京都・西陣近くの町家で、雅な音を奏でる「箏(こと)」を体験!

2017.04.03 更新

日本の伝統的な和楽器である「箏(こと)」。お正月のメロディーなどで、その音色は耳にしたことがあっても、実際に弾いたことがある人は多くないはず。そんな箏を京町家で演奏できる教室があるということで、早速体験してきました!

築110年余!京都・西陣近くの京町屋は風情満点

今回訪れたのは、上京区にある「箏春庵(そうしゅんあん)」。西陣織りで知られる西陣エリアの閑静な住宅街にある教室で、日本の伝統楽器「箏」の演奏を体験することができます(1人6,000 円、所要時間約80分、要事前予約)。
教室は、築110年余のいわゆる京町家。一時は空き家になっていたものを改装し、現在は教室として利用しているそうです。
▲玄関を入ればこぢんまりした土間が
奥に長い部屋の作りは、まさに京町家ならでは。積み重なった時間がかもし出す、どこか懐かしい雰囲気を感じます。

千年の歴史を持つ伝統楽器「箏」に初めて触れる

箏は奈良時代から平安時代に唐から伝わりました。枕草子、源氏物語などの古典文学にもその音色についての記述があり、当時から貴族などの間で雅楽を演奏する楽器の一つとして使用されていたようです。

初めて見る箏は思いのほか大きく、長さは180cm、重さは6kgほどもあります。弦の下にある白い器具は「柱(じ)」と呼ばれる音階を変えるためのものです。曲目によって位置を調整して演奏します。
箏の弦の数は13本。10までは同じですが、11は斗(と)、12は為(い)、13は巾(きん)と数えます。これは箏独特の数え方だそうです。
弦は手前が高音、奥が低音になっています。弾き方も独特で、低音に下がる時は押し出すように弾き、1本奥の弦で止まるようにします。

ちなみに「こと」と言えば「琴」をイメージする方も多いかもしれませんが、箏と琴は全く別の楽器です。琴は先述した柱がなく、ギターのフレットのように左手で弦を押さえて演奏をします。
こちらが箏用の楽譜。縦譜と呼ばれる箏楽独自のものです。流派によっては横書きのものや五線譜のようなものもあるそう。

今回チャレンジする楽曲は「さくらさくら」。誰もが一度は耳にしたことがある、馴染み深いメロディーですね。

手取り足取り、時に優しく時に厳しく。箏体験スタート!

今回教えて頂いた先生は、代表の島崎春美先生(写真右)とそのお母様の錦綾子(にしきあやこ)先生(写真左)。綾子先生はこの道なんと50年以上。そして春美先生は、綾子先生のおなかの中で箏の音を聞いて育ったというまさにサラブレッドです。

幼少期はピアノを学ばれていた春美先生。当時は箏を弾く気はなかったそうですが、いつしか生まれた場所である京都の良さや箏の音色の美しさに気づいたそう。その後東京の高名な先生に弟子入りし、箏を学ばれ現在に至ります。
「それじゃあ、早速弾いてみましょか」と春美先生。教室に、美しい音色が響きわたります。想像よりもクリアで大きい音。なんともいえない雅な雰囲気です。
春美先生の解説と、お手本の演奏を聴いたらいよいよ練習スタート。まずは弦を弾くための爪をチョイスして装着。右手の親指、人差し指、中指を使うので、サイズにあったものを選びます。
弦を弾くのは柱の右側。基本は楽譜に書かれている漢数字の順番に弾いていきます。西洋楽器とは異なり、普通に弦を弾いて出せる音階が少ないので、無い音は柱の左側をグッと押さえ、音を変化させて弾きます。
「違う違う、こっちやなくて、こういう風に弾かんと」。手取り足取り、先生の熱心な指導がはいります。
練習に励む二人。最初は戸惑いがちでしたが、繰り返し音を出していると、だんだんとメロディーが形を成してきました。
春美先生から「じゃあ、そろそろ本番、いってみましょか」の声。

いよいよ、練習の成果を見せる時!

1時間ほどのレッスンでここまで弾けるようになりました。ぜひお聞きください。
…いかがでしたか?
かなり弾けるようになりましたよね!?
先生いわく「もう少し時間あったら、私との連弾もいけそうやね」とのことでした。最後はみんなで仲良く記念撮影。

風情ある京町家で、いにしえより伝わる和楽器を奏でる貴重な体験。ぜひチャレンジしてみてください。「箏が弾けるの!?」と友人からのリスペクトを集められるかもしれませんよ!
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP