十二単で平安貴族に変身!京都で平安装束体験

2017.05.30

平安時代から続く千年の古都・京都。十二単(じゅうにひとえ)をはじめとした本格的な平安装束の着付け体験ができる施設が京都市伏見区にあると聞き、早速体験してきました!豪華絢爛な平安装束の世界をお届けします。

本格的な平安装束を着て、源氏物語の世界へ!

平安時代、貴族たちが着用していた平安装束。なかでも十二単は女性のあこがれの存在で、一度は着てみたい!という方も多いはず。宮中に仕える女房たちの正装で、当時は「女房装束」「裳唐衣(もからぎぬ)」などと呼ばれていた十二単。少しだけ表に出した裏地の色を、さまざまに組み合わせることで美しさを表現し、重ねる色(重ねの色目)によって様々な意味合いがあるため、女性の教養をあらわすものでもあったそうです。
そんな奥深い十二単の世界が楽しめると、訪れたのが株式会社弥栄(いやさか)が運営する「平安装束体験所」。宮廷衣装研究家の福呂一榮(ふくろかずえ)さんがプロデュースした平安装束が多数揃い、平安時代の宮廷内をモチーフにした座敷(スタジオ)で撮影などができる人気の施設です。
▲宮廷衣装研究家の福呂一榮さん(写真右)

歴史や有職(ゆうそく)の専門家とともに、平安時代はもとより後の時代の宮廷衣装まで幅広く徹底的に研究している福呂さん。現代の祭礼・儀式でのご奉仕や芸能人への衣装提供などでも活躍されています。まさに「平安装束(衣装)のプロフェッショナル」ともいうべき福呂さんがプロデュースした本物の平安装束が着られるとあって、国内のみならず海外からも多くの方々が体験に訪れているそう。そんな本格的な体験を前に、胸がだんだんと高鳴ってきました!
まずは控え室で受付後、体験の流れについて説明を受けます。今回体験するのは「平安装束体験プラン」。男性は直衣(のうし)、女性はもちろん十二単をチョイス。

衣装はすべて丹念に調べられた歴史・有職に基づいて作られています。生地づくりや手縫いの仕上げにもこだわった“本物“でありながら、現代人の体型に合わせたサイズ設定で背の高い人やふくよかな人でも対応可能な衣装になっているそう。
続いて衣装選びの間にて、装束を選びます。色とりどりの衣装を、どう組み合わせて良いか悩みます…。

現代の訪問着のような全体に1つの絵柄を施した着物とは異なり、同じモチーフの柄が均等に繰り返されるのも平安装束の特徴のひとつ。花鳥をモチーフにした丸紋や、唐草文様などが地紋として織り込まれています。

好みの柄や色がある場合はそれに基づいたコーディネートを、特に希望のない場合は色あわせや柄の由緒などの解説をしていただきながら一緒に選んでもらえます。博識な福呂さんの解説を聞けるので、悩む時間もまた楽しいひとときです!
本日着る順番に衣装を並べてもらいましたが、とってもカラフルですよね。
当時、宮中は蝋燭(ろうそく)の明かりなどしかなく薄暗かったため、カラフルでハッキリとした色使いをしていたのではないかということで、このような豪華な色使いを再現しているのだそうです。
メイクは、現代風の通常メイクでもOKですが、希望すれば平安風のメイクも可能です(プラン料金内)。プロ仕様のメイク用品で美しく仕上げてもらえます。また、美容院等でヘアメイクをしてからの着付けも可能です。

メイクの後は、いよいよ着付けに入ります。
着付けは二人がかりで行うため、一人ずつ順番に行います。まずは男性から。
▲美しい衣装に、思わず真剣な表情に

オレンジ色の衣装は繁菱単(しげびしのひとえ)といい、当時は肌着のように着ていたもの。繁菱の紋が入っていますが、青々と茂る菱は生命力の象徴と考えられていて、長命や繁栄の祈りが込められていました。
続いて、上に雲鶴丸文(うんかくまるもん)の袍(ほう)を重ねます。雲鶴は、雲と鶴を組み合わせた紋で、格式高いものだそうです。
プランでは、青色、薄紫、紺、シルバー、白の5色の中から、好きな色を選ぶことができます。今回は薄紫のものをチョイスしました。
男性の着付けが終わったら、次は女性です。

小袖(こそで:和服用の下着の一種)の上に着ているのは、萌黄色(もえぎいろ)の幸菱(さいわいびし)の単(ひとえ)。こちらも紅、黄色などから好きな色を選ぶことができます。
次に重ねるのは正倉院文様の宝相華の白梅重ねの三衣です。白と紅梅のピンク、下の萌黄色と、系統の違う色を重ねながらも、最終的には全体が調和した色合いになっていて、平安時代から続く日本人の色の感性の豊かさに感動を覚えます。
続いて亀甲地向蝶文(きっこうじむかいちょうもん)の黄色の表着を、
さらには亀甲地二向蝶文の蘇芳色(すおういろ)の唐衣(からぎぬ)を重ねていきます。
最後に、三重襷文(みえだすきもん)に桐竹鳳凰(きりたけほうおう)の青刷りのしてある裳(も)を纏えば、着付けは完成です。

「実際に着てみると、腰にぐっと重みを感じます。でも動けないほどじゃないですね」とモデルさん。現代の着物と比べてもゆったりとしたつくりなので、締め付けもなく快適な着心地だそうです。
「実は、十二単なのであと何枚着ないといけないの~?と思ってました(笑)。着てみると色合いも明るくてカラフルで、めっちゃステキですね!」
紋の色と生地の色がうまく調和してとってもいい感じ。平安貴族の雰囲気、バッチリでてますよ~!

気分はまさに平安貴族!持参したカメラで記念撮影

▲男性は烏帽子(えぼし)を被り、女性は手に檜扇(ひおうぎ)を持ちます

二人の着付けが完了したら、いよいよ撮影タイム。このプランでは、マイカメラやスマートフォンなどで50カットほど撮影をしてもらえます。

まずは正面から一枚。千年の時を越えて、平安時代の空気が蘇ります。
新築の真新しい体験の間は天井が高くとられていて、余裕のある造りに。室内の設えなどは当時を再現しつつも、現代人の身長サイズに合わせた設定になっています。
また、畳の縁は平安時代の宮廷で実際に使われていた紋を再現したものだったり、江戸時代の有名書家の手による日本書紀の序文が書かれた掛け軸が飾られていたりと、ディテールにもこだわりが。まるで平安時代にタイムスリップしたような気分で写真をとることができます。
▲希望があれば平安髪のかつらの使用もOK。まさに平安の姫気分♪
▲二人での写真のほか、男性女性ともソロでも写真撮影してくれます
源氏物語でも知られたように、ロマンスも盛んだった平安時代。当時、女性にとって直接顔を見られることはとても恥ずかしいことだったようで、写真のように檜扇をかざし、恋しい男性と逢瀬を重ねていたそうです。
▲記念写真プランの一例

今回体験した「平安装束体験プラン」のほかにも、プロのカメラマンが撮影してくれる「記念写真プラン」もあります。こちらは約150カットのデータ、17ポーズの写真をおさめたアルバムがセットです。
「記念写真プラン」でしか撮影できない金屏風前では、まるで雛飾りのような写真を撮影することができます。
1200年もの間、脈々と受け継がれてきた伝統の衣装。研究に基づいた「本物」の平安文化を肌身で感じられる、ここでしかできない体験は、きっと特別な思い出になるはずです。
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

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