道仙台南ICから車で約5分。広さはおよそ3ヘクタールもあります。屋外は「野外展示」場となっていて、竪穴式住居や動物用の落とし穴などもあり、縄文時代っぽい雰囲気満点!
さらにクリやコナラといった木々を植栽し、当時のムラの様子を細部まで再現しています。また、広場の西側では実際に発掘調査を行うことも。ちなみにこの広場は一般の公園のように利用は無料で、竪穴式住居などの見学も自由です。
▲今回、案内してくださる学芸員の鈴木さんとご挨拶。「よろしくお願いいたします」。事前に申し込めば誰でも案内してもらえます(無料)

竪穴式住居の「お宅拝見」

広場に建つ竪穴式住居は3棟。大きさは違いますが、いずれも地面を掘って床を作り、木製の柱で屋根を支える構造です。3棟とも調査と研究に基づいて復元されたもので、屋根には土がのせられ、ここでは骨組みの木材にクリを使っています。
▲では右の一番大きい住居に入ってみましょう
入口を入るとすぐ、床には石や土器が配置されています。
「これは炉です。ここで火を焚いていたんですよ」(鈴木さん)。煮炊き、暖房、照明などの役割を果たしていたそう。炉の上はロフトのようになっていて、燻製を作ったりしていたとも考えられています。「大昔から食料保存の工夫があったんですね」(みえさん)
▲木材を使った骨組の様子も分かります。「こういうところで暮らしていたのかぁ」(あきくん)
▲住居の前には地面を掘ったような跡が点在。「あれはなんだろう?」と、あきくん早速気になったようです
広場にはいくつかの穴があります。でも只の穴ではありません。土器を焼いた穴や粘土を取った穴なんです。これらを調べることで、縄文時代の人々の暮らしが推察できます。「穴ひとつからでも色々なことが分かるんだね。」(あきくん)
みえさん「それは動物の落とし穴だって」
あきくん「へぇー。小さい穴だから、小動物用かな?でもこんな仕掛けで落ちるのかな?」
いろいろと想像するのもだんだん楽しくなってきます。
▲ここは壊れた道具や食料の残りを捨てた場所です。単にゴミを一カ所に捨てるのではなく、自然にものを帰す「もの送り」の場でもあったと考えられています
縄文時代を復元している「野外展示」場だけに、生えている植物もとっても重要。高木ではクリ、クルミ、トチ、コナラ、低木ではタラノキ、ガマズミ、草本ではササ、キキョウなどを植栽しています。広場で採れた木の実は、各種イベント時に出すコーヒーやクッキーに使うこともあるそうです。
▲「これはトチですね。ムラでは実の成る木を選んで栽培していたんです」(鈴木さん)

次は「ガイダンス施設」で展示資料を見てみよう

「ガイダンス施設」には、山田上ノ台遺跡についてわかりやすく説明している展示室(一般200円、高校生150円、小中学生100円※全て税込)、広場に面した体験工房、体験用の教室、展望休憩室があります。各種体験はこの施設の中で行われ、2階にある休憩室の利用は無料。家族揃ってお弁当持参で遊びに来て休憩室で食べる、という過ごし方もおすすめです。
▲ガイダンス施設。壁画のモチーフは、ここで出土した「頭がハート型の土偶」
▲施設に入るとエントランス脇には縄文時代風の記念撮影用衣装が(着用無料)。記念撮影にぴったり
▲ガイダンス施設前でパシャリ
▲エントランスにも縄文文化に関する資料などが展示されています
エントランスの展示資料を一通り見学したら、受付で入場料を払い展示室へ。体験のチケットは別売りなので、体験も行うと決めている場合はここでチケットを一緒に購入しておくとスムーズです。
▲人形や小物を使って竪穴式住居を再現。先ほど見てきた実物と重ね合わせてみると、納得度も違います
▲山田上ノ台の縄文時代のジオラマ。2基のモニターには解説映像が流れています
▲ジオラマのどこかに、この施設のイメージキャラ「ハナちゃん」が隠れています。モニターをカメラのように操作して探しだせるかな?
▲本物の縄文土器にも触ることができます。「ほんとに縄の模様が付いているんだぁ」(あきくん)
▲広場に植えてあった木の実なども展示。植物も当時の食生活を調べる重要な資料のひとつです

お待ちかね!「縄文ワクワク体験」に挑戦!

縄文の森広場では「縄文ワクワク体験」と称して「土器をつくる」「火をおこす」「土笛をつくる」など16種類の体験メニューを用意しています。これらに挑戦してみると、当時の暮らしや人々の考え方などを追体験できます。
▲体験する教室に続く廊下に、体験内容を紹介する掲示板があります。今回はコースター作り、アクセサリー作り、火おこし体験の3つをセレクト
▲初めて体験するメニューの場合だと、体験の前に「体験カード」にスタンプを押してもらえます。スタンプを全部集めると縄文時代ゆかりのグッズがもらえます
▲教室に入ったら道具を準備。「道具の出し戻しは体験者に行ってもらいます」(鈴木さん)
▲準備できました。作り方は職員さんが教えてくれます
▲あきくんは「編布(あんぎん)コースターづくり」(税込100円)、みえさんは「石のアクセサリーづくり」(税込100円)にそれぞれ挑戦してみました
▲日本最古といわれる編み方を夢中で実践
▲織り機から外して糸の始末をします。もうすぐオリジナルコースターの完成です
続いてアクセサリー作り。
▲「滑石」という小石を自分の好きな形に削ります
▲ドリルで穴をあけ、やすりで磨き、紐を通せばペンダントの出来上がり
今回の所要時間はふたりとも45分間ほど。作品は持ち帰れます。お互いの作品を見て思わず笑みがこぼれます。
次は体験工房に移動し、火おこし体験(税込100円)にもチャレンジ。横棒を上下させると縦棒が回転し、台に摩擦を起こす仕組みです。リズミカルな動きがポイント。
▲「あ、煙が出てきた!」
▲麻紐をほぐした繊維に煙が立った火種をつつんで、ふぅ~っと息を吹き込むと
▲火がつきました!「やったぁ!」。思わず歓声が上がります

「体験を通じて縄文時代を身近に感じてほしいです」

「大きな土器なんかを作ってみると、縄文時代の人々と、その作業の苦労を共有できたような気分になるんです(笑)。そうすると、すごい大昔の人なんですけど、身近に感じられるというか。そういうところから歴史に親近感や興味を持ってもらえると嬉しいですね」と鈴木さん。
また、宮城県内に数ある遺跡の中でも、ここ山田上ノ台遺跡は「山も川もある暮らしの遺跡」として、学術的にも貴重な遺跡だそうです。
▲「これをきっかけに未来の考古学者が産まれたらいいなぁ、なんて思っています」(鈴木さん)

お目当ての体験を終えたら2階の「展望休憩室」で一休み。大きな窓からは施設周辺の山並みまで一望できます。窓の反対側には仙台市周辺の縄文遺跡に関する資料なども展示。ここで縄文文化に興味を持ったなら、仙台の遺跡めぐりに出かける、なんていうのもいいですね。
▲「今日はありがとうございました」。「また来てくださいね」

縄文時代へのタイムトラベル、いかがでしたか?なんといっても本物の遺跡を保存・活用している施設ですから、体験中の臨場感が違います。また、縄文時代の人々も私たち現代人と同じように、名取川で魚を捕まえて太白山(たいはくさん)で木の実を採っていた、なんていうことを教えてもらうと、いろいろな想像が膨らんでますます楽しくなりました。
▲「今度はこんなのも作ってみたいなぁ。また来ようね!」

「縄文の森広場」には姉妹施設「地底の森ミュージアム」があります。こちらの遺跡は縄文時代よりずっと大昔の旧石器時代(今から約2万年前)の体験をすることができます!入館料は一般460円、高校生230円、小・中学生110円(※全て税込)。お得な共通入場券もあります。場所は同じ仙台市太白区内、車でたった約15分の移動でタイムトラベルをさらに1万6000年前までさかのぼってみてはいかが?
さとう謙一

さとう謙一

アパレル業界から脱サラし2002年頃から断続的にフリー執筆者。企画、編集、指導もこなす。 これまでの担当件数は約6,000件、現地取材は東北地方を中心にのべ4,000カ所を超える。趣味はロックバンド活動と犬の動画を見ること。特撮オタクでもある。仙台市出身&在住。

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